美紅は黒猫に誘われ、生徒会室の物置の扉を開けてしまう。
扉の奥にはあるはずのない空間がひろがっており、泉に出るとそこにはサーリヤ王子がいた。
どうやらここはミフターフという異世界で、泉から現れた乙女は世界を救う姫巫女「アズラ・サヤラーン」らしい。
王になりたいサーリヤは、美紅に剣を突き付け否応なしに連行する。
サーリヤは美紅が現れた事を隠そうとするが、(実はアズラ・サヤラーンの命を狙う者から守る為である)
あっさり見つかり5人の王子の中から次期王を選び世界を救えと言われる。
ミフターフの王子は現実にいる人物だった……サーリヤを除いては。
王を選ぶ=王子に恋をし、ガーネット・クレイドルに愛を注ぐ事。
10年前父親が母を置い出て行ってしまったトラウマから恋のできない美紅はそれに戸惑う。
王子には王になりたい者・なりたくない者といて、王子同士の仲も悪く一騒動起きるが、
美紅は「王を決める事が私の仕事なら過ちを犯したくない」と宣言する。
こうして、現実と夢世界との二重生活が始まった。
・サーリヤは先代王イブリースと先代サヤラーンの子と言われているが、本人に記憶はない。
・サヤラーンは力を失いガーネット・クレイドルに隠れてしまい、それに心を病んだ王も失踪しミフターフは崩壊していっている。
・王になりたい言動をするサーリヤだが、内心は王の座に執着はない。
「ミフターフを救いたい」気持ちが強い故の態度
自分を王になる為の道具にしか思っておらず、王族気質のサーリヤを嫌っていた美紅だが、不器用な優しさをみせる彼に惹かれていく。
サーリヤもんざらでもなく、母の形見であるガーネットの短刀を美紅にプレゼントする。
そんな時、イブリースに意識を乗っ取られかけたサーリヤは日に日に弱っていき、美紅を避けるようになった。
そしてついに完全に取り憑かれ美紅を襲ってしまう。正気には戻ったが、美紅を完全に拒んでしまうサーリヤ。
美紅はショックを受けながらも自分の想いを自覚しサーリヤへ伝える。
しかし、記憶を取り戻したサーリヤは美紅の想いを受け入れる事が出来なかった。
イブリースの目的が美紅を生贄に捧げミフターフを再興する事だと知ったからだ。
またイブリースに乗っ取られ美紅を襲いかけるがナスル参戦で事なきを終え、サーリヤは姿を消してしまう。
そして、ミフターフと現実世界両方の崩壊が本格的に始まった。
・現実世界だと思っていた世界も実は夢の世界で、本当の現実の美紅や人間の王子たちはずっと眠っている状態。
・美紅が「アズラ・サヤラーン」の使命を果たせばミフターフは救えるが、現実世界では目を覚まさなくなり消えてしまう。
・夢を存続させるには恋(想い)の力が必要。
・サーリヤはイブリース(夢魔)とサヤラーン(人間)の間にできた半魔。
・現実世界で出てきた黒猫は実はサーリヤ。猫の時の記憶はない。半魔故魔力が弱い。
・黒猫のサーリヤは、美紅が幼い頃に出会っていてその頃から好きだった。
・その頃から美紅は「アズラ・サヤラーン」に選ばれていた。
サーリヤを探していると、森で魔導士に出会う。それは10年前失踪した美紅の父親だった。
美紅の父親の家系は夢術士という夢を渡り管理する事を生業としていて、美紅にもその才能があった。
パパは、娘が「アズラ・サヤラーン」になる事を阻止するべくミフターフへ旅に出た。
ミフターフは人間のサヤラーンが、イブリースと共に過ごす為に創造した夢の王国で、
通常同じ夢は長く存在し続ける事が出来ないが、それを無理やり維持し続けた為サヤラーンが弱る。
サヤラーンが眠りについた後も、イブリースはミフターフに執着してしまった。
サヤラーンは憂い「この夢を終わらせて欲しい」と、夢を壊す宝石をパパに授けた。
それを、短刀にしてガーネット・クレイドルを破壊しようとしたが、黒幕に見つかり失敗し追われる身となった。
