「 俺だけのプリンセス 」 続き3

63: 名前:乃愛☆12/16(水) 17:38:34


 結夏Side


 「 ふんふっふふ~ん 」

 庵蓮くんに告白された後、
 あたしはこれでもかッ!ってほど浮かれていた。
 だって、手も繋いでるし!!

 「 へったくそな鼻歌 」

 庵蓮くんはふっと鼻で笑うと
 あたしのおでこをつんとつついた。

 「 え!?下手? 」

 ちょっと残念… 
 浮かれすぎかな?

 「 う-そ、すっごく可愛い 」

 あたしの反応を見たからなのか
 単にいじめたいのかは分からないけど、
 すぐに庵蓮くんは微笑んで訂正してくれた。

 あたし達のクラスは3階にある。
 ちなみに進路相談室は2階。
 話すことも話したしあたしはてっきり教室に戻るのかと思っていた。

 だが、庵蓮くんがあたしの手を引っ張っていくのは
 3階の図書室。

 「 あ、庵蓮くん。何処行くの? 」

 「 え、何処って…図書室 」

 「 うん、そうなんだけどね!
   教室に戻らないの? 」

 「 戻らない 」

 えええええええ!?!?!?!?

 「 な、何で!? 」

 「 そのうち分かるよ 」

 庵蓮くんはあたしの頬にちゅっと音を立ててキスをしてきた。
 こんな格好いい人にこんなことされたら、
 断ることも何も出来ないよ…。


 図書室には誰も居なかった。
 まぁ…居たほうがおかしいけど。

 図書室の真ん中にある椅子にあたし達は座った。
 何をするのか未だに分からないあたしは
 庵蓮くんの方を見て聞こうとした。


 「 ね-、庵蓮くッ…んッ、ふぁ… 」

 庵蓮くんを見た瞬間顔がドアップになって、
 口の中に庵蓮くんの舌が入ってきた。

 いきなりのキスに思わず目を閉じてしまうあたし。
 それは庵蓮くんにとって絶好のチャンスだったのか、
 5分後にはあたしの服は全部脱がされていて、
 大きな机の上に寝せられていた。


 「 あッ!…そこ、はぁッ…駄目え…んッ 」


 庵蓮くんの舌はあたしの胸からお腹、
 太ももと行き、最終的に着いたのはあたしのあそこだった。

 音を立てて舐める庵蓮くんを見ると、
 あそこが熱くなってムズムズする。


 「 な、入れていい? 」


 愛しているなら当然のこと―…
 あたしは、庵蓮くんが好き。


 「 うん…あたしの中を庵蓮くんの形にするまで…
   あたしを庵蓮くんで埋めてくれるまでして? 」

 あたしの口から出た意外な大胆発言。
 こんな言葉、いう機会なんてないと思っていた。


 「 あッ…入ってる!
   あたしの中に庵蓮くんのがッ…ああッ! 」


 大きくなった庵蓮くんの物が
 音をたてて入ってくる。

 「 ッ…んッ…!! 」

 「 声出して。
   もっと結夏のエロいところ見たい 」


 少し頬を染めた庵蓮くんの笑顔。
 気づけばあたしは自分から、あそこが見えるような
 体制をとっていた。
 そしてそれは、庵蓮くんにとって自分のものが
 入りやすい体制だった。


 「 ひゃあッ…あッ、あッ…!
   子宮に、いッ!当たってるよおッ!! 」


 ゴツゴツとお腹を伝って振動が響く。
 子宮に当たるたび、あたしはおかしくなっていく。


 「 あッ、あッ、イクッ…!
   イッちゃうよおッ 」

 「 ハッイケよ…ハッハッ 」


 荒い声がする中あたしは体を反って
 大きくイッた。






64: 名前:乃愛☆12/17(木) 18:22:34


 啓斗Side


 「 じゃあな 」

 「 うんッ!ばいばい! 」

 あの後俺達は急いで荷物を取りに行き帰ることにした。
 俺は、送るのを嫌がる結夏を無視して、送ることを決めた。
 結局2人で帰ったのだが、
 結夏も結構ノリノリだった。


 結夏の家に着くと、門の前で結夏は俺に手を振った。
 しかし、家には入ろうとしていない。

 「 入んないの? 」

 「 んッ?え、え-と…曲がり角まで見てたいなって思って 」

 結夏はにこっと天使のような微笑みを俺に見せた。
 くうううううッ…可愛い!!


