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『Escapade ~Especially for you  after episode~』」を以下のとおり復元します。
体に倦怠感を感じる中、重い瞼を開く。
そこにはバスローブ姿のこなたが、私の隣で気持ちよさそうに眠っていた。

何でこなた、こんな格好しているんだろ。私も髪をほどいた状態でバスローブ着ているし。
しかもここ私の部屋でも、こなたの部屋でもない・・・どういうこと、これ?

現状を認識していない頭で部屋を見渡すと、テーブルの上にある
――東横イン 浅草千束
と書かれたタオルが視界に入ってきた。

えーなんだってーーー!!!


『Escapade ~Especially for you  after episode~』


すーはー、すーはー・・・・・
まずは落ち着いて、昨日の記憶を振り返っていこう。
たしか酉の市を一通り巡って、こなたのガチャポンに付き合ってから
また他を回り始めたのよね。そこまでは確実だわ、うん。
それから浅草方面へ歩き、途中見かけた全国チェーンの居酒屋に入ろうって
ことになって、2人楽しく飲んで盛り上がって・・・ここから記憶が抜けている。

そして今は2人同じベッドの上、バスローブ姿で寄り添って寝ている。
何かやらかしたか、私・・・こなた相手に。
そう考え込んでいると、こなたが目を覚ました。

「おはよ~かがみ。かがみ昨日はすごかったね。」
「え・・」
「かがみん夜も突っ込みだったね。でも昼よりも優しさと慈しみがあふれ出ていて
すごくよかったよ。」
「は・・ぁ」

ふだんとは明らかに違う、しおらしくしているこなたの発言を
鳩が豆鉄砲を食らったかのような顔で聞く私。

「私初めてが、かがみで良かった。愛しているよかがみ・・」

ボンっと私の顔が赤くなる。
えー!ホントにこなたと!!ウソ~!!!

「不器用なかがみの手の平が、私の背中で温かいよ。
かがみの優しさがすごく伝わってくる・・・。」

今軽く失礼な事を言われた気がしたが、それどころじゃない。
慌てて、こなたの背中に置いていた手を退ける。

「もう、そんな慌てなくてもいいのにかがみ。かがみと私は互いに裸で
すべてをさらけ出して、抱きあった仲なんだし。」

ん・・・裸ですべてを?今の姿はバスローブ。その下は?

ちょっとした違和感を感じた私は、自分のバスローブの下を覗いてみた。
下着は・・・付けている。
経験が無いから詳しいことは知らないが、酔ってコトを終えた後、
わざわざ下着を着けて、バスローブを羽織るだろうか?
せいぜいバスローブだけを羽織るか?裸のままだろう。
ってことは、またこいつの悪戯か・・・今回はかなり悪質だがな。

「なあ、こなた。」
「な~に、かがみん。」
「あんたの言う裸で抱き合うって、下着をつけてのことを言うのか?」
「え・・・。(急にバツの悪い顔をする)」
「これあんたの悪戯だろ。正直に白状しな・・・」

握りこぶしを作り、ギロリと睨みつける。

「(普段のゆるい調子に戻り)いや~2人のお出かけの記念と思ってね。ダメ?」
「駄目に決まっているだろ。このバカ。」
(ごちん)
「あ~~」


「(腕を組み、仁王立ちで)どういうことか説明してもらいましょうか、こなたさん。」
「(ベッドの上で正座して)はい。かがみさん。」




―――――数時間前
「あ~あ。かがみ寝ちゃったよ。これはホテル泊まるしかないな。」
そう呟き、近くにあったビジネスホテルのエントランスへと、かがみを担ぎながら
入って行った。

「いらっしゃいませ。」

受付には支配人クラスと思われる女性の方がおり、応対していた。

「すみません。ツインルームって空いていませんか。」
「・・・ねえ、お嬢ちゃん。今おぶっているのは、あなたのお姉ちゃんかな?」
「いえ違います。この子は同級生なんです、高校の。」
「(にこやかに)とりあえず、お嬢ちゃんのお名前とご家族の連絡先を教えてくれるかな?
今すぐ呼んであげるからね。」
「(軽くショックを受け)ホントに高校の同級生なんです。ちなみに今は大学生です。
これが私の大学の学生証と運転免許証です。」

受付でちょっとした誤解を受けたが、どうにか部屋に入る事が出来た。
部屋に入ってからは、気分が悪くなったかがみをお手洗いまで付き添い、
お手洗いから出てきた後は、ベッドに体を横向けにさせ寝かせた
(こうするとこみあげてきたモノが喉に詰まらず安全。ゆい姉さんで実証済み)。
そしてベッドサイドには水と洗面器を用意し、落ち着くまで様子を見ていた。

しばらくして、う~う~と唸っていたかがみがすうすうと安らかな寝息を
するようになり、ホッと一安心した。そこで改めて寝ているかがみを見つめる。


普段、虎かライオンの様なかがみ(中身はうさちゃん)が
小鹿のバンビの様に弱っている
・・・・・これは、美味しくないか?


そう思うがいなや、この場に適切なかがみ弄りプランを瞬時で弾き出し、備え付きの
バスローブを2つ取り出し、こみあげる笑いをこらえつつプランの準備を始めた・・。




「・・・という訳なんだよ、かがみん。」
「面倒を見てくれたことは有難いが・・・高校時代の風邪をひいた際のお見舞いのとき
といい、どうしてあんたの親切は親切のままで終わってくれない?
余計なモノが付いてきてくれるかな~ホントに。」
「いやいや、普通に終わったらつまんないじゃん、私が!!」
「何であんたの楽しみの為に、私が踊らされなきゃいけないんだ。」

「まあまあ、お腹も空いただろうし、おにぎりとみそ汁を下の食堂から持ってきたから。
これ食べて落ち着いて。」
「(なんか釈然としないけど)分かったわよ、頂くわよ。お腹も空いたし。」
「はい、どぞどぞ~(流されやすいな~かがみん。ニヤニヤ)」

おにぎりを一口頂き、お味噌汁を飲み始めたら

「かがみん、バスローブを着て髪を下ろし、食事している今の姿、
一仕事終えた後のAV女優さんみたいだよ~。」

とのたまってきた。

「ぶっ。げほ、げほ、あんたね~。」

この女とは、こうやって振り回されながらこれからも過ごしてゆくんだろうな・・・
とこなたのアレな発言に噴き出し、ご飯粒とみそ汁が喉や気管に詰まり苦しむ中
そう思うのであった。


[[前作『Especially for you』へ>http://www13.atwiki.jp/oyatu1/pages/1238.html]]



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- おお、つづきありがとうございます! &br()GJ!  -- 名無しさん  (2009-12-07 01:01:40)


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