私ハ悪クナイ 続き12

387: 名前:刹那☆03/10(水) 21:08:08
「! 達也、今すぐ泊まれる準備をして」

「は!? 何でだよ!」

「いいから早く!」

そうして達也は帰っていった。

そして10分くらいしたら戻ってくる。

小さなリュックを抱えて。

「早かったわね……で、何持ってきたの?」

リュックの中から出てきたのは……。

ゲームと着替え。


388: 名前:刹那☆03/10(水) 21:13:51
「これだけ……?」

そりゃ、早いハズだわ。

達也の荷物を一応、確認した私は

「じゃッ、行くわよ~」

と言って、歩きだした。

「は? 香織、どこ行くんだ~?」

達也は状況が読めないので、棒立ち。

私は振り返って、叫んだ。

「決まってるじゃない! 私の家によ!」

「は……」

達也の目が点になる。

「はああぁ~~~~~~~~~!?」


389: 名前:刹那☆03/10(水) 21:17:33
達也SIDE☆



え~っと……。

香織が泊まれる準備をしてって言ったのは、今から香織の家に行くため?

じゃなくて、泊まるため?

何で? 明日に作戦実行するんだろ?

俺はついていってもダメなんだろ?

なのに何で泊まれとか言ったんだ?

う~ん……。

頭の中ははてなマークでいっぱいだった。

ど、同棲とか……。


390: 名前:刹那☆03/10(水) 21:21:04
あ、あの香織が同棲なんてありえね~。

しかも俺となんてもっとありえね~んだけど。

でも、もしかしたら、でも……。

「達也君~! 何ぶつぶつ言ってるの?」

途中で香織が俺に声をかける。

あれ? 俺、声に出してたの?

「な、何でもね~よ~!」

「顔、赤いけど」

最後に俺を冷やかす言葉。

「う、うるせえッ、だまっとけ!」


395: 名前:刹那☆03/20(土) 22:02:38
香織SIDE☆



「ただいま~……?」

私は玄関のドアをノックして、おそるおそる開いてみる。

さっき喧嘩した後だし。

こんな時間だし。

達也君……男を泊めるとか……。

っていうか、起きてるかが問題なんだけど。

そんなことを考えている内に、家の中からコツコツと音が聞こえる。

「香織……?」

そう発した、母親。

すごく静かな声で言った私の名前。

「お母さん……私……」


396: 名前:刹那☆03/20(土) 22:08:10
「香織、どこ行ってたの?」

その途端にあくドア。

暗いのに、お母さんの姿がハッキリと見えた。

いつもと変わらない表情。

何故か知らないけど、心が痛んだ気がした。

でもそれは、気のせいよね。

「……心配したんだから」

お母さんはそう言って、私を抱きしめた。

その言葉には感情もこもってない。

お母さんの腕は温もりもない。

心配なんか、してないくせに……。



401: 名前:刹那☆03/27(土) 21:27:26
お母さんの腕の間から達也君が見えた。

当然、唖然としている。

お母さんの達也君に気づいたみたい。

「あら……そちらの方は?」

その言葉に達也の体が跳ね上がる。

「あ……えと、えと……」

うろたえる達也君。

焦りすぎて、何を言えばいいのか分からないみたい。

「自己紹介」

私は、そう囁いた。

こくこくを首を縦にふって、口からこぼれた言葉は、

「たたッ、高橋達也ともも、申す! あの、えっと……今日は、あ、あ、貴方を殺すという企画で、と、と、泊まらせていただく! ……です?」

こいつの日本語はどうでもいいとして……。

今、何て言った?

お母さんが私を睨む。

この、バカ! 


407: 名前:刹那☆03/31(水) 20:55:12
「あら、そうなの~」

なぜかお母さんは平然としていた。

怪しまれないように?

達也君は自己紹介が終わってホッとしている。

でも次の言葉にまたビビる。

「でも、殺すなんて言葉使っちゃだめよ?」

この場がシリアスになる。

達也君にいたっては、冷や汗が出てきてるようだった。

私はこの空気を突き破るように言った。

「達也君が、今日どうしても私の家に泊まりたいっていうからつれてきたんだけど……いい?」

「そう。いいけど? でも香織にもこんな格好いい彼氏がいたのねぇ」

と、お母さんが言った。

「いやぁ、格好よくなんてないッスよぉ~」

嘘の言葉を鵜呑みにする達也。


408: 名前:刹那☆03/31(水) 21:05:58
否定してよ!

私は恥ずかしくなった。

「もう! そうなんじゃないし!」

そう言って、私は達也君の手を引っ張りさっさと家の中へと連れ込む。

「おわ、ちょッ……」

私は歩くスピードは弱めなかった。

「あ、ちょっと待ちなさい。貴方達」

後ろでお母さんの声がした。

私は立ち止まり、振り返る。

「おわわッ、ちょっと何だよ~」

達也君は私が急に立ち止まったのでこけそうになる。

「何?」

「部屋が汚いから、今日は達也君、香織の部屋で寝てね?」

「了解ッス!」

私は2人のやりとりに腹を立てた。


411: 名前:刹那☆04/02(金) 21:06:43
「ちょ、ちょっと!」

私は叫んだ。お母さんが勝手なのがいけないんだ。

「何で私の部屋なわけ!? 他にも部屋あるじゃない!」

「じゃ、お母さん晩御飯作ってくるから」

そう言って、台所に向かった母親。

私の話なんか聞く耳を持たなかった。

とゆうか、昔から興味を持たなかった。

今すぐにでも殺してしまいたい、自分の肉親。

拳の震えが止まらなかった。

とりあえず私は、達也君を連れて自分の部屋へと向かった。

「ふ~ん、ここが香織の部屋かぁ」

遠慮もせず、達也君は私の部屋の中を見回る。


415: 名前:刹那☆04/03(土) 12:20:18
「何か赤色が多いな」

達也は、力一テンを触りながら言った。

「血が好きだから」

そう答えた私の言葉に、達也はパッと力一テンを触っていた手をひっこめた。

「もしかしてニこれ、全部血で染めたんじゃ……」

「んな訳ないでしょ」

私はべットに潜り込んだ。

「あんたはあっち」

私は指でソファを指した。

「……何すんだ?」

「寝るのよ!!」

あ~、もうホント付き合ってらんない!

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最終更新:2010年08月10日 00:51
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