一神教と多神教のちがいは、ただ単に、信ずる神の数にあるのではない。
他者の神を認めるか認めないか、にある。
そして、他者の神も認めるということは、他者の存在を認めるということである。
ヌマの時代から数えれば二千七百年は過ぎているのに、いまだにわれわれは、一神教的な金縛りから自由になっていない。(上p75)
急進派の考えは、常に穏健派の考えより明快なものである。(上p184)
民主政体を機能させるのに、民主主義者である必要はない。(下p12)
偉大な人物を慕ってくる者には、なぜか、師の教えの一面のみを強く感じとり、
それを強調する生き方に走ってしまう者が少なくない。
すべての事柄には、裏と表の両面があるのを忘れて。
そして、真の生き方とは、裏と表のバランスをとりながら生きることであるのを忘れて。(下p71)