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「 俺だけのプリンセス 」 続き8


143: 名前:乃愛☆02/07(日) 12:08:38

 結夏Side

 「 ただいま…… 」

 静かな家に声をかけて、あたしは自分の部屋に向かう。
 階段をのぼるとお姉ちゃんがいた。

 「 お~、おかえりッ!
   デートはどうだった? 」

 何も知らないお姉ちゃんのこのテンションの高さは苦しいよ…。
 あたしは、お姉ちゃんの返事にも答えずに
 足元だけを見つめて、目に涙を溜めていた。

 「 …結夏? 」

 やっとあたしのテンションがいつもと違うのに気づいた
 お姉ちゃんはあたしの顔を覗くように見てきた。

 そして、何も聞かずに゛荷物置いて部屋においで゛と
 いつもより優しい口調で話しかけてきてくれた。

 あたしはコクンと小さく頷き、
 自分の部屋に入り荷物をベットの上に置いた。


 ゛コンコン゛

 軽くノックをして、゛お姉ちゃん…゛と
 弱々しく名前を呼ぶ。

 「 どーぞ 」

 ドア越しから聞こえるお姉ちゃんの声。

 あたしはドアノブをゆっくりとひねり、
 音を立てずにドアを開けて、 
 お姉ちゃんの部屋へと入った。

 お姉ちゃんの部屋は黒とピンクで統一されていて、
 いわゆる…ギャル系部屋だった。

 「 好きなところに座って 」

 ゛ジュースとってくるから゛、
 そう言うとお姉ちゃんはあたしを部屋に残し
 部屋から出て階段を降り、リビングに向かってしまった。
 あたしは、目の前にあったベットに座った。


 「 オレンジジュースでいいよね? 」

 数分後、オレンジジュースが入ったグラスを2つと、
 何故だかチョコやらスナック菓子を持ってきたお姉ちゃんが戻ってきた。

 お姉ちゃんは折りたたみ式のもちろん黒の机を
 ベットの前に出し、そこに持ってきた物を置いた。

 そして、黙っているあたしの隣に座った。


 「 …どした? 」

 お姉ちゃんを見ると、優しい顔をしている。
 目が合うとにっこりと微笑んでくれた。

 「 今日ね、服屋さんに行ったんだけど…… 」

 あたしは今日起こったすべてのことを話した。
 途中、お姉ちゃんは微笑んだり、頷いたり、
 唸ったり、眉間に皺を寄せたり…。

 色々な反応をしてくれたけど、
 最後は何故かあたしの頭を撫でてくれた。

 そして、何度か頷くと。

 「 辛かったね 」

 そう言ってくれた。

 我慢していた糸がプチッと切れたように
 あたしは声を出して泣いてしまった。

 「 うッ、ああああ…! 」

 お姉ちゃんはあたしを抱きしめて、
 背中をポンポンと一定のリズムで叩くように撫でてくれた。

 「 ひっ…う……ッ… 」


 少し経って、あたしが落ち着いたのに気づいた
 お姉ちゃんはあたしから体を離した。

 「 結夏はどうしたい? 」

 …どう、する…?

 「 どうしたい…って? 」

 あたしは潤んだ瞳でお姉ちゃんを見つめながら、首を傾げた。

 「 その女の人と戦いたい、とか… 」

 戦う…?

