151: 名前:マロン☆11/02(月)
私とユキちゃんは見つめあったままだった
何もしゃべらず静まり返っていた時ユキちゃんがしゃべりだした
《ユキチャント貴方ハ同ジダネ?
貴方モ未那ッテ子ガ憎インデショウ?
殺シタインデショウ?
ユキチャンハネ、クラスノ皆ニ虐メラレテイタノ》
なんで私に話すのよ?
私とユキちゃんは違うもん!!
私は、ユキちゃんと違っていじめられてなんかいないし
祐梨亜に仲間って思われているもん!!
「わ…私は…貴方とは違う!!
私はあなたと違うわッ!!貴方と一緒にしないで!!」
私はユキちゃんに向かって叫んだ
だけど、内心少しだけユキちゃんを信じてみようとどこか心の端っこで考えていた
私の言葉を聞いたユキちゃんは私を少し悲しげな眼で見つめると
《違ワナイヨ…ユキチャント優奈チャンハ同ジダモン》
そういうとユキちゃんは私のほうへと歩み寄ってきた
153: 名前:マロン☆11/05(木) 22:33:20
ユキちゃん目線
優奈チャントユキチャンハ違ワナイヨ…
ユキチャンハ、優奈チャンノコト思ッテ言ッテイルノニ…
優奈チャンハ、ユキチャント同ジダヨ
優奈チャンモ虐メラレテイルヨネ?
『未那』ッテ言ウ女ノ子ニ…
祐梨亜チャンモ優奈チャンノこコトナンカ心配シテナイヨ?
皆、優奈チャンノコト嫌ッテイルンダヨ?
ナンデワカルカッテ?
ダッテ…優奈チャンハ
ユキチャンノ生マレ変ワリダカラ…
ユキチャンノ家ハネ?
必ズ、胸元ニ黒イ竜ノアザガアルノ
ユキチャンニモアルヨ?
ア…デモ、彫刻等デ八ツ裂キニサレタカラ
残ッテイナイヤ
名前:マロン☆11/07(土) 11:58:31
新井優奈目線
「こっち来ないでよ…なんでこっちくんのよ?!」
ユキちゃんは確実に一歩一歩私のもとへと歩み寄ってくる
私は逃げようとしても足がセメントに埋められたのかのように動かない
「嫌ァ!!来ないでェェ!!来ないでよォ!!」
私は、必死に抵抗した
私が抵抗している間にユキちゃんは私の目の前に来ていた
そして、私の服のブラウスのボタンをブチッと女の子の力とは思えない
男の子以上かもしれない力ですべてのボタンをちぎり取った
そしてそのボタンを廊下に投げると私の胸元にあるアザを見て怪しげに笑い
《フフ…ヤッパリアッタ…黒イ竜ノアザ》
と不気味に言った。ブラウスのボタンをちぎられ一瞬何が起こったのかわからない私はしばらく放心状態だったのかもしれない
ユキちゃんの不気味な声でハッと我に返った私はやっと今の状態が分かった
ユキちゃんが見ていたあざは、私が生まれた時からお母さんもおばあちゃんも先祖からずっと受け継がれているらしい
…って今はそういう場合じゃない!!
