恋愛物語

2: 名前:ブラックスター☆11/28(日) 18:27:05
プロローグ

林桜中学校(リンオウチュウガッコウ)2-Bの生徒。
森岡 優(モリオカ ユウ)。

学校では、無愛想で有名。

友達なんて、要らないよ。

その人の顔の色ばかり気にし合って。
ストレスが、たまるだけじゃん?

でも、そんなあたしも『演劇部』に属している。
私の両親、どっちとも同じ演劇団に属してるの。

まぁ、言うとそれで出会ってめでたく結婚みたいな?
ま、夢みたいだよね。
ん?

夢って言うより、漫画か。

まぁ、それは置いといてその影響。

そして、今日は……、役決めの日。
言うと、1番詰まらない日か……な?

もちろん私は、悪役決定。
ま、レギュラー入れて良いんだけど。

そんな、馬鹿げた私の物語。



3: 名前:ブラックスター☆11/28(日) 18:44:05
第01話 練習

「ほい、じゃあ、発表しまーす」

このチャラけた人が、部長。
でも、結構演技力凄い。
名前は、大竹 秋(オオタケ ミノル)。

学年関係なくモテルらしい。
でも、彼女は居る見たい。

同じ部活の、副部長。
愛川 凛香(アイカワ リンカ)。

「ちょっとー、皆ー。 
秋の話静かに聞いてよー」

この人も、モテル。
だから、お似合いカップル。

「まず、主役の王子は、モチ俺さー」

批判の声が飛び交う。

「いやいや、ちゃんと顧問のセンセーとも話し合った訳だから、文句はナッシング」

そう言うと、皆は静かになった。

「で、姫役は凛香」
「はーい! 宜しく」

「で、姫の妹ま、悪役は森岡ちゃん」
「はい。 頑張ります」

そうして、ドンドン決まって行く。

「はいはーい。 では、読み練習だけしますからねー。
本気で読めよ!」

「はい!」

皆で、そう返事した。

「じゃ、ナレーターから」

「ある国の物語。 姫君は何時も、窓の外をみているのです」
その時、効果音の穏やかな音楽が流れた。
私の時は、鋭い音楽なのに。

「今日も、小鳥は唄い。
民衆は、笑う。
私(ワタクシ)は!?
私の生活は!?」

次私だ。
正直、姫役はやだなー。 
喋り方、キモいしー。

「あら? 姉上何をなさっているの?」
「あら。 愛しき妹よ」
「私(ワタシ)と違い、国の次期王女に選ばれた姉上は、お暇などないのでしょう。
それとも、1人、生活の窮屈さに憐れみを抱いていたの?」

……40分後。

「はーい! ここまで。 
凛香と、森岡ちゃん良かったよ?」
「ありがと―ございます」
「はは! 秋、大げさ~」



4: 名前:ブラックスター☆11/29(月) 19:19:14
その後、部活は終了。

「各自かいさーん」

部長の声が響くと、私はすぐ部室をでた。

他の部活は、終わっていない様子。

それでも構わず私は、堂々とグランドの真ん中を自分のペースであるった。

男女構わず、私の話をしているのが分かる。

それも、構わない。

1月の下旬。

薄い制服に、コートだけでは物凄く、寒かった。

マフラーとか、手袋あればいいのに。
そう思いながらあるった。
手は、コートのポケットの中。

風は、冷たい。
北風。

ふと思った。
なんで私、独りなの?

ふと思ったそんな気持ちが、とっても苦しいものになった。

なんで、お父さんもお母さんも私を独りきりにするの。

寂しかった。

「なんで私……、惨めなの?」

ふとこぼした『言葉』と共に『涙』まで出てきた。

その涙は、温かった。
なのに、心は冷え切っていた。

「寂しいよ……」

誰も居ない路上で、1人、涙をながした。

ガチャン

重い音と共に家の中の様子が分かる。

『ただいま』なんて、何年言っていないだろう。

私は、リビングで炬燵(コタツ)に線を入れるとその中に入り込み、台本を手にした。

練習するためだ。

いくら辛いことがあっても、休めない。
私は、台本と一緒にノートを取り出した。
そのノートに、重要な点や、その場面でおもったことを書くノート。

「隣国の王子様! 姉上の様な方に、本気で恋に落ちるのですか!?」

違う!

