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狩人

楽しく刺激的<エンジョイアンドエキサイティング>に物事を行う、ワイアルドのモットーである。
故にワイアルドはこの異常な状況を深刻に考えることもせず、
これから行われるであろう祭典の趣向を凝らした特殊な前夜祭程度のものであると簡単に考えていた。
いや、彼とて前夜祭であるとしてもこの状況が異常であることは百も承知である、
だがしかし、それに何の問題が或るのだろうか。
犯せる女がいる、遊べる男がいる。
人間を捨て去り、望むままを行う者となった彼にとってはそれだけで十分なのだ。

故に彼は躊躇しない。

故に使徒は躊躇しない。

故に狂戦士は躊躇しない。


「いきなり……ごちそうじゃねぇか!」



彼の時代には存在しない疾走する鋼鉄。

それと遊ぶことを躊躇しない。



『ベンが完全武装している! 散様ァ! お逃げください! ────

叫びが合図であった。


叫びと同時に、三菱GTOに備えられた機銃がワイアルドへと目視不可能である速さの鋼鉄を放ち、


ワイアルドという人間が、人間の姿を捨て去り、おぞましい獣の状態へと成り、


主の安全を慮った叫びが、皮肉にも殺し合いへの皮切りとなった。




────死人が出ますぞォ!』





レナは躊躇しない。
レナは容赦しない。
レナは油断しない。

築いた屍共の愚かな失敗に学ぶまでもなく、全てが燃え尽きた日から彼女はそれを貫いている。
故に、彼女はかの邪智暴虐たるバイアス・グラップラー軍団を壊滅に追い込んでいる。
そしてこの状況でもそれは変わらない。

レナは躊躇しない。

森の中、三菱GTOを走らせている最中に男を発見する。
考えるよりも先に彼女は男を敵/的とみなし、ハンドルを切る。

レナは容赦しない。

ノラバルカンの射程距離に入った男へと電光石火の弾丸を放つ。
弱らせるような真似はしない、狙うは上半身全て。

銃口より弾丸が放たれた後の人間では目視出来るはずのない刹那、空気が凍りつくような異様な雰囲気を彼女は味わった。

放たれた銃弾の先に男はいなかった。

そこにいたのは獣──否、怪物であった。

人間の幾倍あろうかという、猿を思わせる巨体。
胸板のすぐ真上についた巨大な口。
両肩に1つずつ、口の上に1つ、計3つ、人の頭よりも巨大な目がついている。
それだけならばただの──遺伝子異常を起こした奇怪な獣程度で済んでいただろう。

だが、その巨体の頂点、頭部、その獣の脳髄が収められているべきであろう場所には、
先の男が生えていた──というのが最も適切な表現だろうか、
歪なバランスのケンタウロスであるかの様に男はそこで下劣な笑みを浮かべていた。

弾丸よりも疾き思考。

彼女は、レナは、ハンターは、あの怪物を討ち倒すことが出来るのか。




────勝てる。


恐るべき異形を相手に、彼女は己の勝利を確信していた。
油断などでは決して無い。

ただ単純に己の力量と相手の力量を比べただけなのだ。

レナは油断しない。

三十の賞金首を討ち倒し、
グラップラー軍団を壊滅させ、
人間の限界を超え続ける彼女は、

決して油断しない。

最強の人間と使徒の戦いが始まった。




果たして、それは戦いと言えるものだったのだろうか。
そこで繰り広げられていたものは故知らぬ他人が見たのならば、まるでくだらない茶番劇<バーレスク>

熱狂があり、怒りがあり、歓喜があり、殺意があり、
だが、そこに血の一滴も流れることはなかった。

近代の暴力によって容易く討ち倒せるはずの使徒の体に傷は無く、

中世の超暴力によって容易く破壊できるはずの三菱GTOに破損はなく、

ただただ、互いに互いを一撃で仕留められる攻撃を放ち続けながらも、
それは互いに当たることはなく──誤解しないように言っておきたいが、別に両者共に手を抜いているわけではない、
まるで情熱的な舞踏であった。

避けていた。
互いが互いの攻撃を異常な反射で避け続けていた。

片や異様な巨体。
片や小回り利かぬ鋼鉄でありながらも。

いや、まだ三菱GTOの方はわかる。
最高速253km/h、目にも留まらぬ程の速さはブレーキを踏みさえしなければ、確実な回避を約束するだろう。

だが、それに対してワイアルドの方は如何なものか。
どう考えてもその様な速さを発揮できるはずがないのだ。

レナは決して、戦闘行動中に無駄口を叩かない、舌打ちの1つも漏らさない。
だが、しかし、瞬殺できると思った相手にを未だ討ち倒せないことに彼女は────

「ほーっ、ホー! たまんねぇなぁ!」
ワイアルドはその様なレナを気にも留めない、彼女の顔色でも見れたのならば良かったのだろう。
だがしかし、戦闘中に車内を覗きこむ余裕などは流石に無い、
いや、もしも彼に覗きこむ余裕などというものがあったのならば、戦闘どころではないだろう。
戦闘後のエンジョイアンドエキサイティングタイムの方に思いを馳せねばならない。

故に、先程から少しも運動性能を落とす様子を見せない玩具に、
少々不満を抱きつつも、死なない程度のスリルを味あわせてくれるこの戦闘をただただ楽しんでいる。




「おもしれぇ!!本当に楽しいぜ!」
何故、ワイアルドはこうも未知の兵器を相手に余裕を保っていられるのだろうか。
理由は単純である、当たらないことを確信しているからである。

さて、彼の支給品は、3つ。
1つ目はほしふるうでわ、素早さを2倍にする装飾品である。
2つ目はドクンドクン細胞、全ての能力値を超上昇させる物体である。

以上の2つが彼の速さを銃弾見てから回避が余裕なほどのものに跳ねあげていた。
嗚呼、死に至る攻撃を放たれながらも、それを回避し続けるという興奮如何なものか。

「ヒャッハァ!」

彼の歓喜が全てを物語っている。
このまま飽きるまで、永遠にこの繰り返しが続けばいい、そんな感情すら湧き上がるワイアルドに対して放たれたのは、

弾丸ではなく、三菱GTOそのものであった。

当然、銃弾とは比べ物にならない程に巨体であれど、しかし、その速度は銃速に比べ、尋常でなく劣る。

故に、ワイアルドにとって回避するのは容易い。






だが、その中身はどうだ?