私は、その場を走って逃げだす
右手でボタンをちぎられた所をぎゅっと握りしめながら
見られたくなかった…
誰にもこの胸元のあざを見られたくなかったのに
この胸元のあざは私のコンプレックス的なもの
このあざが嫌いで私は、昔ここを包丁で刺したことがある
まあ、そんなグッサリとじゃなくてプスッぐらい
包丁で刺した場所が治ってもこのあざの一部が消えることはなかった
それより、刺してもまた浮きあがってくる…
私は昔からこのあざを嫌って自虐を続けていた
162: 名前:マロン☆11/08(日) 21:23:18
―10年くらい前―
私の年齢は今、14なんだ
この話は10年も前の話になる
私が4歳のときに幼稚園であったプール遊びでのこと
この時ってあんまり、男のからだとか女のからだとか気にしたりしない頃じゃん?(男子は下はいてたけど)
だから、みんな裸になって夢中でプールで遊んでいた時のことだった
突然私の初恋相手の進藤歩(シンドウ アユム)が私の右の胸元を見て言った
「お前、その右のそれどうした?」本来はこんなにうまくしゃべれてなかったんだけど
それを言われた私はその時になって思った
私の右の胸元にできているあざはどうにかならないのかって
誰が広げたのかわからないけどそれから幼稚園で私は虐められるようになった
私が幼稚園へ行くと皆必ず声をそろえてこういう
『うわァッ!!!こっち来るんじゃねーよ!!お前の体腐ってんだからさ』
私はその言葉を言われるたびに胸が苦しめられた
私だって好きでこんなあざ作っているわけじゃないし
―私の体は腐ってなんかいない!!!―
しばらくは我慢できた私だったけど年長になったあの日だけは許せなかった
私は年長になって、幼稚園へ来た時のことだった
一人ずつ与えられているロッカーの中に鞄をしまおうとした時だった
ロッカーを開けると猫の死体が入っていた
幼稚園で猫の死体ってお前らドラマに影響されすぎだっつーの!!今思えばこう思える
私はその猫を幼稚園のグラウンドの端っこにお墓を作って上げた
私は教室に入り、友達も誰もいない私だから静かに家から持ってきた本を読んでいた
年長にもなれば本は読める
わからない感じのところはお母さんに振り仮名を振ってもらったし
それに、この本は私の今はいないおばあちゃんが私に買ってくれた最後の本だし
すると、誰かに本を取り上げられた
その相手は、そう私の初恋相手進藤歩だった
「何?この本?意味わかんねーし!!こんなの捨てちゃおうぜ!!」
進藤歩は私が呼んでいた本を少し読むとすぐにつまらなそうな顔をして私の本を床に投げつけた
私は驚いて立ち上がる
歩は男友達がすごく多いので歩が床に投げつけた本をその仲間たちが拾ってどこかへ持ち去って行った
私は、クラスでもすごく足が速かったので男子にすぐに追いついた
私が男子たちの後ろの襟をつかんだ
すると、驚いたのか男子たちは、私を押して外へと逃げ出した
私は、尻もちをついて転んだがすぐに立ち上がり男子たちの後を追った
167: 名前:マロン☆11/09(月) 21:27:09
先生たちが口々に「先生たちが行くからここで待ってなさい」と言っていたけど私は先生たちの言葉を無視した
幼稚園の外に出た私は辺りを見回す
見つけた!!男子たちが向かっている方面は、川のほう
私は直感的に嫌な予感がした
私は急いで男子たちの後を追う
それから数分後。男子たちの走るペースが落ちている
私は全力疾走で男子の本を持っているやつを追い詰める
そいつは、川がもう真後ろに来ているところまで逃げ切ったけど
その先は、川だったし正面からは私が追い詰めているから逃げれなかった
私は、男子に少し震えた声で言った
「私さ…あんた達になんか悪いことした!!?あんた達に憎まれてもしょうがないようなことした!!?
なんであたしばっかり虐められなきゃいけないわけ!!?」
私は怒りと悲しみを交えたような声で男子に怒った
そう、何故私ばかり虐められるのか
その瞬間だった。私の怒りに驚いたのかそれとも、私をいじめるためにやったのか今考えてもわからないが
私が追い詰めた男子が川に本を投げたのだ
川に本を投げた男子は少し驚いた顔をして、しばらく放心状態だった
私は放心状態になっていた男子を押しのけた川の中へと潜って行った
綺麗な川だったのが幸いだった。
もぐって、目を開ければ遠くのほうまで見えるほどきれいだった
ただ、川の深さは小さい時の私で壁に手が着かないととても浮かんでいられる状態じゃなかった
それで、やっとおばあちゃんが買ったくれた本を見つけることができた
ビニールのブックカバーを付けていたし、川に入って直後に取れたからなのかあまりぬれてはいなかった
私は、その本を陸に置くと少し深呼吸をした
だけど、近くにいた男子は面白半分に本をけってまた川へと落とした。
すごい勢いで蹴ったので遠くに飛ばされた
私は男子を睨むと本が落ちた場所へと泳いで向かった
しかし、運悪くその場所は先ほど私が浮かぶために手についていたような壁もないし、先ほどの所よりも深かった
私は、大きく息を吸うと川の中へと潜った
やばい…全然本が見つからない…
おばあちゃんが買ってくれた大事な本なのに…!!
