184: 名前:葵 (3e6wZ9rNfs)☆11/29(日) 21:50:02
「……え」
明るい光の下で、晒される顔。
(ま、まだ涙乾いてなかった?今の駿達とのやり取りですっかり分からなくなったかと思ったのに……あ、目腫れてるのか)
何て考えながら、響の顔を見つめ返す。
「どうした。また何かあったか?」
その顔に、声に、瞳に、表情に、
自分の身に何が起こったのか分からないけど、
「――……」
「おまっ……な、何また泣いて」
(あれ……?)
安心してしまった自分が居た。
(ほらまた涙が溢れ出す)
(なんで、どうして、)
185: 名前:葵 (3e6wZ9rNfs)☆11/29(日) 22:04:18
最近自分がおかしい。中学のときまでは、こんなによく泣く子じゃなかった。泣くことを堪えるのが普通だと思っていたから。だけど、今は何だろう。涙を止める術をこの数ヶ月間で忘れてしまったのだろうか。
「っ!!ちょ……」
気付いたら体が浮いていた。なぜか私は今、響に後ろ向きに担がれている。まるで大きなカバンを肩にかけてるみたいに運ばれて、荷物のようだ。
がちゃっ
後ろ向けのまま暗い部屋の中に入った。多分、響の部屋だと思う。
そこでようやく下ろしてくれた。パチっと電気が付いて、部屋の窓側の方向に体を向けると。
「わあ……すごい」
窓からちょうど見えたのは、海だ。私の部屋とは違って海側に接しているこの部屋。そしてホテルの明るい電気が海で反射していてきらきらしている。その輝きが空まで続いていた。
未だ頬を伝う涙も忘れられるくらい、清々しい光景だ。
「それで、あんなとこで何してたんだ?」
私としてはどうしてこの部屋に自分が居るのかが疑問なんだけど。
海をぼーっと見つめたまま、話した。
「信に」
「水嶋?」
「うん。
告白された」
「!?」
後ろで響がどんな表情をしているのかも知らず、私は言葉を続けた。
「それで……私は傷つけてばっかりで、悪い事ばっかりで」
治まり掛けていた涙が再びぽろぽろと零れ出す。
「響のこと好きなのかって聞かれた。あと何で私が前に振ったのかとか色々分かってるって感じで、けど向こうは笑って本当に馬鹿みたい」
堰を切ったように言葉が止まらなくなった。ああ、何をこんな話べらべら話してるんだろう。私こそ馬鹿だ。
「……ちょっと待て」
低い声が静かな部屋によく響いた。
191: 名前:葵 (3e6wZ9rNfs)☆11/30(月) 21:34:57
「……何?」
突然響の周りの雰囲気が変わったような気がして、思わず聞いた。
「何て答えた?」
「え?」
何て答えた……って、一体何に。
訳がわからない、という顔をしている私に、響ははあとため息をつき、苛々した様子で言った。
「好きかっていう質問。何て答えたんだよ」
「あぁ……」
急な質問に多少驚きつつ、答える。
「分かんない……って、言った」
一瞬驚きで止まっていた涙が、話した反動でもう一筋流れる。
おかしい、本当にどうかしてしまってる。また熱でもあるんだろうか。胸がわしづかみされているみたいに痛い。苦しい。
「ひ、響……なんか、私変だよ……」
ぽろぽろと懲りずにまた涙を流し始めてしまう。響は無言でそんな私の側に来て、涙を拭ってくれる。その想像以上に優しくて温かい指先に、不意に心臓が高鳴るのを感じた。
(な、何で……)
ドクン ドクン
煩い、心臓。静まれ、心臓。
ドクン ドクン
……音が、早い。それに、痛い。
193: 名前:葵 (3e6wZ9rNfs)☆11/30(月) 21:50:10
「おい」
突然俯いてしまった私を見て、声をかけてくれる。どことなく心配そうな声音に聞こえるのは気のせいだろうか。
「どーしたんだよ」
(だ、駄目)
心の中で一人葛藤している私に気付くはずもなく、さらに声をかけてくる。
「マジでらしくねーぞ、お前。向こうを傷つけたこと、まだ悔んでんのか?」
(駄目だって。
それに、確かにそうだけど……違う)
違う、違う。
この人のせいだ。
私はこの人のせいで、泣いている
「莉…「だ、駄目だってば」
「は?」
それ以上声をかけないで、話さないで。なんだか自分が壊れてしまいそうだ。
よっぽど様子がおかしかったのだろう、響が不意に私の顔を覗き込んだ。
(!!)
