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オリキャラで創作してもらうスレ 01 342-465

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342 :オリキャラと名無しさん:2012/04/30(月) 19:58:03
》340-341
1-710です
皆様、嬉しくなっちゃうレスをありがとうございます-!
さて、書き合いスレで嬉しいお申し出をいただいたので、調子こいて台詞SSを投下しにきましたw
一応、メサイアさんのご紹介ということで、ご容赦いただければと思います

》341
寝バック!!姐さんに補足説明をしていただいて、すごく萌えました!
でもって、あの体位には、やっぱり、エイシアが一番、似合ってますねw
頂いた萌えをできる限り、活かせるようにしていきたいと思っておりますので、しばしお待ちを!
これからもどうぞよろしくお願いします-!

以下、台詞SSです。よろしかったらどうぞ


343 :-CROSS ENCOUNTER ZERO-魁の鳥-:2012/04/30(月) 20:00:05
本スレ1-710です。
本スレ1-200様のお子様とうちの子のスピンオフ?な二次SS・ネタを仕上げましたので、投下します。
以下、属性表記です。
本スレ1-200様(本スレ1-200)の設定と、うちの子の設定(創作してもらうスレ1-110)を足した
ファンタジーな世界観での二次SSです
 ・台詞のみでのネタ的SSです
 ・主な登場キャラクターは、エルとメサイアですが、二人の会話の中で、ほんの少しだけ、
  アレスさんの事を話してたりします
 ・エル17歳、メサイア18歳という年齢設定になってます
 ・彼等の方でも、まだ色々なエピソードが起こっていない比較的平穏な時期での話です
 ・エルとメサイアが何気ない?会話で遣り取りを交わしつつ、少し離れた場所から、アレスさん
  とルーシェさんの楽しげな様子を見ている…といった感じの場面設定になっています
 ・また、うちの二人は、そんな中でも、本来の腹黒さを発揮してます!ので、ご注意くださいw
 ・設定準拠ではない表記を若干含みます(多分)  
こんな感じですがよろしかったらどうぞ


344 :-CROSS ENCOUNTER ZERO-魁の鳥- 1/1:2012/04/30(月) 20:03:22
「メサイア! 何を視てたんだ?」
「……エルか、ちょっと、興味深いものがあって……それを視てただけだよ」

「君もさ、今、この場で改めて人の名前を呼ぶなよ。
 気配で俺だって、とっくに判ってただろ。で、興味深いって……ああ、あれか。.
 紅い翼、か……あんなに美しい色合いは初めて見たな。彼、元気良くて、楽しそうだね」

「だろう?」
「そうだね、メサイア、君と彼は、どこか似ているね」
「どこが?」
「一途な想いを秘めてそうなところ、とか、かな」

「面白い事を言うね」
「そうでもないと思うよ。
 悪いけど、うちのは、まだ、君にはやれない。あれは、俺の大切な弟だから。
 あいつに課せられている誓いと、契約が切れるまでは。あれが二十歳になるまでは、君には絶対にやれない」

「エル、君も人の事、どうこう言ってる場合じゃないんじゃないの?」
「そうだねぇ……まあ、でも、俺は、まともに家督継ぐつもりは無いから。良いんじゃない?」
「父上が聞いたら、泣くぞ」
「君の方もね」

「メサイア、言っておくけど。
 他人の思惑に乗せられるな。あれの誓いと契約が切れる前に事を起こしたら、本気で君を殺すよ」

「そんな事、出来ないくせに」
「ま、俺は、君には到底、敵わないんで。多分、そんな事、出来ないけどね。
 それでも、気は心というだろう。君と刺し違える位は出来るかもしれない」

「随分と物騒な話だ。君と刺し違えるような事態になるのは、俺だって避けたい。そういうのは、遠慮しておく」

「おや、メサイア、君よりも彼の方がほんの少しだけ、素直なようだ。面白そうだから、ちょっと、手を出してくるよ」

「エル! また、余計な事を……って、まあ、放ってなんておけないか。俺も行けば良いんだろう」
「良く分かってるね。じゃあ、そろそろ行こうか」
「ああ、君に付き合ってやるよ」

「楽しみだね、久し振りに、本気で剣を交わし合えそうだから」
「エル、君自身の事も、相手の事も、下手に傷付けたりするなよ」
「もちろん、少し遊ぶだけだ」

【END】


345 :-CROSS ENCOUNTER ZERO-魁の鳥-:2012/04/30(月) 20:07:58

-投下終了-

本当は、もうちょっと、アレスさん達にご登場いただきたかったんですが、
上手く会話が振れなかったです…本当にすみません…orz

それから、エルは元設定の方では17歳位になるとこんな感じに、結構、腹黒い人になりますw
まあ、この1、2か月後位に、想い人を異世界に放逐されて、本気で切れたメサイアを止める為に、
彼と刺し違えたり、自分の命を軽んじるような真似をした事をシオンにえらく怒られつつ、少々無理
矢理気味に致されたり(未遂かも?)するんですけどw

でもって、実際のところ、こんな風に黒い感じで、紅い羽根の御方の所に遊びに行かせるかどうかは
別として、これに懲りずに、いつか、必ず! 正式なSS形式で、ご一緒させていただけると幸いです!
姐さんの世界観によるイラストをゆっくり、まったり、楽しみにお待ちしております!
これからも、どうぞよろしくお願いいたします!!


346 :オリキャラと名無しさん:2012/05/02(水) 23:39:24
》343-345
こちらはみなさんしたたかそうですね、ほのぼのしてると思いきや!
アレスさんたちが何を話しているのかも気になる……


347 :オリキャラと名無しさん:2012/05/03(木) 11:17:28
1-710です
皆様、レスありがとうございます-!
腹黒い奴も、したたかな奴も大好きだ!ということで、自分の場合だと、いつもこんな感じになりがちですw

でもって、今、書き合い・描き合いスレにレスを返すと、5/5(土)の絵茶会の告知が見切れちゃうので、
こちらにて、まとめてレスさせてくださいませ!

以下、今回の台詞SSと、こっちの1-110の元設定に関する更なる補足コメントです
しかし、またも変則的な扱いになってしまい、大変申し訳ないです…
今回も、いつものようにコメントが長いよ!という感じですが、よろしかったらどうぞ

《 1-110の設定補足コメント&台詞SSの場面設定の補足等 》

こっちの1-110の元設定verだと、一応、四公領共に表面的な和平が成り立ってますが、水面下での各公王間
の権力抗争と各公領内での跡目争いの駆け引きは、絶えない状況にあるという設定がついてまして、うちの
子達は、皆さん、かなりしたかかな遣り取りを繰り広げる事になっていますw
そんな状況にあっても、彼等四公の跡目が結構、仲良さげなのは、四公領の高位官僚や貴族階級にあたる子
弟が共通で通う学舎があるからwという厨設定によるものだったりしますw

で、先の台詞SSは、そんな学友同士のエルとメサイアの日常の1コマを切りだした感じですw
何処かの園遊会か何かに呼ばれてた、うちの子達が、市街に面したかなり大きな邸宅のバルコニーなどから、
人々が道行く往来の場所で、賑やかに?遣り取りをするアレスさんとルーシェさんを見てたよw

ルーシェさんは、アレスさんに急に呼びとめられて、後ろから軽く抱きすくめられたりして、そんな不埒な
事をする紅い翼の御方に対して、すっごく、怒ってるみたいだねww

というシーンを妄想しておりましたw
でもって、エルは美人さんがちょっかい出されてるの見て、放ってなんておけないしw
上手くすれば、腕の立つ奴と剣を交わせるかもねwと思って、手を出しにいく感じですw(ノリが軽いよw)

あと、メサイアさんは、幽閉されてからは、エルとか、限られた権力者(アレスさんみたいに秀でた能力の
ある方を含む)しか会えない形式で、かなり長期間に渡って、監禁される状況に置かれる人です
監視者の塔に身を置きながら、あらゆる出来事を全て目にしながらも、一切の手出しをする事が叶わない状
況で悶々と過ごす予定でして、彼の身を案じて定期的に訪れるエルともかなり揉めますw

おまけにメサイアさんは、この頃から、とある権力者の御方(wikiに紹介してる子ではないんですが)の受
けとして、望まない関係を強いられる予定のある人で、想い人や、一部の大切な人に係る事を除いては、人
生諦め気味の状態wなのでw そんな中、アレスさんが来てくれたら、

「こんな場所に予期せぬ客人が来るとはな。随分と稀な事もあるものだ。私に何の用があるというのか」

などと、かなり冷たくあしらいそうですが、暫く遣り取りをするうちに、アレスさんの邪気の無い人柄に癒
されてそうですw
ということで、1-200姐様、重ね重ね恐縮ですが、彼に一時の安らぎを与えてやっていただけると幸いですw

こんな風に黒くて重い我が子で、大変恐縮ですが、作品のお披露目をまったり、ゆっくりかつ、楽しみに
しながら、お待ちしておりますwので、どうぞよろしくお願いいたします-!


348 :1-549 ◆IQnIq2e6Hs:2012/05/05(土) 21:09:57
》328
しばらく来ない間に嬉しいことになっとる!続きありがとうございます!
β2さんかっけえ…!三人の何気ないやりとりも毎度和みます
次回くらいからいよいよエルさんも一緒に冒険ですか!ワクワクします

お忙しい中いつもいつもありがとうございます。次回も楽しみに、ゆっくりお待ちさせて頂きます!


349 :オリキャラと名無しさん:2012/05/06(日) 17:00:48
1-200です。
エルさん達が観察していた二人はどんな会話を交わしていたのか?妄想してみました。


「ルーシェー!!ただいま!」
「!!」
「久しぶりだね、元気にしてた?」

「だから!公衆の面前でそういう事をしないで下さいと何度も言っているでしょう!」
「怒んないでよー。じゃあ公衆の面前じゃない所に…イテテ…。
 ああっ待ってよ!4ヶ月ぶりなのに~!」
「急いでるんですよ。早くしないと肉が傷みます。ナオミに怒られます」
「そりゃ困るね…じゃあ送ってあげるよ。飛べばすぐだろう?」
「いいです。歩いて行けます。それこそまた怒られますよ」
「遠慮しなくていいよ~」
「!
 遠慮なんかしてません!ちょっ…人が見て………(ん?)」

「………。
 えーと?何か用かなかわいコちゃん達。お兄さん忙しいから手短にお願いするよ^^」
「(肉が…ナオミが…)」


【end】


魔物みたいな変な男が、ひよわそうな聖職者を連れ去ろうとしている…
エルさんとメサイアさんどうする?
どうでもいいけどナオミというのはルーシェの仲間の女の子です。

ああ楽しいなー!
姐さんありがとうございます!


350 :オリキャラと名無しさん:2012/05/07(月) 00:21:18
いきなりのアレスさんの軽さに噴いたw
無事に肉が届くといいですね


351 :-CROSS ENCOUNTER ZERO-魁の鳥 2 1/2-:2012/05/13(日) 10:45:48
1-710です
》349で1-200様にレスをいただいた、続きを仕上げました!ので投下します
台詞のみですが、またもや結構、長いよ! という感じです
それでも、大丈夫だ、OK!という方は、よろしかったらどうぞ


「じゃあ、こちらも単刀直入にいこうか。
 この往来の場で、そういう事をするのは、好ましくないって、知ってた? って、……っ!!」

「エル、そういう礼を欠いた真似は止めろ」
「……メサイア! 君、一体、誰の剣を止めてるんだよ!」

「いつも言っているだろう。人を見て剣を抜けと。
 それから、貴方がたも、この場から退いてほしい。
 こちら側の非礼については詫びるが、これ以上、往来で他人を煽るような真似は、好ましくないだろう」

「解ったよ、メサイア、少し面白みに欠けるけど、俺は、この場で降りる。
 済まなかったな。で、あんたはどうする? 真紅の翼の君」

「君、メサイアって、言ったっけ? 君の方こそ、こっちに剣を向けたままで、
 そんな大層な態度で言う台詞じゃないと思うけど?」

「アレス、こちらの方々に失礼でしょう! これ以上、喧嘩を売るような真似は止めてくださいってば!」

「私は本気だ。今、貴方達がこの場から退かないというのなら、実力行使も辞さない。
 だから、連れ添いの君の方にも頼みたい。できれば、そちらの御方を連れて、この場を立ち去ってくれないか」

「えっ、あ……! 連れ添い!! って、違います!
 連れ添いなんかじゃありません! え、でも、アレスと一緒に、ってことですか?」

「ルーシェ……あのさ、連れ添いなんかじゃないって……それは、結構、酷いんじゃない……あんまりだ……」
「アレスは、黙っていてくださいってば!」

「それが本意ではない、というのなら、貴方だけで、先に立ち去れる程度の時間なら、私が稼ぐが」
「君、綺麗な顔して、さっきから随分と物騒な事ばっかり、言ってない?」

「だから、アレス、本当に黙っていてくださいって、言ってるでしょう! お気遣い、ありがとうございます。
 でも、確かにこんなに物騒な奴を、この場に一人でなんか置いていけませんよね!
 私が責任をもって連れて帰りますから、ご安心ください」

「ありがとう、そう言っていただけると助かる」

「そうか! ルーシェ! じゃ、一緒に帰ろっか!」
「ちょ、アレス、何するんですか!」
「だって、やっぱり、抱きかかえて、飛んだ方が早いだろ?」
「駄目です! そんな事、誰も良いって言ってません!!」

「ルーシェ殿、貴方のお手を煩わせて申し訳ない。どうかこの方を頼みます」
「え、あ! メサイアさん……? それって、何か違いません?」
「メサイア、ありがとう! 君って、意外と、いい奴だな! じゃあ、また、いつか会おう!」

「また機会があれば」
「えー! 何か違う! 何かが大きく違う!」

「ルーシェ、ま、いいじゃないか、この際、硬い事は、ナシって、ことで。
 このまま長居してても、ナオミにも怒られるだけだろう? ほら、行くよ! それに、夕飯の肉が痛むしね! 
 あっ、そうだ! メサイア、君の方にもまた、改めてお礼がしたいな。また、いつか、会おうね!」

「ああ、いつか、また」

「えっ、あ、嘘っ! もう、飛んでるっ!! って、嘘だぁ……! 何でこんな事になったんでしょう……」
「ま、そんなに硬い事を言わないでよ。
 ルーシェ、僕は、こんな形でも、君の役に立てて嬉しいと思ってるんだ。君の事が、本当に大好きだよ」

「……っ! そんな不誠実な言葉、いりません!」
「相変わらず、つれないなぁ……」


352 :-CROSS ENCOUNTER ZERO-魁の鳥 2 2/2-:2012/05/13(日) 10:46:46
    ※

「また、いつか、会おう、か……」
「行っちゃったね」
「ああ」
「それにしても、メサイア、君にしては随分と優しい、心配りに満ちた立ち振舞いだったんじゃない?」

「それは、お互いさまだろう。
 正直なところ、一見すると不誠実そうに見える奴と、少々素直さに欠ける奴の相手は苦手なんだ。
 だから、何にせよ、この場から早く立ち去ってもらいたいと思っていただけだ」

「メサイア、それ、自分の事?」
「エル、君は俺に対しては、本当に容赦がないな……。
 それと言っておくけど。君の方は、相変わらず、抜刀直後の振り抜き動作の幅が大きい。
 だから、俺に剣撃の軌道を止められる事になるんだよ。抜刀速度は、群を抜いて早いくせに」

「君の方こそ、容赦ないな」
「お互いさまだろう」

「ははっ、それもそうだね、メサイア。
 それでも、俺は、君との関係が結構、気に入ってるんだ。大好きだよ。親友」
「俺も君が好きだよ。君が友人でいてくれて、本当に良かった」

「お互いさま、かな」
「ああ、そうだな」

それにしても――紅い翼の君――アレス、か、彼とは、またいずれ、出会う気がしてならない。
――今は、ただ、そんな気がするだけなのだろうか――。

「また、いずれ、会う事になるよ」

でも、確かに、あの瞬間に、そんな言葉を囁く誰かの声が聞こえた気がしたのだ。

【END】


353 :-CROSS ENCOUNTER ZERO-魁の鳥 2-:2012/05/13(日) 10:47:42
-投下終了-

1-200様からいただいたレスを基に、妄想を拡げていく間が、ものすごく楽しかっです!
こんな形ではありますが、早速のコラボができて、本当に嬉しいww
姐さん、本当にありがとうございました!!


354 :オリキャラと名無しさん:2012/05/14(月) 00:36:14
》351~353
乙です~!200です。

結構物騒なエルさんとメサさんにふいたw
そしてめんどくさい危険物の赤鶏がご迷惑をおかけしましたw
あやうくフライドチキンのピースになるところだったw
しかし同じ年頃なのにルーシェはメサイアさんと比べて子供ですねーw

最後のエルさんとメサさんのナチュラルな告り合いに萌え!純粋に友情だと思いますがw
自分は本来のカプよりこちらのが好きかもしれない…シオンさんと義弟君ごめんw

お忙しい中、ただの妄想殴り書きに楽しいレスをいただいてありがとうございました。
今後も姐さんの作品をまったりと楽しみにお待ちしております。


355 :オリキャラと名無しさん:2012/05/15(火) 04:27:29
アレスさんの変わり身の早さ萌え!
そして》354の200さんのレスみるまで失念してましたが、みなさん10代なんでしたね、
きっつい生い立ちなのにみんなしっかりした子に育ってくれておばさん嬉しい……


356 :オリキャラと名無しさん:2012/05/17(木) 01:27:07
》354-355
1-710です
レスありがとうございます!
剣を止められた後、その場でエルとメサイアが口喧嘩を始めるパターンもあったんですが、

でも、やっぱり、メサさんは、多少物騒かつ、捻くれた口を利きながらも、アレスさんとルーシェ
さんが、くっついて、一緒に帰れるようにしてやるよ!という方向で、何気に画策するはず!とか、

将来、リバになる二人の片鱗も書いちゃえ!(この時点では、純粋に友情ですがw)ということで、
こうなりましたw

1-200姐さん、素敵な萌えをおすそ分けいただき、本当にありがとうございましたw

でもって、今度は、1-091姐さんがwikiに追加UPされた獣姦図wwに滾ってしまい、ウィル×繊様の
台詞SSを投下しにきました!

以下、属性表記と台詞SSです よろしかったらどうぞ


357 :-CROSS OVER THE BEAST SIDE-W-獣の意図-:2012/05/17(木) 01:30:33
本スレ1-710です。
本スレ1-091様のお子様とうちの子のスピンオフ?な二次SS・ネタを仕上げましたので、投下します。
 ・本スレ1-091様(本スレ1-866)の設定とうちの子の設定(wiki設定スレ 1-036)を足した
  現代風ファンタジーな世界観での二次SSです
 ・ウィル×繊様で、エロあり、台詞のみでのネタ的SSです
 ・ぬるい獣姦注意!
 ・1-091様が、wiki‐本スレ1-866のページに追加UPしてくださったイラストの場面を元ネタにさせて
  いただいてます
 ・でもって、ウィルは人型→獣に変化しつつも、やる事はやるよ!!という感じの流れでの場面設定と
  なっていますw
 ・設定準拠ではない表記を若干含みます(多分)  
こんな感じですがよろしかったらどうぞ


358 :-CROSS OVER THE BEAST SIDE-W-獣の意図- 1/1:2012/05/17(木) 01:32:14
「……っあ、うぁ、いっ! ……くっ、はぁっ、あぁっ!!」

「繊、随分と本気で、感じてくれているみたいだね。
 こんなにも、心地悦さげな声で、もうずっと、啼き続けてくれている位だからね……でも……」

「はぁっ、っあ! うあ、あぁっ!!」

「こんな程度じゃ、まだ、全くと言って良い程に、物足りないんだろう?
 さあ、そろそろ、君が持つ、その貪欲な欲望に応えるべく、今までとは少し趣向を変えようか」

「……や、っあ! ……う、そ……これ……う、ああぁっ!! ……あ゛あ、あぁっ!!」 

――俺が、この姿に――この獣の姿に変わったら、これを止めると思ってた?

