キャッシャ(Kyassha)


インターネット上で語られた怪談に登場する魔物。
キャッシャは葬式の時に女性の遺体とその魂を盗んでしまう魔物とされ、これに遺体を盗まれた家は二度と栄えることができなくなってしまう。
キャッシャに気に入られた者が亡くなるとキャッシャがその家にやってくるため、キャッシャと仲良くなることも禁忌とされた。
キャッシャがどういう姿の魔物なのかは不明だが、変身能力で近所の知り合いの姿に化けて人を騙すこともある。
キャッシャは火車が訛ったものであるという考察もあり、火車のことをキャシャと呼ぶ例なら岩手県や静岡県などにあるという。

とある小さな村には女性の遺体をキャッシャから守るための風習がある。
それによれば、女性が亡くなって葬式となった日の夜には年毎に決められた10人の男性が番人として集まり、酒盛りをしながら蝋燭や線香を絶やさずに燃やし続ける。
その時に使用する蝋燭は仏像を崩したような形にした彫刻となっており、10人の番人の中でもっとも若い者が彫らなければならない。
水場や窓には様々な魔除けの品が厳密な飾り方で設置されており、番人たちには魔除けが外れたりしないように見張る役目もあるため、番人たちの中の若者たちが1時間に一回の頻度で見回り、もしも魔除けが傾いたりしてしまっていたら直ちに年配者に報告して飾り直さなければならない。
そして、その夜は決して番人以外の者を家の中に入れてはならない。
細かい決まりは他にもあるらしいが、とにかく火や魔除けに不備があった場合はキャッシャが遺体を狙って家に入り込むことになる。

参考文献

 朝里樹『続・日本現代怪異事典』111頁

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最終更新:2023年11月11日 01:04