一つ目鹿(Hitotsumejika)


インターネット上で語られた話に登場する牝鹿。

ある者が友人達と山小屋を借り、そこに備え付けてあった金網で焼肉を食べた。
その日の晩、外から音が聞こえてきたので見に行くと、一頭の牝鹿が焼肉の金網を舐めていた。
皆で近づいても牝鹿は一向に人目を気にせず悠然と金網を舐め続けていた。
よく見ると、なんとこの牝鹿は額の中央に赤い目玉が一つだけ付いているという奇妙な姿をしていた。
そして、一つ目玉の牝鹿は周りの人間のことなど気にも止めず、十分に金網を舐めると満足げに去っていった。
これは、その目撃者が先輩にこの体験談を話し、それを聞いた先輩がインターネット上に書き込んだ又聞きの話である。
この一つ目鹿はどこからやってきたのか、なぜ金網を舐めていたのか、新種の動物なのか妖怪なのか神なのか、こちらから手出ししない限りは無害な存在なのか、その全てが謎に包まれている。

参考文献

 朝里樹『続・日本現代怪異事典』324頁

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最終更新:2023年09月10日 05:13