呪いの鬼ごっこ-助かる確率1%- 続き10

368: 名前:マロン☆01/17(日) 20:50:04
「何で結華は…私を頼ってくれないの?」


私はずっと思っていたことを結華に問いかけた


「何で…?私たち親友でしょ?
親友なら…親友なら…


もっと私を頼ってよ!!私じゃ頼りない!?


何でいつも一人で抱え込むの?!


親友ならもっともっと私にたくさん頼ってよッ!!!」


私はいつの間にか結華に向かって叫んでいた


結華は下を向いてしばらく黙っていたけど口を開いた


「だって…未那に頼ったら…私、弱虫になっちゃうよ…」


結華の身体も声も震えていた


何で…?結華は十分強いよ…


それ以上一人で抱え込まないで…


「弱虫でいいじゃん!!我慢することばかりが強いってことじゃないんだよ…」


私の目からは温かな涙が頬を伝っていた


結華…貴方にとって私はそんなに頼りないかなァ?


それなら…貴方が私を頼れるようになるまで私は強くなるから…


結華…貴方にとって我慢することが強い?


それなら…私が本当の強さを教えてあげるよ…




         結華…


374: 名前:マロン☆01/23(土) 21:09:18
「心も体も強い未那には私の気持なんか分かるハズないじゃん!!」


私だって…私だって強いってわけじゃないよ?


だって、その証拠に弱虫だから今も涙を流しているでしょ?


心も体も強い?


そんなわけないよ?


だって、その証拠に引っ越すっておとーさんに言われたときに凄くショックを受けたし


男子と喧嘩した時に殴られて泣いたこともあるでしょ?


結華は、どんなになろうと


例え、男子に殴られようと


女子にいじめられようと


私が引っ越すって言おうと


全然涙を流さないじゃん…


それで、家に帰ってから部屋で大声をあげて一人ですべて抱え込んで泣くんでしょ?


もう、十分我慢したからそれでいいじゃん…


これ以上我慢したら結華が本当に




     壊  れ  ち  ゃ  う  よ  ?


「結華ァ…私だって強いわけじゃないよ?」


私は涙を流したまま結華に言った


「結華の思う強いっていうのは我慢すればいいこと?
そんな強さはおかしいよ…
なんでも自分の好きなこと我慢して、泣くのも我慢するなんて…


そんなの強いなんて言わないよ!!!

本当に強いっていうのは力でも我慢することじゃない

殴られたら痛いって言って大声で泣き叫んで

自分の欲しいものがあったら絶対取って見せるって努力して

そういうことも強くなるってことでしょ!!?」


379: 名前:マロン☆01/31(日) 21:25:53
「綺麗事言わないでよ!!未那は…未那に私の苦しみなんか分かりっこないよ!!だって…だって未那と私は家も性格も顔も違うもん!!


未那は、お母さんにもお父さんにも愛されてて…
クラスでも人気があって…頭もよくて…


顔も性格もいいじゃん!!


私とは何もかも違う!!そんな幸せな人に苦しんでいる人の気持ちがわかるっていうの!!?


分かるはずがないでしょ!!?」


目からは涙を流して私に向かってすごい形相で睨みつけている結華が私の目の前にいる


親友だった私もこんな結華は見たことがない…


「未那は奇麗事を言っていい気分になったつもりだろうけど私はいい気分どころか嫌な気分だよ!!
人の気持ちもわからないあんたに綺麗事を言われたって何も優しくも温かくもないよ!!!第一私はあんたのことを一度も親友だなんて


     思 っ た こ と な い よ !!!」


何かが心に突き刺さる


グサッと鈍い音を立てて


痛々しいほど痛む私の心


親友じゃなかったの…?


私たちは親友じゃなかったの…?


親友だと思っていたのは私だけなの…?


私はただただ涙を流しながら結華を見つめることしかできなかった


382: 名前:マロン☆02/01(月) 20:44:57
「なんでも泣いてすむと思わないでよッッ!!!

あんたは泣いたらクラスのみんなが味方してくれるけど

私が泣いたってクラスの誰一人私のことを心配してくれない!!!

あんたと私は同じ人間なのにッッッ!!!

不公平よッッッ!!!

あんただけ幸せで私だけ不幸!!

何でッッ!!??なんであんたなのッッ??!!

私はあんたより一生懸命何事も頑張ってきたッ!!

勉強もッッ!スポーツもッッ!!友達の付き合いもッッ!!

なのに…私の頑張りを全部あんたが奪っていく!!!

私が頑張って頑張って何をしてもあんたが全部全部

私から何もかもを奪っていく!!!!

