超低音の音程についてのよくある質問
Q1. A-2(lowlowlowlowA)と記載されている音源を聴いたのですが、ただ間隔を空けて6.875Hzくらいでプツプツ言ってるだけじゃないですか?
そもそも可聴域の下限はE0(lowlowlowE)ですし、聴こえる時点で可聴域内なのではないですか?
A1. 6.875Hzで安定してプツプツ言ってるならそれは正しくA-2(lowlowlowlowA)であり、人間の声は可聴域外でもプツプツ音として聞こえます。
まず、音の正体は「物体(特に空気)の振動を耳の感覚器官で感じ取ったもの」です。
人はその空気の振動の頻度を音高として感じ取ることになります。
たとえば、1秒間に440回空気が揺れているのを感じ取ると、440HzであるA4を聴き取ります。
人はその空気の振動の頻度を音高として感じ取ることになります。
たとえば、1秒間に440回空気が揺れているのを感じ取ると、440HzであるA4を聴き取ります。
そして、人間の声は主に声帯の振動によって生み出されます。声帯が空気を揺らして声として聴こえるようになります。
1秒間に220回ならA3、1秒間に6.875回ならA-2です。
この動画( https://youtube.com/shorts/R4FIwbr46qs )も参考にできます。ビートがピッチになる様子がわかります。
1秒間に220回ならA3、1秒間に6.875回ならA-2です。
この動画( https://youtube.com/shorts/R4FIwbr46qs )も参考にできます。ビートがピッチになる様子がわかります。
発声によらず、音程が下がる(または再生速度を下げる)と声帯のプツプツ、バチバチという音(いわゆるポップ音)が聞こえるようになります。
これは基本的にすべての発声に共通と考えて良いです。発声によって変わるのは振動の仕方とかです。例えば地声なら声帯はゆるんで全体が振動し、衝突します。裏声なら声帯は引き伸ばされて一部が振動します。
つまり単純化して言えば、声帯の振動周期が実際のピッチであり、実際のピッチが声帯の振動周期です。その点に関して高音と低音で差異はありません。
ただし連続的な振動が音高なので、周期が著しく不安定な音や一回周期が空いただけの音は音高を認めることができません。
Q2. でもピッチシフトでそのA-2を4オクターブ上げてもポップ音の周波数成分が16倍にシフトされるだけでA2にはならないですよね?
A2. それは機械側の問題です。
「機械がA-2を認識していないからピッチシフトの対象にできていない」というのが理由で、普通の機械で同じく可聴域外であるG11(hihihihihihihiG)を録音してオクターブを下げることが不可能なのと同様です。
A-2を認識できる機械でピッチシフトをしたなら正しくA2になるでしょうし、事前にA-2を16倍速したものを機械に通せばA2と認識されます。
A-2を認識できる機械でピッチシフトをしたなら正しくA2になるでしょうし、事前にA-2を16倍速したものを機械に通せばA2と認識されます。
(ちなみに、2倍速すると本来は必ず周波数が2倍になり、ピッチが1オクターブ上がります。4倍速で2オクターブです。これは機械のピッチ認識と関係がないので低音の測定に使えます。
音高が変わらない速度変更は波形を編集し直して無理やり元の高さに直しています。)
音高が変わらない速度変更は波形を編集し直して無理やり元の高さに直しています。)
Q3. じゃあ100秒に1回「あ」っていうだけで、100秒に1回空気を揺らしているんだから0.01HzでE-11ですか?はい俺ギネス更新(笑)
A3. 物理的にはそうですが、ここではそれを連続的な発声とは認めないこととします。
確かに1秒に440回「あ」という事ができたらおそらくA4が聞こえると思います。
しかしこのような「「あ」を複数回出し直す」型の音は途中で発声をしていない時間があるため、
(結果的にポップ音間に無音の時間があったとしても)発声自体は続けられている他の発声とは区別され、1つの音ではないということにします。
しかしこのような「「あ」を複数回出し直す」型の音は途中で発声をしていない時間があるため、
(結果的にポップ音間に無音の時間があったとしても)発声自体は続けられている他の発声とは区別され、1つの音ではないということにします。