31: 名前:マロン☆09/26(土) 21:52:32
ある日私が、いつも通り教室に入るといきなり神崎さんの足に突っかかり私は転んだ。
「痛ッ……」私が膝を見ると膝には血がにじみ出ていた。
そんな私を見て、神崎さんは、「朝からど派手に転んだねェ?大丈夫ゥ?」とわざとらしく声をかけてきた
転ばせてきたのはそっちなのに…!!私は、その時始めて人を睨んだ。今まで何を言われても笑って過ごしていたけどこの日だけは違った
この日だけは、いろいろな人を憎み恨み睨んだ
私が睨んだのを見て神崎さんは、私の前髪を強くつかみ上へと上げていった
「痛いッ!!…離…して…よ」前髪を掴まれた私は痛くてたまらなかった
「痛い?私の心だってこれ以上に痛かったのよッッ!!」と私に怒りをぶつけてくる神崎さん
私は告白断ったのに…!!その時、お腹に激痛が走った
「……!?ぐぅッ……!」そう、始めてお腹をけられたのだ
それから何回もおなかを蹴られた。その時私は覚悟した。
このまま気絶していっそのこと死のうかと…
死んだら私を見て見ぬふりをしたお前ら全員恨んでやるッッ
私が目を閉じようとしたその時だった
「や…やめなよッ!!いじめなんてバカみたい!」という声が聞こえてきた
私は、うっすらとある意識の中で声をかけた相手を見た。それが、祐梨亜さんだった
「あぁ?お前も今まで見て見ぬふりしてたんだからいじめに入ってるだろうがよ!!」と口がすっかり悪くなった神崎さん
「確かに私は今までずっと白石さんがいじめられているのを見てきた。それは、認めるよ。だけど…!!貴方たちよりは、はるかにましよッッ!!」
祐梨亜さんが大きな声で言った。その瞬間パシンと何かをたたく音がした。私が顔を上げると祐梨亜さんが頬を赤くしていた
神崎さんに叩かれたのだろう。しばらく祐梨亜さんは、黙り込んでいた。この時私はわかった
あぁ、これは神崎さんたちの勝ちだな…と
だけど、このあと私の予想をはるかに覆す出来事が起こった
34: 名前:マロン☆09/28(月) 17:44:02
祐梨亜さんも、神崎さんの頬をたたいたのだ。私は、予想以上の出来事に驚いていた
神崎さんも予想していなかった出来事に驚き眼に涙を浮かべて教室を出て行った
最後に祐梨亜さんは、わたしに手を差し出して
「今まで、見て見ぬふりしてごめんね?辛かったよね?苦しかったよね?でも、もう、苦しまなくていいんだよ…?悲しまなくていいんだよ…?私たちが貴方の味方だから」
そう言ってわたしを抱きしめてくれた。私の目からは、涙があふれ出した。
そう、だからこそ、私を助けてくれた祐梨亜さんは、わたしが助ける
―祐梨亜目線―
時刻は、午前1時55分。早くいかないとやばい…!!
私たちが急いで階段を上っていると私たちより先に上がった未那が大きな声で
「あったァ~!早く!!大きな鏡の場所に着いたよ」と言った。
私たちは、急いで階段を駆け上がった。私たちが全員集合した時間は、午前1時59分55秒
「覚悟はいい?」という未那の声がする。
私たちは、頷く。5、4、3、2、1、0!!
「お…鬼さん。こちら、手のなるほうへ」と私が叫ぶ
そして、みんなで手を三回たたいた。
静寂の廊下には拍手の音しか響かない
私が目を開けようとした瞬間
《オネーチャンタチ、ユキニ会いにキテクレタノ?
ヤサシイネェ~ユキトオニゴッコヲシテクレルンダヨネ?
