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    ...ド)   ・RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第0章 彼女の憎悪・第1章 大神と2つ名狩りの魔女   ・RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第2章 エンシャロムの来訪者   ・RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第3章 狼(アルタニス)   ・RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第4章 囚われし者:2010/3/21   ・RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第5章 シャシャ・ランディの試練1:2010/3/27   ・RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第6章 束の間の日常(1):2010/4/7   ・RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第6章 束の間の日常(2):2010/4/7   ・RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第7章 戦友(とも)(1):2010/4/15   ・RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第7章 戦友(とも)(2):2010/4...
  • RED・MOON~2つ名狩りの魔女~ 第二十章:戦いの痕
    RED・MOON~2つ名狩りの魔女~  第十九章:火竜狩り  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください…  終わった~!  長かった。《アンナマリア》編・完。  抜けないトンネルは無い。始まりがある物は終わりがあるんだな~。 第二十章:戦いの痕  激しい戦闘が終わった翌日。その日は雲一つ出ていない晴天となった。  昨晩の死闘は嘘か幻であるかのように、晴れ渡り澄み切った青空である。  戦闘に勝利という形となったアルタニス。人狼側は大神オリスによりエンシャロムよりグレーランドを越えた地点に一時避難をしていたが、オリスがシャシャと連れ帰り、さらにオリスの力で移動していた。  ある者は傷の手当をして、ある...
  • RED・MOON~2つ名狩りの魔女~ 第十八章:届かぬ願い前半
    RED・MOON~2つ名狩りの魔女~  第十八章:届かぬ願い前半  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください…  アポロ・レント編だぜぇ~  第十八章:届かぬ願い 1 「では、皆さん。準備はいいですか~」  シャローンののんびりした声が避難場所に響く。避難所にいる生徒、教師達は怪我で動けぬ者達を助け、外へ出る用意をすませていた。 「シャローン先生! ダニア先生です」  怪我をあまりしていない生徒が、シャローンを呼びに来る。シャローンはその声に顔を顰める。彼女にはその言葉の意味が分かっていた。 生徒に付いて行ってみるとそこには大きな鏡があり、その中にダニアが感情に乏しい表情で立っている。 「あらあら、...
  • RED・MOON~2つ名狩りの魔女~  第十九章:火竜狩り
    RED・MOON~2つ名狩りの魔女~  第十九章:火竜狩り  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください…  ついにここまで来た~!  ようやくサブタイトルにもある主人公が登場ですよ。  残す所、あと1章。 第十九章:火竜狩り 1  今宵、大勢の魔女が死んだ。大勢の人狼が死んだ。  だが、それは所詮、大して価値のない戦いの中で死んだ者達。  そう。  この二人の勝敗の前では、今夜死んでいった者達の命は無に等しいだろう。  なぜなら、この二人の戦いの結果が今夜の勝敗と言っても過言ではないのだから。 学校《アンナマリア》の名の由来となる魔女。学校の校長にして、炎を操る者達にとっては最強とも言われる存在...
  • RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第七章:戦友(とも)(2)
    RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第7章 戦友(とも)(2)  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください…  仔細あってこの章は2つに分けることになった~!    第7章 戦友(とも) 3 「ふ~ん。つまりレッドムーンってのはこの世界を創った神様なのか」  大きな荷物を運びながらレントは前を歩くアムネリスに言う。 「そうよ。人はレッドムーンを神として崇めてたって言うんだから驚きよね」 「そんな神様がどうしてまた?」 「人はレッドムーンを神の座から追いやったんですって。それで、怒ったレッドムーンは再誕を掲げたの」 「なるほどね。で、そん時にレッドムーンや人狼達と戦ったのが、お前ら魔女ってこ...
  • RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第十章:グレーランド進行へ
    RED・MOON~2つ名狩りの魔女~ 第十章:グレーランド進行へ  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください…  前回までは……  ヴァン・ホーテンの能力により捻じ曲げられた情報が《アンナマリア》の卒業生たちをアルタニスが集う村へ導く。そのことに気づくアンナマリア達であったが、一足遅く。初めの一団が人狼たちの餌食をなってしまった。しかし、《アンナマリア》側も逆にヴァンの能力を利用し奇襲に成功。それに乗じヴァン・ホーテンを亡きものとした。双方に精神的な傷を負いながらも、着々と戦いの月は昇り始めていた…… 第十章:グレーランド進行へ 1 《アンナマリア》では来訪者に驚いていた。  グレーランドを越えるのに、魔...
  • RED・MOON~2つ名狩りの魔女~  第十七章:落ちゆく城後半
    RED・MOON~2つ名狩りの魔女~  第十七章:落ちゆく城後半  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください…  もう戦闘ばっか書くの飽きた~! 頑張れ、あと実質大変なのは2章だけだ。熱くなれよ! 俺。 第十七章:落ちゆく城 3  燃え盛る廊下に二人の影が仁王立ちのような感じでいる。  覚えているだろうか、自称・番犬三人衆のトッポとカットである。 「なぁなぁ、俺達って忘れられたように出てこなかったよな」  カットが隣のトッポに話しかける。 「まさか、俺達番犬三人衆が忘れられていたとは思わんがな」 「しかし、改めて戦闘をしてみて思ったが、アルがいないのは結構大きいな」  そうだな~。とトッポは頷いた...
