カイラゲ(Kairage)


石川県に伝わるもの。
カイラゲは岩と見紛う皮膚に人が飛び乗ってもびくともしない頑強な体を有する海の怪物である。
その名は刀の装飾に用いる梅花皮(カイラギ)から来ていると思われ、おそらくこのカイラゲも鮫のようなものだと推測される。
昔、石川県輪島市門前町に位置していた七浦村の下方の海にカイラゲが現れたとされる。
樽見の刑部に住む主人が海岸からいくつかの飛び石を渡った先にあった巨岩の上で釣りをしていたが、家に帰ろうとしたらなぜか飛び石が無くなっていたためどうすることもできないまま巨岩の上で悶死してしまった。その巨岩は刑部岩と名付けられ、現地の人々がその往時を偲ぶようになった。彼が渡ったのは飛び石ではなく海面に背中を並べていたカイラゲだという。

参考文献

 石川県七浦小学校同窓会『七浦村志』142頁
 朝里樹/怪作戦テラ/毛利恵太/高橋郁丸『日本怪異妖怪事典 中部』97頁

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2023年10月09日 16:25