ここだけは、何回よんでも駄目。
何かが違う。

妹の感情と、私の感情は違う?

「はぁー」

大きな溜息と、欠伸をした。
そして、もう一回、挑む。
次は、第4場面の妹の見せどころの台詞。

「あぁ! 姉上! 姉上が……、憎いわ!
どうして!?
どうして、姉上ばかり良い思いをするの?
何の努力もしていない姉上。
私は、しているのに!
ただ、私より先に生まれたと言うだけの!」

この長い台詞。
ここが、見せどころ。

それより、やっぱこういうシーンは出来てる。

自分でも、分かる。

「隣国の王子様! 姉上の様な方に、本気で恋に落ちるのですか!?」

違う。
妹は、『嫉妬』しているんじゃないの?





5: 名前:ブラックスター☆11/29(月) 19:36:55
第02話 優の恋心

「……」

無言で教室に入る。
多分、挨拶したって虚しいだけだろう。
だって、教室には誰も居ない。

なんで、1番に来るのか?
それは……、家に入れないから。

別に、親子仲が悪い訳じゃない。
ただ、なんて話せばいいの?

それが、不安だった。

その時、目に入った紙切れがあった。

―――――――――――――
女子へ

女子全員に回すんだよ(森岡以外)
なんと、愛川先輩、浮気してるよ!

by ほのか

――――――――――――――

は?
そんな訳無いじゃん。

その紙を、ゴミ箱に捨てた。

ピロロロローン
メールだ。
可笑しいな。
ケー番しか、愛川先輩に知らせてない。
だから、愛川先輩?

あ、愛川先輩は、部活のこ全員のケー番を知っている。

それは、驚く人からだった。

―――本文―――

ども! 秋でぇす☆

凛香からケー番聞いて、赤外線で送ってます!

何か……、悪いな。
個人情報、勝手に……。

てか、きのー泣いてなかった?

なんか、気になって。
わり

END――――――――

え?
見られた。

なんでか、私の頬は熱かった。

私は、すぐ返信した。

―――本文―――

どうも。 森岡です。
何時も、部活ではお世話掛けてます。

昨日?
すみません。
泣いてません。
では×2

さよーうなら

END――――――――





6: 名前:ブラックスター☆11/30(火) 19:59:42
何時もは、すぐ携帯を閉じる。

けど、今はずっと画面を見つめている。

もしかしたら……、返信されるかもしれない。

そう期待しした。

けど、いくら待っても返事はこなかった。
「はぁあ」

気づいたら、重い溜息をついていた。

私は、台本に手を伸ばした。

『姫と王子の恋愛』

そんなありきたりの名前。

この物語は、1年の編集係が作っている。

「隣国の王子様! 姉上の様な方に、本気で恋に落ちるのですか!?」

もう1度読む。
違う。

私は、台本はそのままにして携帯を見つめた。
この文は、先輩が書いた。

そう思うと、嬉しくも、恥ずかしかった。

そう……、これは『恋』。

でも、先輩には可愛い彼女がいる。

先輩……、一瞬で良いから……、私に恋して。
彼女じゃなくて、私を選んで。


分かった!

「隣国の王子様……! 姉上の様な方に……、本気で恋に落ちるのですか?」

そうだ!

妹は、姫を憎んだんじゃない!

王子に、好きになってもらいたかった。

……、そう。
姫への笑顔を、自分へにしてもらいたかったんだ。

まるで……。

今の私と同じ。

「フフ」
ふと、笑みがこぼれた。



7: 名前:ブラックスター☆12/01(水) 20:43:11
ピロロロロン

携帯の着信音が部屋に響く。

私は、画面をガン見した。

―――本文―――

返信遅れてごめん!