  • RED・MOON~2つ名狩りの魔女~  第十四章:《アンナマリア》の激闘 1
    RED・MOON~2つ名狩りの魔女~  第十四章:《アンナマリア》の激闘1  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください… 第十四章:《アンナマリア》の激闘1  マーブル達が復活する少し前、人狼達が《アンナマリア》へ踏み込んだ直後。  人狼達はグレーランドで力を制限されていた反動であると言わんばかりに、暴れまわっていた。《アンナマリア》は大混乱に陥っていた。  そこへようやくグレーランドへ行っていた魔女達も戻ってくる。 「魔女共はたかだか三百だ。押せ!」  暴れまわる周囲の人狼に怒鳴るダースは、目前の魔女が放つ氷を鋼鉄と化した毛皮で弾く。そして少し後ろのルックがその魔女を光で貫いた。 「光刺(フォスフィ...
  • RED・MOON~2つ名狩りの魔女~ 第十三章:三獣士の苦悩
    RED・MOON~2つ名狩りの魔女~  第十三章:三獣士の苦悩  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください… 第十三章:三獣士の苦悩 1  境隔(きょうかく)の魔女。スカースは暗い空間に一人座り、黙祷をしていた。前に置かれた水晶は暗い空間の中では、宙に浮いているようである。  彼女は身動き一つしなかったが、その歯を食いしばり。張り詰めたような、余裕のない顔であった。その額から滝のように汗が流れ落ちる。  光もないこの空間。時間すらも感じられない。全てが永遠なものである。空間も時間も、この水晶も全て。そして彼女自身が永遠。全てが〝無〟となっている錯覚を起こす。上も下も、前も後ろも、右も左も存在しなくなったこの...
  • REDMOON人物評(大神サイド)
    RED・MOON人物評(大神サイド)  REDMOON~2つ名狩りの魔女~における人物表です。  これは話の進行に応じて更新していきます。 ・オリス(大神・REDMOON):世界創造神。赤い瞳を持つことから、今ではレッドムーンと呼ばれている。世界の敵。 ・シャシャ・ランディ:オリスと同じ赤い目を持つ魔女。流れるような長い黒い髪と真っ黒なワンピースを着ている。魔女を狩り“2つ名”を自分のものにしていくことから、“2つ名狩りの魔女”と呼ばれる。唯一無二の大魔女に対抗意識を燃やしている。 ・マーブル・マスセウス・ミラン:“禍の月”より大神のために戦った狼(アルタニス)の末裔の一人。人狼達をまとめるリーダー的な存在。黒い短い髪に優しげな目が特徴。 ・アポロ・ドゥロ・アサナト:アルタニスの末裔の一人。戦いは基本的に他人任せ。ブラウンの髪が特徴。 ・ガルボ...
  • RED・MOON~2つ名狩りの魔女~  第十七章:落ちゆく城
    RED・MOON~2つ名狩りの魔女~  第十七章:落ちゆく城前半  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください…  残す所、あと三章! 戦闘はあと二章だぜぃ~ 第十七章:落ちゆく城 1  シャローンはカテリーナを抱えて避難所へとやって来た時、中にいる者全て。それこそ生徒から先生までが安堵の表情を浮かべる。 「パラミシア先生。カテリーナさんをお願いします」  シャローンはカテリーナを簡易のベッドに寝かせると、白衣を着た先生(レントに痛いことしたあの人)を呼んだ。彼女はそんなに歳のいっていない先生で、短めの茶髪に身長は平均よりもやや低めだろう。眼鏡を頭にずらし、水銀の体温計を咥えている。 「シャローン先生。腕...
  • RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第6章:束の間の日常2
    RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第6章 束の間の日常(2)  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください…  仔細あってこの章は2つに分けることになった~! 2  ラルドックは中庭の芝に腰を下ろし自分の双剣。テリトリーとフィールドの手入れをしていた。いつも通りここはいい陽気で、寝そべったら寝てしまいそうなほどに心地がいい。もちろん彼の武器はここに連れてこられた時に取り上げられていたが、今は監視付きで手入れをさせてもらっている。彼の少し離れた木陰で腰をおろしこちらを見ている女が彼の監視役である。ジルベルトという名前の《アンナマリア》の教師である彼女は、栗毛の髪を肩口まで伸ばし柔らかな鳶色の瞳をしている。そして何...
  • RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第七章:戦友(とも)(1)
    RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第7章 戦友(とも)(1)  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください…  仔細あってこの章は2つに分けることになった~!  前回までは…  オリスの命を受け人狼のポポロンを連れフランの元へ向かうアポロは異端警察にも追われながらも旅をしていた。一方、グレーランドの近くの村でエンシャロムとの交信をしているマーブルとヴァン・ホーテンだが、彼らのそばに命令を違反し自由に動くコロンの姿があった。 第七章:戦友(とも) 1  アポロとポポロンが目的地周辺まで走ってきた時、ようやくアポロが足を止める。息が上がっているポポロンは膝に手を置き荒く呼吸を整えた。月明かりが今日は明...
