57: 名前:ブラックスター☆12/26(日) 12:33:55
私は、ご飯も食べずに、すぐ寝た。
ピリリリリ ピリリリリ
ガチャンっ!
私は、勢い良く目覚まし時計を止めた。
制服は、長袖だから、包帯は見えないはず。
私が、朝食を得て、学校に行こと靴を履いている時……。
ピーンポーン
誰かが、チャイムを押した。
香葉?
でも、香葉はもっと学校の近く。
ガチャ
私は、扉の前に立っていた人を見て、心の中で溜息をついてしまった。
「おっはよ~」
そう、そこに立っていたのは……、先輩。
「おはようございます。
朝早くから、どうしたんですか?」
なんでだろ。
先輩と、会いたくない。
どっか行って欲しい。
先輩なんて、好きどころか、嫌いだよ。
―っ!
私、何言ってるの?
最近おかしいよ。
「ん? 義理の恋人だから、登校・下校は一緒の方良いかな~なんて」
「なんで、『義理』なのに?」
「だって、『義理』って事は……、時間が限られえる訳で……そしたら、1秒でも一緒に居たいかなって」
私は、長く、邪魔な髪の毛を片手で払った。
「……なんで、ここまでこだわるんですか?」
「はい?
当たり前だろ?
本気で、お前の事、好きなんだから」
……
私は、ずっと先輩の話を聞いてるフリをして、なんとなく話していた。
本当に、考えなきゃいけないのは……、和生君の事。
「じゃあなぁ」
「放課後!」
私は、そう言うと教室に入った。
荷物を置くなり、職員室へ向かった。
「失礼します」
……
なんか、心が晴れたわ~!
「こうするしか……なかったんだ」
自分に言い聞かせた。
58: 名前:ブラックスター☆12/26(日) 14:06:14
今日の授業は、耳にはいらなかった。
「どうしたの?」
私は、窓の外を見つめていた。
が、香葉の声で我に返った。
「え!?」
「ずっと、ボウとしてる」
「参階さん、香葉。 平気だよ?」
「あ、あのね。 参階じゃなくて、蛍って呼んで?
香葉さんも」
……
「香葉、蛍。
私ね、演劇部辞めたの。
朝、退部届出した」
「えっ!?」
「なんでですか!?」
「私、センパイに告られて、義理で付き合ってるの。
でもね、ホントは嫌だ!
和生君の事、忘れたくない!
先輩と居ると、『楽しい』って思うの!」
59: 名前:ブラックスター☆12/26(日) 18:54:48
第11話 願い
「え!
マジで!?」
「……、断れないですね……」
「っ! もう嫌だ!
なんで、なんで!
和生君もっ、先輩もっ大っきらい!」
―っ!
また。
まただ。
「あれ……?
私、最近何してるんだろ?
あれ!?」
「ちょっ、優落ちついて!」
「……。
怖いよぉ!
ヤダ!
怖い!
嫌ぁぁ!」
怖いよぉ。
怖い。
誰か、誰か!
この暗闇から……助けてよ!
「ぅう! ひっく。
怖いよぉ。
うぅ。 あぁ!」
涙が、止まらない。
「落ち着いてください」
「ねぇ、どうしたの?」
「あ、森岡さんどうしたの」
そんな言葉要らない。
助けてくれればいいの!
「うぅ。 うゎん。
はっ、はっ!
ひっく!」
「落ち着いて!」
やだ、やだ!
可笑しくなりたくない。
死にたいっ!
「ぅうう。 死 に……たいよぉ」
「何言ってるんですか!?」
ほ……たる?
「なんで勝手に死 のうとしてるんですか!?」
「あ……」
私、私。
この身体、もう私のじゃない!
分かんない。
もう、分かんない。
ドタっ
私は、頭を強く机に打った。
「……?」
そこは、見慣れない天井だ。
「あ、起きた?」
その声は、保健室の先生の声だった。
「分からないけど、急に力が抜けたらしいわ」
60: 名前:ブラックスター☆12/26(日) 19:04:50
そう……なんだ。
「ご両親に向かいに来てもらうわ」
「やめてくださいっ!
