私が恋した彼は妖精なんだ! 続き

47: 名前:モネカ 花惠照☆12/27(月) 13:30:56
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「あがってください!!」

「失礼しま~す。」

何か固くなっているのでとりあえず和やかにしようと無理やり笑う未衣。

「お構いなく…。ハハハハー。」

「う、うん…。」

なんか嫌な空気の中、未衣の額から冷や汗が出てきた。

それとともに心臓の鼓動がさっきより激しくなる。


重い沈黙の中に階から声が聞こえてきた。


「おーい。未衣様!竜輝さまはいらっしゃいましたかぁ?」

「きてるよ~。ドーラ!」

沈黙解消の救世主!クゥ!!(ドラ)

ナイスタイミングッ!

「じゃあお茶入れておきますね。」


これから楽しいひと時が遅れそう!!




48: 名前:モネカ 花惠照☆12/27(月) 14:18:11
午後4時。竜輝君と空はさっきからじゃれあってばかり。

それを眺める未衣。

未衣の目は完全に嫉妬している。


苦笑いってこういうことか…。




そーこーしているうちに日は傾き、お腹が空いてきた頃。



「今日の夕飯何?」
「きょ、今日はですねー私の得意な…チャーハン!!」
「チャーハンだってよー。いいなークゥは。こんなおいしいご飯食わせてもらってんだ。」

あっちから話しかけてきたと思えば、またクゥ。


ってそういえばクゥにあげた私の手作り御飯は初めて…

「う、うん!おいしいよ!!」

いい返事をしながらもクゥの目はこっちを見て睨んでいる。


そんなクゥに気付かず着々と調理を始める。

ネギを切り、ウインナーも切り、卵と御飯を絡めながら炒め、ネギとウインナーを混ぜて・・・出来上がったほっかほかの卵チャーハン。

「じゃあクゥは二階で食べるね」
「おう。」

クゥが二階に行くとやっとできた二人だけの時間。

「はい。出来上がりましたよ。」
「いただきまーす。」

竜輝君が一口。

「うん!おいしいよ!また来る時は作ってな!」
「良かったです!はい!」

一応ほっとした。


* *


「ごちそうさま!おいしかったよ。」
「ありがとうございます!!」

そしてこの後、2人ともびっくりする出来事が…!!


50: 名前:モネカ 花惠照☆12/27(月) 14:43:00
ギシ   ギシ   


「あ、ごちそうさましたんだね…!?」

竜輝君の声にびっくりした未衣は皿を洗っていた手を止め後ろを振り向いた。

「どうしたんです?竜輝さま?」

「誰だお前…!!出て行け!未衣さん!僕が守ります!!」

階段から下りてきたクゥかと思えば人間。

「待って竜輝君!!その子はクゥだよ!!」

「へ…?そ、そうなんだ。ごめんごめん。はははー。」

「今人間モードになってましたかな?すいません!戻ってみますね」

クゥは体全身に力をためて無理やり子猫に戻ろうとする。

「うううううううううううー!」

「全然戻らねぇな。」

「そうみたいですね…。」

「いつもは戻るんだけ…ど…」

そう言い残すとクゥは力がいきなり抜けてその場にばたんと倒れてしまった。

「あぁ!クゥ!大丈夫か!?」

「大丈夫みたいですよ?少し寝かせれば。」

「そっか。ならお俺が寝かせてくるわ」

「お願いします!」


二階に人間姿の空を寝かせに行った竜希君を見ながら皿洗いを始めて未衣。

その時つぶやいた。

「こんな時間がずっと続けばいいのに。」

そう呟いて手際よく始めた。




54: 名前:モネカ 花惠照☆12/27(月) 15:34:40
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


* *



眼が覚めた。ふと横を見ると竜輝君…!?

昨夜、竜輝が二階から降りて来た時、未衣はソファの上でぐっすり眠っていた。なので添い寝した時すぐ寝てしまったみたいなのだ。

竜輝君を起こさないようにゆっくり起きた。

クゥの様子を見に二階に行った。


やっぱりクゥは人間姿。

そう。もう、戻れなくなってしまったのだ。






猫姿に。




55: 名前:モネカ 花惠照☆12/27(月) 15:55:55
「えぇっ!?」

竜輝君は朝から大きい声をあげた。

クゥから聞いたことは、一生、人間のままということを。


「じゃあ学校に行く時は??」

「偽名で行くしか…。」

「それでいいじゃん!それで」

こういう会議の結果、偽名で、学校に通うことになった。

「じゃあ明日の出校日の準備するから帰るわ!」
「うん。」
「じゃあな!」

* *


翌日。クゥは『白猫空耶(しらねこくうや)』という名前の転入生として登校することになった。


「て、転入して来ました!白猫空耶です!」

「「よろしくね!」」

やっぱり女子は目が釘づけ。イケメンだから。





でも気持ちは隠せない。





















 。


62: 名前:モネカ 花惠照☆12/28(火) 11:33:06
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

クゥ(白猫空耶)は未衣の席の前。隣は女子。最悪。
休み時間になると女子が『わっ』と集まってきて、

「何型ぁ…?」とか「何のテレビが好きぃ?」など

クゥ(白猫空耶)は何型とかテレビなんて知るわけない。

「え?…えーっと…B……型…だと、思う。」

「えーっ!あたしーABだー。相性ピッタリ!」

こんな会話を後ろから見守っていないといけない。
辛い。辛すぎる…!

















