93: 名前:マロン☆10/13(火) 17:37:50
安藤瑞貴目線
敬君、由愛ちゃんに告白できているかな?
私なんかと付き合っていた時の敬君の顔楽しそうな顔していないんだもん
敬君の顔って本当に分かりやすい…
私は、今一人で暗闇の校舎の中を歩いている
暗闇で先は何も見えない
私は手の感覚でいま歩いている
図工室の前を通ると何か紫色の光があった
図工室を覗くと図工室の近くにある桜の木の光っている色が廊下にまで来たのだろう
でも、なんで光っているの?
光る桜の木なんて聞いたことないけど…
私は図工室の窓のほうへと歩み寄った
そして図工室の窓から桜の木を見た
その光はあまりにも綺麗で光っている桜の木も美しくて
見とれてしまった
私は二階にある図工室の窓から桜の木の下を見た
そこには、優しく穏やかな顔で眠っている敬君の姿があった
よく見ると首から血が出ている
そっか…もうねユキちゃんにやられちゃったんだね…
じゃあ、約束は?二人で生きて帰ったら敬君は由愛ちゃんに告白をしてそのパーティーを三人でしようっていう約束は?
「敬君の…嘘つき…」私は小さく呟いた
敬君…?嘘はだめだよ…
だって私たちと別れて逃げる前に言ったじゃん
その時は、もう由愛ちゃんはもう先に逃げていて
私たち二人が別れて逃げようとした瞬間だった
『瑞貴ッ…!!』って敬君が私を呼びとめた
「何?敬君」
『瑞貴…俺にチャンスをくれてありがとな!!絶対に由愛を幸せにするからなッ!!』
絶 対 に 由 愛 を 幸 せ に
す る か ら な ッ ! !
敬君…敬君が死んで由愛ちゃんが幸せになると思うの?
敬君は言ったでしょう?絶対由愛ちゃんを幸せにするって
あの言葉は嘘だったの…?
後ろに視線を感じる…
怖い…誰の視線なの?
もしかして…ユキちゃん!!?
私が後ろを振り返るとそこにいたのは、由愛ちゃんだった
「…由…愛…ちゃ…ぅっく…ひっく」
由愛ちゃんを見た瞬間私の目からは涙が出てきた
そう、敬君と幸せになりたかったのに慣れなかった
その幸せを壊してしまったのは私…
私がこの学校に来たから…
この学校に私が来なければ由愛ちゃんと敬君は幸せになっていたんだよね?
私なんか生まれてこなければよかったんだ
ごめんなさい…みんなの幸せを壊してごめんなさい
「瑞貴…?どうしたの…?なんで泣いてるの?どこか怪我でもした?」
由愛ちゃんは私を優しく抱きしめて温かい声で問いかけてくれた
「ごめ…んな…さ…い!私がこの学校に来なければよかったんだよね…私が生…まれ…てこな…ければ…」
由愛ちゃんは背中をさすりながら私が泣きやむのをずっと待ってくれた
ごめんなさい…由愛ちゃん
由愛ちゃんの大事な人を奪ってしまって
由愛ちゃん…ごめんなさい
神様…私の命と敬君の命を取り替えてください
敬君と由愛ちゃんが幸せになれればいいんです
私なんか生きている価値がないから…
だから、私の命を上げますから敬君を生き返らせてください
私が泣きながら心の中で祈っていると
「瑞貴…?あんた一人で抱え込むんじゃないの…
また一人で抱え込んでいるでしょう?今もまた変なこと考えていたよね?
私ね、あんたのこと一回恨んだことあった
敬と付き合うことになったときはあんたをすごく恨んだ
だけど、あんたの敬の幸せそうな顔を見てみて気付いた
私、人を恨むなんてバカなことしていたんだろうって
でも、これって一人で抱え込んでいたらね
もしかしたらいまあたしはここにいなかったかもしれない
あたしが今ここにいるのは瑞貴と敬のおかげなんだよ」
私と敬君おかげ?意味がわからないよ…
私は由愛ちゃんの大事な人をとった生きている価値のない人間
私が何をしたかな?
