銀田一 雪さんとシェンフォニー様と後、なんかの話 続き5

113: 名前:サスライ☆06/21(日) 12:16:12
 私、天童 宗厳は果たし合いの場所に居た。
 格好は帝国の時代の軍服。やはり私は何だかんだで軍服が合うと思う。
 その為に造られたのだから。

 まさか、シェンフォニーが生き残りとは思わなかった。だからと言ってためらいは無かったが。

 シェンフォニーは恐らく来るだろう。こう言う、情の関わるところでは変に義理堅い奴だから。

 丈治の情報によれば奴は道筋を辿ると戦時中の輪から海流に乗って流れ着いたの事。記憶はその時に失ったと思われる。身分は不明。
 しかし、当時の技は知っているらしい。

 十分だ。

 身体に身に付いた魂と言うべき技。それに全力でぶつかる。
 輪の帝国でも西の国でも良い。
 戦争から追い出されて、救えなかった私に奴を倒せるか?確かめたくなった。そう結論付けた。

 刀を抜く。帝国の兵隊に一人一本づつ配給される刀。
 兵の証と言ってもいい。島送りにされてもこれを取られなかったのは幸いだと思う。

 私はどうしたい?
 シェンフォニーに何を伝えたい?
 私の居場所は何処にある?

 様々な思いが頭の中を暴れまわり、グシャグシャになったので素振りをして忘れる事にした。



114: 名前:サスライ☆06/21(日) 21:38:11
 一人で茶をすすってた時俺に迫ってきた矢文。
 全く、気配に気付いて頭に迫る矢を掴んでなければ即死だったぞ、シャイな奴め。

 で、それに書かれていた地図によると山の随分奥…。
 そこは古ぼけた扉が丘に埋め込まれていた。
 そして、扉の前では宗厳が素振りをしている。何かを振り払う様な表情で。

 俺は左手を上げて、それを振ってみせた。

「お~い、宗厳。来ちゃったよ~ん♪
待ち合わせ30分前に居るとは君も中々…」

 俺に気付いた宗厳は、刀をダランと垂らした。あ~、こりゃ、体重移動を利用した超移動からの薙ぎかな。
 垂らした方向から察するに~…

 ガキン

「おいおい、挨拶位は返そうぜ。せっかちさんめ」

 俺の身体の影に隠してあった右手に持つ杖と刀がぶつかる。
 そして、杖を引く事で刀を受け流した。

「焦りは禁物♪無防備な姿を晒しちゃう」

 目の前には宗厳の後頭部。何時もなら寸止めで「一本♪」とでも言って、コーヒーでも奢らせるんだが、
 相手は人形兵だ。
 俺はたまに傭兵をするからプログラムを弄くられて未だに兵器にされてるヤツを見たことがある。
 だから実力は承知の上だ。

