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初めてのデート【エピローグ】 - (2008/10/26 (日) 20:59:13) の編集履歴(バックアップ)


初めてのデート【エピローグ】


「ねぇ、なんで今日の待ち合わせは私んちの前だったの?」

朝からずっと疑問に思ってたことを聞いてみる。

「なにを今更~。もう何でもいいジャーン?」

よくないわよ。めっちゃ気になる…。

夕暮れ時。

私たちは燃える日の下、歩いていた。
もう、帰る時間になっちゃったから。

青空だったキャンバスが、オレンジに染まっていた。

長かった特別な日が、終わろうとしていた。

カラスがないていた。

…少し、寂しいな。

「それより、…1つお礼言わしてよ、かがみん」

え?何のよ。

「何のお礼よ?」

本当になんだっけ…?

「時間間違えたの…許してくれて、ありがとう」

…そのことか。
もう全然気にしてないのに。

そうゆうちょっとした所までちゃんと言うのよね。

ちょっと恥ずかしいけど、言った。

「あたりまえじゃない。…私はあんたの恋人なのよ?」


恋人。

何度口にしても恥ずかしくて。
だけれど、言うと幸せをくれて。
ちょっとだけ、切なくて。
優しくだって、なれちゃうんだよ。
寒い日だって、暖かくしちゃうんだ。


言うと、こなたは柔らかな笑みを私にくれた。

また、心がさらわれてゆく…。


そろそろこなたの家につく。
行きが私の家に集合だったから、帰りはこっちで解散になった。

やだな。終わってほしくないよ。
この道が永遠ならいいのに。
ずっとずっと、続けばいいのに。

今日のことを思い出す。
長いようで、短かった。
今日が来るのをを待ってた時間は、あっと言う間だと思ってたけど、長かった。

欲しかったものは、すぐ終わってしまうものなんだね…。

こなたの家までもう少し。
こなたと来た道が遠くなってゆく。

もっともっと、続いてよ…。

…でも。
この道が終わっても、私たちの道はまだまだずっと続くんだ。

時には、喧嘩するだろうけど。
笑いが絶えない、そんな気がする。

なぜかはわからない。
根拠なんて、ない。
でも、そんな気がするんだよ。

涙がこぼれ落ちるかもしれない。
心が、裂けてしまうような時がやってくるかもしれない。

不安はたくさん、あるけれど。

横をみれば、あなたがいて。

あなたがまた、優しさをわけてくれて。

笑顔を、幸せで届けてくれる。

愛を、くれる。

あなたは私を強くしてくれるんだ。


遠く先はまだ見えない。

登り坂ばかりかもしれない。

落とし穴があるかもしれない。

でも。

ずっとずっと、歩き続けたい。

ずっとずっと、手を繋ぎだい。

愛しき、こなたと。

永遠に、彼方まで。



帰路に就いた、私たち。

長かった特別な日が、終わろうとしていた。

夕日に照らされ、のびた影が後をついてくる。

「もうこの辺りだし、大丈夫だよ」

本当はもっと一緒にいたかったけど、あんま遅いと危ないからね。
この夕日が闇にかき消される前に帰ってもらわなくちゃね。

「…最後に教えてよ、なんでうちの前だったのか」

まだ聞くのか。
本当に知りたいんだろうな。

…仕方ないなぁ。

いいよ、教えるね。
他ならぬかがみの頼みなわけだしね。

「別にたいした理由じゃないよ~?」

「いいから。教えてってば」

ちょっぴり恥ずかしいけど。

「かがみの家からなら…かがみと一緒の時間が増えるじゃん…?」

きょとんとした瞳。

「…それだけ?」

「それだけだよ…期待はずれ?」

「…ぷっ!あはははっ!」

な、笑い出すのか!

「ひ、ひどいよ~笑うなんて~…」

「ごめんごめん、別に馬鹿にしてるわけじゃないのよ?」

してるでしょ。

「でもそれってこなたの家でもよかったんじゃ…?」

「まあね。でも…かがみに1人で歩かせたくなかったから…。」

これ、本音だからね?
帰り1人にしちゃうけど、今なら淋しくないよね…?

かがみの瞳が、オレンジに染まる。
かがみの顔が、愛しさを秘めた笑顔に変わる。

燃える空の下、かがみが私に近付く。

影が、重なる。

…抱き締められた。

「こなた…だいすき…」

愛しい声が、囁かれた。


今が、永遠に感じられた。

今が全て、そう思えた。


今日、かがみとデートできて本当に嬉しかった。
かがみと特別な時間、一緒にできて幸せだった。

かがみの恋人になれて、私本当によかったよ…。


かがみと今来た道を思い出す。

もっともっと、ながければよかったのに。

もっともっと、続けばよかったのに。

ずっとずっと、かがみと歩き続けられたらよかったのに…。

でも。

今、かがみはこうして抱き締めてくれていて。

温もりを、私にくれる。

そばに、いてくれる。

恋人で、いてくれる。

愛して、くれる。

道は長くなかったけれど。
ずっとずっと続かなかったけれど。

ここよりはるか、彼方まで。

私はかがみと、いてくれるんだ。

私はかがみと、歩くんだ。

ずっとずっと、まだ見ない先まで。


私も、かがみに告げる。

「かがみ…だいすきだよ…」


――ずっとずっと、一緒。



fin



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