 そんなこと、考えてもなかった。

 「 無理だよ「 どうして? 」

 あたしの言葉を遮るようにお姉ちゃんは言う。
 その目は誰よりも真っ直ぐで真剣な目―……。

 「 まだその人が啓斗くんを好きだなんて分かんないじゃん 」

 確かに……。

 でも…。


 「 でも、゛啓斗はあたしのものよ゛…って 」

 お姉ちゃんはまたう~んと唸り声を出しながら
 腕を組み眉間に皺を寄せた。

 あたしは何故かその姿に安心してしまったんだ。


146: 名前:乃愛☆02/07(日) 20:26:22

 でぃあ*ばにらさま

 わぁ!楽しいって…嬉しい★笑
 文章力、そうです…ヤバいほど下手くそです;;
 上手すぎって言葉を乃愛に渡すなんて罪ですょ←


 でぃあ*乃愛☆さま

 啓「 いいの?じゃあ…食べてもいい? 」

 あ~、もう啓斗その気になっちゃったじゃないですかぁ((汗
 …あ、結夏が睨んでますよ。

 本当にウザいですよねえ!
 書いてても鬱陶しい!笑

 結「 うん、頑張る!有難う、乃愛ちゃん。
    …でも、啓斗くんはあたしのだよ? 」

 ----------------------------------------------------


 こんなに一生懸命考えてくれるお姉ちゃんなんて、存在するんだね……。


 あたしは心の中が温かくなったのに気づきつつ、
 さっきまであたしの背中を撫でていてくれたお姉ちゃんの手を優しく握り締めた。

 「 お姉ちゃん 」

 「 ん? 」

 少しの沈黙。

 ちょっと、言い出す勇気がないかな…?
 でも…、ここで言わなきゃいつ言うの?

 あたしは自分自身に問いかけて、
 もう一度勇気を出した。


 「 戦う… 」

 「 え? 」

 首を傾げるお姉ちゃんの目を見て、
 あたしは誓うようにもう一度言った。

 「 あの人と、戦う! 」

 「 結夏… 」


 思わずベットから立ち上がったあたしを
 優しく微笑んで見てくれたお姉ちゃんのことは言うまでもない。


 勇気を出した後って、こんなに清々しいんだね。 
 何だか、運動して汗をかいた後みたいだね……。


 お姉ちゃんに誓った後、あたしは自分の部屋に戻った。
 ベットに寝転がると、目を瞑り、布団の中にもぐった。


 ―


 ピチチ…チチ…



 「 ん… 」

 あ…れ?気づけばもう朝。
 あのまま、寝ちゃってたんだ。

 昨日、色々と話して疲れたんだよね?

 昨日……誓ったんだ、お姉ちゃんに。
 だから変わるよ、あたし。

 内気で何も言えないあたしから、
 啓斗くんのために頑張るあたしに……。




150: 名前:乃愛☆02/09(火) 19:22:19

 でぃあ*憂緋さま

 あげ有難うございますッ!
 一気読みお疲れ様でした笑

 啓「 俺も憂緋に惚れそう! 
    …結夏の方が愛してるけどな 」

 でぃあ*あげさま

 あげ有難うございます!!

 でぃあ*優さま

 初コメ有難うございますッ!
 切ないですか?
 これから一気にテンションを上げれるように頑張ります。

 ----------------------------------------------------

 啓斗Side


 結夏との貴重なデートが終わって次の日。
 俺は携帯電話と格闘していた。

 うーむ…。
 結夏にメールした方がいいのか?

 数十分後、色々考えた末……
 結夏にメールすることを決心した。


 ………。


 内容が思いつかねぇ!
 はぁ…、まじで俺大丈夫か?


 --------------------------

 to:結夏

 よ。俺だ。
 昨日はさんきゅーな。
 買った服、着てみたか?

 --------------------------

 …これ、どうでも良い内容じゃね?
 送信した後、気づいた俺。

 ま、あの優しい結夏ならナイスフォローしてくれるだろ。

 安心した俺は携帯をベットに軽く投げて、
 そこに自分も飛び込むように乗った。

 はぁ…、暇だな。


 む。

 携帯が点滅してる、結夏か!?

 俺のテンションが一気に上がり、
 投げた携帯をバッと両手で掴んだ。

 携帯を急いで開き、宛先を見る。
 そこには゛海優゛の二文字。

 海優か……。
 俺は少し残念な気持ちを抑えて内容を見た。

 な、あいつ…。

 内容を見た俺は声が出なかった。
 そこには信じられない内容が書かれていた。



152: 名前:乃愛☆02/10(水) 19:33:11

 でぃあ*みきさま

 最高!!の2文字嬉しいです(☆*'3`b)b☆~゜☆ 

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 啓斗Side


 俺は携帯を閉じて目を瞑り心を落ち着かせた。
 そして、寝ていた体を起こし立ち上がった。

 携帯と財布をジーパンのポッケに入れて、
 俺は部屋から出て、母さんに「出かけてくる」と告げて家を後にした―…


 ―


 数分後。


 「 啓~斗ッ 」

 甲高い女の声。

 「 海優…… 」

 そこにいたのは服屋の店員、海優だった。
 結夏とあの服屋に行き、海優に会ったときは驚いた。

 海優とは結夏と付き合う前に一時的に遊んだ女だから。
 最後は微妙な感じで別れたけど、そこ後もちょくちょくメールとかはしていた。

 そんな海優とあんなところで会うなんて―…

 「 ん~、そんな顔しないでッ 」

 キッと鋭く睨んだのも交わされて
 俺の手を引いて歩き出す海優。

 少し歩いて着いた先はラブホテル。
 こんなところに何のようだ?