 だから、鋼よりも硬い杖を後頭部に向かって、勢いよく振る。寸止めなんて出来ないスピードで。


115: 名前:サスライ☆06/21(日) 22:06:00
 シェンフォニーは死合いに剣では無くて杖を選んだ。
 これは自信か。使い慣れてるからか、それとも…

 私は首を『180°』回した。
 目の前には骨の杖。私は背筋力で跳ね上がり、寧ろ杖に向かう。頑丈な額でそれを受けて、弾いた。
 衝撃。しかし戦闘に支障無し。

「おっとっと…」

 杖を上に弾かれたシェンフォニーは体勢を崩してケンケンで後ろに下がる。

 瞬時に身体を回転させ、首を元に戻し、左手をシェンフォニーに向けた。

 私の上腕がパカリと開き、中から小型のマシンガンが出て来る。

 撃つ。調所無く。

 爆竹を破裂させた様な音がして銃弾はシェンフォニーの胴体へ突撃。
 しかし、身を捻る事で回避。ならばと腕を逃げる方向にずらす。

「うっ ひゃあ!絶対当たったら痛いっての。殺す気かよ~、あ、その通りだった」

 シェンフォニーは兎に角逃げて、そして扉に追い詰められた。

 そして、止めの縦断を撃ち込んだ。
 しかし、シェンフォニーは身を縮める事で回避。鉄の扉に跳弾する音がした。

 つまり、回避がそのまま扉の影に隠れる事に繋がる。

 だが、無駄だ。私には熱反応センサーが搭載されている。見れば移動して起きあがってる最中。

 好機。そう思った時にシェンフォニー独特の呑気な声が聞こえた。

「水詰まりには気を付けようね~♪」

 マシンガンが突然爆発した。


116: 名前:サスライ☆06/21(日) 22:24:43
 突然爆発したマシンガン。マシンガンを構えていた左腕が原型を留めない程になっていた。

 私が驚いているとシェンフォニーが得意気な顔をして杖で肩を叩いていた。

「さて、タネ明かしといこうか♪」

 私は左腕を切り離す作業に徹して動けなかった。こうしないと、故障が他の機関にも出てしまう。

「まあ、なんて事はない。バドミントン、知ってるだろ?」

 バドミントン。確か白鳥から剥いだ羽をコルクに突き刺して、中途半端なハンマーで打ち合う競技だったと思う!

「それでは瞬時に片手で羽を打ち返す事が出来てね。そう、どんな体勢でも…」

 そして杖を見る。
 まさかこいつは…

「銃弾を打ち返して、銃口に突っ込んだ…?」

 自分でも馬鹿馬鹿しいと思ってる。状況が状況なら「電波ちゃん」なんてアダ名を付けられ悲惨な学園生活を送るだろう。
 だが、私に出来るのはせいぜい通信電波を受信する程度だ。

 そんな馬鹿馬鹿しい事にシェンフォニーは意地悪な笑顔を浮かべて、言った。

「大正解♪」

 何やら意味の解らないポーズを決めていた。

 そして、今まで理解できなかった事が理解できた。
「怪物め…」
「怪物じゃないよシェンフォニーだよ~ん♪」


117: 名前:サスライ☆06/21(日) 23:00:03
 私はシェンフォニーに向かって行った。銃弾をも打ち返す怪物に右手一本刀一本で。

「宗厳。今の君の眼は、俺が希に見る奴の眼だ。自分を見失っている眼…
誰と戦っているかも解らず、勝手に相手と自分を照らし合わせて自滅する」

 くそ、一太刀。一太刀で良いんだ。頼む、当たってよ!
 何でコイツは軽く受け流す事しかしない、もっと攻めてよ、私を…

「私を壊してよ!」

 嗚呼、そうか。これを伝えたかったんだ。
 自分で死ぬ事も出来ず、決闘なんかを死ぬ理由にして、
 シェンフォニーを自分と照らし合わせて、自分を見失った余りに自分とシェンフォニーを勘違いして、殺そうとして。

 なんだ、結局は自傷行為だったんじゃないの…。

 言葉にしてなんと馬鹿馬鹿しい。見てる奴が居たらきっと私を笑うのだろう。しかし、思い至るまで時間が架かる。

「嗚呼、解った…」
「ん?まだやんの?」

 私は刀を突きで構えた。そして身体中のエネルギーを溜める。
 力の全てを利用して爆発的な突進を生み出す。そのスピードは銃弾にも匹敵。

 しかし、私は確信している。彼はこれを避けて反撃する実力がある。
 だから良い。これで壊れよう。私は口を動かした。

「迷惑をかけて、御免なさい。
でも、私は最期まで兵士なんだ。
この刀に誓って」

 瞬間、エネルギーが爆発する。


118: 名前:サスライ☆06/21(日) 23:23:45
 風を切る。
 景色が流れる。
 過去が思い出される。

 敵を殺せなくて島に流されて、クロガネや社達に会った。

 社が居なくなって、丘に入り口が埋め込まれたこの研究所を二人で護ってきた。

 そして、滅んで、生きる意味を失った。戦う為の機械なのに、結局何も出来なかった。

 恥だらけだ。人生恥だらけだよ。
 救えなかった私に戦闘から生き残ったシェンフォニーを倒せるかなんて、只の建前だ!
 本当は、本当は、本当は…!

