1: 名前:ゆいもん☆02/10(木) 18:14:10
ある田舎の小学校に、
たった6人の
少年少女が通っていました―――……
2: 名前:ゆいもん☆02/10(木) 18:23:03
cast
有利 梨子(Yuuri riko)
雪山 冬麻(Yukiyama touma)
高木 桃(takagi momo)
七星 夏未(nanahosi natumi)
松藤 秋(matutou syuu)
光 春加(hikari haruka)
3: 名前:ゆいもん☆02/10(木) 18:31:50
「おはっよー!」
私、有利梨子!私が通っている学校は、全校生徒たった6名なの!だからみんな友達だし、親友!
「おはよう。梨子」「ちーっす!」「あっ!おはよー!」
「よっ」「お、おはよ」
一番目にあいさつしたのが、夏未で二番目が、冬麻。三番目が、桃で四番目が秋で最後が春加。春加はこれでもれっきとした男の子。
6人皆同じクラス。先生は、うちのクラスの先生と、校長先生と、教頭先生。
来年の春、私たちが小学5年生になるとき、ここは廃校になっちゃうみたい。悲しい。しかも皆離れ離れになる。
だけどそのことはみんな忘れて楽しくやってます!
4: 名前:ゆいもん☆02/11(金) 10:38:57
第一話
桜の花びらが窓から廊下に舞い落ちる季節。
今は春。
そして今日は、この学校の最後の始業式。
梨子たちは、今日から4年生。
「後一年か……」
秋がボソッと言った。
「今何て言った?」
「いや、後一年……あっ!」
秋があわてて口をふさぐ。
「それは言わない約束だったじゃん!」
桃が言った。
そう。梨子たちは、学校が廃校などの言葉を言わないように約束している。
「まあまあ。そんなことは忘れて、もうすぐ始業式だぞ!」
「分かってる。制服をきれいにしなきゃ」
ここの学校は、生徒が少ないので、始業式などは教室でする。
「おはようございます!」
先生が勢いよく教室にやってきたそれは毎年のこと。
「今から始業式を始めます!」
そして校長先生と教頭先生が教室に入ってきた。
7: 名前:ゆいもん☆02/12(土) 10:29:02
―……
始業式が終わり、一時間目が始まる。
「……今日は、自由にします。私が帰ってきたら帰りの準備をしてくださいね」
先生が、教室を出て行った。
皆、顔を見合わせる。沈黙が流れる。
そしてやっと一人が口を開いた。
「自由って何だろーね」
梨子だ。
「……う、うん」
桃の質問に、冬麻が答えた。
「じゃあ……謎解きゲー「無理、反対ッ!」
ミステリー系が好きな春加が意見を出すと、細かいことが嫌いな桃が猛反対意見を出す。
春加はテンション下がり。
「ま、まあ……なにしましょうか」
平和主義な委員長、夏未は一応みんなをまとめる。
「女の全裸が「馬鹿ッ!」
「痛ってぇー!」
そして、スケベな秋が意見を出すと、梨子が頭を叩く。
これからどうなることか……
8: 名前:ゆいもん☆02/12(土) 10:46:12
「まあ、読書でいいんじゃない?」
冬麻の一言が、みんなの気持ちを変えた。
「そうだね!」「うん。そうしよう!」
みんな納得し、学級文庫から本を取り出し読み始めた。
―――……
「ん?」
手元に手紙が回ってきた。
机の下で四つ折りの青い手紙を開いた。
【放課後、校舎裏で待ってる。 冬麻】
その手紙を、ポケットに突っ込み冬麻を探す。
そして冬麻を見つけ、OKサインを出してまた本を読み始めた。
9: 名前:ゆいもん☆02/12(土) 11:07:45
【梨子side】
何だろ……校舎裏で話?何それ……クスッ
私は一人で、笑っていた。
いつの間にか放課後
「今日帰れる?」
親友の桃が聞いてきた。
「ごめん!用事がある……じゃあね!」
私は古くて歩くだけでミシミシ言う廊下を素早く走りぬけて行った。
「まった?どうしたの?」
冬麻はもう来ていた。どうしたんだろ、あんな真面目な顔して。
私の心はそんな冬麻を見ていただけで何も気づいていなかった。
「……あの、俺、ずっと、初めて見たときから梨子が好きでした!つ、つ、付き合ってください!」
……ちょっと急すぎない?何のムードもなく言うの可笑しいよ?
