果実が人の胴体程の大きさになるドリアン。
赤黒い果皮には硬質な鋭いトゲが密集し、内部の果肉はクリームの様な濃厚な甘さを持つ。
熟し出すと果実の下部が割れてゆき、それに伴って甘い香りと硫化物が混じったような匂いを発し始めるのが特徴。
この匂いは熟す程に濃度が上がり、完熟した物は2~3キロ離れた風下まで漂ってくるほど。
その濃密な味わいは一部の美食家から『鼻をつまんでも食べたい』とされ収穫依頼が出る事も。
と、ここまでならただの臭い珍味で済むのだが、注意すべきはこの匂いの元となる成分は高い可燃性を有しているという点。
つまり実の近くで小さな火花が発生しただけでも引火し、果皮のトゲ諸共に爆発して種を吹き飛ばしていくのである。
依頼で収穫をしていた冒険者が野営の為に火を着けた途端、積み上げていた大量の実が吹っ飛んだ事もあったという。
爆心地にいた冒険者がどうなったかは説明するまでもないだろう。
別名『フルーツの爆殺王』とも。
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最終更新:2025年11月10日 23:03