31 - (2008/08/11 (月) 13:33:13) の最新版との変更点
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えりがちっさーから男の子だって告白されちゃったよ、と話してくれた。
私は気づいちゃったから告白されたわけで、気づいてなかったらずっとちっさーを女の子だと思っていたんだね。
えりには言えて、私には言ってくれないんだ、そう思うとちょっぴりだけ寂しかった。
でも、ちっさーも理由があってそうしたんだろうし、引きずっても仕方ないことと割り切ることにした。
難しい事を考えるのは私にはあわないし、ちっさーが普通に接してくれているだけに申し訳ない。
早く謝って前みたいに甘えてきてほしい。
そうしたら、ギュッて抱きしめてあげるのに。
「舞美さ、いつからちさと君が男の子だって知ってたの?」
「う~んと去年のコンサート中に私がキスされちゃった日があったでしょ。あの日かな」
「へぇ~結構前じゃん。何で言ってくれなかったの? 言ってくれたらよかったのに」
「ちっさーだって内緒にして活動してたわけだし、それを私が他のメンバーにバラすのって酷いじゃん。
だからかな。ちっさーも偉いよね、結局メンバーを思ってえりと栞菜には明かしたんだもん」
「うぅ~ん、ま、まぁね。舞美はちさと君が好きだっていうのは知ってるわけ?」
「え、えぇ~えり、どうしてそこまでわかるの。ちっさー、言っちゃった?」
「おいおい、慌てすぎだよ。ちさと君が言ったからわかったんだけど、キスした時点でまぁ何かあるかなって」
「何で言っちゃうかな~もう恥ずかしいじゃん」と、私は赤くなった頬に手を当てて、騒いだ。
騒ぐ私をよそに、えりはやれやれといった様子で落ち着いている。
最近だと、私とえりには溝というか見えない壁を感じることがあるけど、今もそうだ。
えりはファッションは大人っぽく決めているくせに、遊ぶ時はちっさーたちに混ざってはしゃいでいたりする。
そのギャップが可愛いといえばいいんだけど、私はあんまり構ってくれない。
プライベートでも、遊ぶ時は桃だったり、えりはえりでもまのえりちゃんとが多い。
同じグループで一緒にいる事が多いし、えりからしたらプライベートまで一緒だと息が詰まるのかもしれない。
私は全然そんな事ないのに、言ってくれれば友達だし、仲間だし、いつでも駆けつけたい。
「舞美の事なら付き合いも長い私がよく知ってるって思ったみたい。最近、何となく気まずくなかった?」
「え、えぇと・・・あったかも・・・」
「あったんだ。ちさとね、舞美と仲直りするにはどうしたらいいのか悩んでたよ。自分が男の子だからいけないのか
とか言って、落ち込んでたからさ」
まぁ私が元気づけておいたけど、と付け足して、悪戯っぽい笑顔をした。
知らなかった、ちっさーがあの事で随分と悩んでいたなんて。
ううん、わかってはいたけど、それを知りたくなかった私は意識的にその話題から避けてきた。
ちっさーがベッドの中で泣いていたのを思い出し、あんな断り方した私はいけなかったんだ、と改めて後悔した。
私がいけない事をしたのが原因で苦しめるのはよくない。
謝るのをちょっぴり忘れていたとはいえ、これはもう謝る時に謝るしかないみたい。
それをいつにするのかはもうガーッといける時としかいいようがないのだけど。
「そんな顔しなくてもいいじゃん。ちさとは本気みたいだから、諦めさせるにしてもはっきりしなよ。
大きくなってきたんだし、好きだからって一緒に寝るのは違うんだって事をさ」
「うん、そうだね。よし、決めた!!ちっさーにちゃんと謝る。それでまた仲直りしてみるね」
「えぇ~と、私の話聞いてた? 仲直りというか、けじめとしてこれからも活動するならそういうのなしって言わないと」
「聞いてたよ、もちろん。要は私も好きなら好きって言えってことでしょ」
私は一瞬で迷いを断ち切り、ちっさーとの間のモヤモヤを取り除く方法をみつけた。
あいつに私も好きだって伝えればいいんだ、そうすれば前よりももっと仲良くなれるんだしいい考えだ。
えりは私を引きつった顔で呆然とみつめ、はぁ~と溜息をついた。
「参ったわ、舞美の切り替えの早さには。そういうの私も見習いたいよ」
「そうかな~照れるじゃん~」
「いや~皮肉のつもりだったんだけどな~」
「皮肉? どうして。もう、えりったら。前みたいにもっと甘えてきていいんだよ」
「そう出来たらどんなにいい事か。とりあえず、ちさとの事は伝えたからね」
えりはそう言って立ち上がり、会計は私が持つよとレジまで歩いていった。
今日は久々にえりとこんな場所でおしゃべりが出来てよかったかな、と思いつつ、ドリンクを飲みきった。
近づいてきたアルバムイベント、その日に謝ろう。
もう何日もないんだし、さすがの私でも忘れるわけはないもんね。
ちっさー、待ってて、私もあなたに気持ちを伝えるからね。
当日、よみうりランドは目も眩むような晴天に恵まれ、お客さんも予想以上の入りだって話を聞いた。
アルバムを買ってくれた人たちが、今日の為に早くから並んでくれている。
私たちの登場を今か今かと待ちわび、お客さんがメンバーの名前を叫ぶ声が聞こえてくる。
コンサートやイベントでやる恒例の円陣を組み、気合を入れ、私たちはステージに上がった。
その時、私はちっさーの横顔を眺めながら、今日好きだって伝えようと思った。
弟って事にこだわりすぎていたのかな、今までの私って。
いいじゃん、家族なんだし弟を好きなお姉ちゃんのままでも。
