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野鼠座

春の夜空に輝く星座とそれに纏わる神話。


ある時、フォルテソルダード神が一人の女狩人と出会った。
フォルテソルダードはこの女狩人を見初め、その場で言い寄ったが案の定拒否されてしまう。
ならばと贈り物として見事な剣や盾を用意するも、なんとそれすらも突き返されてしまった。

どうしたものかと困り果て、知恵を貸してもらおうとアルジュハ神を訪れる。
だが曰く、独り善がりで相手の事を慮っていないと助言と共に説教までされてしまった。

ここで初めて相手に要望を問うという事をしてみる。
すると明日の日の出から日没までに望む獲物を捕らえたならば一緒になると言うではないか。
これにはフォルテソルダードも喜び勇んで如何なる猪でも熊でも、竜であろうと仕留めて見せると豪語する。
しかし彼女が求めたのは、森に住む野鼠一匹であった。

野鼠の一匹如きなんとも容易い事よと、意気揚々と日の出から森に入るフォルテソルダード。
だがこれが容易に見つからず、大地を踏み鳴らし、木々を切り倒しながら野鼠は何処かと森中を駆け回るも見つからず、ついには日が暮れてしまった。

意気消沈して座り込んでしまうフォルテソルダード。だがその背中を叩く者がある。
見れば件の女狩人がチューチューと鳴く野鼠を片手に居るではないか。
曰く野鼠とは昼間は土の下に居る物で、その時分にこれを得るには知恵を使うという。

フォルテソルダードは己の不見識と不甲斐なさを真っ赤になって恥じた。
だが女狩人は自分の為に野鼠一匹を求めて一日中駆け回った彼の直向きさを認め、なんと一夜の婚姻を了承してくれたという。

その申し出に飛び上がって喜んだフォルテソルダード神。
そしてこの最も得難き野鼠を、助言をくれたアルジュハへの感謝を込めて春の夜空に飾ったという。

しかしアルジュハ神、野鼠とか欲しがらないと思う。
だが多くの野鼠は多産で知られ、なればこそとアルジュハへの供物になるという考え方もある様だ。
現在でも鼠の形をしたお菓子が供え物として神殿に奉納されたりしている。



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最終更新:2026年05月24日 22:15