マタドガス
英名 Weezing 学名 Gas-baloon
標準体高 1.2m 標準重量 9.5kg 特性:浮遊
主な生息地:グレンタウンの廃墟 など
「どくガスポケモン」に分類される、浮遊不定形型ポケモン。
汚染の進んだ土壌や工業地帯に多く出現し、腐敗などによる悪臭や臭気ガスを吸入しては それらを濃縮して撒き散らす(実際には化学物質や有機物を吸収した残りカスの排出)為に、公害問題の象徴として悪いイメージで扱われる事が多い。
酵母菌の発芽のような形をしており、とても大きなドガース、腹のドクロマークが頭蓋骨だけの普通サイズのドガース、若干小さくて生成途中のドガース、といった以上の3部位から成る。
分裂による無性生殖を思わせるような形状だが、彼らのタマゴは発見されており、不定形グループに分類されている。
ゴミ捨て場やゴミ処分場、埋立地などに出没して、有機系の腐敗ガスを吸収しエネルギーに変換するのがいわゆる「都市型」で、数は少ないものの
ツボツボと共生して有機系発酵物をエネルギーとして貰う代わりに鳥類など捕食者からツボツボを守るのが「自然型」である。
現在圧倒的に多いのは前者で、特に某国では最近、資本主義の流入による大量生産体制が組まれた事の弊害で大量発生し、ドククラゲなどと共に海を渡って国内へ流入している。
また、彼らはタマゴによる有性生殖と分裂による無性生殖の2通りで個体を殖やす事が可能で、後者の方が成長速度、繁殖期間の短さからしても有利となる為に、遺伝子に影響を及ぼすダイオキシン等を体内濃縮した結果、有性生殖に異常をきたしたマタドガスが分裂によって次々と繁殖している様子が連日テレビで報道された時期もあった。
『嫌われ者』として見られがちな上に大量発生した彼らを何とかしようと、ある計画が立ち上がった。
それはマタドガスによる簡易自然吸気(レシプロ)エンジン機構の開発である。
マタドガスはある2種の毒性の強いガスを混ぜる事で肥大化および分裂するとされているが、このガスをある程度与えた後、体内からそれらのガスを抜く事で成長を止め、限りなくクリーンな排気物を出すようになる事が実験の結果判明した。
エンジン機構についてはここでは詳しく記述しないが、吸気・圧縮・排気の3動作を行える上に燃料に制限無きマタドガス型自然吸気エンジンは世界を救う技術として迎えられるはずだった。
ところが、後一つの『電気点火』動作に至ると、どうしても体内の有機ガスで大爆発を起こしてしまい、あらゆる対応策が画されたが、結局安全性の面からもこの計画はお流れとなった。
と言うのもマタドガスの皮膚は収縮・膨張に備えて非常に薄いとはいえ、何千、何万ジュールにも及ぶ爆風や熱に耐える事が出来なかったのだ。この実験に使われたマタドガスは述べ2352頭にも及び、現在ではヤマブキシティの経済産業省庁舎の前に慰霊塔が立てられている。
塔の上のマタドガスの銅像は、人類の驕りを訴えるような形で我々を厳しく見下ろしている。
最終更新:2007年06月14日 19:31