モマ(Moma)
ムササビのこと。
熊本県では、モマは煙を食べにやってくるという俗信が伝わる。
大分県臼杵市では、モマは竹藪におり、夜になると宙を飛び、人間が絞め殺される時のような声でギャーッと鳴くとされる。
宮崎県では、川狩に行った時にモマの声を聞いた場合は大急ぎで家に帰るという俗信がある。
高知県での出来事が記された『土佐化物絵本』によれば、モマは風呂敷のような姿だが四隅に手足があり、数百年生きたものは人間に飛びかかって息を止めてから血を吸って殺害する恐ろしい存在とされる。同じく高知県に現れた『絵本集艸』のモマは人語を話すものとして書かれている。
参考文献
朝里樹/闇の中のジェイ『日本怪異妖怪事典 九州・沖縄』132, 224, 274頁
朝里樹/毛利恵太『日本怪異妖怪事典 四国』235頁
最終更新:2023年11月30日 01:54