違うよ、繊、君には、俺の思念や意図がある程度、伝わっているんだろう? 
君は、俺がこの姿のままで、これから先に与えてゆく、更なる快楽と、痛みに対しても、全身
で悦びを感じ取る事が出来る。

――だから、俺は君に対して、容赦しない。君の恍惚とした表情や、ひどく悦がって、敏感に
感じ入る肢体の様子も全て、目の前のこの男へと、晒してやるといい。

「あ、あぁっ!! ……うぁ! い、やだ、あ、ぁっ!! ……う、く、ああぁっ!!」

今、目の前で君を見つめ続ける奴――牧が何かを理解するまで、その瞬間に至るまでは、俺が
君にこの行為を施し続けてやるから。

たとえ、それが、君を傷つける行為なのだとしても。
今、君に対して、俺が施せる最も即物的で効果的な、唯、一つの行為だから。

――だから、君は、ただ、その感情の全てを、
                 あの男に向かって、曝け出せば、それで良いんだ――

【END】


359 :-CROSS OVER THE BEAST SIDE-W-獣の意図-:2012/05/17(木) 01:34:44
-投下終了-

UPしていただいたイラストはきっと、ウィルが獣に変化した直後で、この後、更に、繊様の肩に爪を思
い切り喰い込ませて、痛い想いをさせつつ、美しい御身をかなり強引に押さえ込みながら、様々な行為を
続けちゃうはず!!

ということで、書いてみましたw 1-091姐さんの場面設定と違ってたら、本当にごめんなさい…
ネタ的SSということで、ひとつご容赦ください

あと、勝手なお願いで大変恐縮なのですが、wikiの方にこのSSを収録する際に、SSページにもイラスト
を一緒に表示(ボタン表示)させちゃっても良いでしょうか?
よろしかったら、念のため、SSページへのイラスト表示可否について、レスをいただけると有難いです
どうぞよろしくお願いします-!

そして、とにかく!素敵な萌えを提供してくださいました姐さんに心から感謝を!


360 :オリキャラと名無しさん:2012/05/19(土) 00:04:59
91です

》359
※獣姦レス注意※


晒してよかった、救われた…!なによりも私の作業がすすむw萌え成分が充填された!
繊さん、ウィル様と出会えてほんとよかったね……
他の人なら、たとえば京ちゃんならほのぼのするだけだしアル様なら断られるだろうしエイシアさんなら牧が挑発されなさそうだし
柳さんとこいくほどドMじゃないし司は選択肢にいないしシルヴィアさんは他の人たちが許さないだろうし、
もっともっと存分に追い詰めてもらいなさい!!!
おかげで牧との精神的な距離感は縮めさせてもらえてるはず!

でも表面上はもっともっとこじれさせちゃうけどね!

そしてそして、セリフを一部拝借してもよろしいでしょうか…?
本当は牧の前では獣化しないままで~と思っていましたが、
獣姦に耽る繊さんとか爪や牙で酷く傷つく繊さんとかを見てやつはどんな反応するだろうと考えると……見せ付けてやりたいwwwww
さすがに黙ってみてるだけとか寝落ちとかは…ないと思いたいw

なので、ふたつばかり確認したく!
・獣化したら着ている服はどうなるのでしょう
 (アル様は着衣⇒ケモ⇒着衣ですよね??)
・獣化したら人語は喋らないですよね??


そしてイラスト表示(ボタン)はもちろん、歓迎です
いつもありがとう…!


以下、勝手にBGM
牧×繊(繊⇒牧⇒繊):「平/行/線」笹/川/美/和
ウィル様×繊:「漆/黒/の/薔/薇」ラ/イ/チ/光/ク/ラ/ブ


361 :オリキャラと名無しさん:2012/05/20(日) 16:11:00
》360
1-710です
またもや、色々と萌えるレスを本当にありがとうございます-!!
SSの方は、イラストも一緒にボタン表示をさせていただきつつ、台詞をちょい足し?しましたwので、
よろしかったら、ご覧くださいw

でもって、SSの台詞の方も、あんなので良かったら、ぜひぜひお使いくださいw
そして、ウィル……やっぱり、対、牧先生でも鬼畜さ加減を発揮してたのねw本当にごめんなさい…
でも!牧先生の反応が楽しみだwwきっと、ウィル自身も楽しみにしてると思いますw

あと、BGMの方も拝聴しましたよ-!なんて切ない歌詞の歌をあててくださるんですか!!
ますます妄想が止まらないです…姐さん、いつも本当にありがとうございます!!!!

でもって、以下、うちの方 SIDE のBGMのご紹介の後、ご質問へのご回答と、恒例?のおまけ妄想でございますw
相変わらず、長いよ!と言う感じですが、よろしかったら、どうぞ
 ↓


362 :オリキャラと名無しさん:2012/05/20(日) 16:12:57

BGMとご質問へのご回答(設定の補足です)

-CROSS OVER THE BEAST-BGM-
柳様×エイシア、ウィル×繊様
uninstall-boku ga saigono pilot Remix- → Chiaki Isikawa 
ウィル×エイシア、アル×エイシア
paradoxical zoo → Yoko Kanno song by AKINO with bless4
→1曲目は、原曲じゃなくて、ご紹介したこのRemix ver の方が断然ハマりますw

獣化と着衣…
基本、ファンタジー!な魔法みたいなものなので、なんでもあり!な、ご都合主義な感じだと
思ってくださってOKかと
しかし、読んでくださる方が、あんまりにもどうなってんだ!!と思われるようなのも何だと
思ってるので、

例えば、行為が伴う流れで、
全く乱れていない着衣(結合前)→獣化(結合行為あり)→着衣(未だに結合中)…あれ?
スタートの時点では、下肢に身につけてた衣服のファスナー開けて無いじゃん!!みたいのが
無ければ、OKかと!

自分の場合だと、この流れなら、
全く乱れていない着衣(結合前)→獣化(結合行為あり)→シャツのみ、または真裸→
→残りの衣服は、もう別次元からは戻ってこないので…→獣の姿で、窓ガラス割って、外へと
退散するかな-wという感じかとw

ま、結合が伴わなれば、真裸→獣化→着衣もあり…位な、ゆるーい設定だと思っていただけるとw
この手の流れって、考えると案外、難しいもんですねw

獣化と言語…
こちらの方は、獣化すると、音声で聞き取れる人間の言語は話しませんが、思念は伝えようと
思えば伝えられます(テレパシーwってやつですねw)
なので、獣化後も言葉攻めできるというwwご都合主義だww

こんな感じで、かなり、いい加減ですが、どうぞよろしくお願いいたします-


363 :オリキャラと名無しさん:2012/05/20(日) 16:18:21
以下、-CROSS OVER- な、おまけ妄想-

繊様、牧先生とうちの子達

いただいたレスからまたも妄想がとまらなくなったwwので、それぞれ、彼等がどう対処していくの
か、といった概略をご紹介w

◆ ウィルの場合…
  基本、牧先生に焦燥感を与えたいwので、繊様を攻略しますが、必要なら牧先生も苛めるよw
 →繊様の場合…繊様に心底嫌われたくはないんだけどね…とか思いながらも、苛めるw苛めるw
 →牧先生の場合…「貴方も、もう少し素直になった方が良いよ」とか、少々きっつい、視線を浴び
   せながら宣戦布告しますwで、「必要なら、繊と同じ気持ちを味あわせてあげようか?」と、
   いう感じで苛めるw苛めるw

◆ アルの場合…
  牧先生にも、自分自身の想いにも気付いてほしい…ので、牧先生にも言う事は言うよ
  で、繊様の方は、見るに見かねて、受け入れますw
 →繊様の場合…俺が、例え一時でも、君を慰められるなら、というのが行動のベースです
   状況によっては、繊様×アルにもなるかも…あれ、でも、何の解決にもなってないよ…的な気
   がするけど、このままで良いのか!?って感じかとw
   あと、場合によっては、貴方の方が適任だろう…という感じで、ウィルに押しつけますw
 →牧先生の場合…「貴方も、もう少し素直になった方が良いよ」とか、少々きっつい、視線を浴び
   せながら宣戦布告しますwが、牧先生を煽りすぎて、アルが押し倒されるんじゃないかなとw
  (アルは、極限までいかないと、人間には手を下せないから…) 

◆ エイシアの場合…
  基本的には、アルと同じ、ただ、牧先生への対応が若干、違います
 →牧先生の場合…「貴方も、もう少し素直になった方が良いよ」とか、少々きっつい、視線を浴び
   せながら宣戦布告しますwでもって、アルと違うのは、牧先生を誘いますよwで、やる事やり
   ながら、「貴方には、俺なんかよりも、もっと欲しいと思う、渇望する相手が居るでしょう?」
   とかいう台詞を吐きますよw
   あれ、でも、それって、エイシアの行動の所為で、繊様に哀しい想いさせてないか?…駄目
   じゃん、全く…みたいな感じかとw

◆ シルヴィアの場合…
  繊様にも、牧先生に対しても、天然の本領を発揮するよ!という感じw
 →繊様の場合…繊様の事は、心配なんだけど、そういう行為をした事がないので、どうして良いか、
   全く解らない……ので、お兄さん達にどうしたら良いかと、相談した上で、対応してくれるよ
   うに頼みます→あれ?でも、結果的に、繊様の事を(性的な意味では)自分では全く受け入れ
   ずに拒んでませんか?みたいなw
 →牧先生の場合…今回のクロスSSの流れから引っ張ると、
  「先生には、好きな人いないの? 俺には好きな人がいるから(3人の事ですがw好きの意味も
   違う気がしますがw)
   すごく、心配なんだ。だから、帰ってきたら、ちゃんと、自分の気持ちを伝えたいって思って
   る。先生も、言わないと伝わらない事ってあると思うよ(仲間として、認めてるって、ちゃん
   と伝えてあげてね!)」とか、言って、素で、牧先生をけしかけますw

以上、長々としたレスにお付き合いいただきありがとうございました!!
どんなに忙しくても、やっぱり萌えと妄想がは止まらないww
少々?スケジュールが遅れようとも!必ず仕上げて投下します!
ので!これからもどうぞよろしくお願いします-!


364 :オリキャラと名無しさん:2012/05/23(水) 00:02:18
91です
》361-363
承諾と補足とBGMご紹介ありがとうございますw
BGMの力は偉大ですよね(モチベ維持的な意味で)
まずはポチろう……w

牧×エイシアさんも妄想してみたら、
「二十歳で子供産んでたらこんくらいになってたのか……」
と、おやじ気分を満喫してさらに子供相手にさかってしまったことに自己嫌悪に陥ればいいおw
と萌えてしまったwwwww状況悪化もいいww

そしてシルヴィアさんに癒される
なんて無垢なんだ……


そして、どう考えても
「そいつから離れろや」
「もともとお前らの蒔いた種やろが」
「んだと?やんのかコルァ」
「おう、かかってこいや」
「上等じゃねえか表出ろや」
と言い出すような喧嘩上等脳が邪魔をする……二人ともこんなキャラじゃない><


365 :オリキャラと名無しさん:2012/05/26(土) 11:22:04
》364
1-710です
こちらこそ、萌えるレスをありがとうございます!
同じく、牧先生×エイシア? に萌えてしまったので、更なるレス返しw
いつも本当にすみません……

以下、多分、こんな感じwな、台詞SSwです


366 :-CROSS OVER THE DAY ANOTHER-君を誘う-1/1:2012/05/26(土) 11:30:33
「先生、シルヴィアに手を出したら殺すよ」
「は? エイシア、だっけ? お前、何言ってんだ、あの子を預けてきたのはそっちだろ!」
「……煩いな。ま、いいや、先生、やっと二人きりになれたからね。
 先生、あのさ、俺と、シない? 俺としたら、良い事、教えてやるよ」

「お前……ガキのくせになに言ってんだ! ちょっ、待っ、止めろ!」
「俺は、本気だよ? 俺は今、本気で先生としたい……まずキスから、始めようか?」
「……っ!!」

―― その直後 ――

「エイシア! ……だから、なんで! 
 なんで、君は、そんな風に簡単に、自分を軽んじるような真似を平気でするんだ!!」

「……あっ! ……アル、って、ウィルも一緒か……なんで今、急にドアを開けるかなー? 
 ……うわ、ごめん! 俺が悪かった!! 本気で悪かった! 本当にごめん……」

「……先生? 本気で、あいつに手を出そうとしてたの?
 良い大人のくせに、子供相手に何しようとしてたのか解ってる?」

「は? 本気で手を出す訳ないだろ? こんなガキに!」

「誰がガキだ! って、ウィル、君も牧先生に、本気で怒るなよ……」
「エイシア……あのさ、君は、誰が、誰に対して、本気で怒ってると思ってるのかな?」

「……いや、本当にすみません……こんなことは、もう、しないから……
 本当にごめんってば……それに、牧先生は、悪くないんだよ、誘ったの俺だし」

「……誰が、誰を誘ったのかな? エイシア、ちょっと別室で、話をしようか?」
「え、あ、ごめんなさい! もう二度としません!! 許してってば!!」

――嘘だ……あいつが……あいつが牧を誘ってたなんて……!

「あれ、繊? いや、だから、本気じゃないから!!」
「え、あ、繊! 確かに、こいつ、本気じゃなかったような気もする」

――本気じゃないって、どういうことだ! まさか本当は、牧の方から、あいつを誘ったとか!?
  それとも、お互い合意の上だったとか、そういう事なのか!?

「ふうん、エイシア、君、本気じゃないくせに、先生を誘った訳だ」
「ちょっ! 待てよ、ウィル、お前、何で急に、俺を抱きあげようとしてるんだ!
 やだ、本当に許してってば!」

「無理」

「ウィル! ……っあ!」

「ウィル、止めろ! この場で、エイシアの気を失わせるとか、そういう扱いはないだろう!
 君の方もこれ以上、やり過ぎるな!」

「アル? 君の方も少し、此処か、若しくは、何処か別の場所で待っていてくれるかな?
 俺は、こいつに、別室で、本気で話したい事があるから。
 先生と繊もね、後で、別々に話したい事があるから。じゃあ、また後で」 

―― 二人が立ち去った、その後 ――

「だからさ……ろくな事にならないんだよ……身内の事をあんまりどうこう言いたくないんだけど
 ……先生と、繊も、ウィルには気を付けた方がいい」

「アル、あんたさ、それって、どういう意味なんだよ……」

――【以上、続かない】――

ということで、やっぱり、大混戦の兆しありwという感じになりましたw
あれ、でもシルヴィアがいないな―
シルヴィアは、京様あたりとお茶でも飲んでるのかもしれません…w

姐さん、毎回、素敵な萌えの種をご提供いただき、ありがとうございますw
そして、これからもどうぞよろしくお願いしますww


367 :オリキャラと名無しさん:2012/05/27(日) 02:08:14
》366
いろいろ修羅場なのに楽しそうなのは何故だw
苦労人ポジションのアル様超ガンガレw
お仕置きされるエイシアさんも妄想できて萌えるwww

これを受けて私も繊→←牧×エイシアさんな妄想がまた拡がったw
710姐さんいつもありがとう


368 :オリキャラと名無しさん:2012/05/29(火) 20:51:07
91です。
》366を受けて、繊→←牧×エイシアさんの妄想を拡げちゃったので晒します
・やたらと長文です。エロなし
・繊は人の名前を覚えません
 (白髪→エイシアさん、王子→アル様、ロン毛→ウィル様です)
・二人ともgdgdです


369 :a night -牧/2-:2012/05/29(火) 20:53:09
昼間は散々だった。
変な言いがかりはつけられるし、そいつからは迫られるし、そのせいで長々と説教されるし、
繊のやつは部屋から出てこねえし。
くっそ、休日だっていうのになんでこんな疲れなきゃならねんだ。なんなんだ今日は。厄日か?
正直顔をあわせづらいところだが、あいつに後ろめたいことは何もない……はず……だし、
話したいことも話すべきこともたくさんあるし、いつもどおり缶ビール一本持って繊の部屋の前に立った。
「……繊……入るぞ」
返事を待つ必要はない。
いつもそうしているようにドアを開け、部屋の隅に座っている繊の隣に腰を下ろした。
こいつはアルコールの類は一切飲まないが、隣で黙って座って、俺に付き合った。
俺はそれを心地良いと感じていたし、こいつも居心地の悪さは感じていないようだった。
いつからか、夜はこうしてこいつの部屋で並んで一杯飲むのが習慣になっていた。
だが、いざ座ってみると、何から切り出していいのか思いあぐね、何も話すことができなかった。
「あいつ……あの白髪、17だってよ」
しばらく黙っていた繊の口から、ぽつりと、静かな声が洩れた。
「お前のさ、半分にも満たねんだけど」
辛辣な物言いに、思わず俺は繊の方に目を向けた。
繊の顔はこちらを見てはいない。
多分、何も見てはいないんだろう、前方を見据えたまま動かない。
もともと整ってる顔だとは思っていたが、無表情でまばたきもしない横顔は、まるで人形のようだった。
「まあ、お前も男だし……まだ涸れちゃいねえだろうから、さかるなとは言わねえけどよ……」
「……だから……」
「本気だろうが遊びだろうがどっちから誘おうが、そんなん正直どうだっていいんだ。
 無理矢理だろうが双方合意の上だろうが、それだってどうでもいい」
「いや、待て……!」
待て待て!あの状況で!俺から誘うってのはあり得ねえだろ!
「ただよ、未成年に手ェ出して新聞沙汰にはならないでくれ、近所歩けねえ」
「いや、だから……何もしてねえだろって!」
「……王子とロン毛が止めてなきゃ……するつもりだったんだろ」
「……っ……!」
これには、即座に否定できなかった。
誘ってきたエイシアに多少恥をかかせることになっても、はっきりきっぱり突っぱねて尚且つ諭すのが、
俺の責務でベストな判断だったんだろうが……ご無沙汰な体は正直なんだぞ!?
もしあそこでドアが開けられていなければ……繊の言うとおりになってた……かもしれない……。
たとえ相手が男であろうが、自分の子供でもおかしくない年代であろうが。
俺もまあ、身持ちの固いほうではないし、流れ次第ではそうなっていただろうな。
だがそれはあくまで可能性の話であって、何も起きなかった、これが事実だ!
「お前の性欲は否定しねえけど、発散する相手選べよ。たまってんなら、そのへんの風俗にでも行って
 適当に抜いてこいや」
「……お前いい加減にしろよ!……ちょっとおかしいぞ?」
何がこうまで繊の気に障ったのか正直わからねえが、いつになく語気の荒いトゲのある言い方に、
思わずかっとなって繊を畳の上に組み敷いていた。
「……ってぇな……」
怯えて揺れる視線にぶつかって、後悔した。
「……俺のことも犯すのか?」
手の下にある薄い肩が、小さく震えているのがわかる。
違う……。
こんなんじゃだめなんだ。俺はこいつを不安にさせたかったわけじゃない。
ただ、何を話しても何をしても傷つけることしかできないような気がして、少しだけ胸が疼いた。
こいつがこんなふうに怖がったりするのは、俺が怒鳴ったり手を上げたりするときだけだ。
俺だけを怖がるようになったのは、もちろん俺のせいだ。昔、手酷い仕打ちを与えた。そのせいだ。
「悪い。……怖がらせて悪かった……」
俺は繊を抱き起こすと、その背中を擦った。まだ、強張ったままだ。
「寝るわ。邪魔したな」
空き缶を持って立ち上がる。なるべく繊の方は見ないようにした。
視線が合うとまた怯えさせそうで、それを見るのもそうさせるのも願い下げだ。
部屋を出てドアを閉めようとしたとき、背中で声がした。
「俺も言い過ぎた……ごめん」
俺は振り返ることはせずにそのまま自室へ向った。
明日、もう一度落ち着いて話そうか。