他のダチと遊んでて……。

そっか×2

わりぃ

じゃあ

END――――――

先輩
先輩。

私、こんなにも愛してた。
愛しくて仕方ない。

夢の中にいるみたい。

そんな気分。

あぁ、人を愛すってこんなにも気持ちが良いんだ。

「先輩、会いたいよ」

ガラー……

今日も、教室には誰もいない。
静かな教室。

私は、窓から先輩が到着するのを見ていた



8: 名前:ブラックスター☆12/02(木) 20:25:53
何分かたったら、愛川先輩と登校してきた。

……、みなきゃ……、良かった。

『恋した』と分かると、先輩が女の人と仲良くしているのを見ると悲しくなる。

―私は、選ばれていないんだ。

窓越しで、先輩と目があった。
優しく、手を振ってくれた。

私も静かに手を振り返した。

すると、隣にいた愛川先輩が私の事を『キッ』と私の事を睨んだ。

私は、重い足取りで女子更衣室に入った。

今日から、衣装を着て練習なのだ。

ガラ―……

そこには、数名の1年と私のみの2年、愛川先輩だけだった。

「こんにちはー」

元気よく1年が挨拶する。

私は、黙礼ですませた。

その時だった。

「ねぇ。 良く堂々と部活くれるのね。
森岡ちゃん」

愛川先輩の冷たい声。
私は、とても声を出せる緊張感ではなかった。

「あの……、あれは」
「あはっ。 暗いアンタと、秋が釣り合うとでも!?」

愛川先輩……。

「そうですね。 私は、先輩のこと、好きです。
愛川先輩という彼女が居ても……」

私は、そう言い残すと、屋上に走った。

策に背をもたれかけ、静かに泣いた。

「怖かった……」

愛川先輩。




9: 名前:ブラックスター☆12/03(金) 18:38:58
第03話 先輩への愛

私は、ずっと屋上に居た。

でも……、そろそろ行かなきゃ。

顧問の先生が心配してくる。

「はぁ」

重い足取りで、部室へ向かう。

ドアの向こう側には、一部始終を見ていた1年。
私の事を嫌っている愛川先輩。

そして……、大好きな先輩。

ガラ―……

後ろのドアを開けた。
もちろん全員目線は私。

「あのっ。 遅れてごめんなさい!」
私は、先輩に謝礼の言葉を捧げた。

なのに……。

「はぁ。 おそいんですけど。 やるきあんの?
俺ら、この劇が最後なんだよ!
お前1人のせいで、ぶっこわさないようにしろよ!

今日は、見学!」

先輩の冷たい言葉。

心が、冷え切った。

1年は、気まずそうに。
愛川先輩は、冷たく私に笑った。

先輩は、厳しい顔をしていた。

不幸中の幸いに、同じ学年はいない。

正直、泣きたい。
泣きたいけど、ここで泣いちゃ駄目。

そう思うと、胸が痛くて痛くて仕方がなかった。

……、先輩。
きっと私の事嫌いになりましたよね?

更衣室であったこと全て言えば、同情して
『そっか』って言ってくれますか?