これ以上迷惑かけたくないんです!」
保険の先生は、
「じゃあ、まだ寝てなさい」
そう言って、どこか……多分職員室へ向かった。
多分、疲れただけ。
最近、色々あったし。
それだけ。
「……なんで、和生君嫌いなんて言ったんだろ」
和生君は、今寝てるだけ。
ただ、良い夢を見て……おきたくないだけ。
「ね……む」
何も考えずに……寝てよう。
……
―ガラッ
「大丈夫か!」
「……んっ?」
目の前には、先輩の顔があった。
窓を見るともう、空は茜色に染まっていた。
「悪いなっ。
来るの遅くなって。
部活、あったから」
「先輩、劇の事……聞きました?」
「? あぁ! 仕方ないよ。
倒れたんだろ?」
知らないんだ。
「大丈夫か!?」
先輩……、ウザいです。
黙っててください。
って、言いたいけど言えるわけないか。
「先輩、今日お母さんに、向かいに来てもらうので帰ってください」
「え……でも?」
61: 名前:ブラックスター☆12/27(月) 18:23:33
「いいから!」
「……。 俺、悪い事したかっ!?
直すから……、直すから言ってくれよ!
頼む!」
「……っ!
そう言うところが、嫌いなんですっ!
すぐ……、開き直って……。
正直、先輩と居ると疲れるんですっっ!」
「……。
そっ……か。
頭冷やすわ!」
ガラガラッ
「っもう嫌っ!」
でも、強く言いすぎたかな?
帰ったらメールを送ろう。
「優っ!」
何分かしたら、仕事帰りって言うか、早抜けしたであろうお母さんが迎えに来てくれた。
「ゴメンねっ。 お母さん、迷惑かけて……」
「そんなこと、心配しなくていいわ」
……
家に着くと、もう6時手前だった。
「今日は、優の部屋に夕食持っていくから……。
部屋のテレビのリモコンある?」
「うん。 使える奴、あるよ」
私は、部屋に着くと色々なチャンネルに回した。
しかし、どれもつまらなかった。
でも、静かな部屋は嫌だから……。
仕方なくニュースを付けた。
そして、メールを送った。
―――本文―――
先輩っ、きょーは、言いすぎましたっ!
すみません(T0T) 泣く程反省してます(笑)
あんなこと言ったけど……。
先輩の笑顔にたすけられいまっす!
今日は、イラ×2してたんです
―――END―――
「少し、嘘交じったな~」
コンコンッ
「はーい」
「夕食、持ってきたわよ?」
「ありがとっ」
お母さんは、夕食を置いてくとすぐに部屋をでた。
ピロロロン
先輩かなっ?
―――本文―――
凛香だよっ(^0^)/
秋から聞いたよぉ?
義理で付き合ってんでしょお?
アイツ、顔だけで性格、ウザい。
そこ、注意っ!
もう、アイツの事、嫌いだし……。
それに、演劇部、やめたんだよね(・▢・)
朝、せんせーと話してんのを聞いた。
あぁ!
誰にも言ってないよ?
これからは、仲良くしましょっ!
4649!
―――END―――
愛川先輩?
そっか、知ってんだ。
「あはっ! あはは。
これで、良いんだもん。
別にっ、演劇部にこだわってるわけじゃっ。
もう役無いし。
それに、和生君にも見てもらえないしっ!
……いいんだ。
これっ……で」
なんでかな?
涙が、止まんッないよ!
でも、泣くか。
こらえれば、こらえる程、喉が熱くなって、苦しくてっ。
62: 名前:ブラックスター☆12/28(火) 17:27:26
「……悔いなんて、ないっ!」
なんども、なんども自分に言い聞かせた。
でも、やはり素直な部分もあり、涙が出てしまう。
これで……良かった。
今まで、何気なく楽しんでた。
あの部活で、色々な経験だってしたんだ。
でも、今はもうやる理由が分からない。
このまま、ずっと帰宅部やってるのかな?
詰まらないかな?
それとも、家に帰った方が楽しいかな?
どんなに悩んでも、結論は出て来なかった。
「惨めかな? 私」
多分、結局私は弱いんだと思う。
どこかで、誰かに甘えてる。
そこが私の1番の欠点?
