第5章
193: 名前:刹那☆09/29(火) 20:55:49
う~ん、どうやってごまかそう…。
沙菜もエミリーもいなくなっちゃったしな~…。
そんなことを考えてるうちに教室の前まで来てしまった。
まあいい、どうにかなる。
「あっ、香織~!何か手がかりあった?」
「あれ?沙菜は?」
みんなが沙菜がいないことに気付いたようだった。
ざわつくみんな。
私が殺っちゃいました~。
「香織…泣いてるの…?」
へ…私泣いてなんか…。
198: 名前:刹那☆10/08(木) 20:28:13
そうか……。
雨降ってるし、その粒が涙に見えるんだ…。
いい事考えた!
「う…」
私はそのまま泣きまねをした。
うわ…私って結構女優向いてたりして!
「え?香織落ち着いて!何があったの?」
私を座らせてくれる。
哀れね。
まんまと騙されてしまって。
「私…沙菜とい…っしょに…庭…へ行って…」
207: 名前:刹那☆10/21(水) 20:14:35
「庭に行って…?それでどうしたの…?」
私は続ける。
「そした…ら、沙菜がいきなり倒れこんで…見たら…首がとんで…て……」
作り話だけど…ま、ホントのことだしね。
「き…きゃあああ!」
数人の女子が悲鳴をあげる。
「エミリー先生も…ナイフが…刺さってて…」
「ちょっと待った!」
…え?
「そこにはエミリー先生もいたのか?」
竹下透…何で勝手に割り込んでくるの?
208: 名前:刹那☆10/22(木) 20:04:18
「う…うん…エミリー先生には…腰にナイフ…が…」
続けて言う。
なんかだんだん面白くなってきたわ。
「私…はッ…ト…イレにいって沙菜…は先にい…ちゃったんだけど……」
そこで私は顔を青くする。
怖くもないのにね。
さっきの出来事を考えただけで楽しくてぞくぞくするわ…。
「そしたら…沙菜とエミリー…せんせ…が何だか言い合ってて…それで…」
「もういい。もう言わなくても、分かってるから」
透が私の話をさえぎった。
「そ…それじゃあ、沙菜とエミリー先生は……」
1人の女子が私に聞いた。
私は…
「死んでいた」
209: 名前:刹那☆10/26(月) 21:17:39
「え……」
みんな驚いてるわ…。
「だって…うそでしょう?悠君の次は…エミリー先生と沙菜が…?」
「いや…!この学校は呪われてるんだよ…!」
呪われてる…?
いいえ、違うわ。
私をバカにする人が多いのよ。
「透クン?ちょっといいかしら…」
212: 名前:刹那☆10/28(水) 20:22:31
私は竹下透を廊下に連れ込んだ。
「おい…なんだよ」
透クンはぶっきらぼうに言った。
でも拳は震えてるわ。
緊張するわよね、そりゃ。
さすがに透クンも驚いているみたい。
好きな子に呼び出されたんだから。
「透クン?」
透クンは、私の一言、一言にびくつく。
フフフッ…。
まだこれからよ。
楽しい楽しいショータイムわね。
215: 名前:刹那☆10/30(金) 21:19:13
「透クンさぁ…私のことスキでしょ?」
もう分かってるんだからね。
「は?」
ほら、透くん驚いてるじゃない。
「誰がお前なんか!」
そうやって答えてるけど…
答は顔に書いてあるわ。
ね?真っ赤だもん。
「あのね?香織のお願い聞いてくれないかなぁ…?」
上目使いでおねだりしてみる。
これ以上、邪魔されると困るからね。
「透クン、あの日のこと見てたでしょ?」
216: 名前:刹那☆10/30(金) 21:27:10
「あの日…何のことだ…?」
「とぼけないで。見てたでしょう?」
私は透クンを追い詰めていく。
「悠を殺した日」
やっぱり…思い出すのは悲しいけど。
「だから…透クンをそのまんまってわけにはいかないの」
私は制服からポケットナイフを出した。
「そ…れは…?」
透くんが震えてる…。
殺されるとでも思ってるのかしら。
「見たら分かるでしょう?ナイフよ、とても切れ味のいい…ね」
どうせ殺すけど。
でも、私が殺すんじゃない。
「真実を知っている俺を…殺すのか…」
「まさか。そんなことしないわ。汚らわしい」
透クンは汚らわしいの一言で眉をあげたが…おさえた。
「じゃあ…どうしろっていうんだ…香織を殺すことは出来ないぞ」
「殺せれないわ。こんな楽しいことはないのに」
私はナイフを透クンに渡した。
「自殺してね?透くん」
217: 名前:刹那☆10/30(金) 21:32:07
「自殺…?」
透クンは唖然としていた。
「好きなんでしょ?だったら聞いてくれるわよね」
「そ…んなことできるわけないだろ!?」
私はポケットからまた一枚の写真を出した。
そこにはタバコを吸っている悠と…友達と、そして透が写っていた。
「いいの?未成年がタバコなんか吸っちゃって」
これは悠とデートの帰りにとった写真だ。
何かに役に立つと思ったけど。
でも…これは悠の最後の写真。
「香織…どうしてそれを…?」
「これ?私もその時コンビニにいたからよ。貴方達をを見たときとっさにカメラを買って撮ったのよ」
224: 名前:刹那☆11/05(木) 21:14:04
「まだ未成年なのにタバコ?いいの?」
「そ…それは……」
戸惑ってるみたい。
私の言うことの聞くのか…。
「タバコだけじゃないよね~?私見たもん」
「…何を」
驚くかな?