「姫よ! 僕と、森へお付き合いしてくださりませんか!?」

王子は、この後……。
姫と森ではぐれる。

そして、姫は気を失って倒れている。
見つけるのは、王子ではなく。

私……、そう妹。

そして、姫を殺そうとする。
でも、王子はそれをみて姫をかばい自分が死ぬと言う話。

そう。
まさに私は、最低の悪役。

「お疲れさまでした~」

先輩が言うと、全員それぞれ廊下に出て、帰宅の準備をした。

「森岡ちゃん、残ってくれる?」

「秋! 私も残って」
「駄目だ」

先輩は、キツメに言った。

愛川先輩は、分かったと大人しく出て行った。

今、この個室では先輩と2人きり。
緊張で、胸が張り裂けそう。

「なぁ、何時も熱心な森岡チャ……」
「その言い方止めてください」
「何で……?」

先輩が、今まで通りに優しくするから期待しちゃう。

私は、俯いていた。

「……分かった。 森岡、今まで遅れた事なんてなかったよな? もしかして、保健室で……」

「違います。 私は、元気です。
ただ、行きたくなくて屋上に居たんです」

「どうして来たくなかったん?」

「めんどくさいんです。
別に、良い役な訳でもないのに……頑張って」

「そんなこと言うなよ!」
「先輩は、気づいてますか?
妹が、姫を殺そうとした訳」
「そりゃ……。 姉ばっか良い思いして……憎くて仕方なかったんだろ」

なんか、先輩に勝てた気がする。

「私も、最初そー思い込んでいました。
でも、違くて。
妹は、王子の気持ちを変えたかったです。

姉を、殺して……。
妹へ変えたかったんです」



10: 名前:ブラックスター☆12/04(土) 13:34:53
「……、やっぱ、お前演技力すげーわ。
それに応じて今日は見逃してやる。
じゃあな」

そう言って、先輩は、帰って行った。

もうちょっとで、告白できそうだったのになぁ。

私も部室を後にした。

「はぁ」
重い溜息をついた。

その時……。

「キャ!」

何かに足をつまずかせ、転んだ。
しかも、私らしくない声をだして。

「『キャ!』だってー。 にあわねぇ~」

そうつまずいたモノは、愛川先輩の足。

その後ろには、1年がいる。
なんだ、部活のメンバーを使って、私をいじめるんだ。

「来い」

そう言われついていくとそこは、屋上。
イジメの有名スポットだ。

「あ、別にトイレでも良かったんだけどね~。
臭いし~」

そう言われ、キャハハと1年が笑う。

「ねぇ、言いたい事分かる?」
「はい。 先輩から手を引けと?」



12: 名前:ブラックスター☆12/04(土) 14:56:15
「まっ、そーゆーこぉと!」
「……言われなくても、引きますよ!」

ヤケクソで、そう言ってやった。
すると、愛川先輩と1年はフッと笑って……、屋上を後にした。

「うっ……ふゎ……」

涙が、出てくる。
「なんで、私は……、こんなっ!
こんな、泣き虫なのぉ?」

泣きながら自問する。

可笑しいよね。
でもね。

先輩から手を引くなんて無理な話。
でも、先輩は、愛川先輩を愛してるんだ。

泣きやんだら家に帰った。

ガチャッ

「お帰りー」

懐かしい声がした。

「おっ……、お母さん! お父さん!」

私は、玄関で立ち止まってしまった。
「仕事は?」

冷たく言い放つと、お母さんは悲しそうな顔をした。
お父さんは、俯いていた。

沈黙を破ったのは、お父さんだった。
「すまない。 
何時も、孤独な思いをさせて……」

「何それ! そんな綺麗な言葉を嘆かれければいい父親を演じれると思った?」

私は、そう言うとすぐ私の部屋へ入った。

ホントは、あそこで止めてほしかった。

『すまない』じゃなくて、『これから、一緒に……』の方が嬉しかったな。


14: 名前:ブラックスター☆12/04(土) 20:19:14
第04話 現実は、冷たいもの

ガラ……

何時もより、勢いはなく女子更衣室に入った。
女子更衣室には、愛川先輩だけだった。

……チャンスだ。

「愛川先輩! この前は、失礼な事をしました!」

そう言って、頭をさげた。
愛川先輩は、無言。

「あの……ですから、何時も通りに!」
「何だ……、そんなこと?
勿論YESよ。
ね?」

私は、頷いた。

これで良かったの。

そう自分に言い聞かせた。


「あぁ! 王子よ……、もうお国に戻られるのですか!?」
「あぁ……。 勿論、僕も寂しい。
