鬼灯人間(Hōzuki Ningen)
ホオズキ
ニンゲン。
江戸時代の遊び絵『ほふづきづくし』に描かれたもの。
鬼灯人間は萼を広げられた鬼灯の実のような姿をしており、鬼灯の実と同じく緑色のものと橙色のものがある。
杖や薙刀や編笠などを持っていたり、柵や灯篭などの人工物を建てたり、相撲・腕相撲・首引き・禊などの高度な行動も確認されていることから、この鬼灯人間が人間と同じ知的生命体であることは明白である。
鬼灯人間たちの中には、大百足と戦った俵藤太・八艘飛びをした源義経・五条の橋の武蔵坊弁慶といった豪傑たちまで存在する。そして人類のみならず、俵藤太と戦った大百足も全身が鬼灯の実で構成された鬼灯百足であった。
鬼灯人間が幽霊に怯えて腰を抜かす姿も確認されているが、なぜか幽霊は鬼灯ではなく玉蜀黍の姿をしていた。幽霊の正体見たり枯れ尾花という言い回しが人間界にあるように、鬼灯人間が玉蜀黍を幽霊と見間違えたのかもしれないが……。
参考文献
福田繁雄/稲垣進一『江戸の遊び絵』56頁
最終更新:2023年10月14日 02:37