人魚の生贄 ~お次はだぁれ~ 続き

36: 名前:血桜☆05/01(土) 15:26:49

 早速来た。

「よぉよぉ姉ちゃん達ぃ~?今からここの路地裏でパーティー

やるんだけどよぉ?一緒にこねぇ?」

あーあ・・・、はまりました。

まぁ、演技で誤魔化そう。

「いっ、嫌です!」

すると、肩を掴んできた。

本当なら、「キショいんだよ!この変態男!お前は豚でも相手してろ!」

て言いたいけど我慢。

「いいじゃねぇかよぉ?ホラ行こうぜぇ?」

「すっ少しだけなら・・・・?」

よぉ~し、作戦成功♪

路地裏に連れて行かれた。

二人でガタガタ震える真似

「なっ何のパーティーですか?」

男は、チッチッチッと指を振ると言った。

「そりゃあお楽しみィ!」

コソッと耳打ちしてきた

「幽美?もうやるよ?」

よぉ~し!パーティー内容変更!

麻薬パーティーならぬ、血塗れパーティーに変更♪



41: 名前:血桜☆10/12(火) 19:04:35

私は、男をとっ捕まえた

「うあっ!何すんだこのアマ!!殺すぞ!」

問答無用で男の背広を引っぺがし、胸ポケットをさぐる

「見~~~っけ♪」

私は、男の目の前に白い粉の入った小袋を掲げた

「やっやめろ!それは!!」

闇は、ニヤリと笑い、

「『それ』ってなぁに?」

と聞き返した

私は、袋を引き千切り、口のなかに粉を放った

「がはっ!けへっ!」

咽た、水……、ま、いっか

男はワナワナしている

男の声を聞きつけたのか、他の仲間がやってきた

粉塗れの私の口を見て、驚いていた

「んなっ!てめ、何して……!」

粉を舌で舐め上げる


そして、小刀を取り出す

「あんたら全員捧げ物!悪く思わないでね!」

男に切り掛かろうとした

その時だった




ダァン!!!