パパは、短刀を美紅に託し送りだした。
サーリヤはあの泉にいた。
サーリヤは語る、ガーネット・クレイドルがなくなればミフターフと共にサーリヤや住人の夢魔も全て消滅する。
惚れていたサーリヤは、美紅の望みを叶える為(※1)に夢魔の力を無意識に使い続けた。
昔、幼い美紅と一緒に居たかった黒猫のサーリヤは何度もミフターフへ呼んだ。力を使って。
それが、ミフターフの崩壊を更に進め、自分の寿命も縮めた。
夢魔の力はもう限界にきていて、これ以上使えば消える。
美紅をガーネット・クレイドルに捧げればミフターフも救われ、自分も消えずにすむ。
しかし、サーリヤにはそんな事できるはずがなかった。
サーリヤは最後の力で美紅を現実世界へ戻そうとする。
【サーリヤBAD】
サーリヤに「私もここに残る」と縋るが、彼の決心は固かった。
美紅は「あなたをあきらめる為に、嫌いだと言って傷つけて欲しい」と求める。
ダダをこねる美紅にサーリヤはキスをした。
「愛してなど、いなかった…」と最後の嘘をつき、力を使い果たし美紅を 現実に戻す。
現実で目覚めた美紅は何も覚えていなかった。
ただ桜の花を見ると涙が溢れた。
【サーリヤ真ED】
「お前を現実へ戻す」と言うサーリヤに、
「言いたいことは、それで終わり?」とつっぱねる。
「私の運命を勝手に決めないで」「貴方の運命は貴方の望んだものじゃない、だったら二人で変えよう」
と美紅はサーリヤを叱咤し、二人でイブリースと戦う決心をする。
ガーネット・クレイドル前に辿り着く。中にはサヤラーンが眠っていた。
イブリースが襲ってくるが、隙を見て美紅パパに貰った短刀をガーネット・クレイドルへつきつける。
しかし、短刀の方が砕けてしまう。その短刀は敵がすり替えた偽物だった。
サーリヤを憎悪するイブリースに苦戦するが、
美紅が貰った形見のガーネットの短刀が、ガーネット・クレイドルを破壊できる物で、想いの力で剣にパーアップ。
サーリヤはイブリースごとガーネット・クレイドルを刺し貫いた。
解放されたサヤラーンは全てを語る。
元々サーリヤに人間の体はなく、小さな黒猫だった。
黒猫のサーリヤは幼い美紅に恋をした。
サーリヤは美紅の為に柘榴の木を創造した。それは夢魔の力で初めて創った物だった。
イブリースがサヤラーンを想い初めて創ったのが、この「ガーネット・クレイドル」(柘榴の木)
父と同じ物を創った息子を見て、この娘ならサーリヤをミフターフから解放してくれると思った。
サヤラーンは、最後の力を全て使いサーリヤに魂の盾(人間の姿)を与えた。いつかまた美紅と出会い恋をする事を信じて。
(結果ガーネット・クレイドルで眠り続ける事になり、イブリースはサーリヤを憎悪する)
サーリヤは夢魔の力を全て使い美紅を現実へ帰そうとしている。息子を探し出して想いの力で救って欲しいと。
美紅が応えると、サヤラーンは感謝しイブリースと共に昇天した。
美紅はサーリヤを見つけた。それはあの柘榴の木の下だった。
一人消え逝こうとしているサーリヤを抱き起こし、柘榴の実を食べさせる。
「消えないで。一緒に帰ろうよ」「あの桜の木の下で待ってるからね」美紅は想いを告げた。
「必ず行く。待ってろ」サーリヤは答えた。
現実世界で目覚めた美紅は、満開の桜の木の下で待っていた。
しかし、なかなか現れないサーリヤに泣きだしてしまう。
そこにサーリヤ現れ、「奪いにきたぞ、お前を」「俺の物になれ、姫よ」
美紅サーリヤに抱きつき
END
(※1)
美紅の望みは「王を決める事が私の仕事なら過ちを犯したくない」だった。(他にもあるかも知れないが判らない)
さっさとサヤラーンを蘇らせたいイブリースは美紅とサーリヤを精神操作して王を決めさせる(「共通BAD」ニューゲームだと絶対通る)
その後、物語冒頭に戻されるのは全てサーリヤの仕業。