  • RED・MOON~2つ名狩りの魔女~  第十五章:《アンナマリア》の激闘2後半
    RED・MOON~2つ名狩りの魔女~  第十五章:《アンナマリア》の激闘2後半  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください… 後半…… ★  ☆   ★ 《アンナマリア》東部にあるサンルームでは他と少々違うことが起こっていた。もちろん人狼と魔女の攻防という点では同じであるが、飛び交う悲鳴や逃げる者は魔女よりも圧倒的に人狼の方が多かったのだ。 「くそ、何なんだ?」 「本当にあいつ魔女か?」 「とにかく逃げろ!」  口々に漏れる悲鳴のような声と共に逃げる人狼達。皆、一つに集まり塊となって避難していた。まるで逸れたら最後とでもいうかのように。否、事実、その温室ではぐれた者は次の瞬間には仕留められたであろう悲鳴...
  • RED・MOON~2つ名狩りの魔女~  第十八章:届かぬ願い後半
    RED・MOON~2つ名狩りの魔女~  第十八章:届かぬ願い後半  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください…  残すはアンナマリア・シャシャ編だけだぜぇ 第十八章:届かぬ願い 2  イリスの魔法を砕き出てきたアポロは、目前の三人。レント、ラルドック、イリスの姿を見て薄らと笑った。彼らの目には、特に人間である二人の目には彼を恐れる感情が感じられなかった。だが、代わりに強い警戒が込められている。真っ直ぐ彼を見て、静かであるが敵意を向けてきていた。彼らは緊張に身を固めている。心臓の激しく鳴り響いている鼓動は、アポロの耳にも聞こえてくる。そのリズムで踊れそうだ。  弟を殺したジルベルトの姿は無い。周りを動いていた...
  • RED・MOON~2つ名狩りの魔女~  第十五章:《アンナマリア》の激闘2前半
    RED・MOON~2つ名狩りの魔女~  第十五章:《アンナマリア》の激闘2前半  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください…  久々に書いたぜ。データが大きすぎたんで2つに分けたよ。 第十五章:《アンナマリア》の激闘2 1  レントのそのしなやかな流れる動きはまるでネコ科の猛獣を連想させた。人狼達の攻撃を身を翻し避けながら、魔剣・ネスティマを振るう。炎を帯びた剣は振るわれる度に炎を撒き散らし、剣が通った所を鮮やかに彩る。レントの鋭く、速い剣筋から現れる炎はまるで、彼の周囲を覆い渦巻く竜巻のようであった。  その熱気は振れば振るう程に増していき、人狼達に接近を許さない。 「どうした、どうした~!」  調子...
  • RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第16章:《アンナマリア》の死闘
    RED・MOON~2つ名狩りの魔女~  第十六章:《アンナマリア》の死闘前半  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください…  しゃー! あと四章! 第十六章:《アンナマリア》の死闘 1 「我、命じる。氷よ。壁となりて、悪しき者の進行を妨げよ」  アムネリスが命じると、氷の壁が生まれ廊下を遮っていった。人狼達はすぐそこまで来ている。これで少しは時間稼ぎになってくれるだろう。  とは言っても、レントを倒した人狼・ガーナには熱の吸収だけではなく、吸収した熱の放出も可能な能力だったとみえて、先ほどからアムネリスの氷の妨害を彼女の予想以上の速度で突破してきていた。その突破の元となっている熱量は、彼女が抱え守っている...
  • RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第16章:《アンナマリア》の死闘後半
    RED・MOON~2つ名狩りの魔女~  第十六章:《アンナマリア》の死闘後半  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください…  あと残り四章書いちゃうぜぇ~。 第十六章:《アンナマリア》の死闘 3  小さなレイアは今一人立つ。至って気丈夫な表情でいるもののその顔は蒼白であり、その目には恐怖が色濃くあった。人狼との戦いで瓦礫の下敷きになった彼女はその小柄故に助かったが、気付けば彼女一人になっていたのだ。  母であるレイアスより感情を捨てるように言われ育てられた彼女だが、まだ若い少女だ。簡単に感情を殺すなどできない。ましてや恐怖のような湧き上がるような感情は特に無理だった。  レイアが廊下を歩いていると、彼女の...
  • RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第十二章:シャシャ・ランディの試練2
    RED・MOON~2つ名狩りの魔女~ 第十二章:シャシャ・ランディの試練2  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください… 第十二章:シャシャ・ランディの試練2 1  しくじった。彼女の心の中にはそれしかなかった。自分を攻める言葉しか思い浮かばない。与えられた物を充分にこなすことができなかった。無能で最低の結果であった。  シャシャは目隠しをさせられ手枷に足枷をされた状態で冷たい石の部屋に入れられていた。首に巻かれる特殊な首輪によって魔法を抑えられているため、魔法を使うことが出来なかった。  彼女は頭を壁にぶつけながら、心の中で自らを罵る。涙が出てくるくらいに悔しい。愚かしい自分に腹が立つ。オリスが自分を信じて...
  • RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第0章:彼女の憎悪・第1章:大神と二つ名狩りの魔女
    RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第0章 彼女の憎悪・第1章 大神と2つ名狩りの魔女  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください…  ……では、始まり始まり…… {第0章 彼女の憎悪  世界なんて滅んでしまえばいい。  人間なんて死んでしまえばいい。  この世の全て、みんなみんな壊れてしまえばいい。  憎い。憎い憎い憎い…  私を捨てた親が憎い。  私を罵倒する男が憎い。  私を軽蔑する女が憎い。  私を恐れる子供が憎い。  奴らの眼は忘れない。奴らの声を忘れない。奴らの存在を忘れてなるものか! 壊してやる。殺してやる。滅ぼしてやる。  全てだ。一切の例外なく、人である私が可能である限り...
  • REDMOON~2つ名狩りの魔女~
    RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第9章 静かなる報復(1)  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください…  仔細あってこの章は2つに分けることになった~! 前回までは  オリス率いる人狼達の動きを察知した《アンナマリア》の魔女達は、グレーランドの外にいる姉妹たちを呼び戦力の拡大を計っていた。が、若き人狼ヴァン・ホーテンの能力により、その情報は捻じ曲げられ魔女達へ向かうこととなる。  一方で、目に見えない人狼を感じ取ったレントの活躍により、《アンナマリア》へ潜伏していた人狼を倒すことに成功する。同時にマティレスの能力によって潜伏しているエアロの存在が明るみに出た。同時に、捻じ曲げられた情報も知る。アンナマリ...
  • RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第7章:戦友(とも)(1)
    RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第7章 戦友(とも)(1)  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください…  仔細あってこの章は2つに分けることになった~!    第七章:戦友(とも)     1  アポロとポポロンが目的地周辺まで走ってきた時、ようやくアポロが足を止める。息が上がっているポポロンは膝に手を置き荒く呼吸を整えた。月明かりが今日は明るい。 「…あ、アポロさん。あんた、結構、やっぱり凄いんですね」  体力には自信があったポポロンだが、隣でまったく汗一つかかず息もあがっていないアポロの様子を見て、驚嘆の声を上げた。 「まったく、未熟者めが! 鍛練が足りないからこんなくらいでまい...
  • RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第6章:束の間の日常
    RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第6章 束の間の日常  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください…  ……では、始まり始まり…… 第6章:束の間の日常 (1) 1  シャシャがガルボに勝利した頃よりもかなり遡る。  人気のない農家に男達が集まっていた。 「なぁ~なぁ~。カット。アルって、どこ行ったんだ?」  座りながら男が隣の男に声をかける。カットと呼ばれた細身の男はえ? と男に視線を送る。 「なんだ。トッポ。アルフなら、少し前に『俺は旅に出るぜ! 探さないでくれ』とか言って、出てったっきり連絡がないんだよ」  カットはやれやれ首を振りながら答える。 「ふん。そうか。奴は我々三人の中でも一番...
  • RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第8章:見えざる者2
    RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第8章 見えざる者(2)  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください…  仔細あってこの章は2つに分けることになった~! 第八章 見えざる者 3 「俺が今まで行った中で一番心に残る所って言えば、そうだな。中立国アランスの南に位置する青海と紅海のちょうど交わる所は、そりゃスゲーもんだぜ。圧巻だね。まぁ、あそこは争うごとは滅多にないから、大して滞在はしなかったんだが、あそこは面白かった」  午前の授業が半分終り、しばしの休憩時間。レントはバルコニーに腰かけ、隣のアムネリスに旅の話をしていた。外の世界をあまり知らないアムネリスにとってはどれも目新しいことばかりで、どれも興味深...
  • RED・MOON~2つ名狩りの魔女~
    RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第9章 静かなる報復(2)  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください…  仔細あってこの章は2つに分けることになった~! 3  教員たちが仕切りに動き始めていた。来る戦いに備えて、今夜中に戦力としては幼すぎるパルアス組の生徒を避難させようというのだった。  ミディアス、そしてマグアスの生徒達もそれを手伝う。そして先生達は彼女らに連絡する。 『翌日、人狼達の村を襲撃するから、それに際し準備を怠らないように』  生徒達の顔が緊張に包まれていた。いくら魔法を学んだといっても実戦など初めての素人達だ。目に怯えがあるのは否定しきれなかった。彼女らは口ぐちに姉妹達と話す。恐れを...
  • RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第8章:見えざる者
    RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第8章 見えざる者  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください…  ……では、始まり始まり…… 第八章 見えざる者(1) 1  それはレントが過ごしたどんな夜よりも黒く、どんな夜よりも静かであった。一寸先に見えるのは闇、鼓膜を震わすのは自らの発する吐息と鼓動のみ。音をたてることも恐ろしい暗闇。それはまるで人の人生にも似ているとレントは思った。まるで先の見えない道を歩いている。自分に何が見えているのか、何を目指しているのかまるで見えず、見当もつかない。そして気付くのだ。自分が何に触れているのか、何を感じているのか。呼吸はしているか、立っているのか。それとも浮かんでいるのか。...
  • RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第十一章 グレーランドの激突
    RED・MOON~2つ名狩りの魔女~ 第十一章 グレーランドの激突  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください… 第十一章 グレーランドの激突 1 「いいか。今日、この日、この夜を覚えておけ。今宵あの忌々しい魔女共の喉笛を噛み切ってやれ。昨日は奴らに多くの者の命を奪われた。だが今宵、奴らには何も与えるな。奴らから奪え、全てを」  グレーランド付近に集まる人狼達の先頭でマーブルが怒鳴る。その後より大地を揺るがす程の人狼達の雄叫びが響いた。 「進軍だ!」  おお~。と人狼達は大地を揺らし進み始めた。それを満足そうに眺めるマーブルは一点を見て、目を点にする。  そこではアポロ、ダース、ルック、ポポロンの四人が密...
  • RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第4章:囚われし者
    RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第4章 囚われし者  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください…  ……では、始まり始まり…… 第4章 囚われし者 1  《アンナマリア》  珍しいオーム(グレーランドの外の人間)二人の来訪。と言うよりも捕縛に、《アンナマリア》内は今、大慌ての状態であった。 「はやはや。これは驚きましたねぇ~」  シャローンが丸い眼鏡を押し上げながら笑みを浮かべて言っているその脇を、当番の生徒達が大急ぎで現れてはかわるがわる奥へ消える。ここは《アンナマリア》の大食堂。生徒、教師全員がここで食事を取る。広壮な造りにバロック様式の壁、高い天井には三つの巨大なシャンデリアが部屋を照らしてい...
  • RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第3章:狼(アルタニス)
    RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第3章 狼(アルタニス)  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください…  ……では、始まり始まり…… 第3章 狼(アルタニス) 1 「フギャー!」  顔面を蹴られたレントの惨めな悲鳴が背中にぶつかったが、ラルドックはまったく気にすることもなく前へ踏み出した。ラルドックは一気にシャローンとアムネリスの前に飛び出す。その並はずれた跳躍力にシャローンもアムネリスも目を見開いて驚く。というよりはそのくらいしか反応できなかった。  殺った。と実感しラルドックの刃が一閃する。まるで無駄な動き、ブレのないスムーズな剣捌きは一種の芸術であり、見惚れてしまうほどであった。その精密にして緻...
  • RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第2章:エンシャロムの来訪者
    RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第2章 エンシャロムの来訪者  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください…  ……では、始まり始まり…… 第二章 エンシャロムの来訪者 1  ここは挟間。この世とあの世の境界線のような場所。  そこをオリスは根城にしている。そして彼に集いしアルタニスの面々もまたここに住まう。アルタニスと言ってもそこには百五十年前のように雌雄共にというわけではない。いるのは人狼(男)ばかりであった。 「大変だったらしいな。アポロ」  アルタニスの一人・黒の短髪に優しげな瞳をしたマーブルがアポロに声をかけた。彼の言っているのはもちろん先日のジャンバルキアの魔女討伐であった。 「ほんっと...
  • RED・MOON~満月が堕ちた夜~ 第2、3章
    REDMOON~満月が堕ちた夜~ 第2,3章  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください…  ……では、始まり始まり……  第二章       1  大神と大魔女の戦いも今では神話の話。  あの戦いから百五十年が過ぎた。  大神殿があったあの丘には今は何もなく、人もあまり近寄らなくなった。  静かな夜だった。野兎が耳を澄ませ、フクロウが獲物を捜し木の上で首を回している。至る所に命がある夜。  しかし彼らは一斉に息を潜めた。何かを感じ取るかのように。  不気味な三日月が大地を照らす。広大な草原が広がる中で、大神殿があったちょうど丘の天辺は草一本生えてはいなかった。  そのちょうど中心。突然地中...
  • Chopin Asort3
    Chopin Asort… Part3  この作品は、籠龍の作品「REDMOON」と世界観を共にした作品です。 一応こっちのほうが本編となってますがそっちの方も見ると世界観が上手く補完できると思います。 Part3. Meeting and now ... Lupis side  ゲルバと名乗った魔女の衝撃の告白の後、私たちは彼女の案内のもとジャンバルキア大森林を歩いた。森の中はまさに生物の体内そのもののように、森全体が蠢き、おびただしいほどの生命の気配を感じさせる。  私もヴェアも、そしてセイも、押し黙ってしまったルーナの後に続いてゲルバの案内についていく。話では、ゲルバが今住んでいる小屋の近くにルーナの目的のものがあるらしい。 「前はここに、〝ジャンバルキアの三姉妹〟って魔女がいたんだけどねぇ?」  歩いている途中、ゲルバは思い出したように呟く。〝ジャンバルキ...
  • RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第五章:シャシャ・ランディの試練1
    RED・MOON~2つ名狩りの魔女~第5章 シャシャ・ランディの試練1  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」の人狼側からの話です。  よって、その作品と世界観が同じはずですが、稀に違うところもあるかもしれません。その時は温かい目で見過ごしてください…  ……では、始まり始まり…… 第五章 シャシャ・ランディの試練1 1  シャシャは息を切らしながら走っていた。いつものような黒のワンピースではなく、動きやすいラフな格好の彼女の体からは滝のように汗が流れおちている。顎が上がりきり、苦しそうな顔をする彼女に厳しい声が飛んできた。 「おい、シャシャ! スピードが落ちてるぞ! もっと足上げて走れっつてるだろうが! 舐めてんのか? あぁ? プラス一周!」  オリスの森のような場所で、ここは拓けた場所に描かれたトラックの外から、ルックは突き刺すよう...
