161: 名前:刹那☆08/25(火) 20:58:10
『何で・・・。』
「はぁ?」
沙菜は狂ったように『何で』と繰り返していた。
『何で・・・!?冗談だよね、香織ちゃん!!』
「・・・・・・。」
私は何も答えなかった。
『ねぇ、香織ちゃん!?』
うるさい。
『何で答えないの!?何でこんなコトするの!?何で殺しちゃうの!?何で・・・ねぇ、どうして?』
うるさい、うるさい、うるさい・・・!!!
『香織ちゃ・・・ヴ、答え―!?』
ガッ―・・・!
私はもう一度、倒れていた沙菜のお腹を蹴った。
『ぐ―ッ・・・!!』
沙菜はうつろな目で私を見上げる。
「うるさいって言ってんの!!」
『香織ちゃ・・・?』
沙菜はとまどう。
『いいわ。そんなに知りたいのなら教えてあげる。』
164: 名前:刹那☆08/26(水) 20:13:32
「う・・・お願い教えて…!」
サァッと風が沙菜の長い髪をなびかせた。
「私はあんた……沙菜が嫌い。愛は私が殺した。これだけの事よ」
「これだけの事…?」
沙菜は震えた声で小さく、呟いた。
「これだけの事じゃないよ!私が嫌いなのはいいけど、でも!…でもいくら私が嫌いでも、お姉ちゃんまで殺すことないじゃん!ひどいよ…ひどいよ香織ちゃぁん!!」
沙菜はいつも優しくて大人しい子だったのに、こんな風に取り乱すなんて…。
髪を振り乱し、泣き喚く沙菜は私にとってはとても輝いてた。
ポツ…ポツポツポツッ――……。
あら…雨。
やだッ、私、雨も嫌いなのにッ!
沙菜の泣き声が呼んだのかしら…全く今日はついてないわ。
「仕方ないじゃない。だって愛は私の事を死んじゃえばと言ったのよ?」
雨が私達の髪をだんだんと濡らしていく。
「そんな…そんな事をお姉ちゃんが言うわけない!何で…何で…!?」
沙菜はまた泣き始める。
沙菜の声と雨の音が入り混じって、よく聞こえない。
「でも愛は言ったの。分かる?私の屈辱」
私は拳を握り締め、怒りに耐えた。
「そんなの屈辱でも何でもない!ただの悲しみだよぉッ…」
「悲しみも屈辱も同じよ!!」
私は沙菜を踏みつけた。
愛は私の事にいなくなればと言った。
あんなにいい事したのに。悪い事なんかしてないのに!
「やめて…香織ちゃん!!」
ピカッ―………ドンッ!ゴロゴロ…
稲妻が光り、その数秒後にすさまじい音が鳴った。
まだ遠いようだ。
私と沙菜は長い沈黙に包まれた。
が、2人とも黙ってはいない。
2人の瞳からも強く、眩しい稲妻が互いにぶつかり合っていた。
165: 名前:刹那☆08/28(金) 20:27:46
「香織ちゃん、目をさまして…。香織ちゃんはこんな子じゃないよ…」
涙目で私を見つめてきた。
「残念ね、私はこんな性格…単なる二重人格っていうのかしら?」
「二重人格じゃない!香織ちゃんは優しいよ!お願いだよ!もとの香織ちゃんに戻ってよ!」
沙菜は泣き叫ぶ。
172: 名前:刹那☆09/02(水) 20:24:18
「無理ね」
雲であたりが暗くなっていく。
「何で?どうして!?」
「何で…?愛もそう言ったわ」
沙菜の顔が青ざめていく。
「お姉ちゃんも…。やっぱり…」
「私ね、しつこい人嫌いなの。愛も悠も…もちろんアンタもね」
沙菜は相当泣いたのだろうか、真っ赤に腫れ上がった瞳で私をキッと睨みつけた。
「今、悠君って…まさか!!」
「そうそう。まさかまさかのそのまさか」
「うそだ!彼氏だよ?彼氏殺すわけない!」
首を激しく振りはじめる沙菜。
「本当よ。悠は浮気した。こんなに美人な彼女がいるのにね?」
177: 名前:刹那☆09/06(日) 21:24:51
「確かに香織ちゃんは可愛くて、学校一の美人!!でも、性格悪すぎだよぉっ…」
(性格悪すぎ)
その言葉が私を切れさせた。
「うるさい」
雷が私の顔を照らす。
私はポケットナイフを取り出して、沙菜の首につきつけた。
「ひ…ッ、香織…ちゃ…」
怯える沙菜。
「私ね?社会大好き!戦国武将大好き…戦いも大好き…殺すのも大好き…分かる?」
178: 名前:刹那☆09/08(火) 21:31:31
「え…何それ…」
沙菜は分かっている。
でも強がっちゃうのはいけないね?
