365日. 続き1

24: 名前:海☆08/07(土) 10:51:11




「も…ありえない……」





どこを探しても、見つからない白クマ。

優太君は覚えてないかもしれない。




けど、あたしには優太君とあたしを繋いでくれる

お守りなんだ。

だから、どうしても…




あたしは携帯を握りしめて、

しゃがみ込み涙をこぼした。




「優太君っ………」





そう一言、

恋しき人の名を呼びながら。









25: 名前:海☆08/07(土) 10:54:49







「は?お前…なんで泣いてんの?」



…あ、

この声。





「優太君……?」




いつもは一番会いたくて、

今は一番会いたくない人の姿があった。









26: 名前:海☆08/07(土) 11:03:14

「ん…何も……」



言えない…というよりは、

言いたくないに近かった。




「なんで目ぇ、見ねぇんだよ」




その問いには、黙り込んでしまった。

そんな、あたしを見て

優太君は自分の自転車を置き、鞄から何かをとりだした。





「これ…お前の?てか覚えてる?」


「あ…それっ…」



優太君の手には、あの白いクマの人形。




「昨日ここで拾った。

見覚えあったんだけど…俺があげた奴だよなぁ、昔」








27: 名前:海☆08/07(土) 11:30:32



見つかったのもあったけど、

何より嬉しかったのは優太君が覚えててくれたことだった。




「見つけてくれて、ありがとう……!」




さっきの涙は何だったんだ、

てくらい、思いっきり笑顔でお礼を言った。




「あー…もうダメだわ。限界」



そう言ったと同時に、あたしの肩に優太君の頭が

のったのが分かった。



「えっ?」


と、あたしが言った。

そうすると優太君がボソッと、あたしの耳元で呟いた。







31: 名前:海☆08/07(土) 18:35:38



「俺…お前ん事、好きだよ」




優太君が小さい声で呟いた。

一度心の中で整理して、今言われた言葉を再生した。





「はへっ?…あ、たし?」




朝から今日も晴れ晴れしていた空。

あたしの頬の熱が上昇してるのが分かった。





「ん、そう」








32: 名前:海☆08/07(土) 18:42:58



優太君は、ポッケに突っ込んでいた手を

あたしの肩にまわした。





「俺と付き合えば?」





しーんと沈黙が続いた。

返答がない、あたしを見て優太君はゆっくり離れて





「……聞いてる?」




そう言い、あたしの顔を覗き込んだ。




「ん……き、聞いてるっ」





嬉しさと、ありえなさが交差して

自然と涙が頬に伝っていた。









33: 名前:海☆08/07(土) 18:52:06





「えっ……や、泣かせるつもりはなかったんだが…」





優太君はあたしの意外な反応を見て驚いていた。

『困らせた』と思うと更に涙が頬を伝った。

そんな、あたしに優太君は笑った。





「ふ……お前のそういう所、可愛いよ」





あたしの頭に手をのせ、

髪をクシャクシャにした。

そして、優太君の表情が真剣になった。






「俺と……付き合ってくれる?」





一度言われても嬉しいのに、

そんな言葉を二度も言われ頭は混乱状態だった。










34: 名前:海☆08/07(土) 18:59:22



あたしは言葉をだしたら

今よりもっと泣いてしまいそうだったので、

頭をこくこくさせ、頷いた。




そして勇気を振り絞って長年言えなかった言葉を言った。






「あたしっ……優太君が好きです!!」





ずっと伝えたくて、けど言えなくて、

365日、

730日、

ずっと言えなかった言葉を伝えた瞬間が今。






『あなたが、好きなんです』









38: 名前:海☆08/08(日) 14:04:54






優太君は、ニッコリ笑った。

あたしの言葉で笑ってくれた事は、何度もあったのに



今が一番、嬉しかった。





「ありがと。じゃ今日から彼カノな」




そう言い、

あたしの頭をポンポンと軽く叩いて優太君は行っていしまった。




夢みたい…そう思ったことなんてなかったのに、

今本当に、そう思ってしまう。





あたしは、その場でへナッと地面に座り込んだ。










39: 名前:海☆08/08(日) 14:57:24






その日は、一日中ポケーとしながら過ごしていた。




「……桃さ、今日なんか良い事あった?」





いつの間にか、昼休みになっていた。

藍はメロンパンを口に方張りながら言った。





「ふうっ!?ぜっ全然!!」




思わず飲んでいた、苺ミルクを吹きだしそうになった。

そんな、あたしの反応を見て藍は




「……あったんだ」




見透かしたような表情であたしを見つめた。

そんな藍に、あたしは負け今日あった事を全部話した。








40: 名前:海☆08/08(日) 15:09:48



「――んで…付き合うことに……なった」




とゴニョゴニョと言った。

藍の表情をうかがおうと下げていた顔をあげると





「ほんとに!?よかったじゃんかぁ!」






そう言い、あたしに抱きついてきた。

自分の幸せじゃないのに、

同じくらい喜んでくれる藍を見て凄いなと思った。



藍は自分の手を広げて前に出し




「ほらっハイタッチ!!」





そして、あたしと藍はパンとハイタッチをした。










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最終更新:2010年11月18日 16:55
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