 「 そっか。
   じゃ、風邪引くなよ? 」


 「 うんッ! 」


 小さな子のように素直で明るい返事をする結夏。
 か、可愛いッ!!(2回目)


 角を曲がる直前、
 俺は結夏の方を振り向き
 「か・わ・い・い」と口パクで言った。

 意味を分かったのか、
 結夏の顔は真っ赤になった。

 うおおおおおッ、可愛い!!(3回目、馬鹿)


 角を曲がり、数分で着く家に入ると
 俺は自分の部屋に入り携帯をバックから取り出した。


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 Dear:結夏


 今、家に着きました。
 体は大丈夫?
 またヤるんだから、
 体は大事にな!!

 From:啓斗

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 数分後、すぐに返事が返ってきた。


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 Dear:庵蓮くん


 庵蓮くんのエッチ///
 体は大丈夫だよ!
 心配ありがとう(*´∀`*)

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 …可愛い―――ッ!!!!
 何々、この顔文字ッ。
 女の子って感じがするなぁ!
 っていうか、結夏だから可愛いんだよなぁ。



65: 名前:乃愛☆12/18(金) 18:15:49

 結夏Side


「 庵蓮くんのエッチ… 」

 メールを打ち終わった後、
 あたしは携帯に向かって顔を赤くし呟いた。

 でも…、
 “体は大丈夫?”っていう優しさが嬉しかった。


 コンコンッ


 「 ッ!!は、はぁい! 」

 いきなり部屋のドアが鳴りあたしは驚いて
 携帯をバックにしまいこんだ。

 「 結夏ぁ~…、ここ分かんない 」

 前髪を赤いゴムで結び
 ダボッとしたジャージを着て
 あたしの部屋に来たのは、
 今村 結愛imamura yua
 高校1年生のあたしに勉強を教えてもらおうとしている、
 高校3年生の頼りない姉です。


 「 はぁ…何処? 」

 あたしは呆れた顔で溜息をして姉を見た。 
 姉はにっこりと可愛らしい笑みを浮かべた。
 頭悪いってことを言わなかったら…
 すっごく可愛いんだけどなぁ…。


 「 ここ!! 」


 ……え。

 ここって、

 高1で習ったことを基本とする応用問題ってやつじゃあ…
 ないんでしょうか…。


 「 え、何!?
   そんなに難しい問題だった? 」

 姉はいきなりおろおろと動き出し、
 問題集に目をやった。

 「 ここはね…
   Xに4を代入して… 」


 数十分後…

 やっと姉が理解してくれたようだ。


 「 分かったぁ!
   有難う、天才になった気分だよ!! 」


 そう言って、爽やかな笑顔を部屋に残し
 姉は鼻歌を歌いながら出て行った。


66: 名前:乃愛☆12/21(月) 18:50:01

 皆様え*

 更新が遅くなって申し訳ありませんでした!
 色々と忙しく、Pcを開ける時間がありませんでした。
 今後は、しっかりと更新していきたいと思います。


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 啓斗Side


 「 ふぁあああ… 」


 朝。

 俺は目覚ましよりも少し早く目覚めた。
 体を起こすと俺は首を何度かコキコキと鳴らし、
 部屋着のまま、リビングに向かった。


 「 あら、早いのね 」


 朝ごはんのいい匂いを感じていると
 父と俺の弁当を作っている母の姿があった。

 「 お-。何かすっきり目覚めた 」

 「 ん-…、啓早いな 」

 俺が席につくと同時に眠そうな父が来た。
 仕事に行く奴が俺より遅くていいのかよ…。
 普通、ベタなドラマでは母と父が「おはよう」って
 むかえてくれんじゃねぇのかよッ!!


 俺は軽く朝食を済ませると
 母から弁当を貰い家を出た―…


 向かった先は学校…ではなく、結夏の家。


 結夏の家の前につくと、玄関の扉が開いた。
 もしかして、結夏ッ…!?

 …と思った俺は馬鹿だった。

 そこには俺達と同じ格好をした女の人―…
 あ!この人は、今村先輩。
 バスケが上手くて、なによりモテるらしい。

 「 おはようございます、今村先輩 」

 俺はいつもどおりにっこりと微笑んで
 斜め45°のお辞儀をした。

 「 あ、もしかして噂の王子様?!
   え-っと…由美子が言ってた子だよね? 」


 「 はい? 」


 噂の王子様…?
 由美子が言っていた…?

