ある日の事、私が健康の為に夏の日差しの中、歩いていた時
空模様が悪くなり、たまたま近場に有った小屋に悪いと思いながら入った時の事
小屋の隅から奇妙な物が現れた
「助けてくれ、死にたくない」
"それ"は泣いていたのだろうか
何れにせよ誰よりも長く生きたい私は彼の辛さは十分に分かった
私は
ミルヴァートン、闇属性魔法や様々な健康法を開発している
私の元に何かがやって来た、生き物の様だがこんな物は初めて見る
雌雄同体の体を持ち、山羊の角が生えている
恐らくは魔物の類だろうが、かと言って悪い奴では無いらしい
性根は悪くないが頭は悪いなと思ったが
"それ"には因果律に干渉する能力が有るらしい、私を自身の元に来させたのはこの能力らしい
しかしそんな大層な能力を持って負ける方が恥なので言ってしまうと言うのは馬鹿だな、と思った
私は"それ"を治す事に力を尽くしたが、あの忌々しい魔法使いは治させてくれる様なダメージの与え方はしていなかった様だ
寧ろ見せしめの為にワザと瞬殺せず長く苦しむ様に痛めつけた様にしか思えない
そして治したら治したで私、報復で殺されないか?とも思った
何れにせよ治せないので問題は無く、私には前々から試したかった事が有るので試す事にした
私は"それ"にあるの提案をした
『君が元の体に戻るのは難しい』
『但し元の体じゃなければ生きながらえるのは出来なくは無い』
『しかしその場合、劣悪な魔物に成り果てるだろう』
"それ"は涙を流しながら、その提案を受け入れた
私が"それ"にした事は
まず"それ"を殺さずにバラバラにする
一見無茶苦茶だが"それ"の生命力と精神力では苦痛を伴うが大した事無い
次にバラバラにした体のパーツに適合する者を探し出す
これは人体を知り尽くした私の役割だ
次に見つけ出した適合する者に対して"それ"自体が持つ因果律干渉能力+私の魔力で
"それ"のパーツと適合する者が元々持って居たパーツとを入れ替える
こうする事で体のパーツは生き残れる
結果として寄生しなければ生きられない劣悪な魔物、略して"悪魔"になってしまう訳だが問題無かろう
人間で言えば都落ちした程度の話なのだ、生活のランクが下がっただけで、生きられるのだから問題無い
画して"それ"は大量のパーツの"悪魔"になり大勢の人々に寄生した
入れ替えた者の死後も"悪魔"のパーツは因果律干渉で他者に継承されて行くだろう、血族遺伝も有り得るかもしれない
この話をすると『何故ここまで骨を折るのか』と問われる
それに対して私は『生きていたいと言う願いに心打たれた』と言わざるを得ない
生きている事は素晴らしい事なのだ、それを誰も彼も分かっていないのだ
寧ろ
"悪魔"のパーツは入れ替えた者にとって強い力を発揮するのだから一方的に善行を態々施してやったのだから責められる謂れも無いな
最終更新:2017年01月03日 00:01