 ホテルの中に入ると、そこにはすでに
 いちゃついている男女の姿。

 海優は慣れたようにホテルの鍵を受付から貰い
 エレベーターの中へと進んだ。

 本当だったら逃げ出したい…。
 でも、逃げ出したりしたら……。


 逃げ出したい、という気持ちを抑えて
 今は海優の指示通り動くことしか出来ないのか。


 「 ここ 」

 にっこりと微笑む海優が指差した場所に俺は黙って入る。
 カチャ…とドアが閉まり鍵が閉まる音。

 ふわっと甘い香りと同時に俺の腰周りに細く白い腕が絡みつく。
 ただ抱きついてきたと思った俺が馬鹿だった。

 海優の手は俺のジーパンのチャックを開けて
 なぞるようにジーパンの上から俺のものを触りだした。

 「 っく… 」

 いきなりの行動に俺の体はビクンッと動く。

 「 ふふ…感じてる? 」

 楽しんでいるような海優の声。
 目的は、こうゆうことか…。

 結夏のためなら俺は何でも出来る。
 頭にはそれだけしか入っていない。

 それを確信した俺は海優の手を強く握り、
 ピンクのベットに放り投げるように乗せて、
 乱暴に服を脱がせた。

 これは感情も何もない。
 ただ……ただの゛触れ合い゛だ。



153: 名前:乃愛☆02/11(木) 18:10:41

 結夏Side


 ピピピピッ


 「 ん? 」

 部屋に1人でいると、携帯が鳴った。
 携帯を開くとメールの表示。

 あたしは受信箱を開き内容を見た。

 -------------------------

 to:結夏

 よ。俺だ。
 昨日はさんきゅーな。
 買った服、着てみたか?

 ----------------------

 あんまり長くない、啓斗くんからのメール。
 それでもそこから愛を感じるよ……?

 あたしは携帯に、にっこりと笑みを見せると
 すぐに啓斗くん宛てにメールを送った。

 ---------------------

 to:啓斗くん

 結夏ですッ。
 昨日はお洋服有難う!
 とっても気に入りました!
 次のデートの時に着て行くね。

 ----------------------------

 メールを送った後、あたしの顔は真っ赤になった。
 ……次のデートって何!?

