228 : ◆OLze.DQMEw:2011/07/20(水) 22:44:42
【
ジュワユーズ アラスカ基地】
アルベルトは自室でタバコを吸っていた。
彼は考えていた。
覇天王軍のことを。
あの軍団は瞬く間にオーストラリア大陸を制圧した。
話によればオーストラリアの人々は皆苦しんでいるという。
もはや連邦が地球を守ることはできない。
早急に連邦に取って変わらなければならない…そうアルベルトは考えていた。
その時、部屋の呼び出し音がなった。
『ウィリアムです』
「入れ」
扉が開き一人の男性が入ってくる。
「
アイネイアスのブラックホールエンジンの調整が完了しました。
アシッド・ルクスの威力も予定通りに出すことができるかと思われます。」
その男性はどこからどう見ても軍人には見えなかった。
それもそのはず、彼は開発者なのである。
しかも、ビアン・ゾルダークらと共に開発に携わっていたことがある天才である。
「それと、
ロンギヌスの実戦テストを今度の作戦で行っていただきたいのですが…」
「ロンギヌスの?あの作戦はかなり重要度が高い。
安定した成果を出せるものでなければだせんぞ」
「大丈夫です。その点に関しては問題ありません。」
開発者の男性のアルベルトとの交渉はうまく行った。
その時、彼はアルベルトにこんな要望も出していた。
その要望によって
カホル准尉、
ラバン准尉、ミツヤ曹長が格納庫の前に呼び出された。
開発者の男性――ウィリアム博士は3人を格納庫の前で待っていた。
232 : ◆gnI8YzVxOo:2011/07/20(水) 23:03:10
230
「
ミツヤ・タカシロ、参りました」
敬礼しながら、自分の呂律が怪しいのではないかとミツヤは疑った。
トウドウの訓練を受けることになって以来、5時間以上眠った覚えがない。
その目付きから甘さは失せかけていた。ただの睡眠不足から来ているだけかもしれないが。
233 : ◆hrBR6tpC7Y:2011/07/20(水) 23:05:57
230
【アラスカ基地・格納庫】
カホル「・・・・・・おい、ラバン。博士が、サイダーと共に俺達に話しがあるようだな。」
ラバン「――――!?そ、そうか・・・。」
カホル「ラバン・・・・・・お前、ミッドウェイの後から様子がおかしいぞ・・・?」
ラバン「・・・・・・いや、大丈夫だ。少し、投薬が多すぎて・・・な。」
カホル「なら・・・・・・いいんだが・・・。」
ラバン(――何故だ。あの時・・・ティータン・システムを起動した時に視えた・・・・・・相手のパイロットが。シア・・・シアとは何だ?どうして私に干渉する・・・!!)
先の戦闘で念の共振を起こして以来、ラバンの精神は安定することがなかった。自分の中を覗かれたという気味の悪い感覚から解放されないでいた。
ラバン(またティータン・システムを使えば、何かが分かるのか――?)
尽きない考え事をしながら、彼女とカホルはウィリアム博士の元に向かう。
234 : ◆hrBR6tpC7Y:2011/07/20(水) 23:08:50
232
カホル「よう、サイダー。お前は相変わらずトウドウ少佐に絞られているらしいじゃないか?」
ハハハ・・・と彼をからかうようにしてカホルは現れた。
カホル「サイダー、そろそろリオンからは卒業できそうかい?」
235 : ◆OLze.DQMEw:2011/07/20(水) 23:19:57
232-233
3人が格納庫の前に集まった。
「よく来てくれたね。君たちに見せたい物があるんだ。」
ウィリアムはそう言うと格納庫の中に入っていった。
4人が格納庫の中に入ると、そこは暗く、何があるのか分からなかった。
「ライト着けてくれるかい」
「ハッ」
ライトが点灯する。そこには今までの機体とは変わった機体があった。
その機体には脚がなく、頭部は円盤のような形をしていた。
しかも、その機体は1機だけではなく、少なくとも20機は存在した。
「DCAX-001 ロンギヌス」
「君たちもどのような機体か知っているね?」
「次の作戦で君たちにこの機体を3機ずつ扱ってもらうことになった。
どのような使い方をしてもらっても構わない。自由に使ってくれ。
様々なデータが取りたいからね」
そう言うウィリアムの顔には優しい笑みが浮かんでいた。
236 : ◆gnI8YzVxOo:2011/07/20(水) 23:25:01
234
「リオンだって構わない……」
語尾が呟き同然になってカホルには聞こえなかった。
サイダーと呼ばれたことさえどうでもよくなっていた。今はこの用事を一刻も早く済ませてベッドに埋もれたいと思っていた。
237 : ◆hrBR6tpC7Y:2011/07/20(水) 23:27:44
236
カホル「"操り人形"か・・・コレは丁度いい。」
ラバン「・・・・・・・りょ、了解。」
ロンギヌスを前にニヤりとするカホル。対象的に興味のなさそうなラバンであった。
カホル「それだけ数があるなら、多少は面白い事に使っても・・・・・・良いと?」
カホルは何か悪巧みを思いついたような顔をする。
236
カホル「・・・サイダー坊やはお眠かい?これだからガキってもんは・・・・・・」
240 : ◆gnI8YzVxOo:2011/07/20(水) 23:34:01
235>>237
「…………了解」
ミツヤの睡眠欲求に支配された頭ではウィリアムの話を理解しようとするのが精一杯で、カホルの揶揄は耳に入っていない。
242 : ◆OLze.DQMEw:2011/07/20(水) 23:38:38
237
「ああ…でも、できるだけ大切には扱ってくれよ?」
ウィリアムは苦笑いを浮かべた。
240
「…じゃあ、これで解散にしようか。
トウドウ少佐には僕から言っておくよ」
ミツヤの状況を理解したウィリアムは解散させた。
244 : ◆hrBR6tpC7Y:2011/07/20(水) 23:43:48
242
カホル「データは必ず持ち帰りますよ、博士?」
彼は敢えてロンギヌスを丁寧に扱うとは言わなかった。もっとも、カホルの性格を知った上でウィリアムも依頼しているのだろうと彼は考えていた。
ミツヤに合わせて二人も戻ろうとする。
ラバン(人形・・・か。それは博士の機体ではなく私自身かもしれない・・・・・・)
245 : ◆gnI8YzVxOo:2011/07/20(水) 23:48:13
242
「分かりました……」
ミツヤはどうにか「解散」という言葉だけは理解出来たようであった。
248 : ◆vGTe9D4z5Y:2011/07/21(木) 00:35:00
「しかし、タカシロ曹長・・・よく保ちましたね・・・あんなふざけた特訓自分なら三日も耐えられないですよ」
「私もそう思うよ。いやいや、あれだけ若いのになかなかガッツ溢れる男なのだな」
トウドウは副官である男と会話をする
肉体鍛錬から、シミュレーション、更には実機を持ち出した訓練
どれも常軌を逸した内容であり、まさに地獄の特訓という名に恥じないそれであった
この数週間で彼はパイロットとしても、男としても精神的にずいぶんと成長したことだろう
故に、ガーリオンへの搭乗を認めた。今の彼ならば、性能を持て余すことはないと判断したからだ
「後は、ロンギヌスを用いた任務か。期待しているぞ」
もちろん、本人の前では言うことはないが、タカシロのことをすでに一人前の兵士として認めている
今回の任務が成功した暁には、卒業もありうるとすら考えていた
最終更新:2011年08月19日 19:31