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がれきの街の子どもたち:パレスチナ・ガザ2009/3 密輸トンネル掘る日々

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pipopipo777

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がれきの街の子どもたち:パレスチナ・ガザ2009/3 密輸トンネル掘る日々



◇「生きて帰れるか」


 地下約5メートルにある高さ1メートル、幅1メートル60センチの横穴がムハンマド・アブイーダさん(16)の仕事場だ。屈強な男らに交じり、ドリルで土を掘ってはかき出す作業の繰り返し。1日6時間を過ごす暗くて暑い穴の中で彼は時々考える。「今日も生きて帰れるだろうか」

 イスラエルが境界封鎖を続けるガザ地区では、生活物資の不足が深刻化。ガザ南部の町ラファからエジプトに掘ったトンネルでの密輸が命綱だ。衣服や家電製品などがトンネルを通り、数百メートル離れたラファ中心部の市場で売られている。

 ムハンマドさんが密輸トンネル掘削の仕事に就いたのは1年前。セメント職人の父は封鎖の影響で仕事を失った。失業率が「65%を超える」(ガザ労働当局)ガザで、高給のトンネル掘りは魅力的だった。6人兄弟の長男。「自分が稼ぐしかない」。自ら決めた。

 有刺鉄線を張り巡らした約3メートルの壁がそびえるエジプト国境から約300メートル。数十ものテントの中で毎日トンネルが掘られている。武器密輸を疑うイスラエルが停戦後も毎日のようにトンネルの空爆を続け、死者が絶えない。取材で訪れた3日、作業員らは「昨日も空爆で5人が生き埋めになった」と話した。

 1日の稼ぎ200シェケル(約4700円)はほぼそっくり両親に渡す。父親は「もっと安全な仕事に就いてくれ」と心配するが「ガザのどこに安全で稼げる仕事があるんだ」とムハンマドさん。「本当は建設のビジネスマンになりたい。復興で仕事がたくさんできるだろ」と目を輝かせた。

 次の瞬間。青空に黒い三つの影が走り、轟音(ごうおん)が辺りに響く。イスラエルのF16戦闘機の警告らしい。

 「逃げろ」

 寝転んでのんびりとくつろいでいた男たちが一斉に走り出す。ムハンマドさんの姿もいつの間にか消えていた。【林哲平】=つづく

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