気がついたら、そうとう時間がたっていた。
お母さんが、食器を洗えないと思い、ご飯を食べた。
私は、そこらのおしとやかな女子とは違う。
他の子は、食欲ないとか言うのかな?
でも、私は、がっつりと食べた。
『やけ食い』そう呼んだ方がいいかも。
そのまま、食器は机の上に置いた。
可笑しい。
先輩から返事が来ない。
忙しいんだよね。
ただ。
なんだか、不安だった。
63: 名前:ブラックスター☆12/28(火) 17:34:02
第12話 片翼
ピリリリリ
ガチャンっ!
起きたくないとか言ってはいられない。
私は、何時もよりてきぱき動いた。
そして、ネクタイも強く締めた。
あ、私達の学校は男女ネクタイ。
片手では、大変だから、お母さんに色々手伝ってもらった。
私は、昨日と同様がっつりと食べた。
太るかな?
そんなこと、どーでもいいっ!
私は、そう思って、牛乳を一気飲みした。
64: 名前:ブラックスター☆12/29(水) 19:02:15
お母さんに学校まで送ってもらった。
教室についてから、ずぅっと、携帯とにらめっこしていた。
……先輩から、返信がこない。
やっぱり、先輩……、きずついたかな?
結局、私は人の為になると言う事は、『苦手』なんだ。
私は、心の中で自分にそう言い聞かせた。
私は、ついこの前から世界が変わりだした。
『変わった』でも、『早く周り出した』でも当てはまる。
「おはよう!」
香葉の元気な声で私の気持ちはリフレッシュされた。
「おはよう! 香葉」
その後、すぐにほたるがきた。
「おはよう、ほたるっ」
「おはようございます」
香葉は、ニコニコしながら言った。
「あのさぁ。 私達は、『友達』なんだから~。
3人共タメね!
コレは、鉄の掟だよっ!」
香葉の明るさや、ほたるの優しさは有りがたい。
そう考えると、私はただ迷惑じゃ?
おおっと、またネガティブに。
昨日の事を誰一人として聞かない。
それは、クラスのみんなの優しさだろう。
私達は、好きな芸能人、スキな番組などで盛り上がった。
……
「おぉい! 一緒に、飯食お~」
香葉の合図で、場所移動。
3人で机を合わせた。
「うっわ~。
ほたるの卵焼きお・い・し・そ~!」
ほたるは、うっすら笑いながら卵焼きをあげていた。
私は、持っていたメロンパンをいったんおいて、その片手で、香葉の頭を軽く叩いた。
「こらっ!」
「うぅっ、いたいを~。
おかん、ひどぉい」
香葉は、頭を抱えていた。
「ていうか、この卵やきうみゃしゅぎっ!」
香葉は、食べながら喋ったからなんて言ったのか分からない。
65: 名前:ブラックスター☆12/30(木) 13:58:20
私は、それを聞いて笑ってしまった。
そして、確かに思った事。
……ずっと、このママで居たい。
こんなの『願い』に入るのかな?
「ねぇ。 ずっと、ずっと友達で居てくれる?」
私は、2人に訪ねた。
2人は笑顔で
「もちろん!」
と言ってくれた。
そこは、暖かい場所だった。
66: 名前:ブラックスター☆12/30(木) 14:06:52
「ねぇ。
森岡さん、D組の三海さん呼んでるよ」
三海さんか。
三海 園夏 (ミカイ ソノカ)。
三海さんは、確かふわっとした可愛いかんじの少女。
まだ、幼さが残る瞳。
同性の私も、ぬいぐるみの用に扱いそうだ。
私は、2人に承諾(?)を得て、席を立った。
皆の視線を感じるっ。
「ほらっ! そのっ!」
友人らしき、人物に背中を押されていた。
その様子は、可愛かった。
「あっ、あっの」
なんだよ。
そう言いたいが、言ったら多分、いいや。
泣くであろう。
「あのっ! クッキーやいたんですっ!
食べてください!
あと、と、友達になってください!」
67: 名前:ブラックスター☆12/31(金) 16:02:03
「……考えとく」
そう言って、私はその場を去った。
「はぁ」
正直そんなのどうでもいい。
三海さんは目立つ。
一緒に居て、今の環境が崩れたら嫌だもん。
それに……、それに。
和生君が戻ってくる訳じゃない。
そうだ!