 さっぱり分からない。


 「 えっと、私…結愛! 」

 「 俺は「 庵蓮 啓斗くんでしょ? 」


 フルネームで知られていたとは…
 俺ってもしかして有名人?

 「 もしかして、結夏の彼氏? 」

 「 はッ、はい…!! 」

 俺は顔を赤くしつつも
 いつものキャラを保ちつつ返事をした。


 「 結夏ね、結構…やきもちやさんだから
   多分、啓斗くんと女の子が話してるだけで嫉妬しちゃうかもよ 」


 結愛先輩はくすくすと口に手を当てて
 いかにも女の子らしい!!という笑い方をしていた。


あ…笑うと目が細くなるの結夏と同じだ。
 やっぱり、姉妹なんだなぁ…。

 「 じゃ、あたし朝練あるからこれで 」

 「 あッ、はい。頑張ってください 」

 先輩と別れた後俺は携帯をいじり待っていた。
 するとまた家の扉が開いた―…

 「 ほえッ!?あ、庵蓮くん? 」

 そこには驚いた顔をしている結夏。

 「 おはよ 」

 俺は携帯を閉じてポケットに入れて
 にっこりと微笑んだ。

 「 お、おはよう…
   何で居るの? 」

 「 彼女を待ってて何が悪いんだよ 」

 「 悪くないけど…
   お姫様みたいで恥ずかしいよ 」

 結夏は赤くなっている顔を隠して言った。

 「 い-じゃん、お姫様。
   お迎えに上がりました 」

 「 え~… 」

 「 このじいが責任もって学校までお連れします 」

 俺はにんまりと微笑み手を差し出した。

 「 じいなの?王子様じゃないの? 」

 結夏は首を傾げて問いかけてきた。

 「 ヤダ。かっちょ悪いじゃん 」

 「 じゃ、お姫様もヤダ 」

 結夏は頬を膨らませて首を左右に振った。



67: 名前:乃愛☆12/23(水) 09:03:04

 結夏Side


 お姫様かぁ…。
 隣にいる庵蓮くんを気にせずに
 あたしはにっこりと笑みを浮かべて歩いていた。


 「 ちょ、結夏ッ!! 」

 「 ほえ~? 」

 未だにお姫様のことを考えている
 あたしの腕を引っ張った庵蓮くん。


 「 前見ろ、前ッ 」

 前…?

 焦っている庵蓮くんの顔を見た後に
 前に目を向けると、目の前には電柱。

 「 わわッ! 」

 「 な~にボ-っとしてんの 」

 庵蓮くんはクスッと呆れた顔で微笑むと
 あたしの腕から手を離し、あたしの手へと移動した。

 「 こうしたら大丈夫だよな 」


 繋いだ手を見て庵蓮くんは少し頬を赤くして言った。
 うにゃ~…、これはこれでにやけちゃう。


 手を繋いで歩いていると同じ制服を着た学生の姿がちらほら目に入ってきた。

 学生達はあたし達のことを見て、こそこそと何か話していたり、目が合うとすぐに逸らしてくる。

 何なんだろう…。


 「 結夏あ―ッ!! 」

 背後から名前を呼ばれ、振り向くと…
 そこには親友の高橋 優莉の姿。

 「 優莉い―ッ!! 」

 あたしはさっきまで繋いでいた手を離すと
 優莉に向かって走り出し、抱きついた。


 「 おはよう、結夏ぁ 」

 「 おはよッ、優莉! 」 

 両手を繋いでにっこりと微笑んで
 くるくると回るあたし達。

 すると、いきなり優莉は微笑んだ。

 「 なぁに? 」

 「 いいの? 」

 意味が良く分からないあたしをそっちのけで
 優莉はまだクスクスと微笑んでいる。

 「 彼氏くん 」

 はうッ…!!わ、忘れていたぁ。 
 恐る恐る振り返ると、そこには頬を膨らませて
 ギロリと睨んでいる庵蓮くんの姿。

 「 あわわッ…、
   ごめん!行くね 」

 「 うん、やきもち焼きの彼氏を持つと大変だね~ 」

 あたしは、欠伸をしながら手を振る優莉とわかれると 
 いつの間にか視界から消えてしまった庵蓮くんを急いで探す。


 探しているとき―…
 目の前には大量の女の子。


 「 啓斗く~ん、おはよお!! 」

 「 啓~、遊ぼうよお! 」

 「 啓斗、キスしてぇ 」

 ……まさか。


 庵蓮くん…?