370 :a night -繊/2-:2012/05/29(火) 20:54:08
畳の目を数えていたら、いつの間にか部屋の中が真っ暗だった。
4,300を過ぎたあたりから、何度数えてもうまくいかない。
数えてる間は、忘れていられた。
白髪が誘ったのか、それとも牧の方から誘ったのか、本気だったのかふざけてたのか、無理矢理なのか
二人とも乗り気だったのか、キスだけで済んだのか、とか、そんなことを考えずに済んだ。
でもやっぱり思い出してきて、苛ついて、数えられなくなる。
我ながら馬鹿らしくなって、部屋の明かりを点けた。
明かりを点けたからといって、何するわけじゃない。もともと暗さに不便を感じるわけでもない。
今日はさすがに来ねえだろうと思いながらも、内心では牧のことを待っているんだということに気付いて、
そんな自分に呆れた。
「……繊……入るぞ」
鍵なんてかかってない。別に俺がいちいち許可しなくても、勝手に入ってくる。
いつもどおりに俺の部屋にやってきて。いつもどおりに隣に座って。いつもどおりに一人でビール飲んで。
どのツラ下げてやってきてんだよって、俺も勝手にそう思って。
そもそも、牧と白髪が二人で何しようが、俺のでしゃばっていいところではなくって。
それでもやっぱり苛ついて。
「あいつ……あの白髪、17だってよ」
気にもしてなかった年齢を口実にして、牧を責めた。
「お前のさ、半分にも満たねんだけど」
自分勝手な嫉妬だっていうのはわかってる。
「まあ、お前も男だし……まだ涸れちゃいねえだろうから、さかるなとは言わねえけどよ……」
「……だから……」
一度口にしてしまうともう止められなくなった。
「本気だろうが遊びだろうがどっちから誘おうが、そんなん正直どうだっていいんだ。
 無理矢理だろうが双方合意の上だろうが、それだってどうでもいい」
どうでもいいのかどうでもよくないのか、それすらもうどうでもいいわ。
いきさつがどうであれ、牧の上に白髪が乗っかってキスしてた、それが事実だ。
「いや、待て……!」
「ただよ、未成年に手ェ出して新聞沙汰にはならないでくれ、近所歩けねえ」
嫉妬する立場じゃないってのもよくわかってる。俺が勝手にひとりでこいつに惚れてるだけだ。
その気持ちはこいつにはまったく関係ないっていうのもよくわかってる。
「いや、だから……何もしてねえだろって!」
「……王子とロン毛が止めてなきゃ……するつもりだったんだろ」
「……っ……!」
……クソ、当たりかよ……!
「お前の性欲は否定しねえけど、発散する相手選べよ。たまってんなら、そのへんの風俗にでも行って
 適当に抜いてこいや」
こんな言葉で牧を詰って、困らせたいわけじゃない。ますます嫌われるだけだってわかってるのに。
わかってるのになんで、こんなこと言ってんだろ……自分のウザさに腹が立つ……!
「……お前いい加減にしろよ!……ちょっとおかしいぞ?」
背中と頭に鈍い痛みを覚えて、床に叩きつけられたのだと知った。
俺の肩を抑える腕に容赦はなかった。
怒らせてしまった。
「……ってぇな……」
目が合った。怖かった。
「……俺のことも犯すのか?」
俺はずるい。自分が傷つくフリをして、牧を揺さぶってる。
ほんとはそうしてこいつとやりたいくせに、そこから入ってくるこいつの底意は知りたくなくて、
自分の願望を批難に隠してわざと地雷踏んで、傷を抉って自分を刻んで、そんなことしかできない自分が
卑怯で情けなくて女々しくて大嫌いだ。
「悪い。……怖がらせて悪かった……」
牧の手が俺を起こした。背中をはらってくれた手つきが優しくて、もう怒ってないのかと思ってしまう。
でも、俺の方を見ようとしないから、まだムカついてんだろうな。
いっそ、こいつがこんなに優しくなくて、他の人間がそうであるように邪険にしてくれてたら、そうだったら
こんなふうに勘違いして好きになんてなってなかったかもしれない。
でも、今更どうしようもないほど好きになっていて。
「寝るわ。邪魔したな」
立ち去っていく背中を見て、急に寂しくなって、とりあえず謝んなきゃって思って、声をかけた。
「俺も言い過ぎた……ごめん」
誰かを好きになるって苦しいことなんだな。


371 :オリキャラと名無しさん:2012/05/29(火) 21:12:49
――終了――
拙文にて失礼!

改めまして、710姐さんありがとう
その後のエイシアさんがお仕置きされてるところとか(もちろん性的な)、ひとり何事かわかってないシルヴィアさんとかも
勝手に妄想して楽しかったですww

以下、勝手にBGM
T.R.U.E B.L.U.E(2007.12.24ver.)
M.O.O.N(2007.12.24ver.)
/L.U.N.A S.E.A
I. f.o.r Y.o.u(2007.12.24ver.)や
C.r.a.z.y A.b.o.u.t Y.o.u(2011.10.22ver.)が流れるまでまだ足りないwww


372 :オリキャラと名無しさん:2012/05/31(木) 00:41:58
》368-371

1-710です
うお-!1-091姐さんによるSSがきてたよ!!投下乙でございます!

そして、繊様、なんて切ないの!牧先生、なに想い違いしてるんですか!!
ああ、二人とも切なすぎるだろ…

そんなお二人に素で追い打ちをかけてたエイシア!…君が一番空気読めてないぞ!!

「……でもさ、牧先生みたいなタイプには、実際に経験してもらう方が良んじゃないかと思ったんだ。
 他の奴との身体だけの関係なんかじゃ、絶対に補えない程に、牧先生だって、繊の事、好きなんだ。
 逆に繊だって、心だけの関係じゃ、きっと足りないって思ってる。
 繊にあんなダメージを与えちゃったのは、本当に悪いって思うけど、
 俺なんかとやった位じゃ、満足出来ないって、牧先生に解ってもらえればそれで良かったんだ」

と、エイシアが言い訳を申しておりますが…
繊様、本当にごめんね…

ああ……しかし、投下していただいたSSから、またも色々と妄想の勢いが止まらないですw
この勢いを糧に、柳様×エイシアを書くぞ-!

それから、BGMもあわせてご紹介いただき、ありがとうございます!
これから、ゆっくりと、調べて拝聴しようかと思っておりますw楽しみだwww
1-091姐さん、素敵なSSと萌えを本当にありがとうございましたww


373 :オリキャラと名無しさん:2012/06/02(土) 12:19:29
こんにちは、1-710です
さて、以前、アップローダーに期間を区切って草稿版をUPしました
柳様×エイシアの第1話が仕上がりましたので、投下します
第1話ってどういうことだ! というところを先に白状しておきますと、
このSS、大幅にリライトをかけました

でもって、まだ先にUPした場面にまでも到達しておりません……
いずれ、この後の物語になるアル×エイシアと、ウィル×エイシアも書きたい!
ということで、それには、もう少し、前からエイシアの心情をフォローしておかないとね!
と思ったら、こんな形になりました……orz

なんかもう、既に、またやらかしてる感、満載ですが、よろしかったらどうぞ
以下、属性表記です
 ↓


374 :-CROSS OVER THE BEAST 1-落涙の獣-:2012/06/02(土) 12:20:45

本スレ1-710です。
本スレ1-091様のお子様とうちの子のスピンオフな二次SSの後日談-第1話を仕上げましたので、
お知らせします。
以下、属性表記です。
 ・本スレ1-091様(本スレ1-866)の設定と、うちの子の設定(設定スレ1-036)を足した
  現代風ファンタジーな世界観での二次SSです
 ・前回の「-CROSS OVER-」と同設定で展開する後日談的ストーリーですが、
  一応、これだけでも読めるはず
 ・エロあり、ただし、ひとりH、暴力描写、痛覚に触れる描写も少々
 ・ストーリーは長めで、続きあり、今後も多分、ご都合主義的展開あり
 ・登場キャラクター&メインCPは、柳様×エイシアです
 ・設定準拠ではない表記を若干含みます
 ・キャラ&設定が1-091様の公式設定から外れている可能性あり
 こんな感じですがよろしかったらどうぞ

375 :-CROSS OVER THE BEAST 1-落涙の獣-1/19:2012/06/02(土) 12:22:47
青年は、その男の前で、躊躇いなど、ひとつも見せずに衣服を脱いだ。
ただ、彼は、自らの衣服に手をかけている合間もずっと、自らのアイスブルーの瞳の目線
を相対する男の方へと合わせ、鋭い視線をもって、相手を見据えていた。

「随分と横柄な態度で、望むものだな。
 お前の主から聞いていたのとは、少々態度が異なるようだが」

「失礼いたしました、柳様、ただ、僕が、
 今、この場において、貴方に従順であるようにと、言い渡されているのは事実ですし、
 貴方に逆らう気持ちなどは、僕には今のところ、全くないんですが」

青年は、相対する漆黒の髪と緑闇色の瞳の男から投げかけられた、言葉に対し、彼の知的
水準の高さが伺い知れる流暢な日本語で返事を返し、笑顔でそう言った。
引き続いて、彼は、既に自らの手で完全に衣服を取り去っていた上半身だけではなく、自
らの腰の辺りへと手を遣ると、下肢に身に着けていた衣服の釦を外しながら、それを脱い
でいく。
そうして、これも、もう、全くあたり前の行為なのだといった風情で、青年は、自らの手
を全く止める事なく、自らが着ていた衣服を完全に脱ぎ去る。
それと同時に、既に素足になっていた、青年の足元には、軽く乾いた音を立てて、身につ
けていた、最後の衣服が落ちた。


376 :-CROSS OVER THE BEAST 1-落涙の獣-2/19:2012/06/02(土) 12:24:03
「これで良いでしょうか? 柳様」

男の目の前で、全ての衣服を脱ぎ終えた青年は、相手へと再び微笑み、その視線を合わせ
ながら、そう言った。
男の目の前に映る、17、8歳という年齢に対しては、若干不釣り合いにも思える上質な
仕立てのダークカラーのスリーピースのスーツを全て脱ぎ棄てた、この青年の裸身は、美
しいと言って、全く差し支えないものだった。

青年は、短く整えられた白銀の髪と、アイスブルーの瞳に彩られた、どちらかと言えば、
怜悧と評するのに合い相応しい、知性と品格をあわせもった聡明な印象をも与える整った
面差しをしていた。
また、この17、8歳の年頃の青年としては、申し分のない、均整の取れた柔らかな筋肉
の付いた、滑らかな身体付きは、目にする誰の視線を奪う程の魅力に満ちたものだ。

ただ、それは、更なる美しき者――人ならざる魔人であり、弥終と呼ばれる世界に住まう
漆黒の髪と黒曜石のごとき瞳を持つ魔性の青年、繊の存在を知る、この男、柳からすれば、
それに及ぶものではなかった。
それでも、目の前のこの青年は、繊とはまた、異なる魅力を持っている事だけは、確かだ
った。


377 :-CROSS OVER THE BEAST 1-落涙の獣-3/19:2012/06/02(土) 12:26:28
まず、青年は、相手から最初に与えられた指示どおりに、自らの衣服を脱ぎ去っていたが、
その流麗な所作は、恐らくは、この青年が、こうして、人前で衣服を脱ぐという行為に慣
れているのだという事を差し引いても、これからの行為への期待を抱かせるのに充分な立
ち振舞いだった。

それに加えて、青年が折に触れて垣間見せる、目線の送り方や立ち振舞いには、相手に対
して、媚を売るような風情は一切、見出せなかったが、その所作の一つひとつからは、ま
るで、猫科の大型動物が見せるような、どこか蠱惑的な様が見て取れた。

ただ、それは、この青年が、欧州連合という他国の組織において、新たに開発された、「魔
獣」という名の人ならざる存在である故の事であったのかもしれないが。
青年は、獣の血筋を交雑させた上で、生成される白銀の豹へと変幻する能力を持つ、人工
生命体だった。

しかし、白き槍と称される退魔組織の幹部であるこの男――柳にとっては、青年のそうい
った世間一般の概念においては、人を惹きつける魅力に満ちた容姿や雰囲気などは、どう
でも良い事だった。
柳にとっては、この青年が、半人半獣の人工生命体であるという時点で、特に性的な意味
での食指を全くと言って良い程に感じていなかったからだ。

彼は、ただ、この場において、欧州連合という他国の組織が此方側に投げかけてきた提案
に応じて、この高級ホテルの一室に足を運んでいただけだ。
そして、今は、ただ、この目の前の魔獣の青年――エイシアの身体を以って、魔獣という
新たな人工生命体が、戦場などの極限の状態にあっても、人間の欲望を従順に受け止める
だけの存在足り得るのかという点が確認できれば、それで良いとも考えていたのだ。


378 :-CROSS OVER THE BEAST 1-落涙の獣-4/19:2012/06/02(土) 12:30:15
「其処で、自分自身が達するまで慰めろ。勿論、後ろも使ってな」
「わかりました。貴方のご命令のとおりに」

そんなのは、容易い事だ。
青年は、そう言いたげな表情を残しつつも、従順に返事を返して微笑んだ後に、何の抵抗
も無いかのように、柳の見ている目の前で、豪奢なクッションが幾つも並べられたベッド
の上へと腰を降ろした。
それから、そのベッドの上で、相手の見ている目の前で、上半身を起こした体勢のまま、
両膝を軽く折り曲げ、自らの上半身の方へと僅かに引き寄せる。

それは、そうした姿勢を取れば、自らの局部が――未はまだ、欲情した証を微塵も見せて
いない彼の性器と、後々、相手のものを受け入れていく事になるのであろう、薄桃色に色
付く後孔――彼の秘部の様子が目の前の相手へと露わになるのだという、その事を良く理
解した上での所作だろう。
青年は、そんな姿勢を取った後も、目の前の漆黒の髪と緑闇色の瞳の男――柳の事を再び
鋭いアイスブルーの瞳で見据えていた。

そうして、程無く、青年は、利き手である左手指を自らの口元に当てると、そのまま、自
身の指を2本程、口腔内へと運び、咥え込んだ。
青年は、咥え込んだ指をわざと濡れた音を立てるようにして、自らの舌で、ゆっくりとし
た速度で弄るように舐め上げてゆく。


379 :-CROSS OVER THE BEAST 1-落涙の獣-5/19:2012/06/02(土) 12:31:57
その仕草は、まるで、青年自らのそうした有様を以って、目の前に相対する男の欲情を煽
る為の行為のようにも思えたが、その真意は、柳にも解らなかった。
ただ、今、この場で、思い当たる記憶と言えば、この白銀の髪の青年は、恐らくは、つい
先日、柳がこの目の前の青年とともに、対峙した残り2体の青年魔獣共から、こうした行
為に関する手解きを受けている可能性が高いという事だけだ。

あの時、相対していた、残り2体の青年魔獣――長い墨色の髪とトパーズブルーの瞳が印
象的な精悍な顔つきの青年と、緩やかに波打つ黄金色の髪と碧眼を持つ秀麗な容姿の青年
は共に、このエイシアという名の魔獣に対して、それなりの想いを抱いているようにも見
えた。

柳は、今この段階においては、自らが了知していた、その事実を敢えて、この白銀の髪と
アイスブルーの瞳の青年魔獣――エイシアへと告げる事はしなかった。
彼は、表情一つ変える事無く、ベッドの目の前に置かれた椅子へと腰掛けると、エイシア
が自慰行為を始めてゆくその様を眺めていた。

一方のエイシアの方も、相対する柳の見せる表情に構う事無く、自慰行為を続けていく。
この男の目の前で、自らが、相手にとって解りやすい形で、少なくとも一度は、達しない
限り、この場から解放される事はない。そして、彼には、その現実が良く解っていた。


380 :-CROSS OVER THE BEAST 1-落涙の獣-6/19:2012/06/02(土) 12:36:14
エイシアは、舐め上げた左手指を、自分自身の感情が昂り始めたのにあわせて、ほんの少
しずつではあるが、徐々に膨らみを増し、形を変えつつあった、自らの性器へと、宛がっ
ていった。
そうして、この男の目の前で、自らが行う、はしたない行為を想うと、泣きたくなりそう
になる気持ちを抑えながら、ただ、純粋にその行為へと没頭していくようにと、自らを仕
向け、その場所を刺激していく。

「……ん、はあっ……」

自らが施す行為によって、エイシアの口からは、次第に艶めいた吐息が零れ始める。
その行為にあわせて、彼の勃立の先端からは、少しずつ、熱く潤む液体が滲み始めた。

これまでにも、自分は、こういう行為を幾度となく、経験してきている。
でも、今までに、ここまで、冷静さを保ったままの男の前で、こうした行為をした事など、
一度も無かった。

たとえ形式はそれぞれに異なっていようとも、今までに自分が情交を交わしてきた相手は、
少なからず、自分の事を愛してくれていたのだ。
自分は、これから、今、この時点に至って、初めて、互いに情愛など、全く感じないてい
ない、この相手と、性交を交わす事になるのだろう。

「ふ、あぁ! ぁ……あ、ぁ……」

これは、仕事だ。
自分を含めた身内の3人のうちの誰かが引き受けざるを得なかった、断るという選択肢の
無かった仕事だ。

自分が、自分自身が一番、適任だと考えたからこそ、引き受けたに過ぎない。


381 :-CROSS OVER THE BEAST 1-落涙の獣-7/19:2012/06/02(土) 12:41:59
エイシアは、自らの口元から、艶めいた吐息を零しながら、自らが当初に抱いていた、そ
の意識思を改めて、噛みしめるようにして、思い起こした。
それから、柳からの冷めた視線を敢えて意識する事なく、今度は、自らの右手指を先程と
同じように一度、口に含ませてから、自らの後孔へと宛がった。

「ん……あ、く……ぁ!!」

今、こんな感情を抱えたままの状態で、其処に指を差し入れたとて、心地良い筈など、全
く無かった。ただ、目の前の男が命じた課題をこなさなければ、これは終わらないから。
それだけの意図をもって差し入れただけだ。

「……ぅ、く、あぁっ!」

自らの指であるにも拘わらず、エイシアの其処は、引き攣るような痛みと共に、それを拒
もうとして、緊張を強め、鋭い反応を返しながら、自分自身の身体に震わせる程に感じ入
る結果となった。
そうして、その自分自身が招いた身体の反応により、エイシアは、不本意にも、自らが無
理矢理、差し入れた2本の指を更に強く締め付けていた。


382 :-CROSS OVER THE BEAST 1-落涙の獣-8/19:2012/06/02(土) 12:43:26
「あっ! は、ん、ぁあっ……!」
「自らが差し入れた指の所為で、其処まで、悦がるとはな、良い様だな、魔獣」

柳は、エイシアが目の前で見せていたその様子から、今、この青年が、その後ろの部分で
は、全くと言って良い程に純粋には快楽を感じていない事を承知で、敢えて、冷静な声色
で、感情を一切乗せずに、そう、言葉をかけた。

「……っ!」

自分自身が自らの身体に施した、その行為の所為で、先程よりも更に、情けない声が漏れ
ていた事を認識していたエイシアは、相手からのその言葉を受けて、自らの身体を更に羞
恥に染め、小さく震わせる。

――こんな事、もうしたくない……。

エイシアは、自らの後孔に差し入れた、自分自身の指を今、すぐに、引き抜く事さえ出来
ない状況にあることをしっかりと認識していた、その筈だった。
それでも、彼は、今、この時点に至って、自分の心の内側に、ふいに生じ始めたそんな感
情に対する、更なる戸惑いを隠す事ができなかった。