  • レンラル日誌~馬車を出たら雪国でした編~(2)
    レンラル日誌~馬車を出たら雪国でした編~(2)  {初めに…  この作品は東風の作品「MELTY KISS」。また「RED・MOON」の派生です。  しかし、世界観は若干に変えてある「新説」を元としますので、ん? と思うところも出てきます。  まぁ、それも愛嬌で。エヘヘ。  完全に悪ノリで書いた話です。はい。 レンラル日誌~馬車を出たら雪国でした編~ 4  所変わってマントに包まるレントはガタガタ震えていた。 「ここ、どこだ? 全部、同じ景色に見えるぜ」  レントも探していた。自分が元いた場所を。  今や彼にせめてもの温かさを与えるのは、彼の愛剣・ネスティマのみ。  彷徨っていると、隣の茂みから人影が出てきた。 「おぉ、ラ……るぅ?」  それは見るからにラルドックではなかった。むしろ男ではない。女だ。まだ若い。彼女は薄手の白いワンピースを着ていた...
  • Crash re mound …Part3
    Crash re mound … Part3  この作品は、籠龍の作品「REDMOON」と世界観を共にした作品です。 一応こっちのほうが本編となってますがそっちの方も見ると世界観が上手く補完できると思います。 Part3.Raider Sei side  家に帰る。久しぶりに一人じゃないことを実感する。デーヴァが――母が死んでからというもの、久しくこのような時はすごしていない気がする。もちろん、魔女とはそういうものだとデーヴァから強く言われていたが、私はまだそれほどの覚悟ができていなかった。 「あ、適当に座ってよ。私すぐにお茶入れるからさ」  声をかけると、ルピスさんもヴェアさんも、ルーナも各々テーブルを囲んで座る。こういう時が来るだろうと思って我が家を掃除しておいて本当によかったと思う。 「一人暮らしの割には綺麗にしてるんだねー。もしかしてもういい人でもいるの?...
  • Chopin Asort5
    Chopin Asort… Part5  この作品は、籠龍の作品「REDMOON」と世界観を共にした作品です。 一応こっちのほうが本編となってますがそっちの方も見ると世界観が上手く補完できると思います。 Part5. THE 7th Sword Vere side  クラッシュルマンド――目の前の大剣を見つめる。吸い込まれそうな魅力を持ちながらも、どこか全てを崩壊させるような危うさを持つ、不思議な感覚が押し寄せる。  ルピスとセイは、後ろの方で俺を見つめている。この剣を抜くには、俺の人狼としての能力の完全な覚醒が必須である。しかし、そんなことは可能なのだろうか。  目を閉じて、クラッシュルマンドの柄を握る。  相変わらず何の反応もない。しかし、どこか親近感を感じる。自分の中の一部がそこにあるような、そんな既視感に襲われる。 「クラッシュルマンド…どうしろってんだ...
  • 人限 ~MELTYKISS外伝~
    人限 この小説は、東風と籠龍の作品、「MELTYKISS」と「RED MOON」と世界観を共有する企画小説です。 一話読み切りの上、完全に外伝小説なので本編未読でも問題はあまり無いかと思われます。 「どこかの片田舎編」  月明かりを反射し、水の刃が閃く。  圧縮され、1本の線となった水の刃が横に薙ぎ払われる。背後で木々が切り倒される音が地響いた。  上半身を酷く前傾させ、水の刃を交わした男は濃紺の外套を翻す。 「私は命ずる、水よ圧き刃となれ」  魔女の瞳が月明かりに青に煌めく。男は、〝水刃の魔女〟に対して円を描くように走りながら背面に左手を回した。男の背中には円筒が括りつけられている。その円筒は、まるで矢筒のように11本の柄が飛び出していた。柄の後ろには矢羽に似た羽が四枚取り付けてある。その内の1本を男は円筒より引き抜いた。木の柄は僅か30cm程...
  • Crash re mound …Part5
    Crash re mound … Part5  この作品は、籠龍の作品「REDMOON」と世界観を共にした作品です。 一応こっちのほうが本編となってますがそっちの方も見ると世界観が上手く補完できると思います。 Part5.Crash re mound Vere side 何度か彼の攻撃を喰らうことによって、俺にもおぼろげながら彼の能力がわかり始めていた。どうやら、彼は「声」を飛ばすことによって人の無意識に干渉するようだ。 「どおしたあ? 俺についてこれねえかっ?」  彼の拳が俺を狙う。しかし、完全に回避できる距離だ。俺の素早さなら対応できる。そう思って体をひねる。 『おっと、動くな』  しかし、彼の不気味な言葉によって体が硬直する。身体が無意識に彼の言葉に従ってしまうのだ。そのまま、彼の拳は俺の腹部にめり込む。 「く…このやろっ」 こちらの攻撃には彼は例の...
  • MELTYKISS …Part4
    MELTYKISS … the last  この作品は、籠龍の作品「REDMOON」と世界観を共にした作品です。 一応こっちのほうが本編となってますがそっちの方も見ると世界観が上手く補完できると思います。 -the last- MELTY KISS Vere side 「ヴェア次第だよ。あの爆炎を倒せるとしたら、人狼化したヴェアしかいないわけだしね」  その言葉を聞いても、胸の中には黒くて重たいものしか感じなかった。人狼になるとき、どれだけ辛いか。  相手の魔力に引きずられるようにして自分の中の人狼が這い出るようにして俺を蝕んでいく。身体を突き破っていくのではないかというほどの激痛に、息が数十秒に一回ほどしかできないような窮屈な感覚。まさに死にたくなるような感覚である。  これでは使いこなす前に俺のほうがどうにかなってしまうのではないだろうか。 「人狼の力...
