メレス・エメラルド
少し前までは、特S級(表記の上ではそうであるが、実際にはそれよりも上位の危険度。過去同位の危険存在は二人だけしかいなかったらしい)の犯罪者として次元牢獄に懲役二億七千年の刑に服していたが、脱獄。
以後、各地でさまざまな犯罪に手を染めており、リィズ曰く「現存する犯罪者の中で最悪にタチが悪い輩。こいつをどうにかするくらいなら、他の99パーセント分の犯罪者を全滅させるほうが容易」とのこと。
性格
典型的快楽主義。
猟奇殺人、大量殺戮などという、いわゆる犯罪陶酔傾向が強い存在であり、欲望に忠実。
端的に言えば、極度のS。
彼女にしては、この世の運用というか理というか、そもそも世界自体が一種のゲームに近いのであろう。
正規の目的もあるらしく、一連の悪事は、世界を崩壊へと導き、人類を絶滅させかねない壮大な計画の一部らしい。
その根底に何があるのかは、彼女自身は一切語らない。
特殊能力
伊達に「三大災厄」の名を冠する(実際には違うが)わけではない。
リリアは、限界を超越した身体的戦闘技術の極限。
リィズは、魔法技術や知識などといった、フィジカルよりもメンタルに近い分野における極限。
メレスは、他の二人と比較してトリッキーでいてクレイジーな傾向である。
1:存在仮借
対象の姿形に留まらず、記憶性質などをも模写する能力があるが、彼女のはそれの上位にあたる。
現世における存在は、存在の「概念」の下に定義される存在とされている。
いうなれば、存在を定義する上での「形」があり、それによって生じる影が現世における存在である、と換言できる。
一般的な模写能力は「影」にあたる存在――すなわち、現世存在の完全模倣であるが、彼女の能力ではその上位「概念」、すなわち「形」「元型」に当たるものをコピーし、影を投影する。
故に、存在「概念」から同一化するため判別は不可能であり、また能力や記憶などを完全にコピーするほか、後述する「客観性」の効果によって「それ以上でも以下でもないコピー」となるため、誘導尋問による判別が不可能になる。
(たとえば、一般的な模写は、自分の記憶や自我の上に対象を載せる形となる(そうでなければ自我が消え去り、自分の意思で「元に戻る」などという行為ができなくなってしまうため)が、彼女の場合は対象を模写した際に自身の記憶に上乗せする形ではない形式を取ることができる、ということである)
厄介な点として、上位存在にあたるもののコピーであるが故に、そのコピーされた元に当たる人物では、彼女に対して干渉できない。
たとえば、Aという人物がコピーされて、Aの姿を模したメレスが出現した場合、互いの攻撃はヒットすることがない。
これは、自分で自分を持ち上げるなどといった行為が成立しない、鏡などを用いずに自分で自分を観測できないという特性に起因するものとされている。
(もっとも、第三者による攻撃はヒットする。また、それによって片方がダメージを受けて、もう片方もダメージを受けるということはない。あくまでそれは「影」レベルでの事象変化と定義されるため)
応用技術:
存在の「形」を借りる能力の応用発展能力として、複数個の「形」と「光源」を用意し、「影」を重複させることも可能。
「影」の濃度は変化しないため力の「増幅」は見込めないが、能力の「追加」が可能となる。
つまり、何百人もの力自慢の能力を複合させても一番力が強い存在の力しか得ることができないが、腕力に特化した人間、脚力に特化した人間二人の力を融合させて双方に特化した存在となることができる。
ただしこの能力を発言する際には「姿」に対して無理な負荷がかかるので、長時間の使用は困難。
また、異形の姿に身を変える可能性が高い。
2:自己観測
自分自身の存在を、第三者の存在として「客観観測」する能力。
故に、自分自身を「在る」「無い」という定義を自分自身で行うことができる。つまるところ、自分ひとりに対する「神の権限」を振るう能力とでもいえる。
これにより、実質的な不滅能力(破壊されても「在る」という観測が成されれば復活する)空間移動、そして存在仮借の完全模倣が成立する。
3:弱点
自分自身は、上記の能力によって、存在しうるありとあらゆる存在になり得る。
しかし、周辺の人間関係までは模倣しきれない。変化した相手にとっての重要な関係者も、所謂心の中の住人でしかありえない。
特に、自己観測の能力によりメレスとしての自我をはずした状態では、その関係者がいると本人は思っているのに、その関係者は本物にしか存在しない。記憶だけが先行してしまう結果となる。
故に、共闘系の能力が発現出来ないなどといった欠点が存在する。
部下
さまざまな事由によって、その生命及び存在の根幹からメレスの「従者」となった存在。
いずれも、人ならざる領域に足を踏み入れた異端の能力を寄与されている。
また、互いの過去や事情に対して絶対的な不干渉を義務としており、メレス本人も、事情が無い限り彼等の心理だけは覗き見ない。
”完全に服従し、追従するメイド” ヴィルレー・リエスキュレル
メレスの第一従者。いわゆる長。
某国の第二皇女だったが、政治的諸事情により謀殺されかけたところをメレスに拾われ、共謀して国家を沈める。
自発的に自らの命を差し出し、メレスに一生にして絶対の服従を誓った。
その見返りとして、メレスを超えはしないが、それに等しい程の能力模倣の力を与えられた。
座右の銘は「絶対服従」
”無言で従属し、従事する執事” エクローグ・ウェルギリウス
経歴や過去の一切が不明。ただ寡黙に主の命令をこなす従者。
筋骨隆々の巨躯は、生前何らかの戦闘活動に従事していたのではなかろうかと連想させるが、本人は口を開かない。
見返りとして、主に近接戦闘能力に特化した能力模倣を与えられている。
単純な破壊力ではヴィルレーを超えることも可能ではあるが、模倣制限がかかっているため一概には決められない。
座右の銘は「不言実行」
”適度に就労し、献心する執事” バーレスク・ヴォルドヴィル
軽薄にして女たらし。自己中心的。わがまま。そのくせ強いから手に負えない。
かといって野心の類に燃えているわけではなく、主の命には忠実に従い、一切の反抗心を見せようとはしない。そして意外と仕事もできる。
それは力量差をわきまえている、というのではなく、ある種心酔しているようにも捕らえられる。無論、彼も過去は語らない。
見返りとして、エクローグとは逆に変幻的特殊能力に特化した能力模倣を与えられている。
座右の銘は「適材適所」
”優雅に立回り、奉仕するメイド” カヴァティーナ・レティタティーボ
温和にして優雅。氷のような雰囲気のヴィルレーとは対照的に、花のような雰囲気をまとったメイド。
しかし、その花に棘は無くとも毒性はありそうなので注意を要す。
見返りとして、補助系統に特化した能力模倣を与えられている。
本人自身はそうそう戦わないが、まともに殴り合っても十分強いのでナメないこと。
座右の銘は「清楚可憐」
最終更新:2008年05月13日 21:41