 あたし、また啓斗くんとデートするって勝手に決め付けちゃってるし。
 こんなんじゃ絶対、啓斗くんに引かれるよぅ…。

 少しずつ上がったテンションが一気に下がる。

 どうか啓斗くんに嫌われませんように。
 何故だかあたしは目を閉じて誰かにお願いしていた。








154: 名前:乃愛☆02/11(木) 18:33:22

 啓斗Side


 「 んあッ、あ…ああッ!! 」

 ビクンッと大きく跳ねた海優の体。
 ただ胸を揉み、あそこを舐めているだけなのに。

 俺の心は何故だか冷めていた。
 海優が声を出すたびにどんどんと…。


 「 はぁ…は…あン! 」

 イッたばかりの体をいじり続ける俺に向かって
 海優はにこっと微笑み、

 「 昔よりッ…あん!上手くっ…なったじゃなぁッ! 」

 正直、そうゆう上から目線がウザかった。
 俺は゛喋る余裕があったんだ゛とでも言うような
 目をして海優を見つめて、さらに動かしていたものを早めた。

 それと同時に海優の声も大きくなる。 
 海優が何回かイクのを確認すると、
 俺は休む暇なく自分のものを勢いよく突っ込んだ。

 「 はああんッ! 」

 あまり締まりがない海優の中。
 体は満たされてるのかもしれないが、
 俺の心は満たされてない。

 結夏に触れてぇよ……。

 結夏を考えたとたんに俺の体は熱くなった。
 目の前にいる色っぽい声を出しているのが結夏に見えてきた。

 その瞬間、俺はブッ壊れた。

 海優の体も考えず奥へ奥へと自分のものを入れる。
 次第に頭の中で感じている結夏の姿が思い浮かんできた。

 海優の太ももを強いくらいにがっしりと掴み、
 子宮に当たるまで突っ込む。

 最初は気持ちがっていた海優の顔がだんだんと曇ってきた。

 「 い、あッ!や…やあ! 」

 苦しい顔をした海優。
 俺の胸元をどんどんと強く叩いてくる。
 どうやら抜いてほしいようだ。

 俺は動きを止めて海優の顔を見た。

 お腹を抱えて、目からは涙。

 「 …たいよ… 」

 聞き取れなかった海優の声。

 「 痛いっつってんだよ!! 」

 バンッと枕を投げつけてきた海優。
 枕を退けて海優を見ると、鬼のような顔。

 「 …お前だって結夏にこんぐれぇのことさせようとしただろ? 」

 「 っ…! 」

 海優の顔が曇る。

 そう…。
 こいつは男友達に頼んで、
 結夏に゛痛いぐらいのSEXをしろ゛と命令したんだ。
 海優は俺宛にこんなメールを送ってきた。

 ゛啓斗へ

 明日、午後5時にあなたの彼女を
 あたしの男友達に犯させようと思うの。
 気持ちいって思わせるんじゃないわよ?
 痛い…苦しいくらいの痛みを感じさせようと思うの。
 もし、それが嫌って言うなら。
 今から○×店の前に待ち合わせね。

                 海優゛

 「 結夏にこんなことしたら…
   女だからって容赦しねぇ 」

 今までに無いくらいの低い声を出し
 俺は、ラブホテルを後にした―…。



155: 名前:乃愛☆02/13(土) 18:25:42

  結夏Side


 「 ん、んん…… 」

 ゆがんでいる天井。
 あたしは目を擦りあたりを見渡した。

 あ…寝てたんだぁ。

 あたしは寝ていたからだをゆっくりと起こして、
 机の上に置いてあった携帯を何気なく見た。

 光ってる―…

 もしかしてっ…!
 どんどんと期待が膨らむ中あたしは携帯を手に取った。

 着信1件。

 慌てて着信履歴を確かめて誰から来たのかを調べる。

 ゛雄輔゛

 …なんだ。
 ヒドいよ、雄輔くん。
 あたし…啓斗くんだと思ったのに。

 ちょっと頬を膨らめたあたしは雄輔くんの
 携帯電話に電話をした。

 2回ほどのコールが続くと雄輔くんの声が聞こえた。

 「 もしもし、雄輔くん? 」

 《 おお、わりぃな電話して 》

 「 ううん、全然大丈夫だよ! 」

 嘘。


 全然大丈夫なんかじゃないよ。
 もう…啓斗くんに会いたい、会いたいよ―…

 寂しい気持ちを堪えて、あたしは明るく振舞った。

 《 お前、これから暇? 》

 時計を見ると、PM5:00。
 今日は特に予定はなかった。

 「 うん、超暇してるよー 」

 《 そか。…… 》

 短い雄輔くんの返事。
 そして、少しの沈黙。

 この沈黙を破ったのは雄輔くんだった。

 《 …じゃ、今から執事喫茶来れない?
   あの、俺のバイト先の 》

 執事喫茶…?

 「 うん、分かった!じゃ、今から行くね! 」

 携帯を閉じたとたんに深い溜息が出た。
 こうゆうとき、誰かに会いたいとき…みんなはどうしてるのかな?
 我慢してるのかな? 
 他のことをして忘れるのかな?

 色々なことを考えながらあたしは家を出た―…


 ―

 「「「 お帰りなさいませ、お嬢様 」」」


 きゃあああッ。
 2回目になっても慣れない!
 この…゛お嬢様゛ってやつ。

 「 もしかして、結夏お嬢様? 」

 いきなり声をかけてきた金髪で王子様みたいな人。
 な、な…なんであたしの名前を知ってるの?
 よし!何か怖いから嘘ついちゃおう!

