第1作目 右回りカプサイシン
第1作目ルール
- 1人の書く量:多すぎず適量
- 連続して同じ人が書くべからず
- 落語というよりは小説に近い感じ
- 人が交代するときは、「#」で区切る
タイトル:右回りカプサイシン 三題『放課後の屋上』『開かない金庫』『激辛麻婆豆腐』
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草木も眠る丑三つ時、この日男が入った家には大きな金庫があった。ハイリスクハイリターンが魅力な男の家業は、世間からは泥棒と呼ばれている。専門はタンス。深夜にこっそり家に忍び込み、タンスを開けてお金を盗み出す。それが日常だった。けれど、今日の家はタンスの中には金が眠っていなかった。選ぶ家を間違えた、昼間この家に住んでる夫婦を見た時には、いかにもタンス預金顔だと思ったのだが、そう思い静かに外へ向かおうとしたとき、月の光がかすかにとどく部屋の角に黒い金庫をみつけた。金庫破りは専門外ではあるが、その不思議な魅力に思わず手を伸ばした。
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金庫のダイヤルを回すが、いっこうに開く気配はなかった。餅は餅屋であり、金庫破りは金庫破り屋なのである。そうは思いつつも、なかなかどうしてダイヤルにかける手を離せないでいる。一時間が過ぎ、二時間が過ぎ、明るくなった東の空がやってくる頃合いになってようやく男は、家をあとにした。そうだ明日は金庫破りのあいつを連れてこようと決めたところでこの日の家業は膜を閉じた。
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翌日深夜。「開きそうか、金庫破り」「おれを誰だと思っている。簡単だ、タンス破り」その言葉通り、ものの10分で金庫は開いた。「さあ、お披露目だ」そこにあったのは—―玉のような赤ん坊。「おい、どういうことだ」「おれに聞くな」「こいつに価値があるって?」タンス破りは赤ん坊を抱き上げてみた。「そうは見えん」
すると、赤ん坊がふいに顔を歪めた。「ふええ……」「まずい。泣くぞ!」家主にばれてはたまらない。二人は慌てて家を飛び出した。あんまり慌てたので、赤ん坊はまだタンス破りの腕の中。ちんこがついているので男児であった。「なんてことだ」タンス破りは頭を抱えた。「金庫から生まれた金庫太郎だ」
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最終更新:2026年07月23日 08:41