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「君の未来 」


作者:本スレ 1-858様

43 :君の未来:2011/06/26(日) 04:55:34

本スレ858です。
ということで、妄想をSSにしてみたので、投下します。
先に投下されている姐さんに倣って、属性とかも告知していきますので、
ダメな方はスルーでお願いします。
 ・ファンタジー
 ・少年×青年
 ・AエリアとかBエリアなんて、途中で出てくる地名が超適当
 ・エロは無いけど思わせ振り
こんなんでも、どなたかイラスト付けてくれると嬉しいな−ということで、
こちらに投下させていただきます。
あ、SSでのコラボなんかにしていただいてもOKです!


44 :君の未来:2011/06/26(日) 04:58:09

「ジェイ、危険な真似はするなと言った筈だ。
 君に何かあったら、僕は、シリウスに申し訳が立たない。
 それにね、勇気があるということと、
 自分の力を推し量らずに挑むということは、全く別のものだよ」

俺の目の前のその人は、たった今、俺一人の力では、持て余す程の強力な力を持った魔物
−虚無の欠片と呼ばれるそれを易々と片付けてから、いつもと変わらぬ落ち着いた様子で
そう言った。
いや、目つきは、いつもより少し鋭かったし、溜息もついていたから、若干怒っていたか
もしれない。

「でもね、ルーク、俺は少しでも貴方の役に立ちたいんだ!
 貴方は、もう、ここ数年、ずっと一人で、ほかの人の倍のエリアを統括してるんだよ!
 いくら貴方も、もう、これ以上は無理だ!」

強い口調でそう言った俺のことを彼は少し驚いたような様子で見つめた後で、いつものよ
うに、大丈夫だよと言いたげに、にっこりと微笑んだ。

だって、もう、これ以上は、無理だよ、ルーク、あんた、もう、4年もこの状況で過ごし
てて、一体いつ、休息を取っているっていうんだ!

そう言いたかった、だけど、俺の思いは、言葉にはならなかった。
その前に、彼が、いつものように、俺の頭をぽんぽんと撫でたからだ。
少し涙目になりながら、黙って彼の顔を見上げていた俺に、彼はもう、何も言わなかった。

ルークは、俺より7つ年上の20歳の青年聖騎士だ。
彼は、俺なんかよりも何倍も強くて、彼が16歳の頃には、もう、このAエリアの隣側に
位置するBエリアの首領を務めるようになっていた。

それに、その華奢な身体つきと、白銀の髪にスカイブルーの瞳が、印象的な美青年といっ
た風貌の彼は、いざ、戦となると、その冷静な剣さばきと、圧倒的な力量で応じるのだ。
だから、仲間との模擬戦にも、魔物との実戦でも、負けた試しなど無いし、俺みたいに、
予定外の形で、他人の手を借りることになるような事なんかも無かった。

ただ、ルークは、俺と彼が敬愛して止まない、Aエリアの首領であった、シリウスが、魔
物のせいで、ずっと眠りから目覚めなくなったあの日から、もう、ずっと、AとBの2つ
のエリアの首領を務め、なおかつ、眠りに就いたシリウスの身体の状態を常に保つために、
常時、自身の魔力を傾けている。
おまけに、シリウス直下の準聖騎士候補生だった、俺達の面倒まで見ているのだ。
もう、4年近くも、そんなことをやっていて、倒れるなと言う方が無理だ。

「焦らなくて良いよ。大丈夫、君はさ、ちゃんと強くなる。
 だから今は、毎日の修練を怠らずに、しっかりこなすのが大事なんだ。
 決して、無理なんかしちゃ駄目だ」

ルークは、ちょっと涙目になっていた、俺の表情を気に留めると、再び微笑んで、俺の黒
髪をくしゃくしゃと撫でながら、そう言った。

「でも……俺は、今すぐにでも、貴方の役に立ちたいんだ!」
「そんな風に気負わなくても、大丈夫だよ。
 今は、君が、こうやって、僕の傍に居てくれるだけで、十分なんだ」

