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しかしまあ、これで16日目か…最初の頃は帰宅が楽しみだったのに、最初孵化したのが死んで以降、生きたカブトエビには巡り合えずじまいで、帰宅後がっかりなことばかり。これでは生活に張りがありません。
そんなわけで、日本動物薬品株式会社より届いた、追加タマゴと栄養を元にして、飼育第三弾を始めます。
さっそく水面のよどみをキッチンペーパーに吸わせて回収し、カブトエビの栄養の袋を全投入。
今より3時間待ってから、ラス前タマゴの投入を行います。
いくつかの複合的な要素で孵化しなかったと思われますが、一番の要因はやはり
タマゴが少なかった、もしくは無かった
のではと考えます。だって、茶色い粒なんて見当たらなかったし…
そもそも、初期購入時点で、袋の中身が少ないと感じていました。ネットで飼育公開してるサイトで画面アップされてる袋と比べても明らかに少なかった。
確信したのは、今回追加投入で届いたタマゴぶくろを見た瞬間でした。
あきらかに袋の中身が多いし! しかも肉眼で茶色い粒いっぱい確認できるし!
やっぱこれ、追加購入を狙うビジネスなんじゃ…
タマゴのみ購入できるルートがないってのがおかしいんだよねえ。もしかして、とにかくセットを何度も買わせるビジネスの方か? まあ、外来種を放流させないという意図はあるのかもしれないけど。
それと、今回の追加購入分にはキットにあった説明書のコピーが入っていました(追加購入用部分は白く塗りつぶし済みw)が、飼育キットにはなかった追加の資料も入っていました。
内容は、孵化しなかった理由をまとめたリストのようなものです。2枚入っていましたが、半分くらいは内容のかぶるものが別フォーマットで2枚。謎…
昔作ったものと、最近新しく作られたものをとにかく入れてる、という風にも感じられますw
これを最初から入れない理由は…この資料のタイトルにあると思われます。
「よくある質問と回答」
『回答』という意味は、問題に関する『答え』の意味。
要するに、カブトエビ飼育キットというのは、ペットの飼育環境の提供ではなくて、
科学的な研究・自然を学ぶ上での勉強に関する『教材』だ
という意味なのでしょう。
それならばそれで、こちらも文字資料として整理をしておきますw
1枚目:「トリオプス飼育観察セット よくある質問と回答」
質問内容 |
原因 |
対応 |
カブトエビがフ化しない |
水質が適正でない |
水道水を一晩くみおきして、カルキを飛ばした水を使用します。井戸水や浄水器、ミネラルウォーターは使用しないで下さい。煮沸して冷ました水も使用しないでください。金魚や熱帯魚のカルキ中和剤は使用しないでください。 |
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水温が適切でない |
カブトエビの飼育に最適な温度は、22~26℃です。特に春先や梅雨時、秋口は気温の変動が激しく、昼間気温が高くても夜間は気温が低下するためにフ化しない場合があります。また、夏は水温が高くなりすぎ、クーラーの当たる場所では水温が低くなってしまいます。 |
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フ化するまでの時間 |
タマゴを水に入れてからフ化するまで、2~4日かかることがあります。 |
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生まれているが見えない |
フ化直後は約0.3mmと非常に小さいので、見つからない場合があります。また、木くずの中に隠れていることもあります。カブトエビは成長が早く、一週間で1cm位に成長しますので、発見することができます。 |
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飼育容器が適正でない |
カブトエビの栄養は付属の水槽の容量に適した量が入っています。付属の水槽以外の容器で飼育された場合、栄養の量が多すぎたり、少なすぎたりするため、フ化しないことがあります。 |
フ化したがすぐ死んだ |
水温の急変 |
気温の変化が激しい春先や秋口、または雨の多い梅雨時は、昼間気温が高くても、夜間は水温が20℃以下になることがあります。このような場合、カブトエビの幼生が死んでしまうことがあります。気温の変化が激しい時は、発泡スチロールの箱などに水槽を入れ、水温を保つようにしてください。 |
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水替えをした |
フ化後一週間以内の幼生は水質の変化に弱く、水を変えるだけで死んでしまうことがあります。水替えをする時はフ化後一週間以上たってから行ってください。 |
カブトエビが突然死んだ |
水替えをした |
