ホムンクルス(Homunculus)


 ホムンクルス(Homunculus)は、人工生命体の一種とされるもので、ヨーロッパ錬金術師が課題としたものである。また、その人工生命体を生み出す作業を指すこともある。

 パラケルススの記したよく知られる製法は、次のようなものである。
 人間の精液、数種類のハーブ、馬糞をフラスコに入れて密封し、馬糞が発酵する温度を保つ。そのまま四十日経過させると、フラスコの中に人間の形をした透明なものが出現するが、これはまだ実体をもっていない。これを完成させるためには、毎日人の生き血を加えつつ、さらに四十週間、馬の胎内の温度を保って培養する必要がある。
 このような作業を経て完成した人工生命体は、人間の子供を小さくしたような姿をしている。また、生まれながらにしてあらゆる知識を持っているが、生まれたフラスコの外で生きることはできない。

 この作業に成功したとされるのは前述のパラケルススのみである。なお、この作業手順および生命体は錬金術の奥義を象徴的に記したものであり、字義通りに受け取るべきではないとする解釈が有力である。

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最終更新:2005年08月15日 19:05