……、姫。
お互いの……愛しあっている証を!」

ココは……、キスシーン……。
カレカノだから平気だよね。

普通、展開的にはやめてと叫ぶべき。
でも、そんなことする勇気何か無い。

私は、無愛想なんじゃなくて臆病なの。
だから強がっているの。

私は、こうして、練習から本番の日まで、この先輩と愛川先輩のキスするところを見て、苦しみ、もがかなければいけない。

私は、俯いていた。

あぁ、私の出番。
出たくない。
でも、でなきゃ。

……。

「姉上……?
何をなさられてるの?」
「あぁ。 ジュリアン(妹の名)よ!
お主は、何している」
「姉上。 庭を散歩することが悪いことですの?」

ザ―……

雨が降る音……。

ホントなら、この雨と共に溶けてしまいたい。

「雨だわ。 城へ帰りましょうね」



「おっかれさーま!」
「じゃぁ、サヨナラー」

独り、帰り道を歩く。

ザ―……

「雨……」

私は、鞄から折り畳み傘を取りだした。

バサッ

傘を開いて、ゆっくり歩く。

「スぅぉこの人ぉォ!」

後ろからでかい声で叫びながら走ってくる。

「誰だよ……」

私は、そのまま歩き続けた。

でも、その人は遂に、私の隣に来た。

「ねぇー。 傘ないんだー。
いぃれぇて!」



15: 名前:ブラックスター☆12/05(日) 13:01:20
何コイツ?

知らない人を入れる訳ないじゃん。

「ゴメンなさい。 私、急ぐので」

そう言って、早歩きした。

「ちょっと、待ってよ! さっきから、めちゃのんびりじゃん」

「……、分かったよ。 ハイ。 この折り畳み傘貸す!」

私は、鞄から一ヶ所ほあ折れてしまっている傘を取りだした。

ホントは、一昨日にでも、捨てようと思ったんだけど、お気に入りの柄だから捨てたくなかった。

「マジッ!? いいんすか!?」
「良いよ……」

そう言うと、そいつは、満面の笑みを浮かべた。

「俺ね、門松 和生(カドマツ カズキ)。
私立蒼堺男子中学校(シリツアオサカイダンシチュウガッコウ)2年A組 7番!」

「……、ッフフ! そこまで、言わなくていいのに。
ていうか、貴方、蒼堺って……頭良いんだ!」
「まぁねぇ」

「私は、林桜中学。
同じく2年!
森岡 優です!」

普段、人に心を通わせられない私は、なぜか、和生君には心を通わせられた。

その後、メアドを交換した。

ガチャッ……

今日は、居ないみたい。

私は、自分専用のお菓子棚からキャラメルポップコーンを取りだしたら、食べながら劇の練習をしていた。

黙読を、していた時。

ピロロロロン

携帯が鳴った。
先輩かと思うと、ドキドキした。

……でも、さっきからちらちら和生君の事が、頭に出てくる。

―――本文―――
どぉもぉ! 
ミノルンパでぇす!

何してたぁ?

あ……。
最近、ようなくメールしてごめーん。

ヒマなんだ。

だから……。
あ。

ごめーん。
リンカ姫が遊びに来た。

今度お前も、遊びに来いなー

END――――――

……なんか、テンション下がった。
なんでだろ。

手にする前は、あんなにドキドキしてたのに。

―――本文―――

どぉも!
森岡ちゃんです。

……、遊びになんて滅相もない。
控えさせていただきます

END――――

……!

そうだ。
私から、メールしててもいいんだ!

―――本文―――

先ほどの、優です(V3V)
よーは、無いけどさ。

まァ、ヒマ潰し?

今度会おうね(←ドキドキ)

END――――――





16: 名前:ブラックスター☆12/05(日) 17:33:18
何分かすると、返信が来た。

―――本文―――

オぅ! 今度、会おうぜ。
……マジバナ。

優と会うと思うとめちゃドキドキするすぃ。

明日の……5時30分にでも、会えないか?

良い返事を!

END――――――

私は、この文を読んだらとっても嬉しかった。
「ケー番も教えといてもらって良かった」

そう言うと、和生君の携帯に電話をかけた。

プルルル

すぐに出てくれた。

「あっ! 和生君!?」
『おい、どーしたんだよ』

……和生君の声だ。

「なんか、メールなんかじゃなくて……。
その、和生君の声が聞きたかったの!」
『ハハっ。 なんだそれ。
てれんじゃん』
「明日! 明日、会おうね!」
『おう! 林中の前でまっててやるよ!』
「うん! じゃーね!」
『おう!』