「あああああああ~~~~!!!」

 突撃する私に彼は素早く杖を捻る。すると杖から仕込み刀が出て来た。

 あんな隠し玉まであったのか。
 良いね、バッサリやっちゃってくれ。
 私に生きる意味なんて無いんだからさ。

 そして、私の視界は暗黒へ落ちていった。何処までも…。

 † † †

「…の、筈なのに何で私は生きているのだ?」

 左腕が無い状態でシェンフォニーに話し掛ける。彼はやっぱり意地悪に答えた。

「あの時言ったよね♪
『私は兵士なんだ。この刀に誓って』と」
「む…だから何だと…」
「つまり!刀が無ければ兵士じゃ無いって事だ♪」

 白い歯を見せて彼は何かを見せた。嫌な予感がして、的中する。
 それは、折られた刀。私の、刀…。
 取り敢えず叫ぶしかない。

「イヤアアアア~~~!!」


119: 名前:サスライ☆06/21(日) 23:43:3
 突撃する宗厳に向かって俺は仕込み刀を使った。
 ただし、宗厳を斬る為では無い。宗厳を過去に縛り付ける刀を斬る為だ。

 俺は仕込み刀を宗厳の刀の内側に斜めから入れて、仕込み刀が最高速になったところで相手の力に逆らわずつつ、手首を回し、外側に仕込み刀を持っていく。

 千鳥流断刀術・【柳】

 師匠に習った技だ。これは、相手の突きが速ければ速い程に威力を増す。
 効果は、武器破壊。

 宗厳の刀が真っ二つになったと同時に、宗厳の身体は地面に倒れた。

「へ?」

 俺は宗厳を診る。すると様々な機関が弱まっている事が理解できる。

 ならば取る方法は一つ。

 様々な情報網や都市伝説的なもので大体の目星はついていた。
 この山には実は研究所が存在する。
 そして場所は、ここだ!

 宗厳を担いで丘に埋め込まれた鉄の扉を蹴り破った。
 中から表れるは埃だらけの通路。Gの名を冠する虫が居てもおかしくない。

 と、それは良いとして彼女を助けられる所を探して、『兵器用エネルギー室』というプレートが貼ってある所を見つけたので、駆け込んだ。

 お姫様抱っこで!


120: 名前:サスライ☆06/23(火) 22:31:11
 また、生き永らえてしまった。しかも、敵に助けられて。
 なんたる屈辱だ。

 敵であるシェンフォニーは一刀両断された刀を私に見せた。

「てな訳でまぁ、君はもう兵士じゃありませんよ~っと♪」

 噛みつきたい。しかし、身体が動かない。エネルギー不足だ、喋るのが精一杯だろう。

「くそっ!ならば壊せ!
兵士として造られた私から兵士を取ったら存在意味が無い!」

 私は、無茶苦茶になった。そうとも。
 私にもう存在意味は無い。ならば、居場所は無いと同じだ。

 するとシェンフォニーは鼻から溜め息を出した。
 眉をハにしてやや困る。
 しかし、口と眼は笑っていた。知っている。これは暴れる生き物をなだめ、愛でる眼だ。

「宗厳。手紙に国が滅んだとあったが、君は恐らく丈治からそれを聞いたんだろうね
 そして、情報は正しいんだ」

 情報が間違っていたという期待を持たせずに一気に喋る。
 聞くに浸る私に言葉が続く。

「じゃあ、何で今の今まで聞くのをためらった?
実は失いたく無かったんだろう?
『今』 を」

 『今』。その言葉が妙に強調されて脳内に響く。
 そして私は動かない。
 エネルギーが切れてなくともきっと、動かない。


121: 名前:サスライ☆06/23(火) 22:55:54
 さて、俺は宗厳との決着の後に下山したら腹が減った。
 だから24時間営業で有名な【居酒屋;すとろんぐ】で夜食を頼んでた訳だ。

 で、気付いたら寝ちゃってさ~♪店長好い人だから毛布なんぞをかけたりしてくれたりね。

 と、言う訳で…

「シェンフォニー様~、言いましたよね?
朝までには帰ってきてと言いましたよね?」
「怒っちゃ嫌ですよ~雪さ~ん」
「アハハ。
怒ってませんよ?折檻をしようとしてるだけですよ?」

 と、言う訳で逃げてる真っ最中~。いやいやいや、折檻の根幹となる感情は怒りだからね!
 口では笑ってるけど眼は殺意でギラギラだったからね!