383 :-CROSS OVER THE BEAST 1-落涙の獣-9/19:2012/06/02(土) 12:47:47
その感情を改めて認識した一瞬に、彼は、自らのアイスブルーの瞳の目尻に涙を溜め、憂
いを強く帯びた表情を垣間見せる。
今までに経験してきた、この行為の最中に、彼が、こんな風に、それをしたくないとまで
感じた事は、殆どと言って良い程に無かったからだ。

「……ん、あ、あぁ!」

それでも、エイシアは、そんな自分の感情も、柳から受けた言葉も全て、自らの意識の外
へと押しやるようにして、自ら後孔への刺激は敢えて、これ以上、強めない代わりに、既
に勃立しきっていた、自分自身の性器への刺激を更に強めた。

今までに、自らの左手でもって、与え続けていた刺激によって、既にその先端から、温か
な蜜を零し始めていた、彼の勃立は、先程よりも、強められた行為にあわせて、より一層
の熱を帯びた淫らな水音を立てていく。

それは、彼自身が自ら成す、この行為によって、快楽を伴う、あの感覚に、深く感じ入り
始めたことを、目の前の男へと、更に明確に伝えていく事に他ならなかった。

だが、エイシアには、そうでもしないと、今、この場において、一番思い出したくなどな
い、自らが親愛の情を傾けている青年2人と、それぞれに交わした、情愛を伴う、あの行
為の残像がより鮮明に、自分自身の脳裏に浮かぶ事が判っていた。
だから、彼は、今、現時点に至るまで、自分自身がその左手によって、自らの起立に施し
続けていた、その行為を止めては、いない。

「は、あ……くっ、あぁ……あぁっ!」

施し続ける行為にあわせて、エイシアのアイスブルーの瞳からは、無意識のうちに、一筋
の涙が零れ落ちていった。
それが、頬へと伝わっていく様を感じながら、エイシアは、自らの脳裏に、大切にしたい
と、痛切に想い慕う、青年二人の哀しみと慈しみに満ちた表情を思い浮かべた。


384 :-CROSS OVER THE BEAST 1-落涙の獣-10/19:2012/06/02(土) 12:50:32
――ウィル、アル、俺は、やっぱり……
                この男と、こんなこと、するの……嫌だったんだ……。

今、これ以上、この場で、彼等の事を思い出すのだけは、絶対に嫌だ。
目の前で相対するこの男、柳に、自らのこの想いを悟られれば、悟られる程に、多分、
この後に強いられる行為はきつくなる。

それは、後々、自らが大切に想う、彼等の立場を危うくする事にさえ、繋がりかねない。
だから、彼等の事を今は、もう、これ以上、思い出したくなど、ない。
この男――柳は、もう、既に、自分とアルやウィルの間に、何らかの情愛を伴う関係性が
在る事位は、悟っているのだろう。

自らの身体が、こうした行為に比較的素直に反応するように出来ている事を踏まえると、
恐らくは、それを完全に隠すことなど、出来はしない。
でも、それが、自らが大切に想う、彼等と交わした情交の有様が、断片的にこの男に知ら
れる度に、彼等を悲しませていく事になるのは、間違いない。


385 :-CROSS OVER THE BEAST 1-落涙の獣-11/19:2012/06/02(土) 12:52:15
今もなお、自分自身の身体の奥深くに刻まれている、自らが信頼している青年等から受け
た、あの甘美な感覚に満ちた行為を、この緑闇色の瞳の男からも施され、なおかつ、その
全てを打ち消されるようにして、異なる形で塗り替えられるのだけは、嫌だったのに。
多分、もう、自分のそんな、浅慮に満ちた浅はかな希いは叶わない。

エイシアは、そんな想いを抱えながらも、相手から受ける視線には、一切、構う事なく、
自らの勃ちあがった、その最も敏感な先端の部分をただ、ひたすら、自分自身を絶頂に導
く為に、先走りによって、濡れた音を立て続ける其処を、ただ、一層、激しく、刺激して
ゆく。

「……あ、あ、っあ! も、い……いくっ、ぁあっ!!」

程無く、エイシアは、しなやかな線を描く背中を弓なりに大きく反らせ、一際、艶やかな
声をあげると、自分自身の後孔に指を差し入れた、そのままの状態で、自らを絶頂に追い
込み、果てていった。

「ん、あ、あっ!! ……あぁっ……」

エイシアは、絶頂を迎えると同時に、自らの性器の先端から、絶頂へと達した証でもある、
粘り気の強い、白濁液を振り零しながら、幾度か小さく身体を震わせていた。
また、その都度、自らの後孔に差し入れたままの自分自身の指をきつく締め付け、其処か
ら受ける感覚に、エイシアは、僅かに身悶えるようにして、身を捩る。

「くっ、あ!」

身体の内側を通して伝わる鋭い感覚を受け入れながら、エイシアは、自らの後孔に差し入
れていた右手指を抜き、その場所から一度、外した。
彼は、間を置かずに、外した右手の掌をそのままベッドの上へと置き、その場に倒れ込み
そうになる自らの身体を支えていた。
そうして、エイシアは、その体勢を保ったまま、目の前の男へと改めて声をかける。

386 :-CROSS OVER THE BEAST 1-落涙の獣-12/19:2012/06/02(土) 12:54:31
「……っは、あ、さあ、柳様、僕は、これから、貴方の為に何をすれば良い?」

エイシアは、未だに荒い息を零しながらも、白濁に塗れたままの左手の掌を上へと向けた
まま、緑闇色の瞳を持つ男――柳の方へと、自らの左腕を伸ばすようにして、そっと差し
出す。
その仕草とともに、エイシアが目の前の相手を見据えるアイスブルーの瞳の視線は、当初
から持ち合せていた鋭さを失ってなどいない。

彼は、その一連の仕草からも、自らが持ち合せている気位の高い、猫科の動物としての気
質を漂わせながら、鋭い視線をもって、相手の方へと視線を送っていた。
そうして、エイシアは、一度、相手の方へと差し向けていた左手を自らの許へと戻すと、
その指先を口元へと運び、白濁に塗れた自分自身の指を舐め上げていく。

柳は、そんなエイシアの様子を、先程、ベッドの近くに在った椅子に座ったまま、唯一度、
エイシアの事を煽る言葉をかけて以来、一言も発する事無く、ただ、冷徹な表情で見つめ
ていただけだった。
やがて、柳は、相手のアイスブルーから送られていた鋭い視線に対して、殊更に残忍な微
笑みを浮かべながら、自らの緑闇色の瞳で、憐れむような一瞥を送る。

その直後に、彼は、今まで座っていた椅子から立ち上がると、そのまま、ベッドの上へと
身を置いていたエイシアの柔らかい白銀の髪を強く掴んだ。
それから、柳自身の腰の辺りへとエイシアの頭を強引に引き寄せ、青年をベッドの上で、
両手をついて跪くような体勢にさせる。
柳は、自分自身は、ベッドの真横に立ったままの体勢から、手許に引き寄せたままのエイ
シアを見下し、言い放つようにして、その言葉を告げた。


387 :-CROSS OVER THE BEAST 1-落涙の獣-13/19:2012/06/02(土) 12:58:57
「見かけに違う事無く、お前には聡い部分があるようだ。
 どうやら、お前のその様を見届けるに留めようと思っていた私の方も、趣向を変えざる
 を得ないようだ。お前の望む、その先の行為へと付き合ってやろう。
 さあ、まずは、私のものをお前の持つ技量の全てを使って、慰めろ」

「……っ! 柳さ……ま、貴方の望むままに……」

相手から髪を掴まれたままのエイシアは、その場で、一度、小さく息を詰めたが、それで
も、自分に対して、新たな命令を下してきた柳に対して、従順な返事を返した。

――ああ、やはり。
俺は、これから、情愛など欠片も感じない、この男と、最後まで、あの行為を交わす事に
なるんだ。この先、恐らく、アルとウィルを裏切るような行為をしていく事になるんだ。

そんな事を考えて、再び涙を零しそうになった自らの感情をエイシアは、かろうじて抑え
込みながら、それ以上の言葉を一切、口にしなかった。
この場に及んで、自ら無駄な口を利くことで、事態を更に悪化させたくは無かったからだ。

そうして、彼は、ベッドの上に、白銀の髪を掴まれるようにして、横たわるような形で身
を置いていたが、その返事から、あまり間を置くこと無く、無理矢理引き寄せられた、柳
の腰の辺りへと、緩やかな動作で自らの手を添わせてゆく。

彼は、その場で、小さく息を吸い込むと、自らの気持ちを切り替えながら、柳の下肢のあ
の部分を露わにする為に、自らの手を更に相手のその部分へと伸ばした。
先程、自らの衣服を脱ぎ棄てた時と比べると、随分と覚束ない動作で、エイシアは、相手
の衣服にかかるベルトと、その部分の釦をひとつ、ひとつ、外していった。


388 :-CROSS OVER THE BEAST 1-落涙の獣-14/19:2012/06/02(土) 13:01:40
エイシアは、自らの所作によって、既に半ば勃ちあがっていた柳のそれを、露わにさせる
と、そっと手を添え、自らの口元を其処に寄せる。
熱を帯び勃ちあがり始めていた柳の性器に躊躇いひとつ見せる事なく、エイシアは、それ
をそのまま、自らの口に含んだ。

「ん……ふうっ……」

エイシアは柳の熱を帯びた性器を口に含むと、それを根元に近い位置まで、できる限り深く、
自らの口腔内の限界に至る場所まで咥え込んでいく。

「……は、ぁ、う……ぐ……」

柳のそれを根元に近い位置まで、咥えたエイシアの口元からは、苦しげな吐息が漏れた。
その直後にも、エイシアは、自らの所作を止める事は無かった。
彼は、一度、自分の口腔内の奥深い、その限界に至る場所まで咥え込むと、今度は、それ
を手前側へと、ゆっくりと引き戻す動作を施し始める。
同時に、エイシアは、自らの舌を絡め、濡れた音を立てながら、徐々に、更なる熱をもっ
て、張りつめていく、柳の性器へと丁寧な愛撫を加えていった。

それは、自分が、常日頃から、こうした行為を相手から求められる度に繰り返してきた、
ただの行為にすぎない。
エイシアは、自分自身にそう言い聞かせながら、心の何処かに、冷静な感情を残したまま、
柳の雄の部分へと快楽を与える為に、その行為を繰り返し、施していく。


389 :-CROSS OVER THE BEAST 1-落涙の獣-15/19:2012/06/02(土) 13:04:36

今、この時点にあっては、エイシアは、柳に対して、普段よりも、殊更丁寧な愛撫を施し
ていたかもしれない。
でも、目の前のこの男――柳に対する情愛などは、全く無かった。
こうして、この男のものを自らの口に含んでいる間は、失敗など許されなかったから、慎
重になさらざるを得なかっただけだ。

「随分と丁寧に事を運ぶんだな……ほら、これが好きか?」
「ん、ぐっ!」

柳が発した言葉とともに、エイシアは、それを自分自身が施していた間隔とは全く異なる
形で、自らの口腔内の奥へと挿し込むようにして、いきなり強く動かされた挙句、思い切
り、上顎の内側へと突き上げるようにして、押し付けられた。
その動作によって、思わず反射的に、それを口元から外し、吐き出しそうになるのを、エ
イシアは、やっとの思いで堪える。

「……ん、はっ、ぁ、ぁ……」

「苦しいか? だが、この方が、
 先程から、お前が私に施していた緩慢な所作よりも、余程、感じるぞ」

後頭部を掴まれ、そのまま、相手から乱暴に前後に揺すぶられるようにされたエイシアは、
その動作にも、自らの目尻に涙を一杯に溜めながら耐えた。
自分自身の口腔内に差し入れられたままのそれに、歯を立てる訳には、絶対にいかない。
エイシアは、そう思いながら、相手から与えられる激しい動きに、懸命にあわせていく。
そして、その動きに合わせて、灼い熱を帯びて勃ち上がる柳の性器に自らの舌を這わせ、
相手の其処へと快楽を伴う感覚を与え続ける。


390 :-CROSS OVER THE BEAST 1-落涙の獣-16/19:2012/06/02(土) 13:07:17
「ん! ……ぐ、ふっ、んっ、うぅっ!!」

やがて、柳の熱を帯びて硬く張りつめた性器が、より一際激しく、エイシアの口内に打ち
つけられると、それと同時に、エイシアの口腔内は、柳の白濁で一杯に満たされていった。

エイシアは、息苦しさを伴う感覚の中で、反射的に肩を小さく震わせながら、限界まで耐
えて、堪える。
それは、全て自らの口腔内に放たれたその粘り気のある白い液体を、吐き出さないように、
なお且つ、未だに差し挿れられたままにされている、熱を帯びた性器にも傷を付ける事も
ないようにする為だ。

そんなエイシアの方を見下すような視線をもって眺めながら、柳は自らのものを口腔内か
ら、ゆっくりと引き抜いた。
相対するエイシアの方は、涙の滲むアイスブルーの瞳で、柳の方をただ、見上げるように
していだけだ。
エイシアは、柳の成す行為に全く抵抗を見せる事なく、ただ、相手の方を見据えていた。

「……ふ、っ……く……」

相手の雄の部分が、自らの唇の端から、粘り気のある白銀の液体の糸を引きつつ、完全に
引き抜かれるのを待って、エイシアは、口元から僅かに零れそうになった白濁液を拭おう
と、自分自身の左手を添える。
それから、彼は、添えた左手をそのまま、自らの顎の方へと流れるような所作でずらして
いった。
その所作の後に、エイシアは自らが添えた左手を支えにして、喉を鳴らしながら、柳から
与えられた白濁液を残す事無く飲み込んだ。

「……あ、ぅっ! うっ、あぁ!!」

白濁を飲み込む所作を終えた直後に、柳の掌がエイシアの右頬へと、乾いた音を立てて、
強く打ち据えられた。
柳から思い切り、頬を張り飛ばされた瞬間に、今までの所作を終えて、息を切らせてい
たエイシアは、呆気なく、自らの体勢を崩し、ベッドの上へと横倒しの状態で強く押さ
えこまれるようにして、倒れ込んだ。

391 :-CROSS OVER THE BEAST 1-落涙の獣-17/19:2012/06/02(土) 13:10:06
「誰が、それを飲み込んで良いと言った?
 尤も、お前は、私が目にした事のある、あの長い墨色の髪と青い瞳の青年魔獣に
 こうして、これを飲み込むようにと、仕込まれているのだろう?
 当然といえば、当然のことか」

「……っ!」

相手の口から、直接的な名前が告げられた訳ではない。
それでも、柳の口からその言葉が述べられた瞬間に、エイシアの心に何とも言い難い、胸
を突き刺すような鋭い痛みを伴った感情がはしった。

エイシアは、自らの心の内側へと、溢れるように生じてくる、激しく、深い哀しみを帯び
た感情を遣り過ごそうと、アイスブルーの瞳の目元から零れ落ちそうになる涙を必死に堪
え、無意識のうちに、手許のシーツを強く掴み込んだ。

――ウィル、アル……俺……は、以前の言葉を……もう、護れそうにない、から……。

「私に、こうした仕打ちを受けるという事が、それ程、悔しいか?」

柳から投げかけられた、その声に、エイシアは、ベッドに顔を伏せたまま、緩く左右に首
を振る事で答えた。
そんな否定の意図を帯びた反応を見せれば、この相手から余計に酷くされるのが解ってい
るにも拘わらず、エイシアには、もう、それを気に留める余裕は無かった。


392 :-CROSS OVER THE BEAST 1-落涙の獣-18/19:2012/06/02(土) 13:12:04
そして、エイシアが無意識のうちに、ベッドの上に顔を伏せ、軽く嗚咽に咽ぶ様子になど、
全く構う事無く、その行為は続けられていく。
まず、最初に、エイシアは、自らの柔らかな白銀の髪を強く引き掴むようにして、柳の手
によって、頭部を幾分横向きにされながら、ベッドへと強く押さえ付けられた。

続いて、エイシアのしなやかな線を描き、相対する男から見ると、幾分華奢にも思える身
体は、その上から、柳の身体に伸し掛るようにして押さえ込まれる。
そんな一連の行為を流れるような動作で、柳から受けていく度に、エイシアの口からは、
切なく、哀しみに満ちた声色の吐息が零れた。

その体勢を強いられてから、間を置くこと無く――いや、ほぼ同時といった間合いをもっ
て、何の前触れもなく、エイシアの後孔には、柳の熱を帯びた欲望の証が強く、突き挿れ
られる。

「ひ、ぅっ、あぁ!」

最初の行為が成し遂げられた、その直後、エイシアが息を詰めたその瞬間にも、もう、柳
からの次の仕打ちは、与えられてゆく。
エイシアの腰が相手からの最初突き上げにも、まともに耐えきれずに、激しく揺さぶられ
るように動かされた後で、彼の左手は、柳によって掴まれ、自ら頭上の方へと掲げさせら
れるようにして、ベッドの上へ強く押し付けられた。

程無く、柳が自らの上着の懐から取り出した、小さなナイフによって、エイシアの左手は、
手の甲を上にした状態のまま、ベッドへと思い切り、刺し貫かれ、その場に完全に固定さ
れていた。


393 :-CROSS OVER THE BEAST 1-落涙の獣-19/19:2012/06/02(土) 13:13:41
「う、あ゛あ、ああぁあぁ!!」

その瞬間、エイシアの口元からは、今までの中で、一際、悲痛な声色を帯びた、悲鳴にも
近しい、叫び声が零れた。

俺が、今、一番許せないのは、自分自身の意思の弱さなんだよ。
貴方から受ける、この行為とか、痛み自体なんて、もう本当に、どうでも良いんだ。

――俺が、本気で感じるのはね、大好きな奴からの行為だけなんだよ。

自分自身が悲鳴を上げた、瞬間に、エイシアの脳裏には、ほんの一瞬、以前、大切な青年
達から向けられた、熱い激しさと大きな充足感を併せ持つ、あの感情と、自らが相手へと
伝えた、そんな言葉がよぎった。

だが、柳から受ける、この熱く激しい行為は、これからも、そんなエイシアの心の琴線に
触れる事なく、ただ、快楽と痛みだけを伴う行為として、続けられてゆく。
それだけは、今、現時点に至っても、もう、避ける事など出来ない現実だった。

【 続く 】

 

394 :-CROSS OVER THE BEAST 1-落涙の獣-:2012/06/02(土) 13:20:43
-投下終了-

お付き合いいただき、ありがとうございました!(SS属性表記と本編のタグ→》373-394)
エイシアさんが、徐々に感情的に追い詰められていく様子も含めて、
お楽しみいただけると幸いですw

しかし、エロって、書くの楽しいけど、本当に難しい…

以下、雑感と今後の予定等々です(相変わらず長いよ!)…よろしかったらどうぞ
 ↓


395 :オリキャラと名無しさん:2012/06/02(土) 13:22:17
追伸:
えーと、
結局、その後のウィルの葛藤とか、アルとの遣り取りとか、ちゃんと情愛を伴ったエロも
(アルはちゃんと癒してくれそうだけど、ウィルは結構激しいよw特にねww)
という感じのもやっぱ書きたいよね…ということで、こちらのSSもシリーズ化させて
しまいました…
でもって、これの続きは、前回、アップローダーに上げた場面を少し、リライトしたもの
になる予定です

あと、場所が高級ホテルになっちゃったもんで、エイシア達には、今のところ、一応、全
く普通のスーツを着てご登場いただく事になりました
後に登場予定の残り二人を含め、無理矢理でも軍服ままの方が良かったかしら?と少し思
案中です…
でもって、1-091姐様にまたもご質問なのですが、柳様のご衣装もこのまま、1-866の設
定画のとおりのものでOKでしょうか?
同じ軍服でも、デスクワークとか、ホテルとかに来賓される時にはもう少し、スーツっぽ
いものをお召しだったりされてますでしょうか? 念のために、お手すきの時にでもレス
をいただけると有難いです
いつも申し訳ないのですが、どうぞよろしくお願いします!