俺の黒い瞳へと視線を合わせるようにしながら、ルークは、そう、言葉を続けてくれた。
ルークが、そう言ってくれるのは、本当に嬉しいし、ヘマをやらかした俺のことさえも、
受けて止めて、ちゃんと応じてくれるのは、本当に有難いと思うけど、それでも、俺は、
できる限り早く、シリウスの代わりが務められるようになりたかった。

「ルーク、俺もいつか……シリウスみたいに、貴方を抱けるようになるかな」
「……えっ! あ! 何言って……」

俺が、何の気なしにそう言った言葉に、ルークは、急に顔を真っ赤にして、自分の口元に
片手を充てた。
正直、俺は、「抱く」という言葉の意味が、彼の表情をこんなにも変えさせる程のものだと
は、思っていなかったのだ。

俺は、きっと、少しぽかんとした表情で、ルークを見ていたんじゃないかと思う。
でも、同時に、あの時のシリウスとルークのことを思い出したんだ。
そう、俺が、偶然にも、ただ一度だけ見た、あの時の二人を。

あの時も、ルークは、今と同じように、頬を紅く染めてシリウスを見つめていた。
それからすぐに、シリウスがルークを更に強く抱きしめるようにすると、彼は相手を見つ
めていたスカイブルーの瞳を閉じた。
そうして、それを合図にするようにして、二人は、互いにいつもより深く、口付けを交わ
していた。
その姿があまりに綺麗で、でも、俺がその場で、思わず声を上げたから、二人が俺の方へ
と振り返ってしまい、あっという間にいつもの二人に戻ってしまったのだけれど。

その時のルークがあまりに綺麗だったから、後で、シリウスにあれは、何してるところだ
ったのかって、聞いたら、『あれはね、「好きな人を抱く」って、行為をしているところだ
だったんだよ』と、そう、俺は聞いたのだ。
「俺は、ルークのことがとても好きだから、抱きしめてたんだよ」と、シリウスは笑顔で、
俺に、そう言っていた。

だから俺は、「抱く」ってことが、好きな人同士だけが、互いに交わす挨拶みたいなものだ
と思っていたのだが、何かが違っていたのだろうか?
今のルークの反応を見ると、何か少し、意味が違っているようにも思えた。

俺のそんな風な表情を改めて認識したルークは、ほんの少しだけだが、声を上げて笑って
いた。
彼がそんな風に笑う原因は、俺には、解らなかったが、ルークのそんな表情を見たのは久
しぶりで、俺まで、なんだか少し嬉しくなった。

「ごめん、ジェイ、君、そういうの、馴れていないんだっけね」
「馴れてないって……何が?」
「もう良いよ、僕が悪かった。
 多分、君もシリウスと同じ位の年になったら、僕を抱けるようになるかも知れないね」

ルークは、未だに込み上げている笑いを思いっきり堪えているような表情のままで、
そう言うと、俺の額へと軽くキスをして、俺をふわりと抱きしめてくれた。
何か、当初の予定とちょっと違う気もするけど、ルークからそんな風にされるのは、初
めてだったので、俺自身も何だか、少し変だけど、嬉しい気持ちになった。

そして、ルークの温かい腕の中で、早く彼を護れるようになるんだと、改めて誓った。

【END】

うん、ライトな年下攻めが書きたかった筈なんだ。
あとは、マイキャラのうちでも、こいつ、結構総受けじゃね?
相手が年下でも、やっぱ直接的には拒まないだろうなぁ……
という妄想がきっかけです。
いつものとおり、設定−もとい、年齢差を3回位見直しましたよw

※wiki収録後に、一部修正を加えました。

※以下「本スレ」より

858 :風と木の名無しさん:2011/06/24(金) 20:50:00.88 ID:vNOtW+cmQ
うん、そうです!
とりあえず書いちゃうとスッキリするよw

自分の場合は大体、
妄想してた時に浮かんだキャラの
セリフを書きおこす→周辺描写を書く
って感じで、妄想を短めのSSにしてるw

さあ、姐さんも妄想を形にするんだ!
ぜひ、そのうち、投下してくだされw


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最終更新:2012年09月04日 16:08