 うん。まさかフライパンを構えたメイドに追い掛けられるという漫画や小説みたいな事が起こるなんて…。
 あ、小説だった。

 そういう訳で俺は山に向かっている。宗厳の家に隠れてやり過ごせば、怒りが収まる可能性も…

「ねーよ」

 ああ、もう。雲吉、やってみなきゃ分かんねーだろ!
 宗厳の家であるログハウスのドアノブに手をかける。
 あの後放置したけど、エネルギーが動ける位に溜まって帰ってきてる頃だ。

 そして俺の視界に入ってきたのは着替え中の宗厳の黒い下着姿で…

「キャアアアアアア!!」

 声を聞き付けて鬼のような雪がやってくるのはそう、時間がかからなかった。


122: 名前:サスライ☆06/23(火) 23:19:23
 私は天童 宗厳だ。
 私の自分自身に対する怒りを全て受けきった男、シェンフォニーに昨日言われた事を思い出す。

「充電が終われば動けるから安心してね。
さて、陽も昇りそうだし俺はそろそろ帰るかね。
朝帰りなんぞしたら雪に平手打ち位は喰らいそうだ」

 いや、雪ならフライパンでぶん殴る位はするのでは無いだろうか。
 因みに重要なのはその続きである。

 部屋を出ようとするシェンフォニー。突然歩みが止まる。
 緩い顔をして此方を見た。

「宗厳や。お前の居る場所はこの現在だ。
確かに、宗厳の戦闘力を必要とする人間は居ない、
しかし、宗厳のキャラを必要とする人間ならいっぱいいるぜ。

 雪とか、丈治とか、クロガネとか、そして…
 俺とかな♪」

 言い残し、シェンフォニーはポケットに手を入れて部屋を去った。
 歯を合わせて思いっきり笑ったままの顔で。

 様々な所に温かさを感じる。
 それは充電のプラグからも感じられるし、部屋の空気からも感じられるし、私の心臓からも感じられた。

 部屋には私一人しか居ないが、孤独とは無縁だった。

 そして今。

「さぁてぇ~、どうしてくれましょ~かねぇ~♪
馬鹿主が」

 あの時、私を打ち負かした男はフライパンを持った従者に押さえ付けられて、ジタバタしていた。

 何故か、笑いが込み上げてきた。


123: 名前:サスライ☆06/24(水) 00:06:31
 私、銀田一 雪は部屋を見渡す。部屋とは天童ちゃんが着替える為にそさくさと奥に行ってしまって、二人しか居ないこの部屋だ。

 昨日、私は晶ちゃんの部屋のインテリアを取りに行った。これが重かったが晶ちゃんの部屋に栄えが出て、やり遂げた感がある。

 天童ちゃんの部屋も同じだった。必要最低限の物以外は置いていない。
 サッパリしているが、詰まらない部屋だ。

 と、言う訳で、

「はい、シェンフォニー様。これを持って下さい」

 私はコンポをシェンフォニー様にヒョイと渡す。シェンフォニー様は物凄い顔で担いでいた。

「ぐ、おおお…重いってば雪…」
「これ位で音を上げちゃ駄目ですよ♪『お仕置き』なんですから。
ところで天童さん、身体全体を映す鏡は持ってます?」

 天童ちゃんは辛そうにしているシェンフォニー様を見た。シェンフォニー様は「ヘルプぷりーず!」と言っている。
 それに対して笑みで返して、彼女は言った。

「い いや、無いな♪そう言えば軍服以外は今着ている、昨日買ってもらった服以外は無い。
どうせだし買ってしまおうか」

 太陽が青空にある。その下に彼女の笑顔がある。
 輝いている。そのまま口を動かす。

「荷物持ちは当然シェンフォニーでな♪」


124: 名前:サスライ☆06/24(水) 00:08:22
第五話 完


125: 名前:サスライ☆06/25(木) 13:42:55
 第六話

 村雲島。何も無い様に見えるこの島だが、人が住み、
 笑い、怒り、泣き、やっぱり笑い、感情に満ちている。

 そして感情を生み出すのは周りとの関わり。仕事やら学校やらだ。

「…と、言う訳で学校は学業より周りとの関わりを重視する必要があると思う!」

 俺、橘 文哉(タチバナ フミヤ)は威圧感丸出しの先生に言い放つと、向こうは言葉を返す。

「ほう。それが授業中消しゴムで作った彫刻で品評会をしていた言い訳か」
「その通りだ!見よ、この素晴らしい女体像!」

 俺は消しゴムで作ったボインボインで水着のねーちゃんを先生に見せた。
 そこで喰らいつく男が居る。夏でも毛皮のコートを着て、ゴーグルタイプのサングラスをかけて素顔が解らない男、新木 タオ(アラキ タオ)。