さて、次に投下するのは、これの続きではなくて、
多分、1-549様とのコラボの「-CROSS LIMITED 2-」のはず!
→こちらも、現時点では、6月末までを目途に納品予定な感じとなっております…orz

相変わらず、無計画な上に遅筆で本当に申し訳ないです…でも、どの物語も必ず仕上げる!
ということだけは、しっかりお約束したいと思っておりますので、これからも懲りずに、
お付き合いいただけると、有難いです
今後ともどうぞよろしくお願いいたします!


396 :オリキャラと名無しさん:2012/06/05(火) 00:22:31
》372-395
91です
エイシアさんにそこまで気を使わせておいてこの体たらく、ふがいないおっさんたちでごめんねww

そして、柳さん×エイシアさんキテタ――――――――!!!
ここ来た時にちょうどご奉仕中場面だったので、リアルに、立ち上がるAAみたいになった!w
ごっくんの後の平手打ちに何かが漲ったww
いいだけ酷い仕打ちしやがって、我が子ながら柳さんgj……間違えた、もっと追い詰めてあげて!……間違えた……エイシアさんガンガレ、超ガンガレ!!
あとでちゃんと、お二人(+シルヴィアさん)に癒されてね……!!
なんでだろう、エイシアさんのことは大好きなのに、ひどい目に遭えば遭うほど萌える……
このどこか一場面も描けるようなら描いてみたい(エイシアさんアナヌーとか)w

以下、柳さんの衣装について:
正直、自分でももうすっかり忘れて見直したくらいなので、どんな感じでもいいかとw
(描くのも着るのもめんどくせえ服着てたw)
衣装コンセプトとしては、「上から下までぴっちりタイト+フルオーダーの一点もの+動きやすさは完全無視+白」ですが、
完全無視でももちろんかまいませんw
帯刀許可を得ていれば、愛刀2本をけつでクロスさせて腰からさげているかも(さすがに抜き身はNGでしょうがw)
きな臭い相手だと判断した場合、総支配人に掛け合ってる可能性もあり

710姐さんごちそうさまです!
どのお話も気長にまってます!


397 :オリキャラと名無しさん:2012/06/06(水) 00:27:05
》396
早速のレス&柳様のお衣装に関するご回答ありがとうございます-!
平手打ちw良いですよねwwこの動作のお陰で、エイシアが柳様から更に可愛がっていただけそうで良かったw
エイシア、このまましっかり頑張って、柳様にもっと可愛がってもらってねw

以下、毎度おなじみの長文レスです!毎回、本当にすみません…
 ↓
最初にいらん裏設定?をお伝えしておきますと、
このSSの中で、エイシア→シルヴィアな感情に触れてないのは、エイシアが死ぬほど嫌がるからですw
彼は、シルヴィアさんの前では、誰よりも精神的にタフなお兄さんポジションでいたいようで、こんなにも
激しい仕打ちを柳様から受けた事をシルヴィアに知られたら、エイシアは多分、もう生きていけないwので、

今回、シルヴィアには、後々、無意識にウィルを諭す役にまわってもらおうかと思ってますw
でもって、エイシアの事は、まずはアルが何とかしてくれる筈!なんですけど…w

それから、柳様のお召しものは、1-866に掲載していただいてるお衣装より少しだけシンプルめな感じで
・ちょい襟が高めのスダンドカラーシャツ+アスコットタイ(タイはシャツの中にインでしていただく感じ)
・ミディアム丈のフロックコート風ジャケット(全体的なシルエットはかなりタイトめ)
・足元は何故かひざ丈位のロングブーツ
・白+フルオーダーの一点もの
・装備品は、
 ①フロックコートのポケットに小さめのナイフ2本
 (刃渡り10㎝位→持ち手入れて17cm位→2本なのは、もう1本使う予定があるからw)
 ②腰に刃渡り40-50cm→全長60cm位の小刀
 (→右側が持ち手になるように、腰の右から左側に渡す感じで背中側に装備)

②は、ストーリー中で使う予定なし…でも、柳様なら、護身用に最低でも、これ位は持ち歩く筈!
(勿論帯刀許可を得てね)という感じでいこうかと思いますw(これ、SS中でどこまで表現できるんだ…!?)

姐さん、またも柳様のヴジュアルコンセプト&したたかな思考の一面が垣間見れるレスをくださってありがとう
ございますwこれで一層、筆が進むww

あと、エイシアさんのオナヌー中の一連の所作は、ベッドの上で軽く膝を曲げて、自分からあの辺りを相手に晒す
姿勢を取りながら、一人で涙流しつつ、嫌々弄るって、なんかエロいよねwという感じで書いてみたwので、
そんなエイシアさんのはしたない姿wwをいつかお描き添えいただけたら、本気で喜びますwww

あ、でも、この場面だと柳様にご登場いただけない!ので、髪を掴まれたまま、真裸で、柳様の腰の辺りに頼りなく
縋り付くエイシア…とかも捨てがたいぞw
などと、毎回、勝手な妄想ばかりで恐縮ですが、もし、そのうち、お気が向かれましたら、姐さんのイメージされる
ままにイラストをお描き添えいただけると、ものすごく嬉しいですww

そして、今回のSSも、いつにも増して、誤脱字&重複表現が散見されていて、大変申し訳なかったです…
これから地道に直そう……そして、もう少し丁寧に仕上げるべきだろ…と、深く反省しきりです…orz
でも!この反省を糧に今後も精進を重ねていく所存ですので、どうぞよろしくお願いします!!


398 :オリキャラと名無しさん:2012/06/16(土) 01:06:40
かなり遅レスですが…
グダグダいいよgdgd
仲良しラブラブもいいけど、くっつきそうでくっつけな二人も良い!
あえてHに突入せずにに立ち去るとかこのじれったさがたまりません

柳様×エイシアさんのエロも読みごたえあってよかったです
いっぱいいじめられてとことん追い詰められちゃってください
その後の展開も楽しみにしてます!


399 :オリキャラと名無しさん:2012/06/24(日) 17:11:30
》398
こんにちは-! 1-710です 

gdgdいいですよね! gdgd!!
自分もお二人のじれったくて、どこか切ない感じと、本当に仲良さげな感じが大好きだw
でも、もっとくっついて欲しいから、ちょっと、手出したくなるんですよねww
ということで、遅れに遅れてますが、そのうち-CROSS OVER-の続きも書きたいです!
繊様と牧先生とか、書きたい!書きたい-!!

それから、柳様×エイシアのSSの方にもレスいただきましてありがとうございます!
こっちのSSは基本的にエロ満載なので、そういう意味では書いてて本当に楽しいですw
えらいまったり進行で恐縮ですが、三者三様のエロがお届けできると良いなぁ…と
目論んでおりますので、これからもどうそよろしくお願いします-!

さて、予告しておりました、1-549様とのコラボSSの続きを投下しにまいりました!
以下、属性表記とSS本編等々でございます
よろしかったらどうぞ


400 :-CROSS LIMITED 2-来訪者の意識-:2012/06/24(日) 17:16:54
本スレ1-710です。
本スレ1-549様のお子様とうちの子のスピンオフな二次SSの第2話を仕上げ
ましたので、投下します。以下、属性表記です。
 本スレ1-549様(本スレ1-941)の設定と、うちの子の設定(本スレ1-710)を足した
  終末戦争後の世界を舞台にした近未来ファンタジー的な二次SSです
 ・微エロ?かつ、二股な感じwでもって、痛覚に触れる描写あり(微小)
 ・ストーリーは長めで、続きあり、今回も今後、かなりのご都合主義的展開を含む
 ・主な登場キャラクターは、
  キリアンさん、ザックさん、ダニーちゃん、エル、β2、シオンといったところ
 ・今回は、エル、キリアンさん、ザックさん、ダニーちゃんあたりがメインキャラクター
 ・設定準拠ではない表記を若干含みます
 ・キャラ&設定が1-549様の公式設定から外れている可能性あり
こんな感じですがよろしかったらどうぞ


401 :-CROSS LIMITED 2-来訪者の意識-1/15:2012/06/24(日) 17:21:56
熱い。身体がとても熱くて、左足が酷く痛む。
ただ、自分自身が、とても愛おしく大切に想う、あの青年の事が頭から離れない。
流れるような長いプラチナブロンドと青銀の瞳を持つ、精悍な顔つきをした青年の笑顔が、
頭から離れない。他の事など、何も考えられなかった。

「う……β2……」

今、どんなに名前を呼んでも、もう、あいつは俺の傍に居ない。
淡い空色の髪とそれよりも若干、濃い色の瞳を持つ、端正な容姿の少年、エルはそう思い
ながら、自らの瞳に再び涙を浮かべた。
それが、自らが左足に負った、深い傷と、もう、ずっと続いている発熱によるものなのか、
今、自分自身が抱える感情の揺らぎ所為なのか、エル自身にも解らなかった。

ただ、俺は、自分自身の不注意が元で怪我をしていて。
それでも、β2が上手く計らってくれて、この家の人達も受け入れてくれたから。
だから俺は、今、この家のベッドで休ませてもらっているんだっけ。

少しずつ、思考を重ねて、覚束ない記憶を整理していきながら、自分自身の置かれた状況
を把握しようと努めていた。
そうして、未だに続く発熱によって、荒い呼吸を繰り返しながら、エルは、未だに涙に潤
む自らの空色の瞳をゆっくりと開いた。
ようやく開いた彼の瞳にまず、最初に映ったのは、飾り気など全く無い、この家の灰色の
天井だった。
それでも、その天井を目にしたエルは、ほんの少しだけ、ほっとしたように溜息をついた。


402 :-CROSS LIMITED 2-来訪者の意識-2/15:2012/06/24(日) 17:23:30
ああ、どうやら、自分の認識に誤りは無いみたいだ。
でも、此処が何処なのか……もう少し、思い出さないと、だめだ。

それなのに、今、こうしていると、思い出すのは。
自分自身がこうして身を置いているのが、以前、あいつ等と普通に暮らしていた時と同じ、
大きなダブルベッドの上だからなのか、誰かが自分の服を脱がしてくれていて、左足に巻
かれた包帯以外に何も身に付けない、この状態でブランケットに包まれている所為なのか、
解らないけれど。
これまで、ずっと傍に居てくれた、β2とシオンの優しさに満ちた温もりばかりで。

ようやく、ちゃんと、好きだって、伝えたばかりだったのに。
なんで、皆、俺の傍から居なくなるんだ。
でも、それは、全部俺の所為で。

β2にも、俺が怪我をした所為で、余計な負荷をかけさせた。
それに、シオンの事だって、元は俺の所為だ。あの時、俺の力が足りなかったから。
俺が能力の使い方を誤った所為で、あいつは、訳の判んない所に、ふっ飛ばされたんだ。
そうだよ、全部、俺の所為だ! 俺が至らなかったばっかりに!!

それなのに、俺は、こんなにも身勝手で、未だに、あいつ等にと一緒に居たくて、また、
逢いたくて仕方ないんだ。

エルは、そんな風に思考を巡らせ、自らの空色の瞳に再び涙を浮かべた。


403 :-CROSS LIMITED 2-来訪者の意識-3/15:2012/06/24(日) 17:25:24
β2とシオンは、同じ遺伝子モデルを用いて、生み出された人工生命体だ。
二人は、同じ遺伝子モデルを使用して生み出されている故に、髪の長さと、左の腰の辺り
に小さくβ2と打たれた刻印の有無に以外に、外見上に異なる部分は無かった。

エルは、そんな出自を持つ彼等二人の事を、自分自身にとって欠かす事の出来ない、本当
に大切な人なのだと、認識していた。
そうして、エルは、自らが大切に想う二人の青年へと、再び想いを馳せた。

アイツら二人ともそれぞれに、互いに認め合えていたはずなのに。
なんで、また……こうして離れる事になったんだ。

シオンは、俺の存在を初めて受け止めてくれた人だから。
一部の人間の私欲と利得によって生み出された、背中に透明な四枚羽根を持つ人工生命体
である自分の事を好きだと言ってくれた。
何のしがらみも、掛け値もなく、ただ、俺の事が好きだと、そう言ってくれた、初めての
人だったのに。

人を悦ばせる為の見た目と、護衛としての最低限の力しか持ち合わせていなかった、何を
やらせても中途半端な劣等感の塊だった俺の事を、それでも好きだと言ってくれたんだ。
だからこそ、本当に、誰よりも大切にしたいと思っていた人なのに。

β2だって、シオンよりも殊更純粋に、俺という存在、唯一人を真剣に求めてくれたのに。
例え、同じ遺伝子モデルを用いている奴や、同じ生体コードを持つ奴が他に居たとしても。
それでも、一人ひとりが持つ気配は、その人、個々人々に応じて、異なるものなんだって、
本当に大切で、ごく当たり前の事を、β2が俺に教えてくれたんだ。

それに、β2は、シオンに成り替わるべく思考の動機付けが後付けされていたという事を
乗り越えて、俺と、シオンの三人で一緒に生きていこうと、そう言ってくれた人だから。


404 :-CROSS LIMITED 2-来訪者の意識-4/15:2012/06/24(日) 17:27:24
やっと二人に好きだって、伝えたのに。
もう、二度と離れたく無かったのに。
でも、それは、俺が自分自身の力を全て、解放したあの瞬間から叶わない事になった。

俺が、最後のプロダクトコードの一部を持つ者だから。
俺が、他の人工生命体とは違うから。
だから、俺と一緒にいる限り、シオンもβ2も、研究所から追われ、狙われ続ける。
それなのに、俺は!!

「……β2、シオン……」

エルは無意識のうちに、涙を零しながら、自らが大切に想い慕う青年達の名を、途切れそ
うな小さな声で、呼んでいた。

解ってるのに。
あいつ等の名前を呼んでる場合なんかじゃないって、そんな場合じゃないって、
判ってるのに。
何で、アイツらの名前を呼んでるんだろう。

そんな事を思いながら、未だに続く高熱の波に再び呑まれるようにして、エルは意識を混
濁させていく。


405 :-CROSS LIMITED 2-来訪者の意識-5/15:2012/06/24(日) 17:29:31
「……ぅ、……」
「兄さんどうしよう、こいつ、このままじゃ、もう、保たないんじゃないか」

荒い吐息を零し、左足の傷の痛みと高熱に喘ぐエルの様子を傍で見ていた、キリアンは、
彼と一緒にエルの容態を見守っていたザックの方へと声をかける。

「傷口から身体に入った雑菌に対処する為に、身体が自然と反応を返すから……
 だから、熱が下がらないんだろうけど……そろそそろ、限界かもしれない。
 キリアン、彼に抗生物質を投与してやってくれないか」

その声に、エルの容態へと目を遣っていたザックは、自らのオレンジ色の瞳の視線を一度、
キリアンの方へと戻した。
ザックは、そうして、キリアンに返事を返しながら、ベッドサイドテーブルの上に用意し
ていた、水と、小さな袋にパウチされている錠剤を乗せたトレイを手に取ると、それをキ
リアンの方へと差し出す。

「抗生物質って?」
「これだよ、β2が……彼が置いていった、この薬だ」
「どうやって? 今、こいつ、一人じゃ薬なんて、飲めないだろう」
「口移しだ」
「はい?」

キリアンは、その言葉を聞いた瞬間に、その場で自らの動きを止めて、自らが兄と認める、
少しだけくせのある白銀の髪とオレンジ色の瞳を持つ、15歳程の容姿の機械式アンドロ
イドの少年――ザックの方を見ていた。
小さな頃から自分の事を育ててくれた兄として、格別の信頼を置いている、ザックから言
われた、その言葉の意図を自分にしては、珍しく掴み損ねた気がしたからだ。
やがて、キリアンは一拍置いて、それから、ようやくザックへと返事を返す。


406 :-CROSS LIMITED 2-来訪者の意識-6/15:2012/06/24(日) 17:32:00
「え……ええぇっ! 口移しって、この坊ちゃんにか!?」
「ほかに方法がない」

普段と変わらない、冷静な口ぶりで顔色ひとつ変える事無く、会話を進めていくザックに
対して、キリアンは、その場で上半身を後ろへと仰け反らせ、傍から見れば、少し大げさ
にも思える程の反応を返していた。

「はい! はいっ!! ダニーがやる! 口移しっ!」

キリアンのそんな様子に構うことなく、先程から二人の傍に居た、長い金色の髪と碧眼の
小さな少年が、自らの片方の手を高くあげて、彼等の前に身を乗り出すようにして、弾け
るような声で名乗り出る。
その動作にあわせて、少年の両耳の辺りの髪の毛だけが短く切り整えられている為に、傍
目には、 まるで猫の耳のようにも見える跳毛が跳ねるように揺れた。

「ダニーは黙ってなさい!!」

キリアンとザックは、ほぼ同時に、小さな金色の髪の少年に対して、視線を送りながら、
即座に少し強い口調でそう言葉を返す。
一方、そんな風に切り返されたダニーの方は、二人が発した言葉の意図するところを殆ど
理解出来ていなかった。

そうして、ダニーは、二人から返された反応に、少し目を見開くようにして驚いた表情の
まま、ほんの一瞬、その場で固まるように動きを止めた。
だが、その直後に、自分がそれをしてはいけないということと、この場で引き続き、大人
しくしているように、という意図からの言葉だと解ったようで、一度、少し不満気に頬を
膨らませる。
それでも、ダニーは、再び大人しくして、その場に留まり、エルの容態を気にかけるキリ
アンとザックの様子を真似るようにして、高熱に喘ぐ空色の髪の少年の方を見つめた。


407 :-CROSS LIMITED 2-来訪者の意識-7/15:2012/06/24(日) 17:34:44
そんなダニーの様子を目に留めたキリアンは、改めてザックの方へと視線を向ける。
キリアンからの視線に応じるように、いや、正確には、その前から、ザックは、既に自身
のオレンジ色の瞳で、キリアンの事を見据えていた。
その視線には、案に、この場でその行為を行えるのが、キリアン以外には居ない事を告げ
ているのだという意図か明らかに感じられる。

「兄さん、あのね……確かに、この坊ちゃんに口移しで薬を飲ませる事が出来るのは、
 今、この場では、俺しかいないけど……でも、綺麗な顔立ちをしているけど、
 こいつ、明らかに男だろ!!
 でもって、こいつの気の強そうな感じからすると、絶っっ対に、拒否られるし、
 ものすごく怒るんじゃないかと思うんですけど!!」

「キリアンは、このひと、見殺しにするの?」
「はぁ? 誰が人を見殺しにするんだ! そんな事できる訳ないだろ!!」
「じゃあ、キリアン、お前がやるしかないだろ」
「えっ」

ザックだけならまだしも、ダニーからも思わぬ形で言い籠められたキリアンは、二人の方
を振り向いたまま、その場で、再び言葉を失くした。

「あー! もう、判りましたよ! 俺がやるしかないんだろ!!
 兄さんの言うとおり、確かにほかに方法なんて思いつかなないし!!」

キリアンは、この状況に対し、少し投げやりになりながらも、自分自身の気持ちを切り替
えるようにそう言うと、ザックが差し出したトレイの上から、抗生物質の袋を手にする。
そうして、その封を切りって、人差し指と親指で摘むようにして、錠剤を取り出してから、
キリアンは、エルの方へと自らの黒い瞳の視線を合わせた。
その後で、もう片方の腕でエルの熱で火照った身体を抱き起こすようにしながら、キリア
ンは、彼の唇へと、抗生物質の錠剤をそっと充て、そのまま声をかける。


408 :-CROSS LIMITED 2-来訪者の意識-8/15:2012/06/24(日) 17:37:14
「エル、判るか。ほら、薬だ。飲めるか?」

キリアンから受けた言葉と、口元に充てられた錠剤の感触に、気を留めたエルは、自らの
空色の瞳を再び、ゆっくりと開く。
エルは、キリアンの呼びかけに応じて、相手から差し出された指先を、そのまま、一度、
ほんの少し掠めるようにして、舐めた。
それから、エルは、自らの口元に充てられた相手の手元に、自らの片方の手を添えると、