  • Crash re mound …Part2
    Crash re mound … Part2  この作品は、籠龍の作品「REDMOON」と世界観を共にした作品です。 一応こっちのほうが本編となってますがそっちの方も見ると世界観が上手く補完できると思います。 Part2.Kuraoe -a guard of the town- xxx side  この町に魔女が来るとは思わなかった。しかも、あの古き魔女、デーヴァの知り合いであるようだ。私がこの耳で聞いたのだから間違いないはずだ。 もっとも、デーヴァと知り合いという線が嘘であっても、彼女たちは相当な腕前の魔女であるのは確かであるようだ。もしかしたら二つ名を持っているのかもしれない。 チャンスだ。もしかしたら、考えうる限り最後の。  とりあえずは、この街に滞在し続けてもらわなければならない。すぐに逃げられてはいけない。自分の能力はこの街以外に出してはいけないものだ。...
  • MELTYKISS …Part3
    MELTYKISS … Part3  この作品は、籠龍の作品「REDMOON」と世界観を共にした作品です。 一応こっちのほうが本編となってますがそっちの方も見ると世界観が上手く補完できると思います。 Part3.a flame sorceress Vere side  ルーナは旅支度をするために自室に入る。突然の出立だというのになんとも落ち着いたことだ。  することもないので、少し外の空気を吸ってみたくなった。常に街に住んでいたために、こんな自然に囲まれた土地はほとんど初めての経験だった。 「俺って、結構温室育ちなのか…?」  ふっとそんなことを思いながらも、玄関を見つけてそのまま扉を開ける。目の前に広がるのは思ったとおりの緑に包まれた空間だ。木々がところどころに生えており、なんとなく道が数本伸びているような気もするが、それでも舗装され尽くして、天然の自然などないよ...
  • Blancheur …Part1
    Blancheur … Part1  この作品は、籠龍の作品「REDMOON」と世界観を共にした作品です。 一応こっちのほうが本編となってますがそっちの方も見ると世界観が上手く補完できると思います。 Part1.meet again Luna side  いつもとは違う朝を迎えた気がする。布団はふかふかで、寝る時にわざわざ見張りを立てる必要もなく、食事も辺りの森で調達する必要すらない。そして、なにより嬉しいのは水浴びのことである。これのなんと嬉しいことか。いつもは川や澄んだ池の冷たい水をかぶっていた分、温められた湯は身にしみる。  隣の部屋がどたどたとうるさい。壁越しにもわかる子供の騒ぐ声。どうやら隣の部屋は子供がいるみたいだ。こんな世の中に子供を連れて旅するのも辛いだろうに。 「…起きるか」  ぼそりと呟き、ベッドから降りる。床のひんやりとした感触が素足に染み...
  • Crash re mound …Part1
    Crash re mound … Part1  この作品は、籠龍の作品「REDMOON」と世界観を共にした作品です。 一応こっちのほうが本編となってますがそっちの方も見ると世界観が上手く補完できると思います。 Part1.Training and training!! xxx side  母の顔を、覚えていた。記憶の中の母は常に上を向き、前を向き、私を気にかけて堂々と生きていた。  私は常に彼女を誇りに思い、それと同時に私自身に何も力がないことが悔しくてたまらなかった。どうにかして母に追いつきたい一心で、私はがむしゃらに生きようとしてきたが、母の後ろにしかいなかった私にその力はない。  幾度とない挫折の折、私は父の存在を想う。  なぜ、母の隣にいないのだろうか。いなくなってしまったのだろうか。 なぜ、私の頭をなでてくれないのだろうか。 God side ...
  • Chopin Asort2
    Chopin Asort… Part2  この作品は、籠龍の作品「REDMOON」と世界観を共にした作品です。 一応こっちのほうが本編となってますがそっちの方も見ると世界観が上手く補完できると思います。 Part2. Shadow Warrior Luna side  荒れ果てた丘を歩く。周囲には、氷の結晶が舞い、所々には血塗られている。今まで丘の上に立っていた氷の建物は、先ほどの大きな魔力によって内側から破壊され、消えつつある。  あれほど分厚く強固な氷の壁を力技で破るほどの魔力がセイに宿っているのは驚きだった。しかし、彼女があのデーヴァの娘なのだから、納得はできる。  そのまま丘を歩くと、やけに白く光っている場所を見つけ、そこに駆け寄っていく。 「あら、あらあらあら…」  私はついつい微笑んで声を上げてしまう。そこには、自分で治癒魔法をかけているルピスが横に...