「ちょ、ちょっと小4だし、まだ9歳だよ!私も好きだけど早すぎだって」
可笑しくないよね?だって好きだもん。友達としても。いろんなのひっくるめて。
「早すぎない!俺の都会の従弟なんか、小3だけど付き合ってるんだぞ!?」
「えぇーッ!?だけどその……そっちはそっちじゃない?」
だって都会でしょ?こっちは山ん中の山ん中にある村の小学校だよ?
「いいから付き合って!」
「いいけど……」
私は、一応いいよって言った。
だけど、付き合うってどういうことなのかわからない。
確か、冬麻は小1の時に都会から引っ越してきたんだっけ。
その時は私は忘れていた。私の周りに、冬麻が好きな人がいたってことを。
10: 名前:ゆいもん☆02/12(土) 11:16:56
「じゃあ今から俺たちは恋人同士だよ」
「ごめん!私帰るね!」
「えぇ!?」
私は、冬麻の気持ちも考えず、さっさとその場を走り去って行った。
だけど、さっき誰かの目線を感じたというか、誰かが見てたというか……
====================
ちょっと切ります!
11: 名前:ゆいもん☆02/12(土) 15:25:44
変な視線を感じた。
だがその視線は梨子から最も近い人物。
もう読者の皆様は予想がつきました?
そう。桃。高木桃だったのだ。
そうとは知らず、梨子は、冬麻と付き合うことを、受け入れてしまった。
さーて、これからどうなるでしょう。
ではでは続きをお楽しみにしてください……。
12: 名前:ゆいもん☆02/12(土) 15:41:56
【桃side】
皆様はじめまして。
田舎っ子の恋物語でヒロインの梨子の親友の桃です。
正直言って、あたし的に親友と思ったことない。
友達とすら思ったことない。
あたし、皆様が思ってるよりいい人じゃないです。
前は都会に住んでいました。
その時はあたしいじめっ子だった。
でも、田舎に来た時出来た仮親友、梨子と出会ったけど前は
いじめっ子なんて言ってない。
だけど今それを明かすべきなのかな?
何故なら、見たから。
冬麻が梨子に告白したのを。
しかも、それを受け入れたのも。
最低。
スキって知ってるのに……
それを知ってて受け入れた……
許せない……。
ではでは読者の皆さまこれからあたしは梨子と冬麻を引き離すからどうか暖かく見守ってくださいませ。
15: 名前:ゆいもん☆02/13(日) 11:48:51
【梨子side】
第2話
翌朝……
「おはよーッ!待った?」
「ううん。まだ来たばっかだよ」
朝、私は寝坊して桃と朝行く約束に遅れちゃった。
「じゃあいこっか」
桃は、何かいつもよりかなりテンション下がり目。
―どうしたんだろ?
そう思っていたけど特には気にしてなかった。
「おッはよーッ!」
「今日もテンション上げ上げだなぁ!」
秋が梨子をからかう。
「いいじゃん別に!」
まあこれはいつものこと。そしてこの後桃が、まあいいんだしーみたいなことを言うはずなんだけど……
「バカらしい。幼稚園児じゃあるまいし……」
「えっ……?」
梨子は胸にチクンッとさせれたような感覚が体中に走った。
「まあいいじゃねーか。ここは田舎。自由なんだよ」
冬麻がかばってくれた……そう思った時、
「そぉう?やっぱりここは自由だよねぇ」
桃がいきなりぶリっ子ぶる。
確か冬麻はぶリっこ系がすきだったような……
「ねぇっ!冬麻ぁ。今から、おひるごはん買いに行かなぁい?」
「いいけど……」
そして冬麻は桃に言われるままに行ってしまった。
桃は、冬麻と手をつないで村に一つだけのコンビニに行った。
「えっ……?」
そして見てしまった。桃の口元がかすかだけ悪魔のような微笑みを浮かべたのを。
16: 名前:ゆいもん☆02/13(日) 15:08:35
―付き合ってる筈……だよね……
最初はただ単に一緒に行っただけだと思っていた。
そう思っていたんだ。
なのに……。
―5分後。
「ただいまぁ!桃タンとぉ、冬麻がぁ帰ってきましたよぉ」
少しいらいらする言い方。
皆引いてるけど、桃は容赦なくぶリっ子ぶる。
「ねぇっ!」
私は、二人を無理やり引き離した。
すると、桃はわざと倒れた。
「いやっ!ひっどーいッ!あっ!ココあざができたぁ」
桃は膝をさすりながら立ち上がる。
「ねぇっ!冬麻、保険係りでしょ?連れてってぇ」
「あ、ああ」
するとまた二人は保健室に行ってしまった。
「梨子ッ!桃どうしたんだろ……」
「夏未……分かんない。なんか変……」