"だが、しかし、瞬殺できると思った相手にを未だ討ち倒せないことに彼女は────彼女は笑っていた"


笑う という行為は本来攻撃的なものであり 獣が牙をむく行為が原点である



疾走する三菱GTOの中からワイアルドの意表を突いて飛び出したレナは、
普段の三倍の速度で、ワイアルドに向かって駆け、
そしてグラップラー四天王最強のテッド・ブロイラーをも屠った手刀の連撃を叩き込む。

さて、何故銃撃をも避けるワイアルドを超える速さでレナは手刀をぶち込めたのだろうか、
何故その様なインフレが起こってしまったのだろうか。

SUMOUパワーである。
東洋の神秘SUMOU、そのマスターであるヨコヅナ。
レナのサブジョブ、レスラーはSUMOUレスラーとしてSUMOUマスターヨコヅナのオーラを纏い、己の能力を3倍にまで高めることが出来たのだ。

では、レナの速さが3倍になっただけで銃撃をも避けるワイアルドに追いつけるのだろうか。
大破壊最強クラスであるレナにとっては容易いことである。

即死必至の手刀が、ワイアルドを打ち抜いた。








飛び散った血液が
溢れだした臓物が

言葉よりも雄弁にワイアルドの死を物語っていた。


否、未だ彼は死に至ってはない。
だが、それも目前。

死が

逃れ得ぬ死が

再度、レナが手刀を構えた。





「俺はッ! 俺はッ! 死にたくなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいッ!!!!」





"さて、彼の支給品は、3つ。
1つ目はほしふるうでわ、素早さを2倍にする装飾品である。
2つ目はドクンドクン細胞、全ての能力値を超上昇させる物体である。"


そして3つ目────

レナが煙に巻かれた。

────ワイアルドは煙幕弾を使用した。
      ワイアルドは逃げだした。



逃げだした
逃げだした
逃げだした
逃げだした
逃げだした
逃げだした
己の命を護るために、
臓物を垂れ流し、全身から体液を漏らしながら、

最早、刺激も楽しさも無い。

無様に、ただ、彼は命が燃え尽きるまで逃げ出し、そして、彼は彼の救世主を発見した。









「ベヘリット…………」

彼の望む物が、目の前に存在する。
男の首に掛かっている。
構うものか
奪い取れ




さぁ!
ゴッドハンドを!

俺の命を救う御方を!呼び出せ!






何故だ!何も現れないッ!




捧げる者が

浮かばない


親

兄弟

友人

恋人

隣人

上司

部下

仲間

俺に何かいたか?

今の俺に何が或る?


俺は……俺は…………




刹那的な快楽と興奮



その果てに俺に何が残された?




俺は…………





     死にたく…………







それが最期

獲物の匂いを辿る

狩人の鼻からは逃れられない




パ ラ ラ ラ ラ ラ




「死にたく…………ねぇ………………」


ノラバルカンの音にてこの話は一時中断。


【ワイアルド@ベルセルク 死亡確認】

【エリアB-6/森林地帯/1日目/黎明】




【レナ@メタルマックス2:リローデッド】
【状態】健康
【装備】三菱GTO(前期型、改造済み、後述状態表に詳細)@現実+改造、黄金銃@真・女神転生
     銀の銃弾@真・女神転生、ムラマサ@LIVE A LIVE
【道具】基本支給品×2、やくそう*5@ドラゴンクエスト5
【思考】基本:自分の力で生き残る。
     1:戦車をより強力にするために、手っ取り早く心臓を集める。
【備考】女ハンター、サブジョブとしてレスラーをマスターしています。他のサブジョブは不明。

【三菱GTO@現実+改造】
【状態】装甲初期状態
【装備】穴1:ノラバルカン
     穴2~5:未改造
     エンジン:ルドルフ
     Cユニット:ATストライク
【道具】なし
【備考】特殊弾は搭載できません。装備は全てMM2Rのものです。シャシー重量はスーパーカーと同等だと思っていただいて結構です。



【イウヴァルト@ドラッグオンドラグーン】
[状態]:軽傷、疲労小
[装備]:覇王の剣@真・女神転生Ⅰ、ベヘリット、アームターミナル(中身は空です、周囲が炎に包まれるまで装備はしていませんでした)
[道具]:基本支給品1式
[思考・状況]
基本行動方針:神の力を得て、フリアエに愛される。
[参戦時期]:三章 邂逅 第四節 無念の思い

034:速さがたりない 投下順 036:Himmlisch Atem
034:速さがたりない 時系列順 036:Himmlisch Atem
002:Project Metal レナ 050:Himmlisch Seele
021:大爆発!これがワイアルドの魂だ! ワイアルド GAME OVER
006力を求める乾いた魂 イウヴァルト :[[]]

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最終更新:2013年02月06日 15:45
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