  • Crash re mound …Part4
    Crash re mound … Part4  この作品は、籠龍の作品「REDMOON」と世界観を共にした作品です。 一応こっちのほうが本編となってますがそっちの方も見ると世界観が上手く補完できると思います。 Part4.VS Werewolf!! Luna side  村からかなり離れたところに位置する、小高い丘までやってくる。ここならば多少暴れても被害は少ないし、そうそう人が駆けつけることもない。  敵ながら、あの男は上手い場所を見つける。むしろ、最初からこの場所で戦うつもりだったのか。  しかし、驚くべきはやはりヴェアも含めた人狼の脚力と体力だった。私たち魔女は魔法を使ってほとんど浮いているに等しい状態で移動したから疲れもないのだが、彼らは走り通しでここまで来て息ひとつ上がっていない。 「さて、と。んじゃおっぱじめるか」 「その前に、ひとつ聞きたい」  ...
  • Blancheur …Part2
    Blancheur … Part2  この作品は、籠龍の作品「REDMOON」と世界観を共にした作品です。 一応こっちのほうが本編となってますがそっちの方も見ると世界観が上手く補完できると思います。 Part2.An old tale Hound side 「俺はここで何をしているんだ…」  ひとりでに言葉が口から出ていた。なぜ俺はこんなことをしているのだろうか。 「ハウンドさん、お疲れ様です。食料とか調達してきましたよ」  マタギが温かいスープを持ってきてくれる。町の出店で売っていたものらしい。凍える体に染みいるように熱いスープが流れ込んでくる。 「あぁ、あぁうめえ。やっぱり人間まず食事だな」 「それで、ハウンドさんは何かわかりましたか?」  マタギが期待して聞いてくる。しかし、それには何の返答もすることができなかった。  数時間前、どこかに隠れてヴェア...
  • MELTYKISS …Part2
    MELTYKISS … Part2  この作品は、籠龍の作品「REDMOON」と世界観を共にした作品です。 一応こっちのほうが本編となってますがそっちの方も見ると世界観が上手く補完できると思います。 Part2.witch and knight Hound side  おかしい。この辺で間違いないはずだ。先ほど慌てて逃げ帰る異端警察の奴らを見たので、間違いなくここで当たっているはずだ。俺のような単独行動する奴にとって、人探しほど面倒なものはない。そういう細々した作業ほど、蟻のようにたくさんで作業をする異端警察の仕事だろう。 「しかし、ヴェアの野郎はどこ行ったんだよ。さっきから歩いてるがちっとも会わないじゃねえか」  こちらに来たことは間違いない。先ほどの異端警察が負傷し、焦りながら応援を要請しようと話していたのを立ち聞きしたが、この先でヴェアが一騒動起こしたらしい。自...
  • Blancheur …Part4
    Blancheur … Part4  この作品は、籠龍の作品「REDMOON」と世界観を共にした作品です。 一応こっちのほうが本編となってますがそっちの方も見ると世界観が上手く補完できると思います。 Part4. Blancheur Luna side  ヴェアとハウンドの戦闘は終わった。立っていたのはヴェアだ。安心に胸をなでおろし、彼を見る。聖騎士としての強さと、人狼本来の強さがうまく融合してきている。彼の強さは、やはり私が期待した通りのものだった。  彼の一言は、私にとっては久々の――救いの言葉だった。彼は私に救われたと言ったが、救われたのはむしろ私のほうだった。ルピスの元を離れたはいいが手掛かりもなく、途方にくれて過ごしていた私の生活に、色を灯してくれた。  ありがとう、と一言言わなければいけない。私のほうが何倍も救われているのに。  そしてごめんなさい、...
  • Chopin Asort4
    Chopin Asort… Part4  この作品は、籠龍の作品「REDMOON」と世界観を共にした作品です。 一応こっちのほうが本編となってますがそっちの方も見ると世界観が上手く補完できると思います。 Part4. Chopin Asort Gerba Side 「人狼の能力、魔女の魔法、そして大神…レッドムーンの力でさえ、ヴェアはかき消すことができる」  それがルーナの切り札である。大魔女の力を失ってもなお彼女が前を見続ける意思を硬くさせているのは、間違いなく彼である。二人がどんな出会いをしたか知らないが、こうして一緒にいるということ自体、奇跡や運命に近いものであると思う。 「この大剣はね…私がアークだった頃に、人間のために作った剣なのよ。魔に対抗する力を、ってね」  ヴェアが少しずつ歩いていく。大剣に近づくにつれてヴェアの波長が、大剣の力が空気を振動させてい...
  • Blancheur …Part3
    Blancheur … Part3  この作品は、籠龍の作品「REDMOON」と世界観を共にした作品です。 一応こっちのほうが本編となってますがそっちの方も見ると世界観が上手く補完できると思います。 Part3.engage in battle Luna side  森の木々を、慌てて走り抜ける。雪が降り始め、街道へ通じるけもの道はさらに白く深く埋もれている。後ろからは、大きな笑い声とともに荒っぽい足音。 「ちょっと待ったあああぁぁ! お前は魔女だろう! 話を聞かせてもらおうか!」  片手に握るはすらりと伸びた長剣。そしてこのやかましい聖騎士という特徴。おそらくヴェアが話してくれた、ハウンドという男に相違ないだろう。 「それがなんだよっ! 私は今急いでるんだ! 後にしてくれないかなー」  のんきな声で返すも、走りながらなのでどうにも息が上がってしまう。先ほど...
  • @wiki全体から「RED・MOON~2つ名狩りの魔女~ 第二十章:戦いの痕」で調べる

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