夏未が私のほうへとやってきた。
「アイツおかしくね?」
「そうですね。僕の計算によれば高木さんは、なにかありました」
ほかの二人もあたしの同じこと思ってるみたい。
廊下の向こう側にいつ二人がただただ遠く感じるだけだった。
17: 名前:ゆいもん☆02/13(日) 15:40:35
そして10分ぐらいしただろうか。
「梨子ぉ。ひどぉい……。そんなことするのぉ?」
可愛い顔の眉が八の字になる。
「私そんな強く押してないよ」
「でも痣ができたじゃぁん」
「確かに痣できてたけど……」
もう負けたと思った時、冬麻が前に出た。
「おいっ!桃。嘘ついてるだろ」
「えぇ……!?」
「ほら……見てろよみんな」
冬麻が桃の膝をこすると、どんどん薄くなっていく。
「……も、桃……?」
「おいっ!馬鹿じゃねーの?こんなことして」
「ねぇ、冬麻、あのことばらしていいの?」
―ど、どういうことなの?あのことって
「何……?あの事って……」
私は何か分からないけどいけないことって言うのは覚悟して勇気を出して言ってみた。
「知りたいのぉ?冬麻のぉ、か・の・じょ・さ・んッ!」
「……!」
「お、おいっ!ぜってー言うな!」
初めて見る冬麻の怒った顔。
その顔で胸がキュウンと苦しくなる。
「だってぇ。あなたの彼女が知りたいって言うんだもん」
「言うなッ!」
「ねぇっ!冬麻ぁッ!あたし彼女でしょ?ひみつ作るの?」
私が久しぶりに大きな声を出した。
「……」
「じゃあ教えてあげる!あのねぇ。さっきあたしたち
キスしちゃった!
18: 名前:ゆいもん☆02/13(日) 16:27:55
しかも、Dキス!」
私は受け入れられなかった。
彼氏と親友がキスするなんて。
私は受け入れられなかった。
彼氏が、一日目で彼女を裏切るなんて。
「ど、どういうこと……?」
「だからぁキスしちゃったのぉ!」
「お、お前ッ……!」
「黙れ」
「……」
冬麻はうつ向いて、下唇を噛んでいる。
「ね、ねぇっ、桃?嘘だよね?親友でしょ?」
そう言った瞬間、桃が私の、耳元で囁いた。
「あたし、あんたなんかを親友と思ったことない。つかお前が最低だし」
そして教室から廊下へ投げた。
「お前ッ!最低ッ!彼女捨ててほかの女とキスすんのかよ!」
秋が冬麻に襟元を掴む。
そして、夏未が、桃の顔をビンタする。
すると、桃が不気味な笑みを浮かべる。
「フフフフッ。馬鹿じゃないの?あんた怒る相手間違ってるんだよ?」
私は、その言葉で思い出した。
桃がなぜこんなことをするのかを。
桃は、
冬麻を好きだったことを。
19: 名前:ゆいもん☆02/13(日) 16:42:05
―あっ!桃……好きだったんだよね……
「……桃ッ」
「何よ、ブス!」
「桃ッ!」
夏未が庇おうとする。
だけどこのことは桃は悪くない。
私が悪いことをみんなに言わなきゃ。
「夏未。いいよ。私が全部悪いんだから」
「何で?全部桃が悪いでしょ?」
「ッがう……違う……違うよ!」
もう前の私はいない。
自分で自分を壊したんだ。
ごめん冬麻……
ごめん桃……
ごめん前の自分。
もう前の私には戻れないんだ。
「桃……冬麻のこと好きだった……よね?」
「やっと気づいてくれたの?馬鹿な娘ッフッ」
「えっ?それホント?」
私は小さくうなづく。
「嘘……」
言ってしまった。
ついに私たちの中を壊す一言を言ってしまった。
22: 名前:ゆいもん☆02/16(水) 17:00:28
「ねぇ……嘘でしょ……?笑わせないでっ」
「う、嘘じゃない……本当」
夏未は鼻で笑う。
「ちょっと待ってくれよ、もう一回梨子の口から説明してほしい」
「私は、桃が冬麻をスキっていうこと、知ってて付き合った。桃はそれに嫉妬してこうなった……だから私がすべて悪いの。私がぁぁぁぁぁぁぁぁっ」
梨子が言いきると、叫びながら屋上息の階段へと走って行った。
「ちょっと、ちょっと!」
冬麻が、梨子を追いかけようとした。
その時桃が腕を掴む。
「ねぇっ……行かないで……大好きだよ?」
「……なぁそんなに俺のこと好きだったら行かして?」
「……」
すると、桃が黙ったままゆっくりと腕を離す。
「有難う……!」
冬麻は、梨子を追いかけて行った。
23: 名前:ゆいもん☆02/16(水) 17:55:14
【梨子side】
春風が頬を撫でる。
「おいっ!何してんだよ」
後ろから冬麻の声がした。
何してんだよって言われても、私だってわかんないよ
私が何したいかわかんないよっ!
