ニコラ・フラメルまたはニコラス・フラメル(Nicholas Flamel、1330年-1418年)金属変成や、賢者の石の製造に成功したとされる錬金術師。多数の錬金術書の著者であり、フラメルが1407年にパリに建てた家は現在もパリで最も古い建物として残されている。(所在地は51,ruedeMontmorency、現在はレストランになっている)フラメルは異国人から、ギリシャ語とヘブライ語で書かれたカバラの秘法書を得ていたとされている。後に彼はアンダルシアの大学へおもむき、ここでユダヤ人の師に学んでこの秘法書に書かれた奥義を獲得した。スペインから帰国後は、旅の間に得た錬金術の技術によって財を成し、教会や病院、救貧院などへの多くの援助を行った。こうした寄進や慈善事業の記録など、フラメルの実在を証明する文献資料が現在も残されている。フラメルがパリのサン・ジノサン墓地に寄進したアーケードに彫刻されている錬金術の寓意図は後世にも頻繁に引用されるなど、彼の著作は古典として多くの錬金術師に尊重されていた。賢者の石の製造により不死となったという伝説も残されている。フラメルの妻ペレネルも、夫とともに錬金術作業を行ったことで知られる。中世以降の欧州で錬金術作業に女性が関わることは稀であった(実際多くの場において関与を禁じられていた)ことから、フラメル夫人は希有な例とされている。