驚いても仕方ないけど。
「透クンが…白い包み紙をポケットに入れたこと。それって……」
よくニュースでやってるアレ。
「麻薬…よね?」
「……」
透クンは黙ったままだった。
225: 名前:刹那☆11/05(木) 21:26:30
「この証言と写真を警察に見せたらどうなるかなぁ……」
警察へ行くのか…。
でもそんなの絶えられないよね?
今は青春まっさかり。
刑務所入りだなんて可愛そう。
「しかも麻薬って~…今の警察は昔ほど甘くないからね。どういう処罰を受けるんだろうね~?」
「く……ッ……」
227: 名前:刹那☆11/06(金) 20:28:52
「もちろん、生贄……よね?」
透クンはナイフを握り締めた。
「どうするの?……自殺か、それとも生きたまま苦痛を味わうか……」
可愛そう。
どっちにしても殺されるんだもんね。
せめて自分の終わり方は選ばせてあげるわ。
「どうするの?はやく決めてよ、男でしょ?」
「お……俺は……」
透クンが震えてる。
どちらも嫌よね。
でも貴方にはこの2つしか選択肢がないの。
「刑務所に行くの?怖いよ~」
私は透クンの前で写真を見せびらかした。
228: 名前:刹那☆11/06(金) 20:58:54
透クンはナイフを自分の腹に当てた。
どうやら決意に決めたようだ。
「俺は……」
どっちを選んだのかしら。
「俺は…!自分で手で……逝く」
よく言ったわね。
私、生の自殺は見たことないから。
この眼にしっかり焼き付けておかないとね。
234: 名前:刹那☆11/08(日) 21:17:23
覚悟を決めたようだ。
だか微妙に震えがある。
このまま最後ってワケにもいかないしね……。
「最後に……言いたいことは?」
私は出来るだけ優しく問いかけてみた。
その言葉にホッとしたのか、透はこんなコトを言い出した。
「死にたくない……」
「だめ」
それじゃあ約束が違うもの。
「貴方には必ず死んでもらうわ」
これは花咲家の家訓だもの。
(邪魔ナヤツハ消シテシマエバイイ)
どうやら私の中でこの言葉が蘇ってしまった。
透クン……運が悪いわね。
「なぜ…なぜ俺なんだ…!」
透クンが叫んだ。
237: 名前:刹那☆11/16(月) 20:34:12
……「なぜ」ねぇ。
もう聞き飽きちゃった。
沙菜も言ってたっけな~。
私、そういうのが一番嫌い。
「なぜ」って言って、自分のしたことを忘れている。
だから……嫌い。
そうして、私を「なぜ」怒らせたかも忘れていくんだわ。
「あんたね……言ったでしょ?あの日のこと」
怒りがふつふつと沸いてくる。
勘は鋭いんでしょ?
何でそれくらいわかんないの?
242: 名前:刹那☆11/28(土) 21:01:57
人間って哀れよね。
自分が不利になると、どんな手を使っても逃げ出す。
「だから、ね?私にとって『あの日』のことを見られていたことは私にとっては……分かる?」
243: 名前:刹那☆12/01(火) 21:22:11
3行しかかけませんでした;;
更新します^^
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆
「邪魔者なの」
私は邪魔者を強調して言った。
「いい?邪魔者はね、いなくなければいいのよ。そしたら証拠がなくなるからね」
証拠……きっと透君も分かってるハズ。
「だからあんたも……いなくなればいい」
私の影がゆらりとゆらいだかと思えば透君の胸元をつかんでいた。
もう、こうなったら止められない。
コントロールがきかない。
自分の体なのに……この私でも、ね。
「いいか、よく聞いとけよ。邪魔者はゴミなの。たった小さな紙切れみたいなね。そのゴミは片付けなきゃならない。歩行者の邪魔にならないようにね」
透君は、震えることも出来ずに私の瞳だけを捉えていた。
247: 名前:刹那☆12/04(金) 22:07:16
「あらやっだぁ!口調が変わっちゃった!」
言葉と顔が一致していない。
「透く~ん、しつこいよ?さっさとしてくれない?」
もうゴミの相手するのは疲れたの。
「でも……!」
私は透の持っていたナイフ取り上げ、首に突きつけた。
「茶番はここまで。さぁ、逝きなさい」
そして、ポケットから写真を取り出す。
「いいのぉ?ふ~ん、いいんだ」
これで終わり。
「俺は……俺は!!」
私は透を背に向け、歩き去る。
最終更新:2010年07月25日 21:08