ゾンビ看護師

学校を舞台にした怪談の一つ。
夜中、学校へ行く生徒を追いかけると言うもの。

もともとは、1970年代に、埼玉県の上福岡(21世紀には「ふじみ野市」)第一中学校で夜中、校舎の西辺り、トイレの脇に「白衣を着た女性」が何人かぼぉっと立っているという噂が立ったもの。そこは第二次世界大戦中、アメリカ軍による空襲があったところで、その負傷者の看護にあたり死亡した看護婦の亡霊が出るのではと言われた*1

 それが書籍として発表された頃とほぼ同じ頃に、埼玉県の第三中学校で、「手押し車のようなものを押す看護婦の霊」が出るという話が発表され、結構流通した。その頃、怪談を語るマニュアルが流通しており、メディア(おこさんがやる)で、誰ぞが整え、「学校へ夜中行った生徒」が「何かを押す幽霊」に追いかけられ、トイレに籠るが、という形で全国へ広まった*2あと、看護婦はゾンビとされ、さらには「看護師」と言われたらしい*3

 香川県の善通寺市にある大学では、いろいろあって看護婦の幽霊が、「首のない患者」を車いすへ乗せて出るといわれる*4

資料


朝里樹『日本現代怪異事典』
JICC出版『現代怪奇解体新書』
高橋克彦編『名随筆集 別巻64 怪談』所収岩川隆『現代の怪奇・幽霊譚』
氷厘亭氷泉『日本怪異妖怪事典 関東』
『日本怪異妖怪事典 四国』

平野威馬雄『お化けの住所録』

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最終更新:2025年09月29日 16:38

*1 高橋克彦編『名随筆集 別巻64 怪談』所収

*2 『現代怪奇解体新書』

*3 朝里『日本現代怪異事典』224頁

*4 『日本怪異妖怪事典 四国』109頁