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君が愛してくれるなら - (2009/01/24 (土) 21:27:29) の1つ前との変更点

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「なんでこんなに、悲しいのかな…」 私は1人、夜空を見上げ。 高らかに、笑い飛ばした。 …いや。 笑い飛ばしたかった。 ◇ こなた、大学私と同じ場所がいいんだって。 それって、一体なんなのかな…。私、なんか期待しちゃいそうだよ。 もうすっかりお馴染みになった、こなたの家庭教師。 今日も、こなたに教える。 私にはそれが、すっごく楽しみで。 だって、こんなにも可愛いんだよ? 小さな小さな体をさ、一生懸命動かして。 こんなにも幼いのにさ、時々びっくりするくらい、大人な表情するんだよ。 みればみるほど、愛しくて。 その手、その脚、その瞳。 全てが輝く、宝物。 例えるなら、オルゴール。 小さな小さな、オルゴール。 手に取る分には可愛らしい。 でもひとたび、開けたなら… 音、一つ一つが。 輝いて、仕方がないんだ。 星の輝き、宝石の輝き、そうゆう輝きなんかじゃなくて。 もっとこう、幻のようで、そうでなくて。 私には、言葉にできない。 そんなそんな、オルゴールなんだよ。 ◇ こなたは今、問題解いてる。 私は1人、こっそり見た。 …なんか、悪いことをしてるみたいだ。 リスのような、無垢さ。 ずっとずっと、眺めていたい。 「…かがみ…?」 …!!! しまった、見とれていた…。 「なに?なんでそんなに見てるのさ?」 …。それは、こなたが好きだから。 なんて言えるわけなくて。 「…真面目なことはいいことだなって思ってね」 ほら、また。 「まあ、頑張ってる証拠ってことだよ、かがみん☆」 「…えらいわね♪」 私は、ついてしまう。 愚かな、嘘を。 こなたは綺麗なオルゴール。 私は愚かな、ただの鏡。 光もまともに反射できない、愚かな愚かな、馬鹿げた鏡。 「…かがみ?どうしたの…なんかあった?元気、ないよ…」 …聞かないで。 聞かないでよ、お願いだから。 私は嘘を、またついちゃうよ。 こんなにこんなに、弱いから。 光の一筋すら、まともに返せないくらい、弱い鏡だから。 「…ちょっと、風邪なのかな…」 ほら、また。 私はついてしまう。 愚かな嘘を。 「そうだったの!?無理しちゃだめだよ!」 あぁ、何を言ってるんだろう。 最低だよ。 大切な人に、心配させて。 でも、心配してくれて嬉しい自分もいる。 本当に本当に、最低だよ。 いつからこうなっちゃったのかな? あの日あの時、気付いたときは、いけない恋だとわかっていながら、前進しようなんて決めたんだ。 前に前に。 アクセル、踏みっぱなしでさ。 同性愛だなんて、関係ないんだから。 こなたが好きなことは。 私には、とても大切な気持ちだから。 目一杯強く、踏んだ。 思いっきり、踏んだ。 うんと、私は強かった。 …強かった、そんな気がしただけなのかな。 こなたを好きになればなるほど。 こなたに惹かれていく私は。 自分をこなたと、比べてしまう。 こんなに、可愛らしいオルゴールに。 濁った光しかだせない鏡なんて。 どう考えても、似合わない。 「…大丈夫…?」 こなたの手が、私に伸びる。 私の額に、触れた。 「っ……」 私はたまらなく恥ずかしくなる。 こなたが私に、触れている。 「すごい真っ赤。熱いし…帰りなよ。お父さんに送らせるね」 …本当に、ごめんなさい。 そんなにしてもらうなんて、申し訳ないよ。 「…大丈夫だよ。そんなに悪くないし。でも、今日はもう帰らせてもらおうかな…」 多分、また嘘ついちゃうから。 お願い、今日は帰らせて。 心配してくれるこなたの瞳をみて、私のこころは酷く痛んだ。 ◇ 帰って私はシャワーを浴びた。 熱い熱い、シャワーを浴びた。 私が一番、好きな時間。 唯一1人になれる、そんな気がして。 いつも、この熱いシャワーをくぐれば、新しい自分に出会えるんだ。 真新しい、自分に。 でも。 今日は出会えなかった。 その後、私は水を飲んだ。 冷たい冷たい、水を飲んだ。 私を世界と繋いでくれる気がした。 私がここにいることを、教えてくれるんだ。 でも、今はなぜか。 繋いでなんて、くれなかった。 最近、いつも考えてしまう。 こなたは一体、誰を好きなの? 私はなぜ、こなたを教えているの? こなたは言った。 好きな人が、いると。 直接は言わなかったけど、確かに、確実に。 もしかして。 こなたがいきたい大学は。 もしかして。 こなたの好きな人がいきたい大学なんじゃないのかな。 たまたま私は、そこの学生だっただけで。 だとしたら、納得いく。 家庭教師を必要としたのも。 勉強を頑張るようになったのも。 みんなみんな、好きな人のため。 私が教えれば教えるほど。 こなたが頑張れば頑張るほど。 こなたは私から、離れてゆく――― そう考えて、よぎったのは。 ……最低な、感情だった。 気付いてしまった。 私の醜い感情に。 気付いてしまった。 私の最低の感情に。 ―――誰かの為のこなたの将来なんて、なくていい――― なんて、醜い感情なんだろう。 なんて、愚かな思いなんだろう。 自分のものでもなんでもない、こなたの描いてゆく未来に。 どうして、そんな風に考えてしまうの…? 「…もう、…むりだよ…」 私はとっても我が儘だから。 このまま先、こなたの家庭教師なんてできるはずがなくて。 こなたが誰かに近づくことの手伝いなんて。 ……私には、無理だ。 私は絶対、こなたの勉強の邪魔になる。 こなたの将来の、邪魔になる。 私は家庭教師、やめたほうがいい。 こなたの未来を台無しにする前に。 こなたから離れよう。 オルゴールから、きれいな音色がでなくなる前に。 私は、決意した。 ◇ 夜になっていた。 部屋の明かりをつけず、窓から夜空を見上げた。 星なんて、見えなかった。 あるのは、ひたすらの暗黒だった。 限りなく先のない、闇だった。 私はさっき、決意した。 確かに決意、したんだ。 だけど、だけれども…。 「なんでこんなに、悲しいのかな…」 私は1人、夜空を見上げ。 高らかに、笑い飛ばした。 …いや。 笑い飛ばしたかった。 **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3) - こなたの気持ちと &br()かがみの気持ちは &br()お互い届くといいですね &br() &br()続き期待しています('-^*) -- 無垢無垢 (2009-01-24 21:27:29) - なんかせつないね。 &br()せつな雪?なんちって。こういうのありかも。冬の物語みたい。青春って感じ。男の子かな? &br()かがみかな?こういうの、やってみたいな。 -- ノン (2009-01-24 11:31:29) - ぬぉぉぉぉ この後どうなるのか wktkして待ってます!!w -- 名無しさん (2009-01-24 01:34:34)

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