今日、お見舞い行こう。
……
私は、和生君の病室の前で立ち止まった。
―怖い―
ガラッ
和生君ッ!
私は、驚いた。
もうそこに、和生君の姿はなかった。
私は、近くを通った看護婦さんに聞いた。
「あっ、あの! ここに居た患者は!?」
「え? あ、東京の設備のいいところへ行きました」
「……」
う……そでしょ?
嘘だよね!
嫌だよぉ。
……
ピリリリリ
ピリリリリ
私は、ずっと眠れなかった。
だから、部屋のテレビ見たり。
でも、深夜だから面白いのはやっていなかった。
だから、読書とかもした。
でも無意味で……。
布団から、出られない。
「ゆー! ゆー!」
お母さんが、部屋まで来てくれた。
「一睡もできなかった」
「え! 熱は……?
無いわね」
お母さんは、私の額に手を当てた。
「一応休む?」
私は、頷いた。
お母さんは、朝食を持ってくるからと下に行った。
68: 名前:ブラックスター☆12/31(金) 16:20:49
お母さんもお父さんもそのご出勤。
「はぁ」
時刻は、9時。
もう授業は始まっている。
今頃、国語をしている人。
今頃、数学をしている人。
今頃、歴史をしている人など。
『今頃』は沢山ある。
今頃、和生君は起きたのかな?
ううん。
起きるんだ。
目が覚めて、こっちに戻ってくるの。
『昔の笑顔で』
叶うかな?
叶わないかな?
不思議で、仕方ない。
同じ世界、同じ国、同じ時間を過ごしているのに、全く和生君のことが分からない。
なんて、摩訶不思議なんだろう。
69: 名前:HELEN☆12/31(金) 18:06:43
第13話 景色
時間は、簡単に過ぎるの。
それが
『当たり前』
なの。
その
『当たり前』
が、嫌で仕方ないの。
考えると、何もかも
『当たり前』
になっているの。
今、生きているのが当たり前。
今、見てる景色は当たり前。
今、このさわり心地があるのは当たり前。
今、今、今!
ずっと当たり前になるの。
大好きだった人がいたのに、その恋も冷めて……。
次の人へ変わっても、その人とは距離が遠すぎるの。
「この世界は、『当たり前』なんだね」
今、声が出るのも!
明日、死ぬかもしれないのも!
昨日、生きていたことも!
全部……当たり前なんだ。
70: 名前:HELEN☆01/01(土) 16:33:26
「もう、嫌だよ……」
非力な私は、何もできない。
いくら、いくら自分を信じても
『恋愛』
さえも、出来ないの。
先輩も、和生君もっ!
みーんな、離れた。
2人共、大切な人なのに。
私は、馬鹿だよ。
2人共、離れていかないで。
でもこれは事実だった。
『和生君の事が好き』
それは、変えられない。
いくら、先輩が私の事好きでも私は違う。
でも、先輩も私の大切な人。
『明日』
があっても、大切な人がいないと駄目なの。
あの頃の笑顔が、眩しいよ。
あの頃、見てた笑顔。
あの頃、和生君と共にみた景色。
それは、あの頃当たり前だった。
71: 名前:HELEN☆01/02(日) 16:04:49
言い換えれば、『懐かしい』。
ピロロロロン
私は、メールを読んだ。
---本文ーーー
森岡ちゃん
この間は、マジごめん。
連絡も取らず。
怖かった。
森岡ちゃんに、嫌われるのが。
今日、午後5時、アヒル公園集合ね
ーーーEND---
今日か……。
ーーー本文ーーー
ごめん。
今日は、会いたくない。
ーーーEND---
ごめん。
72: 名前:HELEN☆01/04(火) 13:14:26
本当に、ごめん。
私は、心の中で誤ることしか出来なかった。
先輩は、幼馴染とかじゃない。
だから……、私といて傷ついてほしくない。
今の私だと何を言うかわかんない。
だから、
死のう。
そう決めたときの景色は、
美しい。
最終更新:2011年01月16日 14:29