キリアンが全く知らない人物の名を、小さく掠れた声で、途切れ途切れに、呼んだ。

「……シ、オン?」
「えっ? ……それ、誰だ……って!? うわ、違、何やってんだ!!」
「……逢いたかった。
 本当に逢いたかったんだ。好きだよ……俺は、アンタの事が本当に、好きなんだ」

相手の指先にある錠剤の感触を確認していたにもかかわらず、エルは、それを舐め取る事
をせずに、空いているもう片方の腕をキリアンの背中へと廻し、そのまま、相手の身体を
自らの方へと強く引き寄せる。
それと同時に、エルは、最初に相手の手許に添えるように置いていた自らの掌にも改めて
力を入れた。
キリアンに対してそんな所作を行った直後に、エルは、空色の双眸から涙を溢れるように
零しながら、再び、自らの想いを目の前の相手に告げる。

「……好き、だよ……」

エルは、キリアンにそう告げてから、錠剤を摘んだままの指先に再び軽く口付けた。
それから、相手の二本の指先先程よりも深く、自らの口に含み、指の間を舐めるようにし
て、キリアンの指から錠剤を受け取り、それをそのまま、飲み込もうとした。

「……く、っ、は、あっ!」

しかし、エルの熱を帯びて渇いた咽は、その錠剤を受け付ける事が出来なかった。
エルは、キリアンの指を口元から外し、辛そうな表情を見せながら、折角飲み込もうとし
ていた錠剤を吐き出しそうになって、咳き込みながら、荒い呼吸を繰り返した。


409 :-CROSS LIMITED 2-来訪者の意識-9/15:2012/06/24(日) 17:42:37
「……おい、坊ちゃん! 大丈夫か!」

相手の口元から自らの指先が外れた後に、キリアンは、すぐさま、その手をエルの背中へ
と添えた。
それから、キリアンは、エルの身体を両手で抱き抱えると、切羽詰まった、その表情のま
まで、今度は、ザックに声をかける。

「兄さん! 水、水っ!!」

その言葉とともに、キリアンは、自らの片腕をエルの身体から外し、隣に居たザックの手
許にあったトレイの上から、水の入ったグラスを掻っ攫うようにして手に取った。
そうして、考える間も無く、グラスの水を自らの口に一気に含んで、空のグラスをトレイ
の上へと、少し荒い動作で置き返す。
その直後に、キリアンは、そのまま自らの口に含んでいた水を飲ませる為に、エルに、咄
嗟に口付けていた。

「んぅっ!」 

相手へと口付けたその後で、キリアンは無意識のうちに、エルの顎の辺りに添え、相手が
喉を少し上げながら、口元を少し開けるように仕向けていた。
それは、そうでもしないと、エルに水を飲ませる事が出来なかったから故の行為だ。

「……は……ぁっ!」

エルの方も、キリアンの所作に応えようと、未だに熱を帯びた感触を持ったままの自らの
口元を少し開き、与えられた水が口内に流し込まれると同時に、抗生物質の錠剤と一緒に、
喉を鳴らし、少し苦しげな吐息を零しながら飲み込んでいった。
そうして、それを飲み込んでいく間にも、エルは、キリアンの背中に両腕を廻し、縋り付
くようにして、相手の服を強く掴む。


410 :-CROSS LIMITED 2-来訪者の意識-10/15:2012/06/24(日) 17:47:54
「……嫌だ……まだ、離れ……たく、ない……」

自らが与えた水とともに、相手が薬を飲み込んだ事を確認したキリアンの唇が、自ら口元
から、一度、離れた瞬間に、エルは小さな声でそう言った。
その言葉とともに、エルは、相手の背中に廻していた片手をそのまま、キリアンの後頭部
へと軽く添えように移していき、キリアンの顔を再び引き寄せる。
それから間を置かずに、エルは、今度は目の前の相手――キリアンに対して、まるで愛し
い相手にするように、自らの唇を重ね、口付けを施した。

「……ん、……っ!!」

エルから不意に施された、その所作と口付けに、キリアンは心底驚きながらも、それを拒
めなかった。
自らの腕で支える、こんなに衰弱しきった少年の事を急に突き離す事など、キリアンには
出来なかったからだ。

それに、この行為は、キリアンにとっては、ただ、エルに対して、水と薬を飲ませてやり
たくて、咄嗟に行ったものでしかない。
本当に、ただ、それだけの行為で、何ら、疚しい事などある筈が無いのに。

でも、一方で、今、エルが返してきている、この動作は、多分、間違いなく、キリアンの
事を自らの想い人だと勘違いしている故のものだ。
その所為もあるのか、未だに重ねられているエルの唇は、同性の男のものでもあるに拘わ
らず、熱く熱を持った感触とその柔らさも相まって、キリアンにとっても、何故か少し、
心地良いものに感じられた。

そんなキリアンの様子を未だに霞む視界に捉えたエルは、自らの所作が肯定されていると
受け止めたのか、相手へと施す口付けを、次第に深いものへと変えていく。


411 :-CROSS LIMITED 2-来訪者の意識-11/15:2012/06/24(日) 17:51:01
「くっ! ……ぅ!」

口付けを交わしたままの二人の口元からは、エルがそれを深いものへと変えていくのにあ
わせて、熱を帯びた吐息が、僅かに零れた。
もっとも、それは、元々、エルが発熱していた所為で、体温が高かったから、という所も
多分にあったのだが。

「んぅ!」

エルは、ごく自然な所作で、相手が自ら唇を割ることを促すように、キリアンの唇の間に、
熱を帯びる舌先をほんの少しだけ、差し入れる。
そうして、相手からの拒絶が無い事を確認し、その事実を受け止めてから、自らの舌先で、
キリアンの歯列を小さく濡れた音を立てつつ、軽くなぞっていく。

「ん、うぅっ!!」

自分自身が施した所作によって、キリアンが少し口を開けた瞬間に、エルは、自らの舌を
相手の口内に深く差し入れると、相手の舌を自らの舌で掬うようにして絡めた。
それは、エル自らが愛しいと思う相手に対して、もっと深い心地良さを与えたいという意
図をもって施されるものに他ならない。

そこまでされても、キリアンには、エルが施すその行為をどうやったら、止めさせる事が
出来るのか、全く判らなかった。
そもそも、年頃の女性からでさえ、こうした口付けを施される事だって、数える程しか無
かったし、そんな中で、それを相手の機嫌を損なう事無く、上手く断るなんて事も出来た
試しも無い。

だから、熱を帯びていて、なおかつ怪我を負っているこの少年からの口付けをこの状況で、
どう拒めば良いのか誰かに教えて欲しい位だ。


412 :-CROSS LIMITED 2-来訪者の意識-12/15:2012/06/24(日) 17:55:44
ていうか、兄さん!! 
黙って見てるってどういう事だ!! 助けてくれたって良いだろっ!!

キリアンが、エルから深く口付けを施されたまま、そんな想いを抱えて、少年の熱で火照
った身体を抱く腕の力を無意識に強めた瞬間に、その口付けは、不意に相手の方から外さ
れた。

「……っあ! やっと外したか!! って、あれ?」

口付けを外したエルは、キリアンの肩口へと自らの顔を一度、埋めた後で、空色の瞳から
再び一筋の涙を零しながら、キリアンの身体をそっと愛しげに抱きすくめるように、自ら
の両腕を廻す。

「……違う? ……β2?
 俺は、君の事も、本気で好きなんだ。
 本当にごめん……でもね、君の事が本当に好きなんだ……β2……」

まるで、自分自身がβ2、唯一人のものになれないのだ、という事実を詫びるかのように、
小さな声で、そんな言葉を口にした直後に、相手の身体へと廻されていたエルの腕は、急
速に力を失って、キリアンの身体の上から滑り落ちていった。

「って、ここまでさせといて、気を失うとか、そんなのないだろう!! 坊ちゃん!!
 おい、大丈夫かよ、返事しろって!」

自分の腕の中で、急に気を失ったエルの身を案じて、キリアンは、反射的に声をかけたが、
相手からの反応は全くなかった。
そんな風に相手から声をかけられているというのに、エルの方は、その端正な面ざしに涙
の跡を残しながらも、意識を失ったままだ。


413 :-CROSS LIMITED 2-来訪者の意識-13/15:2012/06/24(日) 17:58:32
「キリアン、もう、大丈夫だ。彼は大丈夫だよ。
 薬と水を飲んだ後で、急に安心した所為で、今までの緊張が解けたんだろう。
 命に別状は無いから大丈夫だ。
 それに、上手くいけは、このまま症状が回復していくと思う」

「えっ、ああ……」

ザックが手許のトレイをベットサイドテーブルの上へと戻しながら、呼びかけたのに応じ
て、少し冷静さを取り戻したキリアンは、自分自身が腕の中に抱いていた、エルの方へと
再び視線を戻す。

キリアンが無意識のうちに、華奢な雰囲気を持ちながらも、身体に服を何も身につけてい
ない、エルの滑らかな筋肉の付いた滑らかな上半身から、整った面ざしへと視線を移して
いくと、少年の表情には、安堵に満ちた、安らかな微笑みが残っていた。

「ふう、まあ、とにかく、良かった、良かった!」

エルのそんな面差しを目にしたキリアンは、相手の表情につられるようにして、自らの顔
にも、ほんの少しの間、微笑みを浮かべた。
それから、エルの身体をそっとベッドの上へと、再び横たえて、寝かしつけるようにして、
彼の上にブランケットをかけ直す。
キリアンからのその所作を受けた、一瞬、エルは無意識のうちに、その面ざしの微笑みを
強くしたようにも見えた。

その様子を傍で見守っていたザックは、念の為に、エルの意識レベルを確認しておいた方
が良いだろうと思いながら、手自らの手許の手袋を片方だけ外す。
そうして、空色の髪の少年の頬へと自らの少し、冷たく硬質な感触を持つ、金属製の掌を
添わせるようにして、そっと置いた。


414 :-CROSS LIMITED 2-来訪者の意識-14/15:2012/06/24(日) 18:01:13
「ん……冷た……β2、ありがと……」

エルは、相手から添えられた掌に応じるように、瞳を閉じたまま、小さな声で、そう言う
と、再び安らかな表情で眠りに落ちていった。

「しかし、本当に、手のかかる坊ちゃんだよなぁ……」

つい先程まで、エルから口付けられた事を不意に思い出したキリアンは、自らの口元を少
し強めに拭いながら、小さな声で呟いた。

何だか良く解らないが、この空色の髪の坊ちゃんが、少々複雑な身の上にある事は、ほぼ
間違いないようで。

おまけに、この坊ちゃんには、本気で好きだと思う奴が2人も居て。
それも、どうやら、二人とも男のようで。
更に、この坊ちゃんは、その男相手に、平気でディープキスしてくるような奴で。

人の性癖に対して、どうこう言うつもりはないが、普通、15歳位のこの年頃の少年が、
あんなに上手く……キス……したり、そういう事が、平気で出来るもんなのか?
そうなんだよ! あんまり認めたくないけど、ちょっと気持ち良かったんだよ!!
この俺とした事が!!

でもって、このまま、坊ちゃんの症状が落ち着いてくれれば、こんな事をもう、しなくて
も済むんだとは思うけど、それでもなんか、先が思いやられる……気が、する……。

キリアンがそんな想いを乗せて無言で溜息をついた直後に、ザックの隣に居たダニーが、
再び身を乗りだすようにして、声をかけた。

「はい! はい! ダニー知ってる! こういうの! らっきーすけべって、言うの!」
「だあぁ!! 違うっ、違うっての!!」

ダニーからの言葉にキリアンが即座に反応し、ある意味、一段と真剣な表情で返事を返す
様子を目にしながらも、ザックは、それを大して気に留める事もなく、自分の右側と左側
に、それぞれ並ぶ、二人に向かって、そのまま話しかける。


415 :-CROSS LIMITED 2-来訪者の意識-14.5/15:2012/06/24(日) 18:05:45
「ダニー、良い子だから黙ってなさい。あと、キリアン、それから、ダニーも。
 エルの容態が落ち着いてきたようだから、今のうちに休んでおいた方がいい」

「そうだな、兄さん……って、えっ、あっ! まさか……俺は床で寝るのか!!」

ザックの声に応じたキリアンは、エルがベッドの上で眠る、その様子をもう一度、目に留
めてから、その状況を踏まえて、愕然とした。
エルが左足に怪我を負っている様子から考えても、寝像の悪い、キリアンとダニーが、こ
の家に一つしかない、ダブルベッドで、エルと一緒に、三人で眠れるとは、思えなかった。
おまけに、この状況だと、ダイニングの椅子をつなげるように並べ、それをベッド代わり
に使うのは、やっぱりダニーの筈で。

「当然だろう。俺だって床で休むんだから」
「ダニーは、あっちの椅子を並べて、ベッドの代わりにして寝ていいの?」
「そうだ。良く分かったな」

ザックは、自分の胸元より少し下の辺りに、すり寄るようにして纏わりついてきた、ダニ
ーの頭を一撫でしてから、そのまま、ダイニングの方へと向かって歩いていった。
それから、ザックは、ダイニングデーブルと対になった4脚の椅子を手近な壁へと、2脚
ずつ持って往復し、その場に椅子を横一列に並べる。

並べられた椅子は、敢えてその椅子の背の部分が、壁とは逆の方に向けてあった。
それは、きっと、キリアン程でないにしても、決して寝像が良いとはいえない、ダニーが
椅子から落ちないようにする為なのだろう。

「ダニーは、今日は、椅子の上で一人で、寝るっ! それって、お泊りごっこみたい!
 ザックとキリアンは、今日は床の上で、二人で一緒に寝るの?」
「そうだな。キリアンと俺は、床に寝るしかないな」

ザックが、眠る為の用意をしてくれる様子を見て、ダニーは椅子の背に掛けてあったまま
の小さめのブランケットを手に取り、その場で、跳ねるようにして、思い切り嬉しそうに
していた。
そうして、ダニーは、ザックに対して、拙い言葉使いで、更に楽しげに会話を振った。


416 :-CROSS LIMITED 2-来訪者の意識-15/15:2012/06/24(日) 18:08:33
「あのね、ダニー知ってる!
 そういうの、一つの床を共にするとか、一夜を共にするって、いうんでしょ?」
「いや、こういう場合は、単に、一緒に寝るって言うんだ」
「単に、一緒に寝るって、言うの?」

ある程度、予想していた通りに、展開されてゆくザックとダニーの会話を聞きながらも、
キリアンは、唯一人、先程と変らず、ダブルベッドの傍に立って、一言も発すること無く、
その場から動かずにいた。
それでも、暫くすると、ダイニングの方から聞こえてきた、二人の会話に対し、小さな声
で、一人、呟くように言葉を添える。

「兄さんそれ……それでもまだ何か、違う気がする……
 いや、間違ってはいないけど……何か言葉の意味が違ってる気がする……」

それから、キリアンは、この先も、暫くの間、色々と先々が思いやられるような状況が続
きそうな事を考え、ただ、一人、少し憂鬱な気分になって溜息をついた。
先程より少し賑やかさを増した、この場において、そんな先々の状況を少し憂いながらも、
キリアンは、もう一度、自分の傍のダブルベッドの上へと視線を向ける。

其処には、つい先程からようやく眠り就いた後に、こんなにも賑やかな状況にあっても、
それに気付くことさえ無く、安らかな寝息をたてて眠り続ける、エルの穏やかな笑顔があ
った。

【 続く 】


417 :-CROSS LIMITED 2-来訪者の意識-:2012/06/24(日) 18:14:51
-投下終了-(SS属性表記と本編等々のタグ→》399-418)

お付き合いいただき、ありがとうございました!
そして、SS本編の通し番号を振り間違えたよ!! 本当にすみません…orz
今回もまた、当初から書きたかったシーンに力を入れすぎたwので、
結局、旅立ってくれるところまで、全く到達せず…という有様でした…w

でもって、今回もキリアンさん達の賑やかな遣り取りを書いている辺りが、一番楽しかったよww
相変わらずな感じではありますが、次回も懲りずにお付き合いいただけると幸いです
以下、雑感と今後の予定等々です(相変わらず長いよ!)…よろしかったらどうぞ


418 :-CROSS LIMITED 2-来訪者の意識-:2012/06/24(日) 18:17:42
今回も、なんかエルの天然さ加減がひどいですね、人違いしたまま、口付けとかないだろ!
って、感じですね、キリアンさん、本当にごめんなさい…

でも、多分、次回も、ようやく正気に戻ったエルが、今度は生意気さ加減でも
本領を発揮しますんで、またも、キリアンさんに迷惑をかける予定ですw
しかし、毎回、キリアンさんに対して、重ね重ね、本当に申し訳ない状況になってる気が
…本当にすみません…

それから、このお話の方も、着実に当初の予定よりも、分量が増えてまして、
次のストーリー進行上の目標も、ようやく旅立ちのきっかけ辺りまでかな、…という感じ
です…orz
しかし、今度こそ、能力を発動させるとか、アクションとか、また書いた事のないシーン
が入る筈!なので、頑張って書くよ!ということで、ひとつご容赦ください

追伸:
この次は、今のところ、エイシアさんの続きのSSの方での投下(7月第3週目位?)を
予定しています
いつものとおり、まったり進行で恐縮ですが、どのシリーズも大切に、しっかり書き上げ
ていきたいと思っておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします!


419 :オリキャラと名無しさん:2012/06/27(水) 00:45:08
今回はこっちのシリーズきたあああお疲れ様です!

エルさん、間違えすぎw誰か止め…なくてイイよ!
キリアンさんノンケだけどらっきーすけべよかったねw
おくすり口移しは不滅の様式美です

二つの作品を平行で大変だと思いますが、どちらもすごい好きですので
のんびりとお待ちしております


420 :オリキャラと名無しさん:2012/06/30(土) 11:44:41
》419
レスありがとう-!
姐さんからのレスにいつも励まされております
本当に感謝です!

ですよね!おくすりの口移しは永遠の様式美ですよね!!

「キリアンが俺の名前を呼んだりするからさ……だからアイツと間違ったんだ……」

と、エルは申しておりますが、それにしても間違えすぎだろw
エル、キリアンさんにの優しさに救ってもらえて、本当に良かったねw

でもって、もう一つのエイシアさん達のSSの方もおまけとかサイドストーリも
織り交ぜつつ、地道に頑張っていきますので、今後ともどうぞよろしくお願いします-!

追伸:
実は、ウィルとエイシアの馴れ初めのショタ話とかも書きたくて、うずうすしてますw
今日も書きたい妄想ネタが止まらない…wこれからも頑張ろうw


421 :オリキャラと名無しさん:2012/07/01(日) 14:31:16
》400-418
549です、
続き来てたありがとうございます!

エルさんとのキスシーン来てた!
キスに慣れっこなエルさんと、
いけないことやってるんじゃないかと戸惑うキリアンが、けしからん雰囲気で悶えました…!
かわいいエルさんが、ぐったりしてうなされたりむせたりしてると漲ってきます(こら
元気になった強気なエルさんも楽しみにしてます!キリアンのほうはいじり倒したってくださいw
全く突っ込まないザックと耳年増のダニーにもほんわかしましたwww

ウィルさんとエイシアさんの方もゆっくりお待ちしております
ごちそうさまでした!


422 :オリキャラと名無しさん:2012/07/02(月) 00:52:03
》421
1-710です 
相変わらずの連レスすみません
1-549様、レスありがとうございます!