「……!み、見ないで」
「お前……」
驚いたような顔をしてこちらを見るその人と、目が合った。
194: 名前:葵 (3e6wZ9rNfs)☆11/30(月) 22:00:42
ぱっと顔を背けるが、後の祭りで見られてしまっただろう。驚いたような響の表情が手に取るように分かる。
自分でもびっくりするくらい、顔が熱い。だから絶対、今の顔は真っ赤だというわけで。加えて未だ心臓がドキドキ鳴っていて落ち着かない。
「……っ」
「……」
こんな顔(しかも泣き顔)を見られて恥ずかしくないわけがないので、そのまま俯く他に為す術がなかった。
どうしよう、いつまでもこのままでいるわけにはいかない。何か言わないと。
迷っていると、この沈黙を向こうの方が破ってくれた。
「……何時の間に」
「……?」
「そんな『女』の表情(かお)をするようになった?」
「え―――っん!!」
私の言葉は響の唇によって飲み込まれた。
「ちょ、……んぅ……!!」
今までにないくらいの激しい口づけ。角度を変えて何度も貪るように口内を犯される。堅く閉じていた唇はいとも簡単に割られ、熱い舌の侵入を許してしまった。
「んっ……はぁっ……」
息が詰まってきて、腰が砕けそうになるとしっかりと腰と背中を支えられる。キスを続けたまま、少しだけ引きずられたかと思うと、二人が密着した状態のままでいつの間にかベッドに倒れ込んでいた。
*
ちょ、本当中途半端ですみません。この先は慎重に話を進めたいので(←)今日はここまで……。
198: 名前:葵 (3e6wZ9rNfs)☆12/02(水) 22:17:37
くちゅっ……と、時折水音が鳴り響いている。
「んっ……はっ……」
ベッドに組み敷かれた状態で、必死に激しい接吻の中呼吸をしようと試みる。酸素が足りない、欲しい。
何も考えられなくて、相当時間が経っていたと思う、やっと唇が離れた。それでも名残惜しそうにツーっと銀色の糸が二人を繋いでいる。
はあはあと息も荒く、動く気力さえ失ってぼーっと響を見上げていると私の上に本格的に覆いかぶさって来た。両手を相手に握るように重ねられ、乗られているので身動きが出来ない。
「何、して……!響!」
ようやくはっと我に返って私は声を上げた。
「だ、駄目だってばっ……」
響が私の首元に顔をうずめてちゅ、ちゅ、という軽い口づけを何度も何度も落とす。顔の辺りに当たる髪の毛がくすぐったくて、身を捩っていると突然首筋にチクリという痛みが走った。
その痛みでまた私は我に返る。
「ま、待って!!」
本当にこのペースだと、ヤバい。今みたいにこのままこの人の波にさらわれるか、必死で抵抗するか。私にとっての選択しはただ一つ、相当頑張らないと。
せめてもの抵抗で動かない体を無理に動かそうとすると、今度は首筋をぺろりと温い舌で舐められる。
「ひゃっ……ね、いきなりどうして……!」
「……悪ぃ。止まんねーかも」
「あっ……!?」
寝巻用の備え付けの浴衣の胸元を肌蹴させられる。
「やだ、む、無理だって……!」
口ではそう言うが、実際動けないので本当に口だけだ。
……しかも、お風呂上がりだったからブラ付けてない。この浴衣は意外と分厚いから今まで大丈夫だったのに。最悪……
「嫌ってば……!!」
半分涙目で訴えると、ぴくりと響の手が止まった。
199: 名前:葵 (3e6wZ9rNfs)☆12/02(水) 22:23:15
手が止まった。今しかチャンスはない。
「何でこんなこと……こ、こういうことは、普通好きな人と……「じゃあなればいいだろ」
「え?」
「好きになれよ。問題ないだろ」
挑戦的な笑顔。例えるならば、試合中に「これは、いける」と確信したときの自信めいた強気な顔。そんな顔を至近距離で見せられ、また心臓が高鳴る。反抗しなきゃいけないのに、抵抗したいのになぜか出来ない私を良いことに、響はまた止まっていた手を動かし始めた。その手にまた私はパニックに陥る。
「俺は、」
「やっ……ど、どこ触って」
さっきから言葉は半分しか耳に入ってきていない。
「嫌いじゃないぜ。莉恵」
「んっ……!!」
206: 名前:葵 (3e6wZ9rNfs)☆12/04(金) 22:06:40
「やっ……んー!ちょっ……」
「やっぱCの上くらい?でかいよなァ、ここは。着やせするタイプか?」
「う、うるさ……!やめっ」
両胸を大きな手で掴まれ、やわやわと揉まれる。自分のものとは思えないような声が時折出て嫌になる。抵抗しようと手を伸ばしたら、響の片手によって私の両手はまとめて捕えられた。そのまま両手を頭の上に持っていかされる。
もがいても暴れても、所詮は男と女の力は歴然だ。
(恥ずかしすぎるってこんな格好!)
