塩野七生「ローマ人の物語13 最後の努力」(2004)
評価
★★★☆
ひとこと
ローマ帝国後期、絶対君主制の頃のお話。
ローマにおける絶対君主とはどのようなものだったかを語った一冊。
キリスト教を弾圧したディオクレティアヌスと一転振興したコンスタンティヌス。
この二人によりローマ帝国は少なくとも100年は延命した、絶対君主制という形態で。
分類
目次
第一部 ディオクレティアヌスの時代
- 迷走からの脱出
- 「二頭政」
- 「四頭政」
- ペルシアとの関係
- 兵力倍増
- 帝国改造
- 官僚大国
- 税金大国
- 統制国家
- ディオクレティアヌスとキリスト教
- ディオクレティアヌス浴場
- 引退
第二部 コンスタンティヌスの時代
- 「四頭政」崩壊
- 皇帝六人
- 首脳会談
- 「公敵」マクセンティウス
- 決戦
- 歴史を創った戦闘
- 「ミルヴィウス橋の戦闘」
- パッチワークの凱旋門
- キリスト教公認
- 唯一人の最高権力者
- 新都建設
- 指導層の変貌
- 軍の変貌
- 富の格差
- 家庭内悲劇
第三部 コンスタンティヌスとキリスト教
- 雌伏の時期
- 表舞台に
- 「ミラノ勅令」
- キリスト教振興策
- 二ケーア公会議
- 「インストゥルメントゥム・レーニ」つまりは「支配の道具」
時期
- ディオクレティアヌス帝
- マクシミアヌス
- ガレリウス
- コンスタンティウス・クロルス
- ティリダテス
- マクシミヌス・ダイア
- セヴェルス
- マクセンティウス
- コンスタンティヌス
- リキニウス
メモ
- ディオクレティアヌス帝
- 現クロアチア出身。登位前のことはあまり分かっていないが軍団官僚だった模様
- 基本戦略「他者に任せる」
- 重要課題
- 安全保障
- 帝国の構造改革
- 二頭政(5歳年下の親友マクシミアヌスに帝国西方を任せる)→四頭政(それぞれに副帝を任命)
- ローマ軍団でキャリアを積んだミリタリー、バルカン半島の農民出身(軍の精鋭の産地)壮年期(同年代)
- 但し、政治はディオクレティアヌスの責務であり、決定権があった(単純な四分割ではない)
- 兵力倍増(正帝・副帝それぞれに常設軍を保有)
- 騎兵+歩兵。歩兵は軍団基地から精鋭を引きぬき、リメスの戦力の老齢化・弱体化に拍車
- 各皇帝の縄張り意識を助長
- 兵士および官僚機構の肥大化により経費増大→重税化
- 価格統制政策(インフレへの対策)を断行するも失敗
- 経済活動のアンダーグラウンド化
- 物物交換型経済の復活(500年ぶり)
- 労働の質の低下
- 職業の世襲制
- キリスト教弾圧
- ディオクレティアヌス浴場(皇帝が建てた大規模な公衆浴場としては最後)
- 60歳で引退
- 第二次「四頭政」
- 東方
- 正帝:ガレリウス(バルカン、ギリシア)
- 副帝:マクシミヌス・ダイア(オリエント全体)
- 西方
- 正帝:コンスタンティウス・クロルス(ブリタニア・ガリア・ヒスパニア)
- 副帝:セヴェルス(イタリア・北アフリカ)
- ミルヴィウス橋の戦闘(312)
- コンスタンティヌス vs マクセンティウス
- これに勝利したコンスタンティヌスが事実上の第一人者となり、翌年「ミラノ勅令」を発布。
- ミラノ勅令
- 個人の信教の自由は完全に認められている
- 国家である「共同体」の宗教については全く触れられていない(「ただし、帝国の法に反しない限りにおいて」がない)
- コンスタンティヌス
- コンスタンティウス・クロルスの長男
- ディオクレティアヌスの元で軍事キャリアを積む
- 父の死後、西方副帝に。
- 西方正帝リキニウスの東方正帝に異動に伴い、西方正帝の座をめぐりマクセンティウスと争い勝利。
- リキニウスとともに「ミラノ勅令」を発布
- リキニウスにも処理し、唯一の正帝になり、首都をビザンティウムに移転。
- 金本位制に斬り替え(ソリドゥス金貨)→金貨で給料をもらえない層の貧困を促進
- キリスト教振興策
- 皇帝資産のキリスト教会への寄贈(ミラノ勅令に違反)
- 聖職者の公務免除→知的水準の高い人々をキリスト教会へ引き寄せる
- ニケーア公会議
参考
本書を引用している文献
最終更新:2011年11月21日 21:39