遠くない将来、あなたを男の子として好きになれる日が訪れる気がするから。
えりがちっさーから男の子だって告白されちゃったよ、と話してくれた。
私は気づいちゃったから告白されたわけで、気づいてなかったらずっとちっさーを女の子だと思っていたんだね。
えりには言えて、私には言ってくれないんだ、そう思うとちょっぴりだけ寂しかった。
でも、ちっさーも理由があってそうしたんだろうし、引きずっても仕方ないことと割り切ることにした。
難しい事を考えるのは私にはあわないし、ちっさーが普通に接してくれているだけに申し訳ない。
早く謝って前みたいに甘えてきてほしい。
そうしたら、ギュッて抱きしめてあげるのに。
「舞美さ、いつからちさと君が男の子だって知ってたの?」
「う~んと去年のコンサート中に私がキスされちゃった日があったでしょ。あの日かな」
「へぇ~結構前じゃん。何で言ってくれなかったの? 言ってくれたらよかったのに」
「ちっさーだって内緒にして活動してたわけだし、それを私が他のメンバーにバラすのって酷いじゃん。
だからかな。ちっさーも偉いよね、結局メンバーを思ってえりと栞菜には明かしたんだもん」
「うぅ~ん、ま、まぁね。舞美はちさと君が好きだっていうのは知ってるわけ?」
「え、えぇ~えり、どうしてそこまでわかるの。ちっさー、言っちゃった?」
「おいおい、慌てすぎだよ。ちさと君が言ったからわかったんだけど、キスした時点でまぁ何かあるかなって」
「何で言っちゃうかな~もう恥ずかしいじゃん」と、私は赤くなった頬に手を当てて、騒いだ。
騒ぐ私をよそに、えりはやれやれといった様子で落ち着いている。
最近だと、私とえりには溝というか見えない壁を感じることがあるけど、今もそうだ。
えりはファッションは大人っぽく決めているくせに、遊ぶ時はちっさーたちに混ざってはしゃいでいたりする。
そのギャップが可愛いといえばいいんだけど、私はあんまり構ってくれない。
プライベートでも、遊ぶ時は桃だったり、えりはえりでもまのえりちゃんとが多い。
同じグループで一緒にいる事が多いし、えりからしたらプライベートまで一緒だと息が詰まるのかもしれない。
私は全然そんな事ないのに、言ってくれれば友達だし、仲間だし、いつでも駆けつけたい。
「舞美の事なら付き合いも長い私がよく知ってるって思ったみたい。最近、何となく気まずくなかった?」
「え、えぇと・・・あったかも・・・」
「あったんだ。ちさとね、舞美と仲直りするにはどうしたらいいのか悩んでたよ。自分が男の子だからいけないのか
とか言って、落ち込んでたからさ」
まぁ私が元気づけておいたけど、と付け足して、悪戯っぽい笑顔をした。
知らなかった、ちっさーがあの事で随分と悩んでいたなんて。
ううん、わかってはいたけど、それを知りたくなかった私は意識的にその話題から避けてきた。
ちっさーがベッドの中で泣いていたのを思い出し、あんな断り方した私はいけなかったんだ、と改めて後悔した。
私がいけない事をしたのが原因で苦しめるのはよくない。
謝るのをちょっぴり忘れていたとはいえ、これはもう謝る時に謝るしかないみたい。
それをいつにするのかはもうガーッといける時としかいいようがないのだけど。
「そんな顔しなくてもいいじゃん。ちさとは本気みたいだから、諦めさせるにしてもはっきりしなよ。
大きくなってきたんだし、好きだからって一緒に寝るのは違うんだって事をさ」
「うん、そうだね。よし、決めた!!ちっさーにちゃんと謝る。それでまた仲直りしてみるね」
「えぇ~と、私の話聞いてた? 仲直りというか、けじめとしてこれからも活動するならそういうのなしって言わないと」
「聞いてたよ、もちろん。要は私も好きなら好きって言えってことでしょ」
私は一瞬で迷いを断ち切り、ちっさーとの間のモヤモヤを取り除く方法をみつけた。
あいつに私も好きだって伝えればいいんだ、そうすれば前よりももっと仲良くなれるんだしいい考えだ。
えりは私を引きつった顔で呆然とみつめ、はぁ~と溜息をついた。
「参ったわ、舞美の切り替えの早さには。そういうの私も見習いたいよ」
「そうかな~照れるじゃん~」
「いや~皮肉のつもりだったんだけどな~」
「皮肉? どうして。もう、えりったら。前みたいにもっと甘えてきていいんだよ」
「そう出来たらどんなにいい事か。とりあえず、ちさとの事は伝えたからね」
えりはそう言って立ち上がり、会計は私が持つよとレジまで歩いていった。
今日は久々にえりとこんな場所でおしゃべりが出来てよかったかな、と思いつつ、ドリンクを飲みきった。
近づいてきたアルバムイベント、その日に謝ろう。
もう何日もないんだし、さすがの私でも忘れるわけはないもんね。
ちっさー、待ってて、私もあなたに気持ちを伝えるからね。
当日、よみうりランドは目も眩むような晴天に恵まれ、お客さんも予想以上の入りだって話を聞いた。
アルバムを買ってくれた人たちが、今日の為に早くから並んでくれている。
私たちの登場を今か今かと待ちわび、お客さんがメンバーの名前を叫ぶ声が聞こえてくる。
コンサートやイベントでやる恒例の円陣を組み、気合を入れ、私たちはステージに上がった。
その時、私はちっさーの横顔を眺めながら、今日好きだって伝えようと思った。
弟って事にこだわりすぎていたのかな、今までの私って。
いいじゃん、家族なんだし弟を好きなお姉ちゃんのままでも。
遠くない将来、あなたを男の子として好きになれる日が訪れる気がするから。
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