 「 え、あ…はい 」

 馬鹿正直なあたしは違う選択も考えたのに、
 正しい選択をしてしまった。


 「 やっぱり!話どおり可愛い 」

 にっこりと微笑む金髪男。
 わぁ…本物の王子様みたい…。

 「 あ、俺…空海! 」

 すっと手を差し出してくる空海。
 あ…握手かな?

 あたしは差し出している空海の手を握ろうと手を差し出した。
 すると、空海は自分の手を下にして
 何故だか立膝をついてあたしを見上げた。

 え…?


 ちゅっ、と触れるだけの優しい唇の感触が手のひらに伝わった。

 ええええ!?


 な、え、あ…ええ!?

 いきなりされたことに動揺しているあたし。
 こ、言葉も何も出ませんっ!

 「 いて 」

 あたしを見上げていた空海の顔は曇った。
 ふと、空海から目線を外すとそこには大きな男の人。

 うわぁ…この人は大人っぽいなぁ。

 「 このクソ執事がすみません、お嬢様 」

 やけに゛クソ゛を強調させて、空海を睨みつける人。
 空海から目線を外しあたしににっこりと綺麗な笑みを浮かべる。

 「 え、や…あ… 」

 せっかくにっこりと笑ってくれてるのに
 あたしは何が何だか分からないから笑えないっ!

 「 私は、海斗と申します。以後お見知りおきを… 」

 …本物の執事さんみたい。
 いや、本物の執事を見たことはないけどね。
 あたしの想像の中の執事と100%かぶってる!



158: 名前:乃愛☆02/17(水) 21:02:02

  でぃあ*まこさま

 面白いですかッ?有難う!
 結「 そ、そんなことないですよぅ… 」

 でぃあ*乃愛☆さま

 そですねー、啓斗めちゃくちゃ結夏のこと愛してますし。
 さすが、乃愛☆さまッ!大人ですねぇ←


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 「 あ、雄輔ならまだなので…
   良かったらこちらのソファにお座りになってください 」

 海斗はにっこりと微笑み、あたしの背中にそっと触れて
 ソファまで案内してくれた。

 「 飲み物、何にする? 」

 座ったあたしの背後から、首だけを出し
 にこっと子供のような笑みを見せたのは空海。

 「 えとー… 」

 恥ずかしくて言えない…。
 お金を持ってきてない、だなんて。

 色々と考えてたから…お財布何て頭では持っていたつもりだったんだけど。
 お店の前に着いたら思い出したんだけどなぁ。

 誤魔化すように引きつった笑みを2人に見せた。
 2人はきょとんと目を丸くして首を傾げた。


 「 大丈夫、サービスですから 」

 どきっ…。

 耳元でぼそっと囁く海斗。
 低くて、でも…甘い声。

 あたしは啓斗くん一筋だけど…思わずドキッとしてしまった。

 「 そ、そかぁ… 」

 多分赤くなった顔をあたしは俯かせた。

 「 何々~? 」

 「 何でもないよ 」

 興味津々といった顔つきであたしと海斗をじぃと見つめる空海。
 大人だなぁ…海斗さん。



 サービスのオレンジジュースを飲みながら、
 これもサービスなのか分からないお菓子も出てきて、
 それを食べながらの海斗さんと空海さんとの他愛のないお喋り。

 「 空ちゃ~ん、海くぅ~ん! 」

 空ちゃん?海くん?
 ぶりっ子と言って良いくらいの声に反応してしまうあたし。
 ふと空海さんと海斗さんを見ると、少し困った顔。

 「 麗さん! 」

 さっきとは違って作り笑顔に見える2人の顔。
 ゛麗さん゛と呼ばれる女の人の方に視線を向けた。

 「 え…… 」

 「 あ…… 」

 あまりの展開についていけない。
 だって、目の前には……


 「 盤常さん!? 」

 「 今村さん!? 」

 盤常さんがいたのだから…。
 え、ちょっと待って、本物?