プツン……ピー

切られた後の音が切なかった。

「いってきまーす!」
朝、何時もは絶対言わない『行って来ます』。
でも、今日は大きい声で言った。

すると、階段の所で、お母さんとお父さんが不思議そうに見てた。

私は、にこっと笑った。
お母さん達は、笑い返してくれた。

走りながら学校へ向かう。

早く、早く!
放課後にならないかな。

その思いでいっぱいだった。

今日の授業は、まともにノートを書いた。

なんか、良い子にしてれば、和生君が褒めてくれそうな気がしたから。




18: 名前:ブラックスター☆12/05(日) 19:07:35
「姉上! ……この世から出ていけぇぇ!」

私は、そう叫びながら愛川先輩の胸に偽物のナイフを突き刺そうとする。

「やめろぉ!」

そう王子役の先輩がやってくる。

「あぁ。 私は!
なんて過ちを犯したのでしょう!」
「……、何泣いているの? ジュリアン……!?
おう。 王子様!」

「おっつかれさーん。
あ、みぃーんな!
今日、発表丁度1ヶ月前記念でカラオケ行かなーい?」

「あ、ゴメンなさい! 今日は……先約が」
「そっか仕方ないね」

愛川先輩に許可を取ると走って校門へ向かった。

「和生君!」

私は、息を切らしながら和生君の肩に右手を乗せた。
「ハハ! 走ってきてくれたの?」
「うん! ……はぁ。 はぁ」

和生君は、私に笑顔を向けてくれた。
「ねぇ、何処行きたい!?」

和生君の問いに私は迷わず言った。

「クレープ食べたい!」
「じゃ、駅前のカフェいこっか」
「うん!」

学校での私を知られたくない。
だから、明るくふるまった。

「私、生クリーム&キャラメル」
「じゃあ、生クリーム&キャラメル1つと、チョコ&苺1つ」
「かしこまりました」

そう言うと、店員さんは素早く動いてクレープを作ってくれた。

「1200円です」




19: 名前:ブラックスター☆12/05(日) 20:57:10
「んま! 何このクレープ王族が食べる奴じゃないのかよ!?」
「はは。 大げさ~」

こんなふとした会話が楽しくて仕方なかった。

「あれー? 森岡ちゃん!?」

この声……。

「先輩! 愛川先輩!?」

と、後輩。

「ん? 知り合い?」
「う……ン。 部活の先輩&後輩」

どうしよ。
こんな明るい性格先輩達に見せられない。
かと言って、和生君に暗いとこみせらんない。

「えー、森岡ちゃん! こんなイケメン知り合いなの?」

先輩が、言う。

「ども!」
和生君が、元気よく先輩に挨拶する。

「えぇ! その制服!? 蒼堺中!?」
「YES!」

私は、気がついた。
愛川先輩の目線に……。

もしかして……。
私は気がついた。

愛川先輩が、居る限り……私は、理想の人と恋仲に慣れない。

現実は、冷たすぎる。



20: 名前:ブラックスター☆12/06(月) 19:51:00
第05話 揺れる

その後、一緒にお茶することになった。
ただ、後輩たちとは別行動。

私は、ホットココア。
和生君は、ホットレモンティー。
先輩と愛川先輩は、ホットミルクティー。

注文し終えた丁度、
「ねぇ、森岡ちゃん。
一緒にグロス直し行くのついてきて~」
「良いですよ」

そう言って、2人で席を立った。

「ねぇ、森岡ちゃんじゃなくて、優って呼んでいい?」
「ハイ……。 でもどうして急に?」

先輩は、ニヤッと笑った。

「私達の仲でしょ?
彼紹介してよ?」
「じゃあ。 後で」
「先行ってるよ」

愛川先輩が去ったあと鏡に映る自分を見つめた。

決して、可愛いとも綺麗とも言えない顔。

性格も冷たいし。

私に良い所なんて有るかな?

「!」

ふと思った。

愛川先輩……、浮気してる……?

私は、すぐに戻った。

席に着くと小声で遅いと言われた。

「あ。 そうだ! 紹介してなかったよね?
こっちが、門松 和生君」

「よろしく~」
「で、こっちが先輩の大竹 秋先輩」
「ちぁーす」
「で、この人が、愛川 凛香先輩だよ!?」

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最終更新:2011年01月16日 14:02
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