ゲヘナ
●概要
アラビアンダークファンタジー。
PCは「享受者」と呼ばれる超人となって、地底世界を支配する強大な邪霊に立ち向かい地上を目指します。
●享受者とは
神と邪霊の力を宿した霊液「頽廃の果実酒(ザクムエキス)」を飲むことによってなることの出来る超人。
一般人よりも遥かに高い能力と成長速度を備え、通常見破ることの出来ない邪霊の罠に気付くことが出来る。
しかし一方で「堕落」という形で常に邪霊の誘惑にさらされ続ける存在である。
享受者達は目的の異なるいくつかの「紫杯連」と呼ばれる組織に属している。
●紫杯連(マーリク)とは
人間たちの社会を裏で支配している享受者たちの自助組織。頽廃の果実酒を造りだす元となる「ザクムの樹」を有して
享受者を管理している。現在はその目的が異なる4つの大きな紫杯連が存在する。
界螺(かいら):最大の規模を誇る紫杯連。その組織の大きさゆえに動き出すのは遅いが、人海戦術と経済的圧迫を得意とする。
鐘杏(しょうきょう):魔術を得意とする知性派の多い、規模においてナンバー2の紫杯連。裏社会の仕事と陰謀に長けている。
凌渦(りょうか):地上への帰還を目指すものが集う武闘派組織。統率者のアリー・ターリブは享受者最強と目されており、彼のカリスマに惹かれて来るものも多い
袈唇(けしん):邪霊を信奉する堕落した享受者たちの紫杯連。その実体は謎に包まれている
●種族
人間(インサーン) |
神が地上の主役たれと、水と土より創られし存在。最も平均的な能力と成長における柔軟性を持つ。 |
天使(マライカ) |
人を導くべく光より創られた神のしもべ。シェオールが地底に落とされた時に巻き込まれた下位天使の末裔。純白の翼と美しい容姿を持ち、人間より魔術に適している。神の絶対性を信じなくなると翼は白以外の色に染まり、堕天使になる。寿命は人間の2~3倍 |
堕天使(シャック) |
神の絶対性を信じなくなった天使が変化する。あるいは堕天使の子として生まれれば自動的に堕天使になる。天使より肉体的に優れている。 |
銀糸の民(アディーム) |
邪霊の呪いにより人間から生まれる銀の髪をもつ魔法に優れた種族。肉体的には脆弱である |
獣人(ハヤワーン) |
呪われた詩人「フィサール」によって生み出された獣の要素を持つ人間。程度は様々である。筋力に優れた肉食獣人、強靭力に優れた草食獣人、感覚に優れた小動物獣人、翼を持ち敏捷に優れた有翼獣人、水中行動に特化した水棲獣人がいる |
半妖霊(ムゥジザ |
火と風より生み出された妖霊と人間との間に生まれた者。炎の扱いに優れ、美しく短命である |
甲蠍人(パ・ピル・サグ) |
元々は邪霊のしもべとして生み出された獄卒の一種。抗争によって邪霊と袂を分かった一派。人間型の通常形態と頭部以外がサソリに変化する蠍形態を使い分けることができる。人間との間にしか子孫を残せず、種の保存を最大の使命と考えている |
海の民(インサーン・アルマー) |
『海』の幻鏡域・ファファール海に住む種族。下半身を魚の尾に変え泳ぎ、背中に昆虫のような羽を生やして飛ぶことも出来る。 |
●術技
刀術 |
神語で銘を刻まれた魔力を帯びた刀“銘刀”を使って戦う術技。実力さえあればあらゆるものを切り裂く事ができる(非実体ですらも) |
魂装術 |
霊魂を武器に宿らせて様々な効果を発生させながら戦うテクニカルファイター |
獣甲術 |
魔術によって作り変えられた生物“疑獣”を自分の肉体と入れ替えて戦う重戦士。経費はかさむが大変強力 |
暗殺術 |
体内で薬を精製し肉体能力を上げたり、暗器と呼ばれる特殊な道具を使いこなす。シーフ相当 |
愧拳術 |
風を纏って戦う格闘者。対人、対集団戦に優れる |
炎術 |
破壊の黒炎と癒しの白炎を使う魔術師。 |
邪眼術 |
視線を媒介にした魔術。妨害や補助に優れる |
神語術 |
神の言語である神語を使う魔術。効果はランダムだが決して拒否することが出来ない非常に強力なものとなる |
幻鏡術 |
“源の火”をカンテラに宿し、そこから物を生み出す魔術。神語術同様ランダムで効果が決まる |
黒沙術 |
怨念を吸った砂“黒沙”を操る魔術。黒沙は使用してもなくならない上、他の魔術のように気力を消費しない |
妖霊使役 |
火と水から生まれた存在・妖霊を使役する魔術。 |
覇杖術 |
聖杖・蛇杖の2通りの杖を使う前衛職。守りと妨害に優れる |
風術 |
足捌きによって紅風、碧風、彩風、の3種の風を操る魔術。運命に干渉する力がある |
●雑芸術
術技ほど洗練されてはいないが、組み合わせによって有効な小術技
ソードダンス |
踊りの動きを利用して刀剣で戦う雑芸術 |
座空乗り |
空飛ぶ絨毯である“座空”にのる雑芸術 |
火吹き |
油や毒などを口に含み、吹き付けて攻撃や回復をする雑芸術 |
鷹匠 |
自らの血を与えて育てた鷹(など)を使って援護させる雑芸術 |
ジャグリング |
投擲武器をうまく扱うための雑芸術 |
水芸 |
いまだ洗練されざる水を使った魔術 |
●世界観詳細
かつて存在した砂漠の巨大帝国シェオールは最強の妖霊・イブリスの姦計により地底へと落ちた。
その国土ごと、人も、地上にいた下級天使も道連れに。
それは人間が地上の主役にふさわしくないと唯一神ラウに対して証明しようとする「煉獄実験」であった。