ソコニイルヒトタチモオイデヨォ》
え…?私たちだけじゃないの?そう、言われて顔を出したのは、
安藤瑞貴(あんどう みずき)ちゃん
野島敬(のじま けい)君
相崎由愛(あいざき ゆめ)ちゃん
《オネーチャンタチモイッショニアソブカラ、キタンデショウ?アソバナイナンテイワナイヨネェェェェ!!?》
ユキちゃん怖ッ!!安藤さんたちは、ユキちゃんの怖さに怯えたのか黙って首を縦に振った
《ジャア、ユキガ100ビョウ、カゾエルカラソノアイダニニゲテネ?》
こうして、わたしたちとユキちゃんとの鬼ごっこが始まった
35: 名前:マロン☆10/01(木) 17:58:00
野島敬目線
たっく…まさかあの噂が本当だったなんて…!!うそだろッ!!?
俺は、今音楽室の物置小屋に隠れている。息を殺して物置小屋のたなと棚の間に少し入れる隙間がある。俺は、その隙間をすぐ右に曲がると人が一人隠れる事のできる場所がある。
逃げるより隠れて待機してみよう。
腕時計を見ると午前2時15分。隠れて何分になるのだろう…?
そう思いため息をつこうとした瞬間に
<100ビョウカゾエオワッタカラ、イマカラユキハミンナヲサガシニイクネェ?ユキオナカスイチャッテイルカラネェ
ミ ツ ケ タ ヒ ト ハ カ ク ゴ シ テ ネ>
覚悟ってどういうことだよ!?見つかったら死ぬってことかよ!?ふざけんなよ
こんな遊びやってられっか!!
俺が隠れ場所から出ようとした瞬間に音楽室近くの廊下から
何やら歌声が聞こえてきた。
耳を澄まして聴いてみると
その声の主は、ユキちゃんだった
《ワタシノホントウノスガタハ、ドコニアル?
ナミダコボシテ、人ヒトリキョウモコロスノ
ユキノテデ
ナミダハ、チノイロ。チノイロハ、ナミダノイロ
ワタシノスガタハ、ドコニアル?
ニカイカガミノナカニアル
サクラマイチルハナノウエシズカニネムル
ネイキオト。ワタシハ、コロサレココニイル
コロシタハンニンサガスタメ
ヒトヲコロシテサガスノヨ?
ワタシヲコロシタハンニンヲ》
すごく不気味な歌だったがかわいそうにも思えた
37: 名前:マロン☆10/01(木) 20:46:58
だめだ!!情に流されてしまったら…
ユキちゃんは敵だぞ!?
ユキちゃんの声が少しずつ俺のいる音楽室の物置室に近づいてくる
それとともに歌の歌詞が変わった
《ヒトリメ。オトナルモノオキゴヤニタナノウシロニカクレテイマス。ナミダナガシテコウカイデ、ホネマデ
カ ジ ラ レ ル》
音のなる物置小屋の棚の後ろ?ってそれ俺のことじゃ!!
やべぇ、このまま死ぬわけにはいかねぇんだよ!!
瑞貴と別れて逃げる前に俺たちは約束したんだ!!
《絶対生きて帰る》って
だから、ここで死ぬわけにはいかねんだよ!!
「瑞貴…!!絶対に生きて帰ろうなッ!!」俺は小さくつぶやいた
その瞬間横から視線を感じた横を見るとユキちゃんがいた
《ミィツケタァ~》
「う…うおぉぉぉぉ!!!」
俺は、近くにあったキーボードで殴りかかった
ガツッという鈍い音でユキちゃんの頭からは血が流れていた
そして殴られたユキちゃんは俺をすごい形相でにらんで
《オマエ、キライ シ ネ》
そしてユキちゃんは俺の首へと鋭い歯で噛みついてきた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!痛い…許して…くれ…」
俺は、涙を流しながらユキちゃんに殴りかかったことを後悔した
そしてユキちゃんはかぶりついて俺の首の肉を
ブチッ
という音で食いちぎった。
ごめん…瑞貴…俺…お前との約束守れねーわ
俺の分まで…生きてくれよ?