 「 キス?ど-しよっかなぁ 」

 庵蓮くんはたくさんの女子と会話をしながら
 校舎の中に入ってしまった。

 教室に入っても庵蓮くんの人気ぶりはスゴい。
 席は隣だからチャンス!!と思ったあたしが馬鹿だった。

 庵蓮くんファンの皆がわざとなのかは分からないけど、
 じたばたさせる足であたしの机がどんどん庵蓮くんから離れていく。


 キ―ンコ―ンカ―ンコ―ン…


 やがてチャイムが鳴ると女の子達は名残惜しそうに
 自分の教室へと帰っていった。

 ほ…、やっとかぁ。





68: 名前:乃愛☆12/25(金) 09:10:19

 啓斗Side


 ふはは…相当困っているようだな、結夏。
 俺のドSスイッチが入っちまう顔だな、おい。

 ちょ-っと裏の顔を止めて、
 表の顔でクラッとさせてやるか。


 俺は筆箱から消しゴムを取り出し、
 結夏のほうにこっそりと投げた。


 「 すみません、今村さん 」

 「 …え? 」


 結夏は俺の顔と口調にかなり驚いている様子。
 そりゃそ-だよな。
 最初、俺が結夏に片思いしているときは
 結夏を見るため、照れないで見るために、睨んでいた。
 そして、付き合ったらドSな俺が発覚して、
 今は、こんな王子様キャラだ。


 「 今村さんの足元に消しゴムが落ちてしまったんですが…
 拾ってもらえますか? 」


 俺は首を傾げてにっこりと微笑んだ。
 これで落ちない女はいないッ…!
 結夏の顔を見ると……
 頬を赤くもしていないし、無表情だ。


 「 お願いします 」

 また俺はにっこりと王子様スマイルを結夏に向けた。
 すると、結夏は黙って自分の足元にあった消しゴムを拾った。 

 「 …はい 」


 何だ…
 何でこんな微妙な反応なんだ?


 「 有難う 」


 とりあえず俺は極上の笑みを浮かべてお礼を言い、
 結夏の手から消しゴムを取ろうとした。

 ハッ…!

 そうだ、消しゴムを取るときに手に触れてみよう…!


69: 名前:乃愛☆12/25(金) 18:37:12

 結夏Side


 庵蓮くんの笑顔にドキドキしない…。 

 あたしはそう思いながら庵蓮くんに消しゴムを差し出した。
 すると、庵蓮くんの手はわざとらしくあたしの手に触れた。


 あたしは何も言わずに、手を戻すと本来宿題であったプリントを机から取り出し、やり始めた。


 素直じゃないあたし……
 本当だったら甘えちゃうのに、
 庵蓮くんが女の子に囲まれてたところを見ちゃったからってすぐにいじけちゃう。
 こうゆう反応したら庵蓮くんが気にかけてくれる…って
 あたし悪いことばっかり考えちゃう。


 「 はぁ… 」


 と深い溜息をしていると、
 四つ折にされた小さな紙が隣から投げられた。

 隣を見ると庵蓮くんは無表情。

 あたしはカサカサと音を立てて中を開く。


 ---------------------------

 おい、お前なんか怒ってる?
 怒ってるなら謝る、ごめんな。


 ---------------------------


 手紙の内容を見てあたしはまた庵蓮くんの方を見る。
 庵蓮くんは申し訳無さそうにあたしを見ている。

 あたしが悪いのに…
 あたしが1人でいじけてるのに…
 どうして…?
 どうしてそんなに優しくするの…?


 あたしはすぐにその紙に内容を書き込んだ。


 --------------------------------

 おい、お前なんか怒ってる?
 怒ってるなら謝る、ごめんな。

 違うよ、怒ってないよ?
 誤解させちゃってごめんね。

 ---------------------------------

 内容を書き上げると、あたしは紙を四つ折りにして
 庵蓮くんの机の上に投げた。

 眠たかったのか、庵蓮くんは丸くなっていた体を起こして
 目を擦りながら四つ折になった紙を開いた。

 中を見た庵蓮くんはにっこりとあたしに笑みを浮かべて、
 その紙にまた何か書き始めた。

 そして、書き終わったのか庵蓮くんはその紙を折りたたみ
 あたしに投げて渡してきた。
 あたしはすぐに開いて内容を見た。


 --------------------------------

 おい、お前なんか怒ってる?
 怒ってるんなら謝る、ごめんな。

 違うよ、怒ってないよ?
 誤解させちゃってごめんね。

 まじで怒ってない?
 じゃ-、今から俺とヤる?


