【4.5.19 Plus】木目表現
作業難度レベル:★★☆☆☆
- 利点
- 木の板に見られる独特の、予想外で自然な「ぐにゃぐにゃ年輪(?)」を表現できます。
- 色やディティールを変えることで、杉っぽいもの、ラワンっぽいもの・・・など様々な色合いの木目を作れます。
- 作業次第でかなりリアルにする事もできます。
- 欠点
- ややリアルに仕上がりやすく、手描きイラストに合わせる時に工夫が必要です。絵柄によっては、この方法は使えないかもしれません。
※こちらで紹介している作画方法はPhotshopの表現技術を研究されている「暗闇講座」様の書籍「Photoshopデザインコレクション」の技法を参考に、openCanvas4.5用に自分なりにアレンジしております。
木目のポイントは「年輪」です。木は完全にまっすぐに生長しないので、木をカットすると見える年輪は平行線にならず、独特のカーブを描きます。
・・・もっとも、木目は手でも普通に描けます(自分も普段は手で描いてます)。
長い角材や机の天板、板の間の床など、手で描くと手間がかかるかな?・・・と言う時にこの方法を利用する程度なので、「こんなやり方もあるんだね~( ´_⊃`)フーン」ぐらいに見ていただければと思います。
描画色:黒、背景色:白
キャンバスサイズ:自由。今描いてる絵に追記可能です。
1.雲模様の利用
木目にはフィルタの「雲模様」を利用します。雲模様は、雲や煙の表現、プラズマで色味追加・・・等に利用している方が多いとおもいますが、’ランダムかつスムーズに濃淡を配置する’特性を利用すると色々な表現に応用できます。
操作1-1:フィルタ>描画>雲模様
2.縦横比を固定しない拡大
oC4.5では、拡大・縮小時に「縦横比の固定」を解除できます。解除すると、縦と横を異なる比率で拡大・縮小可能となります。
操作2-1:フィルタ>変形>拡大・縮小
ダイヤログ: 「縦横比の固定」チェック外し、横のみ400%~800%程度に拡大する
*参考が横長画像なので横に拡大していますが、縦に拡大しても問題ありません
描画結果↓
3.階調毎に色分け
「ポスタリゼーション」を使い、グラデーションの階調を分けます。ポスタリゼーションは、「階調を基準に、強制的に指定した色数に減色する」フィルタです。
操作3-1:フィルタ>色調補正>ポスタリゼーション
ダイヤログ: お好みに合わせて段階の数値を変えます。ここでは「30」にしていますが、キャンバスが800*600・・・など大きな画面の時は、10~20段階ほどでも十分な事があります。
↓描画結果
:木目っぽくなってきます
4.木目のライン作成
操作4-1:3.のレイヤを複製(重要)してから、フィルタ>輪郭検出
:レイヤを複製してから輪郭検出
3.で加工したポスタリゼーション状態の画像も後々利用するので、複製してから輪郭検出します。
元画像のコントラストが非常に低いので、輪郭検出すると殆ど何も見えなくなります。
操作4-2:輪郭検出したレイヤの表示モードを乗算に変更
輪郭検出した状態。殆ど何も見えない。 乗算にすると下が透けて見える
木目の形のラインができました。
5.色合い調整
ここで、木の色を付けます。色々な方法が有りますが、ここでは次の方法を紹介します。
操作5-1:ポスタリゼーションレイヤを選択>フィルタ>色調補正>レベル補正でRGB個別調整
ダイヤログ操作
:チャンネルをRに変更し、好みに応じて出力レベルを上げる(ここでは「128」)
:チャンネルをGに変更し、好みに応じて出力レベルを上げる(ここでは「100」)
「レベル補正」のチャンネルが’RGB’の時、画像全体の明暗、黒味、白身、明るさの中間位置の調整ができますが、チャンネルを’R’’G’’B’に変えることでそれぞれ個別に調整する事もできます。
この操作で画像はこのようになります。
ここまでで、一旦完成となります。
拡大・縮小・回転などを使い、自作の絵の中の木目の部分に当てはめて行きます。
木の色をレベル補正・RGG個別調整で作りましたが、自分も普段は面倒なので、手で描いた木の部品の上に木目だけ乗せたりしています。それなりの効果は期待できます。
ここから後は、木の雰囲気を更に強めるディティールアップです。やりすぎると手描きイラストに合わなくなってくるので注意してください。
6.ディティールアップ
最初に、木目のラインのディティールを強くします。
先ず、色が薄すぎるので若干濃くします。
操作6-1:木目ラインのレイヤを選択>フィルタ>色調補正>レベル補正
ここでは入力レベル左の数値を「128」にしていますが、お好みに合わせて調整してください。
ラインが濃くなりました。
次に線をボソボソさせます。
操作6-2:フィルタ>拡散
ダイヤログ:範囲1、比較(明)にチェックを入れる
線がボソボソになりました。
この段階でも十分にディティールが有りますが、pixelが気になる場合は「ぼかし」等を使います。ここで、移動ぼかしにすると味わいが出ます。
操作6-3:フィルタ>ぼかし・シャープ>ぼかし(移動)
ダイヤログ:角度0°量4px(自由、好みに応じて調整)
今回は、最初の雲模様を横方向に拡大したので、角度=0°としました。
縦方向に拡大した場合は、角度=90°とします。
また、木目のラインに応じて-2~+2度程度の角度を若干付けるなど、工夫も可能です。
ぼかしの量は、大きくしすぎるとおかしくなる恐れが有るので、適度に調整してください。
ボソボソになった線が伸びると、いかにも小さな木目が伸びているように見えます。
この段階でも十分にディティールが有りますが、敢えてディティールアップを続けます。
7.細かい木目の追加
操作7-1:木目レイヤの下に新規レイヤを追加し、50%グレーで塗りつぶす
レイヤ状態 見た目
50%グレーにノイズを追加します。
操作7-2:フィルタ>ノイズ
ダイヤログ:グレースケールにチェックを入れる 量「256」ぐらいに設定
見た目
ノイズに移動ぼかしをかけます。操作6-3と似た感じです。
操作7-3:フィルタ>ぼかし・シャープ>ぼかし(移動)
ダイヤログ:角度0°、量は4px程度
ぼかしがかかり、点が横に伸びた状態
明るく調整し、黒く細い線が適度に残るようにします。
操作7-4:フィルタ>色調補正>レベル補正
ダイヤログ:入力レベル右の数値を下げる(ここでは120に設定)
見た目
レイヤの表示モードを変え、白を透過させ、黒い部分だけを表示します。
好みの濃さになるように、不透明度を調整します。
操作7-4:表示モードを「乗算」に変更>不透明度を調整(ここでは20に設定)
レイヤ構成 見た目
ここから更にディティールアップもできますが、一旦完成とします。
この段階で既に、手描きイラストに使用するには過剰にリアルだと思います。
元々の目的は、自然でぐにゃぐにゃの木目模様を手早く描く事ですから、適度に工程を跳ばすなどして、イラストの見た目に合うようにしてください。
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