俺の首からは、血の水たまりができている。
そして、俺の意識は遠くなった
―野島敬 死亡―
42: 名前:マロン☆10/02(金) 22:09:36
相崎由愛目線
「…ハァ…ハァ…」静かな学校の廊下には、わたしの荒い息使いしか聞こえない
そう、私は今『呪いの鬼ごっこ』をやっているのだ
数分前に学校中にアナウンスが鳴り響いた
そう、それは死へのカウントダウンと言いたいところだが、そんなものではない死への扉を開く音
ユキちゃんがしゃべるアナウンスは凄く不気味で怖かった。
私の目線は、後ろのほうへと向いていたため前を見ていなかった
前を見ていなかった私は2~1への階段で転げ落ちた。
「―…痛ッ―」階段から落ちて着地するときにひねったらしく懐中電灯で照らした右手首は、腫れあがっていた。
「もぅ…嫌だよぉ」私の目からは涙があふれ出ていた。
なんでこんな辛い目に私ばかり会うの?
神様…私は何かしましたか?
私は、貴方を困らせるようなことをしましたか!?
ずっと我慢してきた。ずっと…ずっと…
何度も泣きそうになったけど涙をこらえてこぶしをギュッと握って我慢し続けた。
でも、あの日だけはさすがに私の我慢が限界まで達した
そう、瑞貴と敬が付き合い始めたって聞いたあの日だけは…
56: 名前:マロン☆10/05(月) 21:23:28
相崎由愛
私を変えたあの日のことは、絶対に忘れない…
年をとっても…何をしても一生忘れない
それは、小学六年生になったときの話だった
敬と私は、幼馴染。いつも学校へと通っているんだけどこの日だけは違った
いつもは、元気な一年生が私たちの横を走って通り抜けて行って、友達がみんな元気に私たちにあいさつをしてくれるだけ
それが、私にとっての最大の幸せだった。いや、最大の幸せは、敬と一緒にいることかな?
この日、私たちのクラスに転入生が来た。名前は、そう、
― 安 藤 瑞 貴 ―
この時私がもっと早く気付いて、敬と付き合っとけばこんな思いはしなかったんだ…
誰かを憎むようなこんな思いは……
はじめて私が瑞貴を見たときの第一印象は、まず
「可愛い」
の一言。この時から、私は、敬にひそかに思いを寄せていたんだ。
私が少し不安な顔で敬を見ると敬は、瑞貴を見つめていた
やめて…敬…!!私以外の女の子を見ないでよ
胸が苦しくなるの…!!お願い…そんなにあの子を見ないで!!
私は、必死にずきずき痛む胸を右手でギュッと強く抑えながら我慢した
休み時間。瑞貴のもとにたくさんの女子が群がっていた
たくさんの女子が瑞貴に質問していた
はい、出たァ~女子の必殺技【質問攻め】
瑞貴は、おろおろしながらも一人一人の質問に答えていった
最後に誰だろう?誰かが質問した
「このクラスの中で気に入った男子とか居る?」
敬じゃありませんように…!!敬じゃありませんように…!!
そんな必死な祈りも神様は、聞いてはくれなかったんだ
「え~っと、野島…敬君かな?」
―ウソデショウ?―
60: 名前:マロン☆10/07(水) 20:32:36
嘘でしょう?
私の聞き間違い?
神様…お願いします
どうか…嘘であってください
私は、必死に祈った
私の聞いたことが間違いだってことを
だって…私だって敬が好きだったから…
休み時間が終わり、自分の席に戻った。
授業なんてとても頭の中に入らなかった
私は、敬を見た。敬の目線は、やっぱり
安 藤 瑞 貴
敬…?私の気持ちにも気付いてよ…
ずっと私がそばにいて敬のことが好きだって気持ち分からない?
転入生なんかより私のほうが昔からずっとそばに居たのに
ドウシテ
ワタシノキモチニ
キヅイテクレナイノ?
胸が苦しいよ…!胸が締め付けられて苦しいよ
あの子なんかより私のほうを見てよ…
「私の…気持ち…に…気付いてよォ…」
小さく私はみんなに聞こえないようにつぶやいた
そう、この呟きも敬の耳には入っていないんだ
神様…!!これ以上私をどうするつもりなんですか!!?
最終更新:2010年12月21日 17:16