返してよッッッ!!!!私の今までの頑張りを返して!!

何も頑張っていないあんたなんかに私の幸せをとられてたまるかぁァァァァ!!!!」


結華は私を睨みながら泣き叫んでいた


最後に私をきつく睨むと結華は走ってどこかへ行った


私は何も結華に声をかけることができなかった


ただ、あまりの驚きに声も出ず、その場に座り込むだけしかできなかった


結華…ごめんね…


私…そんなに結華のこと苦しめていたんだ…


そんな結華の苦しみ私わからなかった…


いや…分かろうともしなかった…


私はしばらくしてから立ち上がると


学校へと向かった


385: 名前:マロン☆02/04(木) 20:42:52
学校に向かいながら私は結華の言った


「第一私はあんたのことを一度も親友だなんて

       思ったことないよ!!」


嘘でしょ?結華…


親友だと思ったことがないならなんで私が困っているときに優しく微笑んで手を差し出してくれたの…?


親友だと思っていなかったんならどうして私が涙を流した時に私の泣き顔を見て腹を抱えて笑わなかったの…?


親友だと思っていないなら…どうして私にあんなに明るくて優しくて温かくて心が落ち着く笑顔を見せてくれたの……?


親友じゃないなら最初から私のことを避けてくれればよかったのに…


授業中私と目があったら小さく手を振ってくれなければよかったのに…


「…親………友……じゃ……ない……な…ら………
うわぁぁぁぁぁぁ…」


そんなこと考えるだけで私の目からは次々と涙があふれ出てきた


涙を止めたくても止められない


悲しくて悲しくて…


言葉にならないほど悲しくて…



涙を流しながら学校に着いた私は涙を拭いて職員室へと向かった


私は職員室に入ると担任の先生に転校することを話した


私の話を聞いた先生は下を向いて悲しげに


「そう…クラスのみんな寂しがるわね…特に貴方と仲良くしていた結華さんは…」



        ―結華…―


その名前を聞くだけで心が痛む


私が知らず知らずのうちに傷つけて


涙を人前で流すのを我慢するまで追い込んだ…


そんなことを考えると胸が苦しくなってきた


「話はそれだけです…失礼しました」


私は先生の言葉を無視して職員室のドアを開けて出ようとしたと同時だった


職員室の電話が鳴った


私の担任の先生が出る


私には関係のないことだな…


私がドアを閉めようとした時だった


先生が大きな声で


「えッ!!?ゆ…結華さんが交通事故にあった!!!??
分かりました!!すぐにそちらの病院に向かいます」



        え……?


         今…


      なんて…?


          結華が


       交通事故に…!!?


389: 名前:マロン☆02/06(土) 22:18:45
結華目線

私は未那にひどいことを言ってしまった…


親友の未那にッ!!!


私は先ほど未那に言ったことを後悔していた


あんなの嘘だよ!!


私は未那のことずっと親友だって思っていたよ!


なのに…今まで私の中で溜まっていたストレス…いや違う


私の中で溜まっていた何かが未那の言葉の拍子に切れた


何かが私の中でプツンと音を立てて切れてしまった


ごめん…


ごめんね!!未那ァ…


私は…未那を大切な親友を



  傷  つ  け  て  し  ま  っ  た


本当は…未那が引っ越すって聞いて


悲しかった…


未那が私の知らないところへ行ってしまうって思うと苦しくて泣きたかった


でも、泣いたら未那を困らせちゃう…


私が少しでも強くなればいい話…


401: 名前:マロン☆03/17(水) 21:32:29
本当はつらい!!!


今生きていること自体がつらくて苦しいの!!


お父さんやお母さんは私をいじめてくるし…


学校のみんなもどんなに頑張ったって私に注目してくれない…


「あ…!!お嬢ちゃん?!危ないよ!!」


近くにいたおばあさんが私を止めてくれた声さえも私は聞こえなかった


ただ、ひたすら私は走っていた…


その瞬間少しだけ…いや、ほんの数分数秒くらい時間が止まったようだった


私の体は宙に舞い上がる


次の瞬間


私の体は勢いよく地面にたたきつけられた


身体から生暖かな血液が流れ出てくる


私は状況を理解した


あぁ…私は車にはねられたんだと


でも、不思議と怖くなかった


私の意識は、少しずつかすんでいく


周りの景色が水彩のようにぼやけていく


皆が私を見ている


初めてみんなが私を見てくれた…


あれ…なんか眠いなぁ…


もう…疲れちゃったなぁ…


このまま寝てしまおう


私は瞼を閉じた


未那…ごめんね…


本当にごめん…


私…やっと強いの本当の意味が今わかったよ…


でも…もう遅いよね…?