 「 2人はお知り合いなんですか? 」

 状況についていけないあたしに問いかけてくる海斗。
 ただ、あたしはこくんと頷く。

 「 そう、クラスメート! 」

 きゃははっと大きな声を出して笑いながら盤常さんはあたしが飲んでいたオレンジジュースを手に取り飲み干す。

 「 へぇ…こんな偶然ってあるんだぁ 」

 にへらっと緩く笑う空海。
 そんな空海の笑みを見て盤常さんは頬を赤くして、
 ぎゅっと空海に飛びついた。

 「 …て言うかぁ、今村さんってこんなところくる人だっけ? 」

 空海に抱きついたまま、ふふっと不敵な笑みを浮かべる盤常さん。

 「 ち、違っ…! 」

 こんなんじゃ、絶対勘違いされる!
 …って言うか、学校行けなくなっちゃう!

 「 ち~がうよ、俺が呼んだの 」

 ふわっと爽やかな香りと共に
 覚えのある独特な声があたしを包む。

 「 な?結夏 」

 やっぱり…、雄輔くんだ。
 何故だかほっと安心する。

 「 えええええええ!? 」

 お店中に広がる盤常さんの大きな声。

 「 ちょ、え、ま…ええ!? 」

 明らかに理解出来ていない様子。
 まぁ、ね……。こんな言い方じゃ絶対勘違いされるよね。

 「 え、だ…だって今村さんて啓斗と付き合ってるでしょ? 」

 やっと落ち着いた盤常さんはあたしに疑いの目を向ける。
 そんな盤常さんからあたしを守るように雄輔くんは後ろからあたしを抱きしめる。

 「 そ。でも…俺の片思い 」

 にこっと優しい笑みを浮かべる雄輔くん。

 「 え~、今村さん…正直言ってそんなに可愛くないじゃん?それなのにぃ…何でそんなにモテるのぉ? 」

 それって…嫌味ですか?
 っていうか…可愛くないとか知ってますけど!?


159: 名前:乃愛☆02/18(木) 18:18:02

 「 そんなことないですよ、結夏様はとても可愛らしいです 」

 隣にいた、海斗があたしを見てにこっと微笑むと
 盤常さんにすぐに顔を向けた。

 か、可愛らしい……。

 「 そーそー。俺のタイプだもん、結夏ちゃん 」

 にかっと子供のような笑みで話す空海を海斗はキッと睨みつけた。

 「 ちゃんじゃないだろ、空海 」

 「 …へい 」

 しゅんと小さく縮こまる空海。
 何だか…小さい子みたいで、可愛い。

 「 ちょ、お前等っ…! 」

 明らかに動揺している雄輔くん。
 何でか分からないけど、大丈夫かな?

 「 俺の結夏に手ぇ出すなよっ! 」

 ぷう、と頬を膨らめて2人を睨む雄輔くん。
 2人は申し訳無さそうに苦笑いをした。

 ……はい?

 俺の…?


 …………?


 「 ね、今のどうゆう意味? 」

 首を傾げて雄輔くんを見つめた。
 雄輔くんの顔は真っ赤で、腕で顔を隠していた。

 「 な、何でもねぇっ! 」

 そう言われて突き放された。
 あたし…何か怒らせるようなことしたかな?

 「 ってゆーかぁ、今村さんって…SEX好きなの? 」

 いきなり話に入ってきた盤常さん。
 セ…セックスって…ちょ、ええ!?

 「 な、え…?…何で!? 」

 動揺と恥ずかしさで顔が真っ赤になっていくのが分かる。

 「 え~?だって、SEX好きだから啓斗と付き合ってるんでしょお? 」

 きょとんとした丸い目であたしを見つめる盤常さん。
 何で普通の顔で゛SEX゛とか言える訳!?

 「 ち、違っ…! 」

 「 あ、いいよぉ?別に、無理に嘘つかなくっても 」

 へらっと笑う盤常さん。
 勝手に解釈しないで下さい!

 「 だって、あたしもだもん 」

 え……?

 いきなり放たれた言葉に何故だか体がピタッと止まった。
 ゛あたし゛…も?

 「 今村さんが見たあたしと啓斗とのSEXも…
   ただ、あたしがヤりたかっただ~け 」

 ゛別に恋愛感情もないよ゛と真顔で付け加える盤常さん。

 「 だってぇ、女だって欲求不満なときあってもおかしくないでしょ? 」

 ペラペラと何か話す盤常さんの口。
 あたしはその口をただ黙ってみていることしか出来なかった。

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最終更新:2010年12月12日 13:08
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