ひなた日記:決戦前

 決戦前。


 考えてみれば、あたしたちはいつも一歩間違うと死んじゃうところだった。

 無事に助けられたなっきー。青木君。

 ……実際に死にかけた、鈴白君。


 そして、望と神楽君と。

 ……………そして…………





 あたしたちも、一歩間違うと死んじゃうのかもしれない。
 怖いな。


 なんか、珍しく、怖いよ。


 梵、かなえちゃん、ヤナセに藤崎、みどーさん。

 みんながいてくれるけど、誰かが死ぬかもしれないって……それも、怖い。
 でも、あたしたちがやらなきゃ、隼人君も、町のみんなもおかしくなっちゃうかもしれない。
 それはもっと嫌だから。




 だから、頑張ろう。


 そこまで考えて。

 会いたくなった。
 いつもあってるお父さん。お母さん。お兄ちゃん。そして……


 ……

 お兄ちゃんには会えないから、電話をかけてみよう。
 部活行って、みんなにあいさつしよう。
 センパイにはメールを打ってみよう。「おひさしぶりです~お元気ですか?」だけでいい。
 忙しいかもしれないから、返事なんか期待してないけど。


 あと。

 あの時。あたしのことを信じてくれたあいつに、会っとこう。
 きっと何も言ってくれないし、あたしも言わないけど。


 そしたらきっとがんばれる気がする。
 あたしのこと信じてくれたり、育ててくれたりした周りの人に会いに行こう。


 大丈夫。
 ちゃんと、がんばれる。


 いろんなことがわかったから。
 あたしがどんなに何も知らずに、ただ幸せに生きていたかってわかったから、その人たちを守るために頑張れるよ。


 よし、気合十分!


 やっるぞー!

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最終更新:2009年10月20日 00:52
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