63: 名前:モネカ 花惠照☆12/28(火) 11:41:02
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

* *


「はぁー。学校生活ってこんなにつらいものなんて…」

「でしょ…?」

二人はいつもと下校道とは違う、人通りの少ない所から帰る。
いつもの道を通るとクラスの女子に見られてヤバいことになるし。



二人で今日のこと話し、明日からどういうことをすればいいのか話しながら帰っていた。

だが、後ろから、二人の足音じゃない音が聞こえる。

時々後ろを振りむくが、誰もいない。

歩いて行くうちに忘れて行った。




だが二人の影に



悪魔が潜んでいた。


「あの二人…なにかあるわ…。」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




64: 名前:モネカ 花惠照☆12/28(火) 11:59:54
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

翌日。

いつものように登校し学校に着いた。

そこまではいつもと一緒。違うのは、クゥ(白猫空耶)が人間っていうこと。

そしてまた、いつもと違うことが起きた。

教室のドアを開けたたらクゥファンの女子たちがいつの間にか未衣を取り囲んでいた。

「なになになになに~!?なんですか?」

「とぼけないでよっ!あんた空耶くんと一緒に住んでいるでしょ?」

「(昨日の視線ってそういうことか…って感心してる場合じゃない!!)」

「ど・う・なの・よ…!?」

クラスの女子たちは教室のドアの前で未衣を責め立てる。


沈黙が続く。女子たちの視線は未衣を睨みつけてる。


すると、

「それは、僕が、勉強教えてほしいってお願いしたからだよ!」

来たぁーっ!

沈黙解消の救世主!


クゥ様ぁぁぁぁぁぁ!



「そ、そうだよ!私たち幼馴染で、家族ぐるみでお付き合いさしてもらってんだぁ」

これで一件落着!!


67: 名前:モネカ 花惠照☆12/29(水) 13:12:03
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

の、はずだった…。


私のせいでクゥがあんな目にあうなんて…



私のせいで…


* *


9月5日

今日から2学期の始まり&運動会の練習!

未衣は実は心の中はブルーでいた。

何故なら、



未衣は

運動が苦手で運動会なんて最悪のイベントなのだ。


「今日から運動会の練習をします!3年は学級対抗リレーをします。」

未衣の一番嫌いなこと。

それは







走ること。

「はぁー。練習の毎日だぁ。」

未衣の学級は、運動会シーズンの時は放課後のこって、練習をしなければならない。




最悪の日々を送らないといけない。




68: 名前:モネカ 花惠照☆12/29(水) 13:33:45
練習の日。

とりあえず走ってみる。
クゥは元々猫だから、結構走るのが速い。

たぶん今まで男子で一番だった人と並ぶ早さ。


今までよりずっとカッコ良く見える。

未衣は見とれていた。

ズドズドっ

「きゃっ!」

「あんたどきなさいよ!」

クゥファンの人たちに押され、倒れた。
イライラする。

「空耶様ぁ~♪」

気持ち悪い…。

もう嫌。

* *


そして一回みんなでリレーをしてみることに。

パアァン!!

耳元で大きな音がする。

その時周りを嫌ーな風が通り過ぎた。



暗黒の雲が晴天の空を覆う。


嫌な空気が3-Aを包み込んだ。




69: 名前:モネカ 花惠照☆12/30(木) 11:51:48
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

順番は私が竜輝君からもらって渡す人はクゥ。

なるべく気を使わないといけない。



竜輝君がバトンをもらった。

その時小雨が少し降っていた。

竜輝君がだんだん私に近づいてくる。


「はいっ!」

何で遅い私が走らなきゃいけないのよぉ!?


「は、はいっ!」

私がバトンを渡した瞬間、私の前足が走りだすクゥの後ろ脚にひっかかった。

「うぁっ!」

「きゃあ!」

ドシンッ!

鋭い音が校庭に響き渡る。


気が少しづつ遠くなっていく。


* *


ゆっくりと、瞼が開く。

辺りを見まわすとここは保健室。

そっか。私、校庭で腕と足を強く打ったんだっけ。


クゥは…?