一発の銃声が鳴り響いた

男の仲間が発したものなのか

弾丸は、私の左胸に飛び込んできた

血が飛び散る

男が笑う


44: 名前:血桜☆10/15(金) 19:16:50

一瞬の沈黙

弾けるように散った薔薇の花は、茎と供に地に落ちた





「幽美ィィィィィィ!!!!」


叫び声に消された夜の静寂

闇は、キッと男を睨む


「おぉっと?お前も撃ち殺されたいか?そこを動くな!」



すると、何を思ったのか、闇は小刀を取り出した。



闇は、小刀を胸に垂直に突き刺した


「グァッ……。」



血が垂れた

闇は呪文を唱えはじめる


そして


ザシュッッ


小刀を、奥底に突き刺した


青く染まる二本の薔薇

それを嘲笑うかのように下を見る男


闇は、嬉しそうに、何かを予知するように

幽美に向かって囁いた



「幽美?貴方に決めた。次の呪魂の魂を継ぐ者……

 私は貴方を離さない。地獄の果てまで貴方に一生を

 捧げ……る……。」





ドサァッ



『いい気味よ……、ニンゲン……』

45: 名前:血桜☆10/17(日) 15:22:01

二人の少女は動かなくなった


「フン、これだからガキは困るんだよなぁ、

 何ゴッコしてたんだか知らないが、あの世で楽しく遊んでらぁ。」



ザッ


男は、そのまま帰ろうと後ろを振り返ろうとした



「これ、ずっと脳味噌ン中にあると痛いんだよねぇ。

   オカエシシトクワ、オロカモノ。」

男の目の前には、この世の者とは思えない声を発する、

 撃ち殺したはずの少女だった


少女の手のひらには、男が撃った銃の弾

弾は血塗れだ

そして、撃ち込んだはずの場所にはキズ一つ無かった


「なっ……、おまッ!何者だ!!」

ふ、と笑みを零し少女は答える



「私は、霊河鈴、違う、呪魂様に魂を捧げる生贄となりうる

 ニンゲンを捕らえる死霊……


 幽美と呼びなさい!!!」



ザシュッ


白い刃を持つ鎌を振り上げ、男を一刀両断した

鎌の色は、透き通るように白く、赤い月のように妖しく光る。



「闇、貴方には、これから長らくお世話になるね。

 ヨロシク、『闇月火』(ヤミゲッカ)」


幽美は、鎌に向かい呟いた、まるで、闇に向かって呟くかのように

幽美の持つべき鎌の名は、『闇月火』




48: 名前:血桜☆10/27(水) 20:27:31

幽美は、神社に戻る

途中で、何を思ったか立ち止まってしまった



握っていた鎌を、両手で熱く握った


ポタッ




「へ……へへ……う……。」


ポタタッ    ポタッ


「雨が降ってきた……  うっ……ひっ……。」



雨じゃないくせに、偽りの体のくせに






自分の涙なんて


知らない  知らない


「うっ……うああああぁ!!!!」


うるさい


雨音がうるさい


うるさいってば


「大雨……、うっく、ひっく……」


うるさいのに


止められない



「やっ……。」



「『夜美』……。」



闇  闇  闇 夜美   夜美




「いやだ……、寂しいよォ……、闇……。」


夜美はいない


楽しかったあの頃には戻れない


夜美はいない




闇もいない  闇もいない


鎌に語っても、返事が聞こえるわけじゃないのに


聞こえるかもしれないけど


また、雨が降るから



語りかけない__



永久に

闇はいない


闇の代わりに得た重い武器を抱え、


私は、語らずに永久を過ごす




「私が」



私が呪魂様を継ぐんだ


闇と会う為に


さよなら

『夜美』



またね

『闇』



58: 名前:血桜☆11/07(日) 18:57:52

夜の道に、妖しく光る赤……

それは、少女の持つ哀しき鎌の輝きか

それは、哀しみに暮れた少女の瞳か

悪魔のような紅蓮の瞳を輝かせ、たった今作ったばかりの

骸の山を見下ろす

ああ、なんと心地良いのか

人魚の振るう鎌は、昼は、海のように青く、深く輝き、

夜は、血のように赤く、あの空の月のように赤く……

あの少女の瞳のように赤く……


カガヤイテイタンダ

キレイダネ  ザンコクデ、カナシクテ


少女は呟く


「貴方はキレイだよ、闇。」


血の涙を流し、少女は歩く、自分が上へ行く為に

『鈴』という名を捨て、幽美という名を貰い受け、

「例え人が滅びようと……。」

ヒトリボッチになろうと構わない

そばには闇がいるのだから

「例え人が滅びようと……。」







ワタシハ……

76: 名前:血桜☆11/08(月) 18:12:05

久しぶりに、私と闇の仮の家に帰った

闇の使っていた枕がある。

「いいにおい……。」

胸が熱くなった

テレビを付けると、あの学校が映っていた

「行方不明者続々……?」


行方不明者のリストが映った

最後の二名の所に……

桜井 千桜

桜井 美桜

と載っていた

プッと吹いてしまった

人間って


オモシロイ


一旦ちょん切る



84: 名前:血桜☆11/09(火) 09:36:49

テレビを消し、風呂に入り血を流し、服も着替えた

髪の毛を束ね、外に出た。

「今日は……。」


呪魂様の命日


久しぶりに神社に行った

神社の裏を通り、がしゃ髑髏が散らばる細い枝道を通る

道には血がべったりと付いており、薄気味悪い

小さなお堂を見つけた

その前には、山のように骨が積まれていた

彼岸花を置いて、その場をさった。



「サァ、ヒトヲカラネバ……、キョウハジュゴンサマノメイニチ…
マッテテネ、闇」


外に出ると、月が出ていた

闇を失くした日と同じ

夜美を無くした日と同じ

赤い月が、妖しく光っていた

瞳なき瞳は赤く光り、今日も人を狩るぞと狙っている。

今は無き友の鎌とともに








リィーーーー………ン

101: 名前:血桜☆11/12(金) 19:07:45

100記念!特別読み切り

番外編【闇の過去】


炎の中に聳える幼き少女は

ワ ラ ッ テ イ タ ン ダ









少女はいつも【不吉】と呼ばれた


黒い透き通った髪に金色に輝く瞳