「知らない……ただ分かるのはは私が死のうとしてるだけ」
「はぁ?意味わかんない。一緒に戻ろーぜ?」
「嫌!絶対戻らない……あそこに戻ったら皆、可愛そう!」
「おいっ!お願いだ!お願いっ」
【冬麻side】
俺がそう言った時、気付けば前に誰もいなかった。
聞こえてきたのは、鋭く嫌な音。
急いで俺が下を見ると、
頭から少量、血を流した梨子がいた。
「梨子ぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
その声はたぶん学校中に響いただろう。
俺は死んだかもしれない梨子を何もすることができなかった。
頭が真っ白になる。
どうすればいいのだろう
誰か助けてください。
24: 名前:ゆいもん☆02/16(水) 18:18:31
【梨子side】
……ん?ここは……?
私の目に見えたのは、一つも汚れていない真っ白な部屋。そこに、白いベッド、棚、椅子が何個かしかなかった。
ココは……病室?……そうだ!私自殺未遂して、病院に連れてこられたんだっけ。
あ……。桃を裏切ったんだ……私。冬麻も裏切った。皆裏切った。私、必要ないよね……。記憶喪失になればよかった。
そう思った瞬間
部屋に、誰かが入ってきた。
「……梨子!意識が戻ったのね……2日も寝てたのよ?」
お母さんだ。優しいお母さん。
「意識が戻ってよかったわぁあのね「ねぇ転校したい」
「ん?」「私、ここから遠く離れたところに転校したい」
なぜか私の口が勝手に思ったことを言ってる。
「何で?」「言ったじゃん。私が言うことは何でもしてくれるって」「言ったけど……」
お母さんは黙る。
そして口を開いた
「……いいわよ……転校したいならしなさい……二人で頑張るわよ」
お母さんはいいよって言ってくれた。
そしたら、いっぱい、いっぱい迷惑をかけた桃や冬麻と顔を合わせずにできる。
私はそう思っていた。でも現実はどうにもそうはならなかった。
25: 名前:ゆいもん☆02/16(水) 18:29:11
私はそんな深刻ではなかったので一カ月ぐらいで退院できた。その翌日私とお母さんは着々と引っ越しの準備をしていた。誰にもばれないように、学校に休み届を出して準備を進める。
「お母さん……有難う。あっちでも頑張ろうね……」
「そうね……」
お母さんはそれ以上何もいわずに家の中へ入っていった。
===================
一回切ります!
26: 名前:ゆいもん☆02/19(土) 08:33:19
その時、秋と誰かがやってきた。
「お、お前何してんだよ……ッ」
「ごめん……うち引っ越すから……つか、秋の隣にいるの誰?」
「ん?」
「だから秋の隣の人だれ?」
マジで誰なの!?顔立ちはいいけどねぇ
「はぁ!?冗談言うなよぉ冬麻だろぉ」
誰……?と、冬麻?
「冬麻って誰?その隣にいる人の名前?」
「お前……マジで分からねぇのかよ」
私わかんないよ。誰なの?
その時、その見知らぬ男の子が、走って行った。
目には、涙があふれていた。
悲しいの?嬉しいの?
君は、誰?
27: 名前:ゆいもん☆02/19(土) 08:56:10
次の朝。
私はとりあえず学校に行った。
学校には、夏未と、春加と、秋と……
後、知らない人が二人。
「あ、梨子!おはよ!」
夏未が、頭を撫でてきた。
「お、おはようございます!」
「よっ」
春加と秋が挨拶してきた。
そして、
「おはよう。梨子ちゃん?」
ロングのストレートな髪に桃のヘアピン。
つぶらな瞳に、プルプルな唇。
どこかで見たことあるような顔立ちだった。その少女は。
胸にネームがかかっていたのでそこを見てみた。
『高木 桃』
という名前だった。
でも、誰かわかんない。
「あの……て、転校生ですか?」
「はぁ?何言ってんの?裏切りバカ娘が……」
「あたし何かしましたか?」
「あんた、あたしが誰かわかる?」
その、桃っていう人は、自分のネームを隠す。
「た、高木?桃さんでしょ?」
「ネーム見た?」
「は、はい……」
私は今何が起きているのかわかんなかった。
あなたは誰ですか?
最終更新:2011年03月07日 17:16