いただいたレスを拝見して、作者様の許可もいただいた事だし、キリアンさんには、またしっかり
迷惑をかけようwとの意気込みを今、新たにいたしましたww

でもって、エルは意外と(?)物騒だし、おまけに、戦闘スキルはあってもスタミナ皆無だからw

キリアンさんには、また色んな意味で迷惑をかけるよ!絶対だよ!という予感が、まだストーリー
を練り込んでいない現時点からも漂っておりますw

ここから先も、いつものように書きたいエピソードは決まっていても、ストーリーは決まってないw
という状況なのですが、これからも気長にお付き合いいただけると幸いですw
今後ともどうぞよろしくお願いしますー!


423 :オリキャラと名無しさん:2012/07/03(火) 00:42:51
誰がダニーさんにラッキースケベという単語を教えたの!!
でもラッキーskbおめでとうww
どのシリーズも気長に待ってます……ってかショタktkr…!

》398
》399
手を出さないのは牧さんの最大限の優しさなので許してやってww


424 :オリキャラと名無しさん:2012/07/06(金) 19:22:54
》423
レスありがとうございます-!
ウィルとエイシアのショタ話はストーリーの都合上、柳様とのSS
が終わってからでないと書けないwwので、頑張りますw

でもって、牧先生がそんな風に、繊様に優しくて、甘いから……
ウィルが手出したりするんですよ!!

繊様、やっぱり気を付けてぇ!!(……もう遅い?……かなw)


425 :オリキャラと名無しさん:2012/07/08(日) 01:04:28
ショタと聞いてとんできました
ウィル兄さんとエイシアさんの初…ではなく馴れ初めwktk
キャラの子供時代ってやっぱみんな考えるんだなーと思うとちょっと嬉しいですw


426 :オリキャラと名無しさん:2012/07/08(日) 14:04:07
》425
ウィルとエイシアのショタ話へのレスありがとう!
二人の馴れ染め話は、エイシアが柳様に色々致されている事をウィルが、どう受け止めてるのかな…
などと、考えていくうちに出来たエピソードですw
ということで、多分近々書くwので、少しだけ気長にお待ちいただけると幸いですw

でもって、姐さんから頂いたレスで、ウィル×エイシアの初…も改めて考えてみたんですけど、
二人の年齢が13歳×10歳!になってしまいましたw
おい、コラ!それ、犯罪だろ!とも思うんですが、これもウィルが珍しく?泣いたりしてますんで
(攻めだけどね)やっぱ、馴れ染め…じゃなくて、初…で書こうかと、ちょっと迷ってしまいましたw

ていうか、エイシアの立ち位置も小さいうちから、何気に不憫な子で変わらないw
まあ、それでも、その前の1年間、ウィルが1人で苦労していた事になるので、二人の初…の年齢設定
は変わりそうにありません…二人とも頑張ってくれww

姐さん、二人の過去話の妄想に弾みがつくナイスレスをくださって、本当にありがとうございます!
頑張って形にするよ-ww


427 :オリキャラと名無しさん:2012/07/08(日) 14:07:28
連投すみません
引き続きまして1-710です
今日、古いUSBデータを整理していたら、メサイアさんを登場させたSSのデータを見つけました!

で、このまま寝かせておくのも何なんで、この際、供養しちゃえ!ということで、これから1週間の
期間限定で、アップローダに上げさせていただこうかと思います

このSS、一応、短編としては完結してるんですが、当時、メサイアさんではない、他の子のノマカプ
エピソード→メサイアさんのエピソードとつないで書いたSSで、このストーリーの前後にBLエロとか、
ノマエロも入れたくて、結局、投下場所を見つけられないままに放置したSSだったりします…

なもんで、ノマ&BLが入り乱れたうえに、エロなしのぬるいSSなので、こちらのスレにも投下できんし、
wikiにも収録できないだろ!と、個人的には思っておりまして、そんなSSをアップローダに上げたりして
大変申し訳ないのですが、メサイアさんの再びのご紹介という事で、どうかご容赦ください

あ、あと、いつものように、痛覚に触れる描写が少々入りますので、ダメな方もスルーでお願いします

では、1週間後の7/16(日)21:00-頃に、再び削除しに伺いますので、その間、よろしかったらどうぞ
ご覧ください


428 :オリキャラと名無しさん:2012/07/12(木) 02:45:20
メサイアさんといいエイシアさんといい……

不憫属性って萌えるよねww


429 :オリキャラと名無しさん:2012/07/13(金) 00:27:26
》427
メサ様…本当に天使様だったとは!
そしてとことん不憫なお方だ…最後は幸せになってね

メサ様のイラストは現在色塗り作業中です
今月中にアップできるといいなと思っております
頭の中にイメージはあるのに絵に起こすと予想より激難w
小説に挿絵付ける人ってすごいわー


430 :オリキャラと名無しさん:2012/07/16(月) 22:08:16
今晩は、1-710です
》428-429
レスありがとうございます!
そして、本当に拙いSSに目を通してくれてありがとう!
うん、4年前…という年月と、思い立った時の勢いってすごいねwと改めて思いましたw
そして!もっと上手く書けるように、これからも精進するよ!!という気持ちを新たにいたしましたよ…

それから、更に!!イラストの進捗状況レスもありがとうww嬉しくて、今からニヤニヤが止まりませんww
まったり気分で、なおかつ、楽しみにしながらお待ちしております-!!!

でもって、予告した時間帯にロダへの削除に来れなくて、申し訳なかったです
メサイアさんの習作版SSの方は、本日7/16 22:00-付にて削除してまいりましたので、一応、ご報告を
こんなノマ要素とBL要素が混在しているSSをUPする場所をご提供いただき、本当にありがとうございました!

追伸:
次は柳様×エイシアの続きの予定です…が、またもや当初予定の7月第3週から少し遅れそうです…orz
でも、必ず仕上げて投下しますので、今暫くお待ちいただけると幸いです
相変わらず色々とやらかしていて、本当に申し訳ないのですが、今後ともどうぞよろしくお願いします-!


431 :オリキャラと名無しさん:2012/07/22(日) 20:41:33
今晩は!1-710です!
1-200様に描いていただいたメサイアさんを拝見していて、何故か、
彼と想い人の馴れ染め話がとても書きたくなってしまい、即興でSSを書き上げましたw
ので、投下しに参りましたww
コラボSSでも、今までのSSの続きでもなく、大変恐縮ですがよろしかったらどうぞ
以下、いつものように、属性表記の後にSSです
どうぞよろしくお願いします


432 :-SPES-希い-:2012/07/22(日) 20:43:51
うちの子(創作してもらうスレ 1-110)のSSを書き上げましたので投下します
以下、属性等の告知です
 ・そんな描写は充分にはないけど、一応、異世界ハイファンタジー
 ・エロなし、少年(メサイア)×少年(アルシエル)で、ちょい短めのストーリーです
 ・馴れ染め話(?)なので、二人の年齢が12歳×10歳ですw
 ・だがしかし! 幼くて可愛らしい雰囲気は全くといって良い程ありませんw
 ・二人の精神年齢は、実年齢プラス4歳位だと思っていただけると幸いですw
 ・そして、今後、設定変更の可能性ありw
こんな感じですがよろしかったらどうぞ


433 :-SPES-希い-1/5:2012/07/22(日) 20:46:25
「メサイア、お前は私の手駒の一つでしかないのだという事を肝に銘じておけ」
「父上、その事は我が身命に刻んで心得ております。
 私には、ただ、貴方様の有益な手駒である事以外の存在価値など無いと」

白大理石で創られた列柱の立ち並ぶ白亜の神殿の廊下を足早に歩きながら、金色の長く緩
やかに波打つ髪と、透きとおるような碧眼を持つ見目麗しい少年は、自らの面差しに浮か
ぶ影を不意に強くした。
不本意にも、今朝方、自らの実の父親とそうした遣り取りをした際の言葉を思い出したか
らだ。

自らの実の父親からも、そうした言葉を投げ掛けられる。
その事自体はもう、解りきっていた事だし、それで自分自身の心が痛む事など、もう無い
と思っていたのに。

どうやら、実際にはそれとは異なるようだ。
どんなにそれを望んでも、自分には、得る事など出来はしないのに、
未だに未練があるらしい。

父と母の双方が望まぬ婚姻を交わした結果として生まれた自分が、その当人達から純粋に
愛される事など、もう、ありはしないのに。

そんな事を考えながら歩いていたから。
その先の建物へと続く、この列柱の陰で、大理石の柱に背を預けるようにして、寄りかか
りながら、俯き、涙を零していた藍色の髪と瞳を持つ少年の気配にも、そのすぐ傍を通り
かかる、今、この直前になるまで、気付かなかったのだ。


434 :-SPES-希い-2/5:2012/07/22(日) 20:48:46
「アルシエル」

緩やかに波打つ金髪と碧眼を持つ、秀麗な容姿の少年から、自らの名を呼ばれた、藍色の
髪の少年は、その事に驚いたように、相手の声の方へと振り向いた。
少年がそうした所作を行った瞬間に、彼のくせが少なくて、深い藍色の色合いを持つ、絹
糸のような長い髪がさらりと流れように揺れる。
彼の髪は、その長さ故か、後頭部の後ろの少し高めの位置で、一束に結われていた。

そんな髪型をしている少年は、彼自身の若干愛らしさの残る面差しと相まって、まるで、
その年相応の8、9歳の年頃の少女のようにも見えた。
ただ、その少年の面差しには、相手から自らの名を呼ばれた事への驚きの表情だけが見て
取れた。

無理も無い。
恐らくは、自らが、全く知らない相手から呼びとめられれば誰だって、そんな反応を返す。
金髪碧眼の流礼な容姿の少年は、相手から返されたそんな反応を目に留めながら、度重な
る自分の不手際に小さく溜息をついた。

「メサイア、様」

藍色の瞳の少年は、未だに涙の跡が残る面差しを此方に向けたまま、その場に立ちつくし、
自らの事を不意に呼び止めた、自分よりも若干、年上の金髪碧眼の流礼な容姿の少年の事
を見ていた。

彼が自分の事を知らない、と思っていた事についても、此方側の思慮が足りない、としか
言いようがない。メサイアは、そんな事を思いながら、その相手へと言葉をかけた。


435 :-SPES-希い-3/5:2012/07/22(日) 20:51:01
「失礼、呼びとめてしまって、申し訳ない事をした。
 アルシエル殿、だね。貴方の事は、エルから、エル・シオン殿から良く聞いているよ」

「あっ! いえ! こちらこそ失礼をいたしました。
 僕も、義兄上様から……いえ、エル・シオン様から、貴方様の事を伺っておりました。
 お目にかかれて光栄に存じます」

深い藍色の瞳と髪の少年は、まだ目元に残る涙を自らの手で拭いながら、精一杯の笑顔を
作ってそう言った。

「ところで、こんな場所で何を?」

儀礼的な挨拶を交わし合った二人が、その次に、ほぼ、同じ瞬間に、そんな言葉を口にし
ていた。
そんな状況を受けて、二人は全くと同時と言って良い程の間合いで、ほんの一瞬だけ、互
いの面差しの表情に浮かぶ微笑みを強くした。


436 :-SPES-希い-4/5:2012/07/22(日) 20:54:58
「あ、僕の方は、また少し、失敗をしてしまって。それで、その……」

相手のそんな表情を目にした直後に、藍色の瞳の少年の方は、まるで、自らが涙を零して
いた理由を押し隠そうとするかのように言葉を続けた。
彼がこの場で、本心を述べる事が出来ない状況にあるのだろうと言う事は、その表情から
も解った。それでも、彼は幼さ故に、そうした感情を隠し切る事が出来なかったのだろう。

まあ、そういう自分の方も、12歳という年頃なので、自分自身の感情を抑え切れている
とは言い難いのだろうが。
メサイアは、そんな少年の表情を気に留めながら、目の前のアルシエルと言う名の少年の
語尾が途切れがちになっていた言葉をわざと途中で遮るようにして、声を掛けた。

「私の方はね、父の名代としての遣いの役目を終えて、今、帰るところだったんだ。
 折角、此処で君に会ったんだ。
 私で良ければ、エル・シオン殿に、何か言伝を伝えようか?」

「えっ……あ……」

藍色の瞳の少年は、メサイアから不意に述べられたその言葉に、不意に声を詰まらせた。
目の前の、自分より少し年上のこの少年が、此方側の身の上の事を充分に念頭に入れて、
そう声を掛けてくれた事に驚くと同時に、その厚意がとても嬉しかったからだ。

そうなのだ、自分は、もう、8つの頃からずっと、この神殿に身を置いていて、大好きな
義兄であるエルにも、自分自身の実父とも、数える程しか会っていない。
今、現時点に於いても、自分自身が、最も最上位の守護聖霊と契約を結び、その契約を以
て得た力の全てを、自らと誓いを立てた守護騎士へと渡す役割を果たす神子と成るべく、
この神殿に身を寄せているのだから、それは当然といえば当然の事なのだが。


437 :-SPES-希い-5/5:2012/07/22(日) 20:59:49
それでも、藍色の髪と瞳という目立つ容姿に加えて、本来よりも遅い年齢から、この場所
に身を寄せる事になった自分に、この神殿での居場所など、無かった。
つい先程も、自分と同じ年頃の少年に、アルシエル自身の出自が、母をも知れぬ卑しき不
貞の子なのだから、聖なる神子になれる筈などない、と辛辣な言葉を投げ掛けられたばか
りだった。

「あ……義兄上に……違っ……
 エル・シオン様に、元気でやっているから、と伝えてもらえますか?」

「解った。伝えるよ。だからもう泣くな。
 私もまた、何かの折に此処に来た時には、必ず君の許を訪れる事にしよう。
 それに、エル・シオン殿も来年には守護騎士に成るのだから。
 そうしたら、誰よりも真っ先に、君に逢いに行くんだと、言っていたよ」

メサイアは、自分よりも小さく、華奢な印象を持つ目の前の少年が、彼の義兄である、淡
い空色の髪と瞳を持つ少年――エルへの気遣いに満ちた言葉を告げながら、涙を堪え切れ
ずに藍色の瞳から再び涙を零し始めた、その瞬間に彼を抱きしめていた。

そうせずには、いられなかったのだ。
彼が、この場所で、唯一人で、闘っているのだという事が、メサイア自身にも、痛い程に
解っていたから。

メサイアは、自分自身の腕の中の華奢な身体付きの少年が、小さな声で礼を述べながら、
また必死になって涙を堪え、その面差しを再び上げるまでの僅かな間、彼の事を抱き留め
ていた。

【END】


438 :-SPES-希い-:2012/07/22(日) 21:04:17

-投下終了-(SS属性表記と本編等々のタグ→》431-439)

お付き合いいだだき、ありがとうございました!
またもや、厨設定の一端を少々お披露目する事になりましたが、書いていて楽しかったよ!
きっかけを作ってくださった、1-200姐さん、本当にありがとうございました!
そしてこれからも、どうぞよろしくお願いします!


439 :オリキャラと名無しさん:2012/07/22(日) 21:08:21
追伸:(いつものように長いよ…本当にすみません…)

ここだけの更なるおまけの厨設定をご紹介w
実は、メサイアさんのお父様の想い人は、
このアルシエルさんの実のお父様だったりしますw
で、メサイアさんは、その事をご存じですw(エルは何となく解ってるかな?という感じ)

アルシエルさんのお父様は、メサイアさんのお父様の事を想って身を引いていたりするん
で、色々とややこしいですw
で、アルシエルさんのお父様は、後々、彼等が禁忌を侵す前に亡くなってしまうんで、
当初は、そんな事も引き金になって、様々なストーリーが展開されてゆく予定でしたw
今となっては、壮大すぎてとても書けないけどな!
でも、また、少しずつ色々なエピソードを抜き出しながら書けると良いかな、とも思って
ますので、どうぞよろしくお願いいたしますw

そして1-200様!
そのうち(時期未定で大変恐縮ですが)エルかメサが、紅い翼の御方の許に遊びに行きま
すよ!(多分エロありだw)
引き続き、絵茶等々でもお話を伺いつつ、ストーリーを詰めていきたいと思ってますので、
今後とも、どうぞよろしくお願いします-!


440 :オリキャラと名無しさん:2012/07/22(日) 23:52:01
》431_439
思いがけずまたメサ様のSSが!嬉しいですお疲れさまです
メサ様お優しい…12歳とは思えない洞察力と包容力だよ
自分もすごく辛い立場なのにね…
しかしメサ様のおやじ様も一見ひどい親ですが実は切ない背景があったりと…
このお話で何の悩みもなく幸せなお方ははたして存在するのでしょうかw
アルシオンさんもこの先益々大変ですが…頑張れ超頑張れ
このお話は世界観深そうで大変興味深いです

エルさんかメサ様と赤鶏のSSも、気長にお待ちしておりますよ!
しかもエロありなんて…既に自分の中で本来の受けが霞んできておりますw
時々お休みしたり寄り道したりしてリフレッシュしながらのんびりと書いて下さいね
自分もそんな感じでのんびりとイラスト描いていきます
これからもよろしくお願いします


441 :440:2012/07/22(日) 23:58:25
しまった名前間違えたorz
アルシエルさんでした…間違えてごめんねごめんね
大変失礼しました


442 :オリキャラと名無しさん:2012/07/27(金) 22:51:09
》439
お、お父様世代ktkr……!


443 :オリキャラと名無しさん:2012/07/28(土) 07:46:46
》440-442
レスありがとー!
こちらのシリーズは、付き合いが長い分、かなりの厨設定満載wなので、反応をいただけて、
とても嬉しかったです!

あと、メサイアさんのお父様は、何気に結構な俺様攻め(ちょい?鬼畜も入ってるw)
だったりするので、このお父様同士のCPも妄想するのが楽しかったりしますw

そのうち、設定だけでも整理して追記しようかと思いますので、どうぞよろしくお願いしますww


444 :-CROSS OVER THE BEAST 2-奈落の獣-:2012/08/18(土) 17:39:53
こんにちは、1-710です
さて、例のエイシアさんの続き(第2話)が仕上がりましたのでお知らせです
えーと、今回の第2話なんですが、仕上げてみると、エイシアさんに結構、痛い
思いをさせる事になってしましました
後半部分に痛覚に触れる描写とちょい猟奇(?)な描写が入りますので、念のため、
久し振りに属性表記以外の部分(本文)をwikiに直接アップする方式を採りたいと
思います

そんな感じで恐縮ですが、この後で本文をwikiに直接アップしますので、
よろしかったらどうぞ
以下、属性表記です  


445 :-CROSS OVER THE BEAST 2-奈落の獣-:2012/08/18(土) 17:48:26
本スレ1-710です。
本スレ1-091様のお子様とうちの子のスピンオフな二次SSの後日談-第2話を仕上げましたので、
お知らせします。(第1話は → 》373-394へ)

以下、属性表記です。
 ・本スレ1-091様(本スレ1-866)の設定と、うちの子の設定(設定スレ1-036)を足した
  現代風ファンタジーな世界観での二次SSです
 ・前回の「-CROSS OVER-」と同設定で展開する後日談的ストーリーですが、
  一応、このシリーズだけでも読めるはず
 ・エロあり、ただし、暴力描写、残酷、痛覚に触れる描写少々(前回より多め)
 ・ストーリーは長めで、続きあり、今後も多分、ご都合主義的展開あり
 ・登場キャラクター&メインCPは、柳様×エイシアです
 ・設定準拠ではない表記を若干含みます
 ・キャラ&設定が1-091様の公式設定から外れている可能性あり
 こんな感じですがよろしかったらどうぞ


446 :-CROSS OVER THE BEAST 2-奈落の獣-:2012/08/18(土) 17:50:17
以下、いつもの補足的コメントと今後の予告?等々です
よろしかったらどうぞ
 ↓
柳様とエイシアの濃い過程を書いたパートがようやく終わりました…
柳様、エイシアを苛めてくれて、また、彼の本性まで晒け出す程に構ってくれて!
本当にありがとうwwwいや、まだ全然苛め足りないかも……すまん、赦してくれw

でもって、全く物足りないかと思いますが、一応、当初、いただいたお題のとおり、
ちょこっとだけ、エイシアに柳様の指を噛んでもらいましたw
しかし……作者の力量が追いついていなくて、色々とぬるくて本当に申し訳ないです…

あと、今回は、愛なし、関心なしのエロ…という設定を当初から起こしていたのですが、
途中でストーリーが詰んで、結構きつかったwww
それでも、柳様に攻められるエイシアは、本当に書いていて楽しかった!ですww

そして、またもやエロだけで、結構、長くなった…wので、この後のウィルと柳様の絡み
と、アル×エイシアの繋ぎは次回以降に繰り越しになってしまいました…ので、
このシリーズの次回の続きは、そんな話を書く予定となっておりますw
相変わらず計画性のなさが露呈している感じで恐縮ですが、これからも頑張ってストーリ
ーを繋げていきますので、今後ともどうぞよろしくお願いします!