カブトエビは水質の変化に弱く、水槽の水をすべて替えると、死んでしまうことがあります。水替えを行うときは、カブトエビが流れ出ないように1/3ぐらいの水を捨て、カルキを飛ばした水(一晩汲み置いた水)を足してください。 |
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水温の上昇 |
夏季など昼間の気温が上昇することがあります。また、部屋を閉め切り外出すると室温が40℃以上になることがありますので、ご注意ください。 |
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酸素欠乏 |
たくさんのカブトエビがフ化すると、酸素欠乏になることがあります。セット付属の水槽では1~5匹が適正です。5匹以上生まれた場合は、大きくなると水中の酸素がなくなってしまうので、1cm以上の大きさになってから別の容器に移してください。そのとき、元の水も半分くらい一緒に移して下さい。 |
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寿命 |
カブトエビの寿命は1.5~2ヶ月です。ただし、個体によっては3週間程度で死んでしまうこともあります。 |
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えさの与えすぎ・えさを与えていない |
えさの与えすぎは、水が腐る原因になります。食べ残しがないように与えてください。また、数日間餌を与えないでいると死んでしまいます。注意してください。 |
タマゴの保存期間は? |
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タマゴは耐久卵と呼ばれる乾燥に強い卵です。直射日光や、高温多湿の場所を避けて保存していただければ、数年後もフ化するようです。 |
タマゴのフ化率は? |
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エビ伝説には、カブトエビの卵が20粒程度入っています。しかし、実際にフ化するのは1~5匹程度です。これはカブトエビのフ化率が非常に低いからです。元々カブトエビは干ばつが激しい地域に生息する生物です。たとえば田んぼなど、水があったりなかったりする場所に住んでいます。したがって、水がある時にすべての卵がフ化してしまった場合、急に水が干上がってしまうと、その地域のカブトエビは全滅してしまいます。このような事態を避けるために、カブトエビのタマゴは水に浸かっても10~20%位の数しかフ化せず、残りのタマゴは、次回水に浸かった時にフ化するのです。 |
カブトエビのエサは何? |
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カブトエビはなんでも食べる雑食性です。セットのエサがなくなったら、金魚や熱帯魚のえさを与えてください。また、やわらかい水草も食べるようです。 |
2枚目:無題のQ&A
Q:カブトエビが孵化しない。
A:カブトエビが孵化しないときは、下記のチェックをしてください。
- 気温が低くありませんか?カブトエビは水温が20℃以下の時には孵化しません。また、昼間あたたかいときでも、夜間の気温が20℃以下になる場合は、夜間に水温が下がり、カブトエビの幼生(赤ちゃん)が死んでしまうことがあります。
- 太陽の光があたっていませんか?太陽の光が直接当たる場所では水温が上昇し、太陽の光が当たらなくなると水温が低下します。また、クーラーの風があたる場所では水温が下がります。このように急激な水温の変化がある場合は、カブトエビが死んでしまうことがあります。
- カブトエビのタマゴを入れてから何日ぐらい経過しましたか?カブトエビのタマゴは通常は翌日には孵化しますが、水温などの環境により2~3日かかることもあります。また、生まれたばかりの幼生は非常に小さいので見つけにくいことがあります。タマゴをいれてから一週間は様子を見てください。
- 飼育水はカルキ(塩素)が抜けた水ですか?カブトエビは水道水中に含まれるカルキに弱く、また、カルキを中和する中和剤にも弱い生物です。したがって、カルキの中和には浄水器や観賞魚用の中和剤などを使用せず、一日放置した水(カルキが飛んだ水)を使用してください。
- 飼育する水に井戸水を使用していませんか?井戸水の種類によってはカブトエビが生まれない場合もあります。カルキを抜いた水道水をご使用ください。
- アルカリイオン水やミネラルウォーターを使っていませんか?これらの水はカブトエビに合わないこともあります。
- 栄養を入れましたか?栄養はカブトエビの幼生の成長に必要な成分が含まれています。これらが入ってない場合、幼生が生まれてもすぐに死んでしまうことがあります。
Q:何匹生まれるの?
A:トリオプス飼育観察セットにはある程度のタマゴが入るようにセットされていますが、カブトエビの孵化率は非常に低いため、大量には生まれません。1~3匹ほど生まれます。
Q:カブトエビ以外の生物が生まれたけど、大丈夫?