地底は本来、死後の魂が安らかに眠る世界であり、ザバニーヤと呼ばれる天使たちに護られていた。
しかし、イブリスと彼が生んだ手駒である「邪霊」たちによりザバニーヤ達は殺され、地底は魂を永遠に苛み続ける地獄と化した。
またイブリスは狂った詩人の怨念を糧に「妄想の亜獣」と呼ばれる殺戮だけを望む異形の者たちを生み出した。
帝国は一夜にして崩壊し、人々は死後の安息すら許されない絶望の世界に投げ出された。
だがそれでも人は生きることを諦めなかった。技を磨き、魔術を編み出し、その身を魔物に組み替えてすら抗った。
そして彼らは、神と魔の力を宿す「頽廃の果実酒(ザクムエキス」を口にして「享受者」となる。それすら邪霊の策の内だとわかっていても・・・
●システム面
●判定の基本
使用ダイスは6面体。
対応能力値に対応術技/技能レベルを足した個数をふり、基準値以上の目を出した数を達成数として数える。
基準値は基本的に4。
例・筋力3のキャラが『剛力レベル1』で判定を行った場合
振れるダイス=4d6→ 1・1・3・5 達成数1/未達成数3
なお、達成数がゼロの場合、何らかの形で達成数にボーナスがあったとしても絶対に失敗する。(絶対失敗)
出たダイス目がすべて同じ数字で成功の場合(4・4・4・4など)、達成数は二倍になる。(幸運の助け)
享受者は「頽廃の果実酒」により驚異的な能力を得ているため、通常の技能の判定を能力値のダイス数で振ることができる。
ただし術技の判定はその術技を習得した人間でなければ行えない。
他に、複数人で力を合わせる場合、達成数を足し合わせて判定できる協力判定や、魔術を行使する場合の魔術判定が存在する。
●堕落について
享受者は「頽廃の果実酒」を飲むことで体に神と邪霊の力を宿している。
邪霊の力は常に人間には価値などないことを証明するため、危機に陥った享受者に対し甘言を囁く。享受者はこの誘惑に負け、力を借りることが可能。
享受者は堕落することにより、振れるダイス数を増やしたり、振ったダイス目を1か6に変更することが可能。
ただし堕落ポイントが5点累積すると魂や身体に異常をきたし(永続堕落)、6点を超えると邪霊の囁きに負け、理性を失ってしまう(完全堕落・NPC化)。
堕落の蓄積は、成長ポイントであるランクを消費しなければ打ち消すことができない。
(ただし半妖霊は人より邪霊に近く、堕落の上限がほかより1点低いものの、セッション終了時に自動的に堕落ポイントが1点減少する)
●連撃
攻撃には牽制・通常・渾身の3種類が存在する。
すべての武器にはこの3種類の基準値とダメージが設けられており、牽制は当たりやすいがダメージが低く、渾身は当たりにくいが強力である。
享受者はこの3種類を使い分け、攻撃を行う。
攻撃の判定を行ったときの成功数(+闘技や魔術の補正)が達成数となり、未達成数が追加ダメージとなる。
成功しすぎるとダメージが浅いが、その代わり、連撃増加値を得る。その攻撃が連撃の最終達成値だった場合は、闘技チットも獲得できる。
連撃とは、それぞれのキャラクターの術技やレベルによって決まる連撃回数分、攻撃を続けることができるというゲヘナの特色のひとつ。
主に刀士が得意とする、華麗な高速多段攻撃。
連撃増加値とは、連撃を行う場合、達成数に応じて次の攻撃の判定ダイスにくわえられるボーナス。勢いに乗った攻撃は、次の一手をさらに高める。
高ランクの獣甲闘士はこの増加値を爆発的に高めることができる。
闘技チットとは、闘技(魔術ではない技)を使用する際消費するポイント。闘いによって高まった気合をあらわす。(初期値は0)
主に愧拳闘士がこれを得る事を得意とする。
なお、連撃ではこの3種類の攻撃方法で好きなものを使用できるが、前回と同じか、より強い攻撃を選ばなければならない。
渾身の攻撃を繰り出してから牽制攻撃などできようはずもない。
連撃は回避もしくは防御に成功されると終了する。
暗殺士だけはこの原則にはあたらず、回避されても連撃を続行することができる。
なお、魔術にも連撃が可能なものが存在する。
●カウンター
相手の攻撃に対し、享受者は防御や回避を捨ててカウンターを宣言することができる。
牽制攻撃へのカウンターなら牽制、通常攻撃へのカウンターなら通常で判定を行い、その達成値を上回ることで、相手と自分の分を足し合わせたダメージを与えられる。
失敗の場合このダメージは自分に帰ってくるのでご利用は計画的に。
愧拳闘士はカウンターの達人である。全体的に攻撃に必要な基準値が低く、達成数があがりやすいためである。
●魔術判定
魔術を使用する際は気力(黒沙術の場合は黒沙)を消費する。
魔術においても、判定の成功数を達成数、未達成数をダメージとして計上する。(ダメージを算出する魔術の場合)
魔術を使われた対象は、この達成数を目標に精神抵抗などを行わなければならない。
神語術と幻鏡術は精神抵抗の余地もなく、必ず効果を発揮する強力な魔術。達成数によって魔術の効果が変化する特殊な処理を行う。
癒しの魔法を唱えても、達成数が低ければ逆にダメージを与えてしまうことも。
そんな大惨事を避けるため、術者は気力を余分に消費することで達成値を補正することが可能。このため、神語と幻鏡を使用する者は豊富な気力が必要となる。
最終更新:2012年04月30日 03:38