 -----------------------------


 ボボボッ…!!
 一気に顔が赤くなるのが分かる。
 何で手紙なのにこんなの書けるの!?

 顔を隠して手の間から庵蓮くんを見ると
 にんまりと悪魔の笑みを浮かべていた。

 ドS……

 あたしは心の中で庵蓮くんを見ながら何度呟いた。


70: 名前:乃愛☆12/26(土) 18:34:10

 啓斗Side


 「 あ-あ、ゆでだこちゃんになったな 」

 くすくすと俺は笑うと結夏の頭をくしゃくしゃと撫でた。
 頭を撫でられただけでこいつの顔はすぐに赤くなる。

 面白れぇ…。


 「 庵蓮くんのせいじゃん… 」


 結夏は頬をぷぅと膨らませてぼそっと呟いた。

 「 俺のせい?何でかな、結夏ちゃん 」

 俺は何も言わせないぞ、という微笑みを結夏に向けた。

 「 だ、え…「 ちょっとおおお!! 」

 結夏が何か言おうとしているとき、
 誰かが間に入ってきた。

 チッ…


 こっちはいじめてんのに邪魔すんなよ。

 そう思いつつも俺はにっこりと微笑んだまま
 入り込んできた奴を見た。


 「 ね-、今さぁ…啓斗くん今村さんのこと…
   “結夏”って呼ばなかった? 」


 あ゛…


 ちくしょ、聞かれたか。


 一番聞かれたくないことを聞いた奴。
 相川 蕾。結構ギャルっぽい女だ。

 「 何のことかな? 」

 俺はとりあえず極上の笑みで誤魔化そうと判断した。
 すると、相川は一瞬頬を赤く染めるとすぐに俺を睨んできた。

 「 騙されへんよッ!うちの耳は地獄耳なんやから!! 」

 ガ―ン……


 こうゆう奴、俺嫌い。


71: 名前:乃愛☆12/27(日) 20:14:42

 結夏Side


 相川さん……だっけ??

 あたし、こうゆうギャル…?っぽい女の子とは
 気が合わないって言うか、馬鹿にされると言うか…
 だから、ちょっと苦手なんだけど……。

 そう思いつつあたしは庵蓮くんの方を
 チラリと横目で見た。

 “やべぇ…”って顔を露にしている。
 あたしのこと『結夏』って呼ぶのはバレたくないのかな?
 でも、あんなドSな庵蓮くんがおどおどしているって言うのは、よほどのことだよね…。

 ここはあたしがサポートしてあげないとッ!!


 「 あッ、あのね!相川さん!! 」

 「 いややなぁ~、相川さんだなんて…
   壁を感じるやん!蕾でえ―よ 」

 あ゛…う…。
 この際呼び方なんて関係ないじゃんッ。

 「 つ、蕾さんッ。
   あの…あたしと庵蓮くんはただの席が隣ってだけだよ!! 」


 ……し―ん……


 え。


 教室中が静まり返る。
 そして女子の目がキランと光ったのをあたしはしっかりと見た。

 時計の音だけが鳴る中…
 蕾さんは1人吹き出した。


 「 ぶ…あははははッ!!!
   やぁ~だ、もう!今村さんて超うけるんやけど!! 」

 蕾さんがヒィヒィとお腹を抱えてあたしを見ている姿を見て、また教室はいつも通りにぎやかになった。


 え…え…?
 あたし、何か言った?

 庵蓮くんを見ると、少し悲しそうな顔―…


 「 庵「 あれ?啓斗、どしたン? 」

 あたしの言葉をさえぎって蕾さんは庵蓮くんに問いかけた。
 庵蓮くんは苦笑いをすると、

 「 ちょっとだりぃかも… 」

 そう言って席を立った。

 「 待っ「 待ちッ!!うちも行くわ 」

 また…さえぎられた。
 あたしははぁと深い溜息をして、
 立ち上がった2人の姿を見た。


 ―え…?

 目の前には信じられない光景。

 庵蓮くんの腕に自分の腕を絡めている蕾さん。
 そして、その蕾さんの顔……

 “勝った”とでも言いそうな勝ち誇った顔。
 にっこりと嬉しそうに微笑む顔。


 一体……何なの。

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最終更新:2010年11月01日 19:19
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