128: 名前:刹那☆08/04(火) 20:11:11
『いなくなっちゃった・・・。』
いなく・・・なった?
沙菜は語りだした。
あの日の事を―・・・。
『ある日、友達と買い物って言って出かけたの。
とても楽しみそうな顔をして。
5時くらいに帰るって言ってた。
私はその日は手芸クラブがあったから、お姉ちゃんに渡すぬいぐるみを作ってた。
びっくりするだろうな・・・って。
私は7時くらいに帰って来たの。
でも・・・!』
そこで沙菜は震えだしてしまった。
132: 名前:刹那☆08/06(木) 19:38:01
分かっちゃった。
私、覚えがある。
買い物に行ったのも、・・・殺害したのも・・・。
愛・・・だ。
まさか沙菜の姉は愛だっていうの!?
「・・・・・・。」
『家にいたのはお姉ちゃんじゃなかった。
お父さんもお母さんも、お爺ちゃんもお婆ちゃんも!
みんな黒い服を着て、みんな泣いてて。
私は動揺して、みんなにたずねた。
みんなの言ってるコトが信じられなかった。
だから私はみんなに何回も同じ質問を繰り返した。
でも返ってくるのはみんな同じ答え。
『お姉ちゃんが死んだ・・・。』
初めは嘘かと思った。
だってあんなに元気だったお姉ちゃんが、あんなに優しか ったお姉ちゃんが死んじゃったんだもん・・・。
』
そこで沙菜は涙を流し始めた。
136: 名前:刹那☆08/09(日) 15:46:57
『お姉ちゃん・・・ヴ・・・ヒック・・・ッ。』
ホントは私も悲しまなきゃいけない。
けど、私は笑っていた。
私は殺すコトに快感を覚えてしまった。
だから人を殺す・・・んじゃない。
本当は大切な人を失って悲しむ人の顔を見たかったのかもしれない。
沙菜は涙を拭って、空を見た。
『お姉ちゃん・・・。』
その姿に呆然とする私に気づいた沙菜は
『ごめんね、急に話変わって。急にこんな話を聞かされて、迷惑だったよね・・・。』
「ねぇ・・・。」
沙菜は私が突然話しかけたコトにびっくりした。
『な・・・何?』
「その・・・沙菜のお姉さんって・・・。」
言うべきなのだろうか。
それとも言わない方がいいのだろうか・・・。
「愛?七瀬・・・愛・・・?」
139: 名前:刹那☆08/12(水) 20:56:11
『・・・え?』
沙菜はとまどっていた。
『ど・・して・・・お姉ちゃんの名前・・・?』
「え・・・と・・・。」
『どうして・・・?』
ヤバい!
「あのね?愛と私は親友だったの。あの日・・・一緒にいたのも・・・出かけたのも、私だった。」
『お姉ちゃんの・・・親友?香織ちゃんが?』
「うん。」
『だ・・・だったら知ってるよね!?』
沙菜ちゃんは私の胸倉をつかんで言った。
「・・・え?」
『お姉ちゃんは殺されたんだよね!?親友だったらしってるんでしょ!?あの日、お姉ちゃんに何があったか・・・。』
153: 名前:刹那☆08/22(土) 21:23:21
『教えて・・・!』
愛の死に方?
「沙・・菜ちゃ・・・苦し・・・。」
『あッ、ごめんなさい・・・ッ。』
私をこんな目に合わせて、許さないから。
教えてあげようかなぁ・・・?
沙菜ちゃんのお姉ちゃんがどうなったか・・・。
そして、貴方もどうなるかも・・・ね?
さぁ、悲しみにくれる姿を見せ付けて・・・。
「教えてあげようか?」
『お願い・・・!」
ガッ―・・・!
私は沙菜の右足を蹴った。
『~~ッ!?』
沙菜は足の痛みに耐えられず倒れてしまった。
『香織・・ちゃん!?』
「フフッ、バカな子よね。愛は悲惨な姿で殺されたの・・・。」
『やっぱり・・・殺されたん・・だ・・。』
「しかも愛は・・・私に殺されたの。」
『え・・・!?』
最終更新:2010年07月25日 20:59