102:名前:マロン☆10/15(木) 11:40:31
私みたいな人が何をしたの…?
私は由愛ちゃんを苦しめて敬君を奪った最低な人だよ
こんな最低な人が由愛ちゃんみたいな優しい…詩に何をしたっていうの?
「私と敬が保健室から帰ってきた後一番最初に駆け寄ってくれたのが瑞貴だった
私にとっては凄く憎かったよ…敬を奪ったくせにって思った
だけど、その日の帰りだった。その日の帰り瑞貴と一緒に帰ったの覚えている?」
覚えているよ…由愛ちゃんが一番苦しんでいたあの日
私が由愛ちゃんを苦しめて由愛ちゃんの体を痛めつけたあの日
「でも、あのひ瑞貴は言ったよ私に向かってあの言葉が私の心の闇を追い払ってくれたんだ」
私、なんて言ったっけ?
由愛ちゃんの心の闇を払ってくれた?
意味が分かんないよ…由愛ちゃんを苦しめただけなのに
「瑞貴が覚えていないなら私が言うね…?あの日瑞貴が言ったことは
由愛ちゃん…自分の気持ちに素直になっていいんだよ?
私が憎いでしょう? 私を恨んでいるでしょう?
由愛ちゃんがつらいなら私が由愛ちゃんのその辛さを変わりに受けてあげる
由愛ちゃんが苦しいのならその苦しみを私が代りに受けてあげる
由愛ちゃんが悲しいならその悲しみを私は背負って嬉しみに変えてきてあげる
だ か ら 笑 っ て ?
私は由愛ちゃんに笑っていてほしいよ…」
思い出したよ…あの日私は自分で気付いていたんだ
由愛ちゃんが私のことを恨んでいるって
私のことを憎んでいるって
気付いていたんだ
113: 名前:マロン☆10/17(土) 21:04:20
白石神奈目線
サクッ…
私は桜の木のそばの砂場の砂を踏む。やっぱりいた…
野島敬君が…
鏡で見たとおりだ…でも、敬君…大丈夫ですよ…
貴方は幸せになるために生まれてきたんですから
私がの幸せになりたい願いをかなえてあげましょう…
私は、黙ってふさいでいた口をあける。
「神よ…人間の子はみな幸せになるため生まれてきたべし
幸せになる子・野島敬の魂を帰し給え」
そう、敬君と由愛ちゃんが幸せになれるならそれでいい…
私の祈りは神様に届いたかな?私が祈りをささげ終わって数分後のことだった
空がまぶしく輝きだし雲の中から輝く炎が現れた
その炎は桜の木のそばを何周かすると敬君の身体の中へと入って行った
よかった…これでまた幸せになれる人が一人増えたかな…?
「でも…この儀式…さす…が…に辛すぎた…か…も…
ゲホッ…ゴホッ…」
ヤバッ…息が苦しいよ…のどが焼けるように熱い…
何だろう声が聞こえる耳を澄ましたよく聞くと
「貴方は心身ともにすべて使い果たしたのです…
我のもとに来なさい…
苦しくありませんよ…楽になりなさい…」
それって私死ぬってこと…?
心身ともに使い果たした…?
楽になる…?苦しくない…?
保証できるの?
苦しいじゃん…!!のどが焼けるように熱くて息ができないんだよ!!?
どうしたら苦しくないなんて言えるのよ!!!
「死…ぬ…もの…かッ…!!…こんな…ところで…死んで…
死んでたまるかァァ!!!」
私は焼けるような熱さのどで叫んだ
「ぐぁぁぁッ!!?…ゲホッ…ゴホッ…」
叫んだせいか、のどの熱さが増したような気がする
それにのどに何か詰まったように呼吸ができない…
助けてよォ…誰か、助けてよォ
最終更新:2010年12月21日 17:32