今や浴衣はほぼ完全に前が開いていて、上半身裸に等しい状態なのだから。元々明るい電球をつけていなくて良かった。それでもオレンジっぽいぼうっとした光があるが。逆にこの暗さ加減、怪しい気がする。
「あぁっ……!」
いきなり胸の先端を指でぐいっと押され、体がびくんと跳ねる。それを見た響は同じことを何度も繰り返し始めた。
「やあっ……だ、めだって……っ」
「ここは喜んでるみたいだけど。硬いし」
ぎゅ、と摘まれて思わず顔を顰める。声が出そうになった瞬間、唇を奪われた。その声を飲み込もうとするように。
「んっ」
さっきよりは穏やかに、しかし私にとっては激しいくらいのキス。
その間に響の手は下腹部辺りをなぞり、浴衣を脱がせるように体全体を撫で上げた。
(や、やば……ほとんど脱がされてる)
207: 名前:葵 (3e6wZ9rNfs)☆12/04(金) 22:12:55
何か言いたいことは山々なのだけれど、唇がふさがっていて。情けない事に、力が抜けてしまっていてこれ以上抵抗するのも難しくなってきていた。
「……っ!んーっ」
太ももの辺りをさまよっていた手が、下着越しに秘部を捕えた。腰が逃げようと動くが、許さないというように割れ目をゆっくりとなぞられた。
「んはぁっ!あぁっ……嫌……!」
ようやく解放された唇から洩れる声。
「嫌?説得力ねーな、結構濡れてんぞ」
「なっ……ち、違」
「違うことないって」
分かってる、そんなことは自分が一番。体の中心が熱い。そこから熱いものが外に向かって流れだしていることも。
「やめっ……!おかしく、なっちゃ……!!」
「壊れろ。壊れた莉恵が見たい」
「馬鹿っ……ひ、ひゃぁ!?」
下着の横の隙間から指を滑り込ませてきた。その手がゆっくりと秘部を弄り始める。その瞬間、体が何だかふわふわしたような、それでいて一気に脱力するようなよく分からない感覚に襲われた。
(な、何、これ……)
ぞくぞくする。桐生のときと全然違う、浮いているみたいな。
213: 名前:葵 (3e6wZ9rNfs)☆12/08(火) 21:18:18
「あぁっ……ん」
腰に力が入らない、がくがくしてきた。こんなの初めてだ、一体どうしてしまったんだろう。
これ以上響に手を動かされてはたまらないので、知らず知らずのうちに太ももに力を入れてぎゅっと手を挟んでいた。
「そんなに良い?」
「ち、ちがっ……ひ、びき!」
「ん?」
「手、止めて……何か変!おかしい、私!
力入らな……頭真っ白で……っひぁ!?」
くちゅくちゅと微かな水音を立てて、指が秘部に押し入ろうとしてきた。滑りが良いせいか以前ほどの痛みはないけれど……本当にやめて、壊れてしまう。
「ね、駄目だってっ……!」
「世間では」
耳元で囁かれ、体全体がびくっと反応する。
「それを『気持ち良い』って言うんだけど。知らねーのか?」
「んうっ……!」
ぴちゃぴちゃという厭らしい音が耳障りだ。抵抗する術もなく、ただただ喘いでいるだけのこの状態、穴があったら入りたいくらいだ。
「っ……!!あぁっ」
ぐっと一気に指を奥に指し込まれ、それと同時に体に電気が通ったような感覚がした。一気に息遣いも荒くなる。
「……ここか」
「あぁっ……ん、や、嫌っ……!!止めて……!!」
冷静な声が聞こえて、はっと自分の意識を取り戻し必死の思いでそう請うと。
ピタ
(……え?)