ごめんね…ごめんねおばあちゃん!!必ず本見つけるから許してね
私は心の中で何度も何度もおばあちゃんに謝りながら本を探した
だけど、本は見つからなくてもう諦めようと思って水面に上がろうとした時だった
足にとてつもない痛みを感じた
そう、足がつってしまったのだ
足がつった私は、何とか水面に顔を出そうとしたけど足が痛くてたまらない
呼吸もできないし…苦しい…
私このまま死ぬのかなぁ?
なんで私が死ななければならないのですか?神様
悪いのは幼稚園のみんななのに
すべて私が悪いことになるのですか?神様
神様は私の味方じゃなくてあいつらの味方なんだ…
不公平…すぎる…
心の声とともに私の意識は遠くなっていった
174: 名前:マロン☆11/16(月) 12:13:27
目を覚ました私が最初に見たものは白い天井だった
目を覚ました私は、周りを見渡した
そうか…ここ病院なんだ…
私助かったの…?
私は、横になっていた体を半分起こした
「私は…助かったの?それとも…死…んで…いるの?」
私は、震えていた。もし、自分が死んでいたらどうしようかとここが夢の世界で実際に私は川でおぼれ死んじゃったって
その時、病室のドアが開いた
入ってきたのはお母さんだった
お母さんは私が起きているのを見て目から大粒の涙をこぼしていた
「優奈ァ…生きててくれてありがとう…生きててくれて本当に…あり…がとォ……」
お母さんは私に涙を流しながら抱きついた
これは、夢?それとも、現実?
「お母さん…私は…生きて……るの?」
私は、恐る恐る聞いてみた
本当は聞きたくないことだったけど
勇気を出して聞いてみた
お母さんは私をさらに力強く抱きしめて
「優奈は生きてるよ……ちゃんと生きている」
お母さんは私を抱きしめながら優しい声で言った
お母さんの言葉を聞いた私は今までずっと我慢していた感情があふれ出した
「う…うぁぁぁぁぁッ!!!」
大声で泣いた。声がかれるんじゃないかってくらい
最終的には声は枯れたんだけどね…
お母さんからの話によると
私が全然水面に上がってこないから怖くなった男子たちが幼稚園の先生に言いに行ったらしいんだよね
それで、先生たちは救急車とレスキュー隊?みたいな人を呼んだらしい
先生達は誰一人おぼれている私を助けようとしなかったんだと思うと怒りが込み上げてきたがそれは何とか抑えつけた
それで、レスキューの人たちが川に潜って、おぼれている私を助けてくれたのはいいんだけど
その時は、大量に水を飲んでいて危険な状態だったらしく
すぐに病院に連れて行ったんだって
お母さんが病院に着いたころには私は病室で寝ていたんだけど
そのまま7日も眠り続けていたらしい
お母さんの話を聞いた気がついた
おばあちゃんが買ってくれた本は…!!?
「お母さん!!本はッ!!?おばあちゃんが買ってくれた本はッ!!?」
私は少し興奮気味にお母さんに聞いた
お母さんは黙ってうつむいたまま答えない
そっか…本は見つからなかったんだね…
あはは…そっか…おばあちゃんが買ってれた…本は…
私は声を出さずにただただ、涙をこぼして泣いていた
するとその時心の中の誰かが私に言った
全部幼稚園ノ皆ガ悪インダヨ
皆ガ優奈ト仲良クシテイレバコンナコトニハナラナカッタノニ…
スベテ幼稚園ノ皆ガ悪インダヨ
そうだ…すべてあいつらが悪いんだ
「殺してやる…」
最終更新:2010年12月22日 16:53