周りに誰もいない。

ベッドから降りて保健室を出ようとした時。

ズキンッ

「った…!」

足にしびれが来る。


痛い。痛いよ…




70: 名前:モネカ 花惠照☆12/30(木) 11:59:51
「だ、大丈夫…!?」

遠くから保健室の先生が、慌ててくる。

「だ、大丈夫です…った…。」

「まだ寝ておきなさい…。」

先生が優しくしてくれる。
でも一つ聞きたいことがある。

「クゥ…空耶君は…?」

「く、空耶君ね…。空耶君は頭を強く打って病院搬送されたわよ…。」

また病院…!?
私のせいだ…。私のせいで病院搬送されたんだ。


私のせい。


















 。




71: 名前:モネカ 花惠照☆12/30(木) 12:13:33
翌日―


「あんたねぇ、なんてことするのよ!!」

朝からお説教。

女子が説教するまで、悪かったんだ。

今日、病院に行ってみよう。


「ねぇ大丈夫!?」

後ろをとんとんされ振り向くと





空耶!



「クゥ…!?」

「クゥ?誰よそれ!この人は空耶君よ!親戚ならそんぐらいわかるでしょ!」

無事っちゃ無事だけど、頭にはほうたいだし右手にはギプス。

「大丈夫だったの!?」

「うん。頭を打って右手も強打しただけだから」


よかったぁ!




これまた一件落着!




72: 名前:モネカ 花惠照☆12/30(木) 12:28:09
と、思ったけどまた、事件発生!


運動会の日。

私はもう右手も十分に直り、クゥの右手も少しだけ痛いというが出たいという願いで半周出ることのになった。




わーわーわーわー


賑やかな学校

晴れ渡る空

爽やかな風。


運動会に最高な日!

まぁ私の取っては最悪の日。


プログラム1番は最悪。


なんと、3年学級対抗リレー。

「プログラム1番。3年生によります。学級対抗リレーです。」

この声を聞いただけでイライラする。

クゥはそんなときでもニッコリ。
何故なら初めての、運動会なのだから。


パアァンッ!

1走者目が走りだした。

みんなのためにも頑張らなきゃ。




73: 名前:モネカ 花惠照☆12/30(木) 12:43:16
竜輝君がバトンをもらい、走り出す。
どんどん近付いてくる。

「はいッ!」

よしッ!これから本気出すぞぉ!!


未衣は大きく腕を振り、足を大きく広げ走りだした。
別人のよう。

って言っても中身は別人。何故なら、未衣の中身はクゥなのだから。向こうに立っている、クゥの中身は未衣。
バトンを渡す時すかさず入れ替わる。

ずるい方法。

「はいッ!」

シュンッ

バトンが空耶に渡った。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
つづく
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
####お知らせ####

えーっと私の母が台湾人なもんで今年のお正月は
台湾で過ごすことになり、今日の午後2時から
出発して、来年の、1月9日に戻ることになりました!

長らく放置ですが、ご了承くださいませ。


77: 名前:モネカ 花惠照☆01/11(火) 20:10:23
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

クゥ(空耶)と走るのは、3ーB・芦 高貴。クゥと並ぶぐらいの早さ。3-C・福崎たいと。二人と並ぶぐらいの足の速さ。

優勝したチームには3泊4日の修学旅行が待っている。うちのクラスはそれを目標にして、今まで頑張ってきた。

「きゃー!がんばれぇっっっ!」

女子はその言葉をずっと連呼している。私はそんなことには興味がないけど、見ることは好き。

右手のことが心配でずっとクゥを見ていた、その時私の視界がまぶしい光で包まれた。

やっと消えたかと思うと私の目から見える景色は、


















78: 名前:モネカ 花惠照☆01/11(火) 20:49:09
何…?何なの?

未衣の頭の中はパニくって何が起きているのかわからないでいた。
目線はクゥから離れない。というよりまず体が動かない。


クゥは徐々にこちらを向いてくる。
その姿は、見たこともない顔をしている。

頭から黒い耳が生えてきて、眼の瞳は、金色。
そして口元から小さな歯が突き出ている。
そして二ヤリと口元が上がった。

いかにもこちらに走ってきそうな姿。

その時、スローモーションな景色が一気に元に戻った。
未衣の目は充血したからではなく、はじめて見たあの姿に驚き涙が出てしまった。

驚きで後ろに倒れたので後ろの子が話しかけてきた。
その子はまだ未衣が話したこともない女の子。

名前は「堺田 琴(さかいだ こと)」

「ねぇだいじょうぶ…?保健室いこっか?」

「う、ううん。大丈夫だ…よ…!」

脅えきった顔で笑う未衣に琴は心配する。

「いいんだよ?無理しなくて。いこう?」

「じゃあお願いする…。」

がたがたと震える体は、急に移動する身体についていけない。

「先生。ちょっと保健室行ってきます。柊さんがちょっと具合が悪いみたいで…」

「そうか。柊、さっきはすごく早かったぞ。良く休んでおけ。」

そう言われて、保健室のベットでぐっすりと寝た。





タグ:

ea5s6
+ タグ編集
  • タグ:
  • ea5s6
最終更新:2011年02月21日 18:47
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。