447 :オリキャラと名無しさん:2012/08/19(日) 03:10:55
お土産(背中のあれとか腕のそれとか)萌え…!

エイシアさんガンガレ…超ガンガレ…


448 :オリキャラと名無しさん:2012/08/19(日) 18:11:34
》447
レス&絵茶会でのコメントありがとうございます!まだ続きがあるから-!ということで、
引き続き頑張るよ!!でもって、エイシアは、書けば書く程に、不憫属性があがる子!ですねw
まあ、でも、このSSでは、初回から谷底に突き落とした!!のでw
これからは少しずつ救われる予定だったりしますww
でも、ウィルからは、また違うかたちで、確実にちょい(?)苛められるけどな!!
それから、背中とか、腕の…とか…伏線も拾えるように頑張りますww
あとお伺いし忘れちゃったんですけど、

1.1-091姐さんの1-866設定の世界では、携帯電話とかスマートフォンって、ありでしょうか?
  ウィル→アルへのコンタクトを入れる手段として考えてるんですけど、如何でしょうか?

2.これ、無理だとすると、アルがエイシアの様子を伺う為に、時間とタイミングをある程度
  計った上で、まずは繊様に窓を作って、様子を見させてくれと、頼まないとなりませんw
  意図せずに軽く視姦状態(?)だよwあれ?それも良いかもw

毎回お手数をおかけして恐縮ですが、1、2の可否と、2については、繊様とか牧先生辺りの
反応をお伺い出来ると有難いです
1-091姐さんのお手すきの時にでも、レスをいただけると幸いです
どうぞよろしくお願いします-!


449 :オリキャラと名無しさん:2012/08/19(日) 23:35:45
》444
おつかれでした~
かなりボリュームがあってそれもほぼ全てエロパートで読みごたえあってよかったです!
いやー柳様のSっぷり最高!背中にナイフで文字を書き書き…
なんて書かれてるのか気になりますwきっと英語か何かで一見かっこよく書かれているのだろうなw
エイシアさんはマジ乙…ウィルさんなりアルさんなりに癒してもらってね…しかし彼はもしかしてMっ気あり!?


450 :オリキャラと名無しさん:2012/08/21(火) 02:02:59
》448
1-091です。

1について:
けーたいもスマホもタブレットもありです。
人間のひとたちは普通に使ってるので、繊さんが「……おまえ誰と話してんだよ( ゚д゚)」なんてことはないです。
彼はもってないし使えませんけどww

2について:
視姦ハァハァ……
繊さんは愛なし嗜虐エロ耐性高いので(慣れっこだからなww)、柳さんとエイシアさんの行為自体は平静に見てられますが、
それを見ているアル様(だったりウィル様だったり)を気にかけると思います。
牧先生もそれなりに耐性は高いですが(慣れry)、基本はお医者さん(内科医だけどな!)なので、ケガ人は気にかけます。
あと一応身内なので「(柳さんが)迷惑かけてすまん」くらいの気持ちではいます(どうにもできないけどw)。
公開プレイは正義!


451 :オリキャラと名無しさん:2012/08/22(水) 00:43:26
》449-450
今晩は、1-710です。お二人ともレスありがとうございます-!
うん、今回も書きたかった柳様との絡みに力を入れすぎましたww
以下、御礼レス等々でございます(設定の補足?もあるので、ちょい長いよ!…どうぞご容赦ください…)

449様
背中の文字は、多分、お見込みのとおりですw次回以降のSSのなかで、上手いこと活かせるように頑張りますw
でもって、エイシアさん、M属性…ww それを聞いた彼の反応を妄想して、ちょっとウケたwwので、少し補足をw

今回はすごくシリアスな状況設定をかけてますので、彼自身も冗談を返したり出来ないと思うんですが、エイシアさん
本人は、M属性…あり? とか言われたら、実は、内心、ものすごく凹むと思われますwww
彼は、本来、若干S寄り気質の人で、平時であれば、アルとか、場合によっては、ウィルにも、ちょっとした愛情ゆえ
の意地悪はしたくなるよな…などど、考えているタイプの人です(ウィルには倍返しにされる事も多いんですけどw)

なので、少し冗談めいた切り返しができる状況にあれば、
「あのね、俺は余計に酷くされるような相手に対して、まともに煽る程のマゾじゃないよ!!
 まあ、でも、今回は多少、対応に失敗したけどさ……」などと答えるかと思われますw

今回、彼は、柳様の方が立場も力量も全然、上だという認識をしてるので、下手に逆らったりしないように、ものすごく
意識していた筈w 自分にM属性は無いとの認識がある分、ああいう事をされてたエイシアは本当に辛かったと思います
エイシア、本当にごめんねw赦してくれw

ちなみに、S⇔Mの属性順に並べると、ウィル》》>エイシア》>シルヴィア》アル という感じです

また、M属性側の人達には、自分自身の方に、そんな認識は全く無いwのでw
そういう事をほかの誰かから言われたら、それはそれで、結構険悪な状況になりますw
姐さん、妄想の拡がるレスをありがとうwそしてこれからもどうぞよろしく!


450様(1-091様)
早速のレスをありがとうございます! こういうちょっとした何気ないところで、設定がずれちゃうと、折角の時代
設定とか、雰囲気とか壊しちゃうこともあるかな…と思っていたのに、お伺いし忘れたばっかりに、お手数をおかけ
しました!いつも本当にスミマセン…

いただだきましたレスを拝見して、繊様と牧先生の心情に、うかつにも萌えたwので、そういうところも、少し丁寧
に描写するようにしたいですw

アルは、本当に悲痛な面持ちで、ウィルからの連絡を待ってますので(でも連絡が入るってことは、エイシアが酷い
事されているという意味にもつながるので、彼の心境はとても複雑な状況にあります…)
そんな心境のアルと、繊様、牧先生の絡みもしっかり書こうと思っていますw

また、ウィルと柳様との遣り取りも、当初の会話のみ…という展開から少し趣向を変えて、お届けしようかとも考え
ておりますww
今後の展開への萌えが拡がるレスを早期に付けてくださってありがとうございました!
相変わらずのまったり進行で恐縮ですが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします!


452 :オリキャラと名無しさん:2012/08/27(月) 19:38:18
1-091です
なんと、アル様まさかのM設定ktkr……!
S寄りの人が虐められるのってえろいですよねっ!ねっ!!
そして、言われるまで設定のこまかなところとかまったく気にしてなかったわけですが、
それが絵描きと字書きの差なのか個人の差なのかは置いといて、勉強になりました!

心配する順位
 繊:アル様>ウィル様》》>エイシアさん
 牧:エイシアさん》》>アル様>ウィル様>しーさま
とくに牧先生は先だってからエイシアさんには(身内のせいで)余計な怪我ばかりさせているので申し訳ない気持ちでいっぱいかとww
などと妄想してわたしも萌えたww


453 :オリキャラと名無しさん:2012/08/28(火) 22:15:18
》452
再びのレスありがとうございます!そして連レス&長文レスですまんw

M属性wwこれも本人に自覚がないか、認めたくないって位が萌えますよねwwでもって、
アルにも自覚はないので、面と向かって言われたら、「誰がMだ!!」とか真顔で怒りそうですw

「君、あの時、左手の傷、自分で直してないだろ。こういう事を言われるのが嫌なら、あれ位、自分で直せ」
「エイシア、そういうのはさ、作戦中に左腕負傷して、気を失った奴に言われたくないんだけど」

という感じでケンカwですかねw
そして、繊様と牧先生が彼等を心配してくださる順位にも萌えますたw
特にエイシアさんが繊様の順位の意図を誤認すると、

「白髪とかよ……あの呼び方は、本当に勘弁してくれ。 
 おまけに一番痛い思いしたのは俺だってのに、あの扱いの差は何なんだよ……」

とか、後で冷静になった時に、一人で溜息混じりに思い出して、また微妙な気分になってそうですw
エイシアは、繊様に軽くあしらわれる運命なんですかねw
あと、エイシアは、牧先生から「大丈夫か?」とか言われたら、張りつめてた緊張が解けて泣く気もしますw

という感じで、色々な組み合わせでの遣り取りを妄想してたら、結構萌え転がったwwので、
もう少しだけ、ストーリー進行を整理してから書こうかと思っております
いつもどおりのまったり進行で大変恐縮ですが、ちょい気長にお待ちいただけると幸いです

姐さん、いつも素晴らしい萌えをありがとうございます!
いただいた萌えをどこまで活かせるか、現時点では未定wですが、今後ともどうぞよろしくお願いします


454 :オリキャラと名無しさん:2012/08/30(木) 21:37:14
上げ


455 :-THE FIRST EXPERIENCE-君に伝えたいこと-:2012/09/01(土) 22:17:10
今晩は、1-710です
そして連投すみません

8/18の絵茶で、シルヴィアさんに性的基礎知識を教えたのは誰だ!というネタで
遣り取りをさせていただいたのですが、改めて妄想してみたら、結構、萌えたw
ので、台詞SSに仕立ててしまいましたwということで、またも突発的に投下しますw

コラボSSでも、今までのSSの続きでもなく、また、予告していたウィルとエイシアの
馴れ染め話でもなく大変恐縮ですが、よろしかったらどうぞ
以下、いつものように、属性表記の後で台詞SSです
どうぞよろしくお願いします
以下、属性表記です  


456 :-THE FIRST EXPERIENCE-君に伝えたいこと-:2012/09/01(土) 22:18:19
本スレ1-710です。
うちの子(設定スレ 1-036)の台詞SSを書き上げましたので投下します
以下、属性表記です
 ・そんな描写は全くないけど、現代風ファンタジー(獣人変化もの)
 ・台詞のみでのネタ的SSです!そして、無駄に長いよ!
 ・登場キャラクターは、ウィル、エイシア、シルヴィアです
 ・ウィル16歳、エイシア13歳、シルヴィア12歳という年齢設定になっています
 ・一応、性的な基礎知識を教える…という厨的な展開&ネタを多分に含みます!
 ・でも、エロなしwエロ成分は極めて微小ですw
こんな感じですがよろしかったらどうぞ


457 :-THE FIRST EXPERIENCE-君に伝えたいこと-1/4:2012/09/01(土) 22:21:28
「あのさ、エイシア、相談があるんだけど」
「……ウィル? ……何だよ」
「シルヴィアのこと、なんだけど」
「えっ、シルヴィアに、何かあったのか?」
「いや、違うけど、そろそろね。
 精通とかさ、性的な事についての基礎知識位は教えておいた方が良いと思うんだ」
「……っ! でも……」

――ああ、やっぱりね……俺がシルヴィアに教えるって事とか、
      まあ、色々な面での抵抗感はあるんだよな……それは解るんだけどさ……。

「エイシア、君、精通、いつだった?」
「……そんな事、聞くな……君とした時だろ(10歳だったろ)」

「だからさ、シルヴィアもう、12歳だし、今、教えておいた方が良いと思うんだ。
 いきなりそういう時が来たら、戸惑うし、可哀想だろ」
「それはそうだけど……」

「嫌? それと、できれば、君も一緒に聞いていて欲しいんだけど。
 俺が何を話すのか少し心配だろ?
 大丈夫、俺等が引き受けている、あの事が、ばれるような真似は絶対にしないよ」

「そんな事、別に心配してないけど……解った。一緒に聞いてるよ」


458 :-THE FIRST EXPERIENCE-君に伝えたいこと-2/4:2012/09/01(土) 22:24:14

――【…それから暫くの後…】――

「これで、俺の話はお終い。まあ、知識として、知っておいて欲しいんだ。
 あんまり言いたくはないけれど、シルヴィア、君の容姿だと、君自身が望まなくても、
 そういう事、強要される可能性がないとも限らないし。
 ちゃんとした知識がないと、いざというときに、対処出来ないだろう?」

「うん、ウィル……その……色々と教えてくれて……ありがと……気を付ける……
 でも、未だ自分自身には、そういう事がないから……それに、男同士でもって……」

「ちょっとハードル高すぎた?」

「えっ! いや、そんな事ないんだけど!!
 俺も精通とか……いつか、近いうちに、そういうの、あるのかな……」

「そうだね。でも、何か変だなとか、不安だなって、思ったら、俺でも良いけど、
 まずは、エイシアに相談すると良いよ。年も近いしね」

「えっ、あ、そっか、そうだね」
「えっ、ウィル、何、言って……」

「あっ!! エイシアは、もう、精通、あったんだ……」
「……うん」


459 :-THE FIRST EXPERIENCE-君に伝えたいこと-3/4:2012/09/01(土) 22:26:11
「じゃあ、やっぱり、僕よりもお兄さん、だね、何かあったら、相談しても良い?」
「うん」

「ウィル、あと、少し、聞いても良い?」
「何?」

「ウィルと……あと、エイシアも、もう、その……そういう事、した事あるの?」
「……えっ!! ……あ、……!!」

――エイシア……判り易い反応を返しすぎだよ……顔、真っ赤なんだけど……。

「うん、あんまり言いたくはないけど、俺はね、そういうの、した事があるんだ。
 最初はあんまり、気持ち良いとは思わなかったけどね。まあ、これは人それぞれだから。
 エイシアの方も、似たような経験を少しだけ、してるかな。
 それと、こういうのは、秘め事だから。
 あんまり、他の人に、面と向かって、経験のありなしとか、聞かない方が良いかな」

「……えっ、あっ!! ごめん!! 二人とも、ごめん!! 変な事、聞いてごめん!!」

「良いよ、俺等の事は、気にしなくても大丈夫。これから気を付けてくれれば良いんだ。
 さて、そろそろ、夕飯の支度をしようか。
 シルヴィア、後で、30分後位に、ダイニングに来てくれる?
 あと、エイシアには、手伝ってほしい事があるからさ、俺と一緒に、このまま先に、
 ダイニングまで来てくれるかな?」

「うん」
「解った」


460 :-THE FIRST EXPERIENCE-君に伝えたいこと-4/4:2012/09/01(土) 22:29:46

――【ダイニングにて】――

「……ウィル……さっきは、本当に、ごめん……」

「良いよ。エイシア、俺の方こそ、君の事を上手くフォロー出来なくて、悪かったね。
 でも、あんまり、正直に反応を返しすぎないように、少しだけ、気に留めた方が良いね。
 今は、まだ、シルヴィアには、あの事、ばらしたくはないんだろう?」

「うん。本当にごめん……」

――エイシア? 本当に泣きそうだな……。

「あと、エイシア、君の方にも、いつも辛い立場を背負わせていて、ごめん。
 何かあったら、何時でも俺に言って? 
 本当に辛い気持ちで、一杯になって、どうしようもなくなる前にね、
                  何時でも俺のところに相談に来て良いんだよ?」

「……ウィル、……本当にごめん……」
「もう謝らなくて良いよ。さ、涙ふいて。
 シルヴィアを待たせたくないしね、夕飯、作り始めようか。何が食べたい?」

「……うん、……ウィル、あのさ、……後で君の部屋に行っても良い?」
「もちろん、夕食が終ってひと段落したらね、その後でおいで」

「……ありがと……」
「別に気にしなくて良いよ」

――エイシア……俺が君の事を、このままで放っておけるわけなんか、ないんだよ。
             言葉になんかしないけどね、いつも君の事を想ってるよ――

【END】


461 :オリキャラと名無しさん:2012/09/01(土) 22:33:34

-投下終了-(SS属性表記と本編等々のタグ→》455-461)

お付き合いいただき、ありがとうございました!
厨的成分満載だけど、3人それぞれの反応を書いてる間、すごく楽しかったよ!!
皆様、素敵な萌えネタをありがとう!
そしてこれからもどうぞよろしく!


462 :オリキャラと名無しさん:2012/09/03(月) 22:09:13
》456
読ませてもらいましたーほのぼの日常系好きなので嬉しい!
てかエイシアさん10歳の頃に何が…!
ウィル様は13歳…!?
いやどこまでやっちゃったのかは存じませんがw
ショタっ子相手にオタつくエイシア兄さん可愛かったー、乙でした!


463 :オリキャラと名無しさん:2012/09/04(火) 23:15:18
》462
レスありがと-! 今回は、厨的展開満載のネタSSだよ! しかも台詞SSだし! という感じだったので、
レスをいただけて、すごく嬉しかったですw

エイシアとウィルは、この頃からもう既にクライアントの要望に合わせて、色々な方々と情交を重ねてたりする
訳ですが、それをシルヴィアさんには知られたくない…とか思ってるのに、素直な反応を返してあたふたする…
という状況を妄想して萌えたwので、つい、うっかり書いてしまいしたw

しかし、今、再び読んでみたら、》285-288辺りの設定を踏まえておいていただかないと、解りにくいネタになって
ましたねwいやはや申し訳ないw(以下、恒例の補足説明的な長文レスです…毎回、本当に申し訳ない…)

でもって、ウィルと一緒にダイニングに行った後も、エイシアさんは、そういうのがシルヴィアにばれたら、本当
にヤダ…とか、経験があるとか…シルヴィアの前でウィルにもあんな事を言わせたのは、俺の反応がマズかった所
為だし…俺、本当に何やってんだろ…という感じで涙目になってたりしますw

そして、ウィルとエイシアは、13歳×10歳で致してる訳ですが、「途中で止める訳ないだろ」とウィルが申して
ますので、そうだったんじゃないかとw
でも、多分、「君にだけに、こんな(つらい)事させておけない。俺にも教えてくれる?」とか言って、先に誘っ
たのはエイシアですよw
おまけに、その後で、こんな風にされるのは初めてだし、やっぱ、怖くて、もう、ヤダとか、途中で言い出しても
ウィルには、全く止めてもらえなったりで、その時の事を思い出すと、エイシアは、結構、恥ずかしくて嫌なんじ
ゃないかとw…エイシア…相変わらず不憫だ…w

だがしかし!初めて色々と経験させられるってシチュはやっぱ萌えますよねw
姐さん、妄想の拡がるレスをありがと-!そしてこれからも、どうぞよろしくw


464 :オリキャラと名無しさん:2012/09/05(水) 20:05:22
ウィル先生の保健体育特別授業!
シルヴィアさんを気遣いつつ、エイシアさんもフォローしつつ、お兄ちゃんは大変ですね
うちに18歳になってもオス同士のやり方ちゃんと知らない人(人から聞いた事があるけど冗談だと思っている)
が居るんですけど彼にもお願いします
まだまだ汚れを知らなそうなシルヴィアさんですが、お初を奪うのは一体誰なんでしょうね…とか
この後アルさんが現れてウィル兄さんがシオシュン化するのね!(ウソですw)とか考えるとwktkです
そして馴れ初め話もいつまでもお待ち申し上げております


465 :オリキャラと名無しさん:2012/09/09(日) 00:07:07
※2012/09/09 0:00 付で、新掲示板・新wikiに移転しました!
 以降のレスは、新掲示板にてお願いします
 詳しくは、こちらの新wiki「オリキャラに萌える in 801板 @まとめwiki」へ
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最終更新:2012年09月16日 15:45