もっと早くに気づいていればよかった…


そして、もっ……と…早…………く………


貴…方……と…友達…………に…な…………って


い………れ……ば………よか………………った……



404: 名前:マロン☆03/20(土) 20:15:12
未那目線

結華が…!!結華が死んじゃう!!!!


私にとって、とても大切な親友が……!!


嫌だよ!!結華!!


死なないで!!


私は走った


病院に着くと結華の両親が手術室の前にいた


私が声をかけようとしたときだった


「チッ…あのクソガキ…私たちにまで迷惑をかけやがって…これで死んだら私たちのストレスをぶつけるやつがいなくなるじゃないか!!」


それは結華のお母さんの声だった




         ――え?――




          今、なんて…?



               結華に




        ストレスをぶつけていた…!!!?



私はこの話を聞いてしまったためかとてつもない怒りを覚えた


結華のお母さん…!!!結華を大切にしているって信じていたのにッッ!!!!!!!


406: 名前:マロン☆03/22(月) 17:41:21
私があまりの怒りに下を向いてこぶしを強く握りしめていると
結華のお母さんは私に気づいて嘘泣きをした


私は結華のお母さんのもとへと近寄った


「おばさん…さっきの独り言。どういう意味ですか?」


少し声が震えていた


こんなことが嘘だと思いたかったから…


「うふふふ……未那ちゃん。何のことかしら?
おばさん全然わかんないんだけど?」


おばさんは笑っていたけどその笑顔はひきつっていた


何でごまかすの!!?


そのごまかしが腹立つ!!!!!!!!


「とぼけないでッッ!!おばさん…結華を虐待してたでしょ?」


私の言葉を聞いたおばさんは少し驚いた後に口角を少し上げて笑った


「何が…おかしいのよ…笑ってないで答えなさい…」


私が"笑ってないで答えなさいよ"と言おうとした瞬間私の右頬に痛みが走った


そして乾いた音が病院の廊下に響く


私はおばさんに頬を叩かれたのだ


私ははじめて頬を叩かれた


叩かれた頬を自分の右手で押さえておばさんを睨みつける


「ガキが生意気なこと言ってんじゃないわよ!!!!!!
あんたに私の何が分かるってんのよ!!?
パート先のスーパーでは上司に虐められて
家ではウザいガキ達のお世話をしてッッッ
もう、面倒臭いのよ!!!
お前みたいなクソガキに私の何が分かる!!?
言ってみろ!!」


そんな理由で…?


そんな小さな理由で自分の子供を傷つけていたわけ!!?


「そんな自分勝手な理由で子供を道連れにしないでよ!!!
私達子供はあんたたち大人のおもちゃじゃない!!!
私達だって生きているんだッッ!!
第一パート先でいじめられているのだって自分が気に入らないことを下からでしょ!!?
私達は、あんた達のおもちゃじゃない!!!!!!」


私はこれでも精いっぱいのことを言ったつもりだった


だって、本当のことだもの…


大人の勝手な都合で子供まで道連れにしてほしくなんかない


409: 名前:マロン☆03/23(火) 21:11:06
おばさんが言い返そうとした時手術室のドアが開いて手袋が血まみれの看護婦さんが飛び出してきた


「誰か結華さんと同じ血液型の方はいらっしゃいませんか?!」


結華に何が起きたの……?


「お母様!!貴方は何型ですか?!!」


確か…結華のお母さんは結華と同じO型のはず…


ついでに私はA型……


結華の力になることはできない…


「私は……AB型です!!」



       え?





     今………………






        何で嘘をついた!!!!!!?



あんたは……


結華と同じO型でしょ!!!?


「そうですか…」


看護婦さんは少し驚きと悲しみの混ざった声だった


「看護婦さん!!おばさんは…痛ッッ!!!!」


私が本当のことを言おうとした瞬間おばさんは私の手をつねってきた


凄い力で痛かった…


看護婦さんは悲しげな顔で手術室に戻った


私は「待って!!」と言おうとしたけれどおばさんに口をふさがれていて言えなかった


そして…それから数分後


悲しそうな表情のお医者様が出てきた


「残念ですが……結華さんは…」




          嘘でしょ……?



      結華が……?




        何かの間違いだよね?




      誰か…間違いだと言ってよ!!!!!!



おばさんは、嘘泣きをしていた



あの時…こいつが正直に自分が結華と同じ血液型だと言っていれば結華は助かったのに……!!!!


私の心の中はおばさんへの憎しみと恨みと怒りでいっぱいだった

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最終更新:2010年12月23日 08:38
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