「甘いぞ文哉!時代は水着よりもメイドを必要としている!」

 机の上に本格的に作りこまれたメイド像をのせて、格好良く言う。漫画なら「どきゅーん!」なんて効果音が付いてもいい。

「何!?何を根拠に!?」
「こないだ商店街でアイアンクローかますメイドさんを見た!」
「んな筈ねーだろ!」

 俺は叫ぶ。流石に無理のあるそのギャグを否定する。
 しかし、次の瞬間だ。ノックの音の後に誰かがこの「生徒指導室」に入って来た。

「雑用の銀田一ですが、お茶をいれに来ました~」


126: 名前:サスライ☆06/25(木) 23:42:13
 事の始まりはシェンフォニー様のこの一言が始まりだった。

「雪、 ちょっと学校行ってくるわ」
「はぁ?」

 多分私は灰色と深緑が混ざった渋い顔でシェンフォニー様を見ていただろう。
 彼の行動が意味不明なのはよく在る事だ。が、何故に学校?
 まさかネタに詰まって学園編!?
 …と、いう裏事情的なものは置いといて、
 教師でもやるのだろうか。いや、まず無いだろう。
 では生徒しか考えられない。今から一般常識を知る為に学校に…。
 しかし、髭を剃ったとしても無理があるだろう。ならば私がサポートすべき事は只一つ!

「シェンフォニー様!この銀田一 雪。必ずや良い特殊メイカーを探し出して見せます!」
「…え~と、どういう事?雲吉?」

 シェンフォニー様は肩に乗っかってる雲吉に取り敢えず聞いてみた。うん、雲吉は便利なキャラだ。

「シェンフォニーが生徒になると考えてるんじゃねーの?」
「あ~、成る程~。そりゃ悪いねぃ。なんせ顔のツヤとか結構…
ってオイ!どう考えたって教師だろうがよ!
代理を頼まれたんだよ」

 私は己の耳を疑った。生徒になったとしても素敵なアウトローライフを送りそうな彼が教師?
 せめて見張り位は必要ではないか?
 だから突発的に言ってしまった。

「じゃ あ私も行きます!」


127: 名前:サスライ☆06/27(土) 11:43:06
 始まりは、突然宗厳が出した試験用紙だった。
 俺は兎に角やれと言われた物だから頬杖をかきながら問題を解く。
 普段から暇潰しに書斎の本を読んでるから割と楽だった。

 まだ、代わりの腕パーツが届いていないから彼女は片手。しかし器用に採点して言ってみせた。

「よしシェンフォニー。貴様は今から教師だ」
「え、 あ~、うん。別に良いけど…」
「いや、驚けよ!突然教師なんだぞ!?」

 宗厳は顔を真っ赤にして受け流しに対して抗議する。

「… もしかして、今のが精一杯の茶目っ気なのか?」
「……」

 明後日の方向を見て何も言わない。うわぁ、図星じゃん。ならば、俺に出来る事と言えば…

「オモシロイヨ~」
「うわあああ!
棒読みなのが痛いよ~!いっそスルーしてよぉお~」

 腰に差した棒きれでペチペチ叩いてくる。
 やっぱ刀に思い入れがあったんだね。

「ま、まぁともかく!貴様は今日は教師なのだ!」
「ナンデ~」
「私の剣の弟子が高等学校の校長をしていてな、どうにも教師の代用が必要だから、知識人を持ってこいという話だ」
「俺 が知識人なのは嬉しいけど、晶ちゃんもなかなかよ~?」

 そこで宗厳は肩を震わせた。

「バ、バババババ…バカァ!アイツなんぞに頼めるかぁ!」

 この後、これをネタに散々いじくってみた。


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最終更新:2010年05月08日 17:47
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