A:カブトエビは自然に近い設備で飼育されているため、時々ミジンコやホウネンエビなどが生まれることがあります。しかし、これらはカブトエビが大きくなるとエサとなってしまう場合が多く、どうしてもこれらの生物だけで飼育したい場合は別の容器に移すことをお勧めします。
Q:水が汚れたので水を替えたい。
A:カブトエビは水が急に変わると死んでしまうことがあります。基本的には蒸発してしまった水を補充する程度で大丈夫ですが、どうしても水を替えたい場合は1/3量以下の水を交換してください。この水はカルキがはいっていない水を使用してください。
Q:孵化したが、数日後いなくなった。
A:孵化した幼生が死んでしまったためです。そのまま一週間様子を見て、水槽内に生物がいなければ、もう一度初めの手順に戻って新たに飼育をやり直してください。
Q:カブトエビの卵やミジンコの卵、ホウネンエビの卵を大量に購入したい。
A:大変申し訳ございませんが、弊社では卵だけの販売は行っておりません。ご了承ください。
以上が、追加添付された資料による「回答」です。
大半はキット添付の説明書記載の内容と同じような内容ですが、いくつか興味深い文面があります。ピックアップすると、以下二点が気になりました。
①付属の水槽以外の容器で飼育された場合、栄養の量が多すぎたり、少なすぎたりするため、フ化しないことがあります。
栄養の量が多すぎたり少なすぎたりすると「フ化しない」とは!?
水中におけるこの栄養濃度は、孵化後の生存率のみではなく、孵化条件にもなるのか?
まさか、カブトエビのタマゴの殻を溶かす成分にでもなっているのか?
タマゴを入れる前のチューブボトルでのシェイク、あれなんかもこの部分に関わってきていると思われます。
②エビ伝説には、カブトエビの卵が20粒程度入っています。しかし、実際にフ化するのは1~5匹程度です。これはカブトエビのフ化率が非常に低いからです。元々カブトエビは干ばつが激しい地域に生息する生物です。たとえば田んぼなど、水があったりなかったりする場所に住んでいます。したがって、水がある時にすべての卵がフ化してしまった場合、急に水が干上がってしまうと、その地域のカブトエビは全滅してしまいます。このような事態を避けるために、カブトエビのタマゴは水に浸かっても10~20%位の数しかフ化せず、残りのタマゴは、次回水に浸かった時にフ化するのです。
長い文章ですが、この中に注目すべき点が複数あります。
それ、昔のキット名じゃないか! 資料の更新ちゃんとしなさいよ…
この点はまあ、お遊び的なお話だが、ホントに重要なのはそのあと。
なるほど、説明書には書いてないけどそのくらいに設定されてるのね。二回に分けてタマゴを投入する時は、先に10粒ずつ選別してから投入した方がよさそうだ。
- (カブトエビは)水があったりなかったりする場所に住んでいます。したがって、水がある時にすべての卵がフ化してしまった場合、急に水が干上がってしまうと、その地域のカブトエビは全滅してしまいます。このような事態を避けるために、カブトエビのタマゴは水に浸かっても10~20%位の数しかフ化せず、残りのタマゴは、次回水に浸かった時にフ化するのです。
すべての謎が解けました。対内時計というか、生物孵化スイッチ的なものがDNAに取り込まれている、それがカブトエビなんだと!
よく、飼育サイトで、「うまく孵化しなかった場合は、土をいったん乾燥させて、また水を用意して投入すると生まれることがある」などを提案しているところが多かった。それはこの
干ばつで絶滅しないための生物孵化スイッチの働き
なのでしょう。
それならそれで、タマゴの有無はしっかり見分けないといけないし、孵化をしたのかどうかも確認しないと無駄待ちが発生するというわけです。
だとすると、タマゴのあるなしをしっかり見極められるような色での観測が確実なんだな…サンゴ砂はクリーム色だから見分けにくいのう。
でも、カブトエビ飼育って、不確定要素があるからこそ難解で、子供心や攻略意識をくすぐる楽しい部分ってところもあるんですよね。簡単な飼育は飽きます。
多くのペットがいずれお母さんが世話することになるのはこのためですw
ただまあ、難しすぎると子供は投げ捨てます。そしてお母さんが…以下略。
そんなこんなで、だいたい飼育ポイントは絞られてきました。
1.孵化する孵化しないは、タマゴ運。ただし環境クリアが条件。
2.幼生の間は水質水温保持!大きくなるまでとにかく維持!
魔の一週間中は「汚すな」「温度保て」「水替えるな」の三本です。
3.「カブトエビの栄養」の正体を見極めたい! ウッドチップ(バクテリア)でいいのか?
そんなこんなで、資料移したり記事書いたりしてたらいつのまにやらほぼ3時間経過。タマゴ袋の分別をして、1/2くらいのタマゴだけ投下するようにしよう。
最終更新:2017年08月06日 00:39