214: 名前:葵 (3e6wZ9rNfs)☆12/08(火) 21:25:50
文字通り、響の指がぴたりと止まった。妙な静けさが戻った室内に、はぁはぁという自分が息をする音だけが聞こえる。
(……止まった)
「ど、どうして……?」
思わずそう口走って、言ってからしまったと思った。
「どうしてって、お前がしつこく頼むからだろ」
ニヤリと笑って言ってくる。賭けてもいい、絶対、絶対に確信犯だこれは。
「今更何でって言われてもなぁ?
その口で頼めるんなら、止めないこともねーけど」
「……っ」
カアっと顔が熱くなるのを感じた。こんなんじゃ、まるで私が触ってほしいみたいだ……。そんな恥ずかしい真似、出来るわけがない。
だけど、
(おかしい。変、ありえない。なんで私……)
「どうなんだ?」
黙っている私を見て問いかけてくる。何も言い返せないでいると、ねっとりと胸を舐めあげられた。
「んゃっ……!」
「黙っててもわかんねーぞ」
顔を近づけられ、そう囁かれた瞬間、私の中で何かが弾け飛んだ。とうとう頭がおかしくなったのかもしれない。
「……いで」
「え?」
「と……止めないで……響」
震える声でそう頼む。
215: 名前:葵 (3e6wZ9rNfs)☆12/08(火) 21:32:25
「よく出来ました」
言い終えた途端、ものすごいスピードで指を入れたり抜いたりしだした。当然それに私の身体がついていけるはずもなく、
「んあぁっ……!ちょ、待……!!」
「無理」
「はぁっ……はぁっあぁ……!」
さっき見つけられた敏感な箇所ばかり攻められ、早くも体が限界に近い。だけど、頭に浮かぶのは嫌とか拒否とかそういう類のものではなかった。
「ん、や……!はぁっなんか……」
くちゅくちゅと絶え間なく、さっきよりも遥かに大きな音が響いた。それすら気にならないほど、何か巨大な波に飲み込まれていく自分自身を感じる。
「も、駄目っ……!!んっあぁっ……!!!」
体が大きく仰け反り、それと同時にすーっと頭の中が白み始める。そこでぷつんと私の意識は途切れてしまった。
216: 名前:葵 (3e6wZ9rNfs)☆12/08(火) 21:40:14
―――――……
「……ん」
重い瞼を薄らと開けると、白い天井が目に入る。知っているような知らないような部屋だ。あぁそうそう、今合宿中で。けど私こんな部屋に泊まってたっけ……?
しかもなんだか動きづらい。
外からは眩しいくらいの日差しを感じる。
今何時だろう。
そう思ってふと視線を横に向けると。
「っ………!!??」
(が、頑張った!!よく声抑えたよ私!!)
何故かというと、隣には我らがキャプテン且つ生徒会長の相川響の顔(ドアップ級)が。寝起きには少々刺激がキツイ。←
そしてさっき動きづらいと思った正体は、この男だった。
(どこに手回してんのよ!!)
腰のあたりに両手を回され、ご丁寧に足(しかも両足)まで絡まっている。な、何このいかにも『昨夜如何わしい行為が行われていました』みたいな……
「……あぁぁぁ!!??……う、嘘、え、けど確かに私昨日ここで……。
え、本当に?ど、どうしようどうしようま、まだ死にたくないよ誰か助けてぇぇぇ!!!」
「……うっせぇぇええええ!!!」
217: 名前:葵 (3e6wZ9rNfs)☆12/08(火) 21:46:20
……耳がキーンって言ってる。絶対この人の声のほうがうるさかった、今。
それにしてもなんだかすーすーする。肌寒いっていうか。……肌寒い?
(えぇえ何この格好!?)
よくよく見てみると、身体に浴衣を緩く羽織っているだけのような状態。もちろん前は閉まっていない。
(む、胸とか丸見えだし……)
響はというと、いつ脱いだのやら上半身裸だ。こんな状態で今まで寝ていただなんて、安らかに夢の中へと旅立っていた自分が信じられない。
「……おい「さっさようなら!」
慌ててベッドから抜け出そうと試みたが、あっさりと腕を掴まれて布団の中にダイブしてしまった。
「ひゃっ……!」
その拍子に響の身体に、私は倒れこんでしまって。正確に描写すると、私の胸が、直接……
「あー……柔らけぇ」
「変態!!馬鹿!!離してよ!!」
大声で罵りつつ、私はさーっと青くなって昨日の晩の出来事を思い出していた。思い出したくない、けど考えないと。
(ま、まさか……私、最後まで、シ……シちゃった?)
最終更新:2010年08月10日 15:09