「オーッ、あなたたち何しとるんデスカ!?」
うげ…邪魔者が入った。
この人は関西住みのアメリカ人、ベレク・エミリー…だったっけ…。
あ、ちなみに社会担当の先生ね。
フフッ、ちょうどいいわ。
あいつ、社会大好きだしね。私と一緒だわ。
趣味あう~!!
あいつの前で殺っちゃおうかしら?
私はナイフを更に沙菜に近づけた。
「ワー、殺人やわ~!そんなことしたらあきまヘン!!」
反応がおもしろいわね…。
「分かる、沙菜ちゃん?大名はね、首をはねられるんだよ~!?」
ゴリ…。
鈍い音がし、沙菜の首から血が噴出した。
骨がちょっと硬いかしらね。
ほ~ら見て?あいつ、そんな面白そうな顔して。
「あかんで!!沙菜はん死んでまうデ!!」
「もう死んでます~」
「殺すなんてあかんで!校長に知らせヤナ!」
エミリーは校舎へ戻ろうとした。
が、私は陸上部。
すぐに追いつくに決まってるじゃない?
「何や?人殺しといて、口止めなんてあかんに決まっとるで!!」
「残念ね…あなたとは趣味が合いそうっだったのに…」
「あんた…どういうコトヤ…!!」
186: 名前:刹那☆09/15(火) 21:16:48
「そうね、私が明智光秀。貴方が織田信長といったところかしら?」
私はそう言ってニコッと笑ってみせた。
「家臣が大名を倒すように、生徒が先生を破るっていうのもおもしろいよね?」
ガッ―…!!
何かが、私の腹部に当たった。
しかも、ものスゴイしょう
「
187: 名前:刹那☆09/15(火) 21:21:07
何か書き込むになっちゃった~!!
スミマセン、更新続きです><
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆
しかも、ものスゴイ衝撃で。
「!?」
となりでパンパンッと音がしたと思ったら
「フ~…」
と、ため息をつくエミリーがいた。
「あ…んた!どうして…」
192: 名前:刹那☆09/22(火) 20:54:37
「なめんといてや!ウチは空手家のエミリー!」
エミリーは二ッと笑って言った。
空手家…!?
だからか…てかあんた社会教師じゃなかったっけ~?
「でもね?そんなので私に勝てると思ってんの?」
一年の時は弓道部のエースだったんだから!
ナイフを構え、目の前にいる獲物を捕らえる。
「無理無理。それが当たったらあんた褒めたるわ!」
「それはないわね。貴方は私の手によって死ぬんですもの」
更に狙いを定め…
ゴス――ッ…
エミリーの腰に勢い良く刺さったナイフ。
「敵は…学校にあり…って?いや、生徒にあり、かな?」
まぁ、いいや!
これで口止めできたでしょ!
私は不敵に笑っていた。
私は裏校舎を去った。
校舎には…沙菜とエミリーの生臭い血の匂いと、静けさに包まれた。
でも私はまだ知らない…。
「何とか…誰かに知らせやんと…」
ズ…ズズ…。
まさかエミリーがとんでもないことをしていたとは。
最終更新:2010年07月25日 21:01