闇に紛れ瞳を輝かせる黒猫を思わせた

黒猫を不吉と呼ぶ者は多い

しかも、彼女は赤と黄色のオッドアイ

悪魔にも勝る美しさを周りの者は嫉み、その瞳を嫌った

両親は、少女の赤い瞳を刳り抜いた

少女はもがき、苦しんだ。

まだ五歳の幼い少女に、何の罪があろうか

この世の者とは思えぬ声を発して苦しみ、赤い血を流し気絶した。

両親は目玉を売り払い、少女を残して消えた

親戚を転々としていったものの、全ての者から嫌われた

『みぃちゃん、何もしてないのに……』

自分をみぃと呼んだ少女は、ポロポロと涙を零した

少女は、【人魚姫】という絵本を読んだ

『なんで、おひめさまは自分をさしたのかなぁ。』

幼い少女は考えた

答えをみつけた。

じぶんはいらないそんざいだからかなぁ


「なら、みぃちゃんもいらないから、さすんだよね!」


包丁を掴んで呟いた

「みぃちゃんを可愛がってくれる人、お空の上にいるかなぁ?」



少女は、【お空の上】で一匹の人魚を見つけた


火傷が全身に広がっており、少女と同じく片方の目が無かった。

「やけど、いたいの?みぃちゃんも、おめめ痛かった!仲間だね!」

ニッコリと人魚は笑った

人魚の笑みは、とても優しかった


今まで少女に向けられてきた笑顔は、優しいものはなく、気色の悪い

欲に塗れた笑顔だった。

人魚が口を開いた

「私を信じて?」

何のことかは分からない

ただ少女は、笑顔で、

「うん!!」

と笑った
















炎の中に聳える幼き少女は

ワ ラ ッ テ イ タ ン ダ―

ザンコクな笑みを浮かべて

END


107: 名前:血桜☆12/11(土) 21:07:45

「嫌!助けて!お願いだから!」

「やめろ、やめてくれ!やめろぉぉ!」

鎌を振れば、何時だって首がとれる

鎌を構えれば、何時だって悲鳴が木魂す

鎌があれば―

何時だって、人は死ぬ

「死んで……、呪魂様の為に……。そして、私の夢の為に。」

あぁ、堕ちてゆく

何時からだろう

こんなにも笑顔になったのは

人は脆く、崩れ落ち、私は快感の海に溺れる

人一人殺すだけで、【また一つ、闇に近づける】

その想いだけが、私の重く残酷な鎌を操っていた

人は、最後の一人となった時―

どんな想いを抱くだろう

私には考えられない

私は、人間だった

最後くらい、人間らしく、二人まとめて殺してあげる

一人より、絶望感が少ないから

優しい―…… でしょ


「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


ザシュッ


「や……やったぁ。」

皆、皆、皆、皆


ぜーんぶ



「死んだぁぁーーーーーーーーーーッ!!」

次から次へと湧き出てくるこの感情

血の雨が降り注ぐ

地面は何時の間にか赤く染まる

今まで私が殺した人間の血が降って来た

狂い、一人の為に多くの者を殺めた

手は、赤から黒に染まり

血が滲む程に鎌を握り締めた

痛みがジワジワと身体を蝕み、快感へと姿を変える

何もかもが狂い、全てを失くした島に、少女が哂う。

全ては―



私が呪魂様に仕えた事から狂い始めたこの歯車





ドクンッッ


急な衝撃が、少女の哂いを

歯車を止めた

この世がフリーズしたかのように、

何の音もしない

何も動かない

少女は倒れた

少女は、血の涙を流した

「何もない……、全部殺しちゃった……

 私、ヒトリボッチ……?」


この世のフリーズが止んだ

思考回路はショートする

歯車は、おかしな方向に回り始めた

少女は、今までの感情に襲われた

痛み 恐怖 嘆き 憤怒 孤独 狂気 哀しみ 

そして―


闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇―


「ぎゃあああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!」


「やだ!やだ!やめろ!黙れ!黙れ!死ね!消えろ!」

「私は何も無い!無い!無い!消えた!全て消えた!」







「や………だ……、きえ……ろ―」


ブチッッ

ザー―……


耳にノイズが聞こえた―

108: 名前:血桜☆12/11(土) 21:17:35

「ねぇ、これで良かったのかな」

「うん、貴方はもう、こんな思いしなくていい」

「夜美、これからはずっと一緒?」

「うん、鈴、離れちゃダメだからね?」




ノイズが止む

少女は、負の感情という鎖から解き放たれた

その瞬間―






















島から、わずかな吐息が消えた―


END




109: 名前:血桜☆12/14(火) 21:00:17

Thanks☆☆**v(o^(ェ)^o)v。o○。o○ネ兄○o。○o。v(o^(ェ)^o)v**☆☆Thanks

キ…(-_-)キ(_- )キ!(-  )キッ!(.  ゚)キタ!( ゚∀)キタ!!( ゚∀゚ )キタ━━!!

人魚の生贄 ~お次はだぁれ~
やっと……、完結ゥゥゥ!!。*†*。☆ャッ(@^Å^@)タァ-☆。*†*。

この小説が完結したのも、応援してくれた読者の皆様のおかげです!
最後は、哀しいENDにしたつもりですが、最後まで何が何だかよく分からない小説でした……・・・( ̄▽ ̄აა)ゞ・・・
そっ、それはともかく、最後まで読んでくれた読者さん!
感謝の気持ちでいっぱいです!念願だった100レス突破も!
嬉し過ぎて、家ン中洪水中です!(なんか水がしょっぱい)
。・°°・*1)・°°・。ウワーン!!
これにて、終わりましたので……
また新しい小説書こうかなと考えております!
では、また縁があったら、どこかでお会いしましょう!

(○≧ω≦)ノ彡*:..。o○Bay☆Bay○o。..:*⌒Y⌒Y⌒☆

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最終更新:2011年01月19日 15:33
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